転生したら就活失敗おじさんだった件について   作:上殻 点景

9 / 20
 5人の主任が飲み屋へと集合。
 彼らを集めたおじさんは、サリアに酔い潰されてしまう。
 ライン生命の主任クリステンは酔いつぶれたおじさんを見つけるが......。


おじさんが見た流星

 「それで、いきなり俺を呼び出して、何の要件だ?」

 

 急にクリステンから呼び出しをくらった、午前2時。

 今度は、何の実験体にされるのか、絶望しながら聞くのであった。

 

 「今回、お前に頼むのは、重要案件だ。失敗は許されない」

 「そんなに、難易度が高いのか」

 「ああ、あのサリアですら無理だ」

 

 思わず、唾を飲み込む。

 一体、俺は何をするハメになるのだろうか

 

 「お前には、ミュルジスとサリアを飲み会に誘ってもらう」

 

 いや......今、なんと言った。

 

 「聞こえなかったのか、飲み会にサリアとミュルジスを誘えと言ったんだ」

 

 別に、聞こえなかったわけではない。

 耳を疑っただけだ。

 

 「冗談はよしてくれ、そのためだけに俺を呼んだのか?」

 

 正気かこの女は。

 飲みとか、適当に誘えばいいだけの話だろ。

 

 しかも、相手は見知っている仲。

 どうして、俺に頼む必要がある。

 

 「冗談ではない。適材適所という奴だ」

 「本音はなんなんだ」

 「それは......私の、キャラではないだろ」

 

 そう言うと、手をモジモジしだしたクリステン。

 

 「誘われたことはあっても、自分から誘ったことは無くて、どうするか分からない」

 「本当に、誰だ、お前」 

 

 まだ、ミュルジスが化けていた方が納得できる。

 ドッキリか、ドッキリなのか。

 なら早くそう言ってくれ。

 

 下手な悪夢よりも怖い。

 どうした、何か悪いものでも食った――――――

 

 「―――――頼むッ」

 

 少し上目づかいで見てくるクリステン。

 普通に......破壊力が高いのでやめてほしい。 

 

 「あー、分かった。連中を飲み会に誘えばいいんだな」

 「ああ、できれば私のことは、伏せてくれ」

 「了解した。もちろん給料は出せよ」

 「分かっている。だが、失敗し――――――」

 

 クリステンから放たれる圧倒的威圧感。

 本能が、マズいと叫んでいる。

 

 失敗=死か。回りくどいことしやがって。

 つまり、あの行動は俺を動揺させるため。

 

 俺は、逃げるようにその場を去るのであった。

 

 「―――――ても気にしないでくれ。もう、行ってしまったか」

 

 ◇◆◇

 ライン生命、警備課、執務室にて、

 クリステンから任務を渡された俺こと、就活成功おじさんは、

 

 「ヒャッハーッ、略奪だァ」

 

 世紀末に勤しんでいた。

 

 「全隊員に告ぐ、Jが襲撃。非番の隊員以外は――――――」

 

 おっと、それ以上は言わせんぞ。

 増援を呼ばれても困るからな。

 

 今日こそ、警備課に没収された、俺たちエンジニア課のおもちゃ。

 後ついでに、素材と龍門幣を回収させてもらう。

 

 「悪いが、貴様の分の食事は無いぞ」

 「飯時だったか、すまないな、サリアさんよォ」

 

 悠長に、机で飯を食っているサリアに、

 まずは、蹴りを一発。

 

 「甘いッ」

 

 なっ、箸でつかんで受け流しやがっただと。

 てか、お前、箸使えんのかよ。

 

 「悪いが、昨日見た炎国の映画で学んだ」

 「どんな箸の使い方だ、それは」

 

 だが、ヤツの箸捌きの前に、どんな攻撃も流されてしまう。

 まるで、水を相手してるみたいだ。

 

 一体どこで、こんな技術を――――――

 

 「ふっ、これがオリジムシVSプレデターの力だ」

 「クソ映画じゃねぇか!」

 

 絶対、炎国の監督作品だろ。

 だいたい、評価が星1で、勝手に戦ってろの作品だ。

 

 そうツッコんでしまったのが、俺の慢心か。

 その一瞬は、決定的な隙となる。

 

 「だから、貴様は、阿呆だ」

 「なっッ!」

 

 サリアの箸が、円を描き、吸い込まれる......

 何だ、これは。

 

 「箸の回転力で、竜巻を作り出した。ただ、それだけのこと」

 「意味不明すぎる」

 

 このゴリア、一体どこを目指しているんだ。

 もう、映画、関係ないし。

 

 いや、竜巻の吸引力、つよ――――――

 

 こうして、またもやサリアに負けるおじさんであった。

 

 「ところで、飲みに行かんか」

 「弁明にしては見苦しいが、貴様のおごりなら行ってやる」

 

 ――――――サリアへの誘い、完了

 

 ◇◆◇

 ライン生命、庭園にて

 

 「ミュルジス、頼み――――――」

 「断るわ」

 「判断が、早すぎる」

 

 開始2秒だぞ。

 なぜだ。

 

 「どう考えても、日ごろの行いでしょ」

 

 日々は誠実に生きてるつもりだが。

 まあ、ちょっとぐらいやらかしているが、誤差の範囲だろ。

 

 「まあ、そういうことだから早く帰ってちょうだい」

 「悪いが、ここで退くわけにはいかない」

 

 あの状態のクリステンだぞ。失敗したら、何をされるか分からん。

 正直、思い出しただけでも鳥肌が立つ。

 

 故に、ここは安定の――――――

 

 「――――――ちょっ、何してんの」

 「何とは、誠意の形だが」

 

 ただの土下座である。

 

 (あれ、ミュルジス主任......)

 (もう一人は、ラインの悪魔?)

 (それをあんな姿に)

 (やっぱり、主任も)

 

 「早く止めなさい。変な噂が立つじゃない」

 

 周囲が何かを言っているが、俺は土下座を止めない。

 今回だけは、止めれない理由がある。

 

 「悪いが、それは出来ん。首がかかっているんだ」

 「そんなの、いつものことでしょ」

 「今回は、物理的にだ」

 

 失敗したら、首ごと斬り落とされるかもしれん。

 もしくは、胴体を一撃だな。

 

 「ええぇ、そんな、頼みなのぉ」

 「ああ、そのレベルだ」

 「仕方ないわね。今回だけよ」

 

 流石、原作チョロイン。

 サリアとは、チョロさの格が違う。

 

 ――――――ミュルジスへの誘い、完了

 

 

 「それで、頼みって?」

 「飲みに行かないか」

 「へっ?そんなこと。それなら気軽に......もしかして、このお姉さんに――――――」

 「黙れ、ぺったん娘ッ―――――ちょ、悪かった」

 

 今度から言葉には気を付けたい。

 普通に、死にかけた。

 

 ◇◆◇

 ライン生命、エンジニア課、ラボにて、

 

 「という訳だ。ナスティ主任、飲みに行こう」

 「どういうことだ、クソガキ。忙しいのが、分からないのか」

 

 ナスティ主任の机は、書類にあふれ。

 本人も、疲れた顔をしている。

 

 「仕事で、死にそうだな」

 「どっかのクソガキのせいで、お金が尽きたからな。おかげで、いつもの3倍は働いているよ」

 

 思い出すは、妙なパワードスーツを作るとき。

 酷使される俺。止める研究員。暴走するナスティ主任。

 

 「いや、自業自得だろ」

 「うるさいッ。正論なんか必要じゃない。今いるのは人手さ」

 

 そう言って、仕事を押し付けられる。

 いや、俺は、エネルギー課の人間なんだが。

 

 「ごちゃごちゃ言わず、手を動かしなッ」

 「聞く耳持たずか」

 

 どう考えても、一人では終わらない量だろこれ。

 正直、ナスティ主任レベルの天才でもいないと無理だな。

 

 いや、待てよ―――――

 

 ◇◆◇

 ライン生命、エネルギー課近くの廊下にて、

 

 「という訳で、フェルディナンド君。俺のおごりで、飲みに行こうぜ」

 

 ダッ←フェルディナンドが逃げる。

 ガシッ←俺が捕まえる。

 

 日常的にサリアと追いかけっこをしている俺から、逃げ切れると思うなよ。

 動けなくなったエネルギー課の主任は、降伏の意志を示す。

 

 「何が望みだ」

 「話が早くて助かる」

 

 こうして、手足を縛り、フェルディナンドをエンジニア課に、ドナドナするのであった。

 

 ◇◆◇

 

 「ということで連れてきた、人手だ」

 

 ナスティに、生きのいい贄を差し出す。

 

 「でかしたクソガキ。そこの書類の山をやらせろ」

 「まて、何故、私がエンジニア課の手伝いなぞ――――――」

 

 コイツ、この期に及んでそんなことを。

 仕方ない、コレはかくなる上だが。

 

 「こいつを見ろ、フェルディナンド」

 「なっ、コレは――――――」

 

 ~夏の水着コーデ、女神3人衆inライン生命~

 表紙を飾るは、水着のサリア。

 水着に包まれたその姿は、筋肉質ながらもどこか魅力的であった。

 

 「――――――初期のライン生命が資金調達のため、生まれた逸品じゃないかッ」

 「ああそうだ。若き女主任たちの水着姿が載っている逸品だ」

 

 おそらく、ライン生命の中でもトップの黒歴史。

 ほぼ全ては、サリアによって回収され、焚書されたが。

 一部は、愛好家たちの手によって隠されてきた。

 

 「どうやって、これを.....」

 「ジャスティンJr.に頼んでおいた物だ」

 

 本来は、サリア用の切り札だったが、致し方ない。

 ここは、悪友(フェルディナンド)にこの一品を譲ってあげよう。

 

 「俺のは、サリアに取り上げられてしまってな。だが、本当にいいのか」

 「もちろんだ。友達だろ」

 「流石、俺が見込んだ男だ。ありがとう」

 

 熱い握手を交わし、俺たちの友情はより硬いものとなった。

 

 なお、横にいたナスティ主任によって、サリアへ本の存在が伝わり、いつも通り友情が崩壊することを、俺達は未だに知らない。

 

 ◇◆◇

 

 場所は移りて、いつもの飲み屋。

 

 ミュルジスは早期に酔いつぶれ、ナスティは仕事のため帰り、馬鹿(フェルディナンド)は拳に敗北し、大馬鹿者(ジェッセルトン)は私との飲み勝負に負け気絶した後。

 

 「今日は、外が寒いな」

 「サリア、貴方にも、そんな感覚があるのね」 

 

 当然だろ。

 クリステンまで奴に毒されているのか。

 

 いや、あのクリステンが、か。

 

 「お前は、変わったな」

 「変わってはいない。そう、見えるだけだ。本質は、変わらない」

 

 そういう、クリステンの顔は、僅かに笑っていた。

 友人だからこそ気づくレベルの変化だが。

 

 「そういうところだぞ」

 

 やはり、あの男は、悪影響しかないのでは。

 今すぐ、たたき起こして、一発拳を叩き込むべきか。

 

 「――――――貴方こそ、そういうところよ」

 「ヘっ?」

 

 いや、顔が赤いのも、表情が緩んでいるのも、酒が回っているからだろ。

 何を言っているんだ、クリステンは。

 

 「やはり、恒星は、周囲を巻き込みすぎるわね」

 

 そんな呟きは、風に乗って消えてゆく。

 上を見れば、今日も、テラの空は輝いている。 




 ここまで読んでいただきありがとうございます。作者です。
 今回は、前回話を書くのに疲れたので、今回は頭が空な内容になっています。考えたら負けです。
 さて、私語となのですが、復刻した狂人号をやりました。作者は、前回の狂人号から始めた初心者なので、あの時とは育成の差を見せてやるぜと意気揚々に乗り込み、プレデターに2敗しました。やはり、あの敵はクソでは()皆様は、きちんとラップランドを育てましょう。作者のラップランドは昇進1で止まっています。
 前回も、誤字報告ありがとうございます。内容が長いのに、読んで誤字報告をくださった皆様にこの場を借りて感謝を申し上げます。
 また、感想をくださった皆様方もありがとうございます。なんだかんだ書き続きられるのは皆様の感想のおかげとなっております。
 では、良きガチャライフがありますように。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。