EDF ツキトの都へ出陣す   作:ゲストユーザー

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 タイムマシン(リング)の下りはこじつけましまし
 フィクションをお楽しみ下さい
 モンハン要素はまだ少ない

 初投稿なので優しくしてください…


第一話

 

 プライマー

 

 それはかつて人類と戦争を繰り広げた異星の存在。

 その正体は遥か未来の火星で生まれた生命体であった。

 

 2006年に発見された宇宙船の残骸により、人類はまだ見ぬ異星人との戦争を想定し、世界全土を巻き込んだ人類史上初となる世界の軍隊

 

ーEarthDefenseForceー

 通称“EDF”

 

と呼ばれる組織を発足すると共に兵器開発に乗り出すこととなる。

 

 既存の兵器をベースとしつつも、それらを凌駕するスペックを持った数々の武器。

 歩兵用の銃火器から戦車などの戦闘車両、さらにはフィクションに出てくるような兵器である、レールガンに有人二足歩行ロボットなど、過剰ともとれるほどの兵器の数々を開発、実装していった。

 

 事情を知らぬ一般市民からの反対はあったものの、軍の上層部はやれるだけのことはやったと息巻いていた。

 

 そして2022年、とうとうプライマーによる世界同時攻撃が行われたことにより、宇宙戦争の火蓋が切って落とされることとなる。

 

 プライマーによる攻撃は苛烈さを極め、数多くの前哨基地が陥落寸前へと追い込まれた。

 しかし、ベース228にいたある一人の男の時空を超えた活躍により、敵の兵器の対処方法が判明。

 その後すぐさま世界に情報が拡散され、すんでのところで敵の進行を食い止めることに成功する。

 この男こそ、のちの英雄ストーム1であった。

 

 しかしプライマーの技術力は凄まじく、テレポート機能を備えた無尽蔵に味方を呼ぶアンカーや、核兵器並みの威力でしか貫けない金色の装甲など、過剰とも思われた人類の兵器を上回るオーバーテクノロジーの数々。

 

 中でも特筆して脅威なのはリングと呼ばれる人類の夢を体現したような兵器であるタイムマシンだ。

 プライマーは自身の納得のいく結果になるまでタイムマシンで何度も時を遡り、過去に持ち帰った情報を元に人類側の有利を不利に塗り替えていく。そしてこの過去改変に気付けるのは、リングを起動させた者のみ。

 

 故に人類は自分たちの作戦が筒抜けだとは思わない。

 真綿で首を締められるようにジワジワと追い詰められているのにも気付けない。

 

 “たった二人を除いて”

 

 軍人であり、精鋭チームストーム1のコードネームを持つ男と、先進技術研究所という兵器開発部門の主任を務める男の二人が、偶然にもリングの誤作動を誘発させたためにタイムリープに成功。

 前述した前哨基地の防衛も、彼らが何度も繰り返し、経験した中での最良の結果であった。

 

 プライマーの第一進行を食い止めた人類は、ストーム1とプロフェッサーの持ち帰った情報を元に各地で一転攻勢。プライマーをジワジワと追い詰め、遂にはプライマーの王である“かの者”を引き摺り出すことに成功。

 精鋭ストームチームを筆頭に複数の歩兵部隊で交戦、これを撃破することに成功する。

 

 最終的には人類の総人口の三割を失うという多大な被害を被りつつも、こうして人類としては5年、二人の英雄からすると数十年にも及ぶ長き闘いに終止符が打たれることとなった。

 

 

 

 〜そして現在〜

 

 

 大戦からおよそ三年。

 未だにプライマーの残党が残っているのではないかという不安が残ってはいるものの、実際は平和そのものであったため大戦中よりも寂れつつあるベース228の一室にて錚々たる顔ぶれが集結していた。

 

 「それでプロフェッサー。大戦が終わり軍人も暇になりつつある中、ストームチームに招集をかけるとは一体どうしたというんだ」

 

 皆が集まったのを確認してから初めに口を開いたのはストーム2の隊長を務める大尉である。

 他の者たちも口には出さないが同じことを思っているのは明白である。

 事実、今のEDFは戦災地の復興が主な仕事であり、プライマーという共通の敵がいたからこそ、人類同士での大きないざこざも今の所は起きてはいない。

 だというのに事前に招集理由も伝えられず、かつEDFの精鋭部隊である、ストームチーム全隊の招集となればそれなり以下の理由では招集命令がかかるはずもない、と疑ってかかるのも仕方ないというもの。

 

 「おいおい、まさか俺たち全員クビになっちまうのか!?」

 

 次にダミ声が特徴的なストーム2隊員が声を上げる。

 勿論彼なりのジョークであることは付き合いの長い全員が分かっていることだが、場合が場合なだけに大尉に睨まれてしまう。

 

 「じょ、冗談だからよ…」

 「…プロフェッサー。…そろそろ本題に入ってくれないか」

 

 大尉に睨まれている彼を不憫に思いつつも話が進まないため、ストーム1は強引に会話を続ける。

 

 「助かるよ、相棒。私も話を進めたいと思っていたからな。皆、察しているとは思うが今回君たちに集まってもらったのは戦災地の復興に伴う人材不足が理由ではない」

 

 そういうと彼は一歩下がり、後ろに設置されているドアのドアノブに手を掛ける。

 

 「君たちに行ってもらいたいところがあるんだ」

 それを言い終わると同時にドアノブを引く。

 

 「話の続きは私たちがしよう」

 

 そこには司令部と戦略情報部の少佐が立っていた。

 

 

 

 〜ベース228のとある一角〜

 

 「諸君、まずはこれを見てほしい」

 

 そう言ってシャッターが開いた先には目を疑うような物が鎮座していた。

 

 「リング…」

 

 誰が呟いたのか皆が思っていることを口にした。

 そう、かつて散々自分たちを苦しめた敵の兵器であるタイムマシンとも呼べる物が置いてあるのである。

 すぐさま全員が戦闘態勢に入り腰に手をやるがすぐに全員が苦虫を噛み潰したよう苦悶の表情を浮かべる。

 まさかこんなところでプライマーの兵器を見ることになるとは思ってもおらず、誰一人として武装をしていない。

 だが後悔をしたって敵は待ってはくれない。各々が今できる最善の行動をしようとしたその時

 

 「皆さん、落ち着いて下さい。これは我々の所有するものです。プライマーの尖兵が送られてくることはありません」

 

 少佐が待ったをかける。

 

 「…どういうことだプロフェッサー」

 

 こいつの危険さをよく知っている相棒が動じていないことから、彼も一枚噛んでいるだろうと思い、プロフェッサーに問いただしてみる。

 

 「なに、そのままの意味だよ。これは私達先進技術研究所が技術の粋を結集し作り上げたものだ。とは言ってもヤツら無くして作れなかったがね」

 

 相棒の言葉に少し考える素振りをし、すぐに答えに辿り着く。

 

 「…そうか、プライマーか」

 

 「その通りですストーム1。火星を汚染することでプライマーは歴史上から姿を消しました。ですが彼らが残した爪痕や兵器の数々は消えることはありませんでした。その結果、残された数々の兵器のお陰で私達は戦前では比べるべくもない程に発展を遂げることができました」

 

 プロフェッサーに変わり少佐が会話を続ける。

 

 「確かに元はプライマーの技術です。しかし人類の歴史を振り返れば分かることです。火や電気など危険な物はただ手放すのではなく、安全な運用で自身のものとしてきました。ならばこの技術も活用し、人類の繁栄の足掛かりとすることが出来ると思うのです。なによりいつかまた来る可能性のある異星人への抑止力として…」

 

 そういう彼女の姿は私利私欲に走った者とは違った、覚悟のこもった雰囲気を醸し出していた。

 

 ストーム1は顎に手を当てて考え込む。

 一応、人類を思っての行動であることには間違いないようだ。

 

 だがストーム1にも譲れないものがある。それはリングを使用したことによるタイムパラドックスだ。

 かつてのプライマーはこの事象が原因で人類に戦争を仕掛けざるを得なくなり滅びていった。人類がリングを使用することによって今度は我々が滅びる側へと回るのでは本末転倒だ。

 プロフェッサーに限ってそんな真似は侵さないと信じたいところではあるが、直接聞いておきたいところである。

 

 「なにか勘違いしているようだが、そもそもこれは“あの”リングでもタイムマシンなどでもない。私だってあの地獄を直接経験しているんだ。そんな危険な代物なら協力したりしないさ。これは…そうだな…この世界とは別の世界に繋ぐ、いわば異世界移動装置とでも思ってもらってかまわない」

 

 別の世界に繋ぐということだがどういうことだと思っているとストーム3の副隊長が声を上げる。

 

 「つまりパラレルワールドってやつなのか?」

 

 するとプロフェッサーは首を横に振り説明を続ける。

 

 「パラレルワールドも歴史を遡れば同じ出発点から始まっている。それではタイムパラドックスが起きる可能性が出てきてしまう。そうではなく、我々の生きている世界がどう足掻いてもなり得ない、出発点がそもそも違う、そんな場所に時空ごと移動するものなんだ」

 

 プロフェッサーは例えば…と続け

 

 「魔法が存在している世界があるとする。だが我々の知る人類はどうやったって魔法を使うことはできない。それは繰り返されてきた人体への研究で明らかとなっている。つまりこの二つは相反する全く別に存在している世界というわけだ。そしてここまでかけ離れていればタイムパラドックスも起きないと私は考えたわけだ」

 

 一旦水を含むとそして…と続ける。

 

 「それは人間に限った話ではないと私は考えている。それが動植物であれ歴史の出発点が違えば問題ないのではと。つまりなにが言いたいかというと、技術の発展には資源が必要不可欠であり、限りある今の地球から全て取り尽くしてしまうのを防ぐために異世界へと進出しようというわけらしい」

 

 言い終えたプロフェッサーはチラリと横目で上層部の二人を見つつこちらに視線を向けてくる。

 その視線を受けストーム1は思考に耽る。

 つまり“A”という今の世界と“B”という別種族等の存在する世界が同時に出発点から歴史を紡いだ時に、無数に枝分かれした可能性のある未来の、ただの一つたりとも掠らなければその世界は問題ないということなのだろう。

 哲学的な話ではあるが一応話の内容は見えてくる。だが思考に耽っていたストーム1は突然の声で現実に引き戻される。

 

 「それはつまり自分の星でなければ資源を強奪してもいいというのか?」

 

 ストーム3隊長の鋭い視線が二人を突き刺す。

 どうやら彼は今回の異世界進出を些か快くは思ってないらしい。今の説明だけだと侵攻とも取れるため無理のない話である。他の者たちも難色を示している方が多い。

 だが司令部は毅然とした態度で言葉を返す。

 

 「それは違う。私達は“EDF”、全地球防衛機構軍である。世界が違うとはいえ人が住んでいればそれは守護する対象となりえる。有効的な関係を築くことを心掛け、決して私達がプライマー側になることだけは許してはいけない。その思いは紛れもなく本物だ」

 

 胸を張り、何の迷いもなく宣言する司令部を前に流石のストーム3もこれ以上食い下がることはなかった。他の者もその姿を目にし、自然と下がっていく。

 

 周囲が静かになったのを確認して少佐が本題を持ち出してくる。

 

 「そこでストームチームの皆さんにお願いしたいのはこの移動装置を使い、転移先の偵察をしてきてほしいのです。知的生命体がいないようなら資源回収に取り掛かり、知的生命体が存在するようなら出来るだけ友好関係を築いてほしいのです」

 

 少し考える素振りを見せ、真意をいち早く理解したストーム1は任務に同意する。少し遅れて各ストームチームの面々も納得していく。だが納得のいかないものが一名存在した。

 

 「どういうことだよ大将!偵察だったらスカウトがいるじゃねぇか!俺ぁ細かいことが苦手なんだよ。それに俺ぁ不眠症なんだ!未知の場所に一番乗りなんて…眠れなくなっちまったらどうすんだ!」

 

 ストーム2隊員である。

 そんな自身の部下に見かねて大尉が説明をし始める。

 

 「確かに偵察能力だけでみればスカウトのほうが適任だ。だが未知の場所でどんな脅威に晒されるか予測も付かない状態でスカウトだけを派遣するには装備に些か不安を覚える。かといって通常の隊を派遣するのなら俺達が行くのと変わらない。だったら有事の際に少数でも効果的に動ける俺達が向かう方がいいというわけだ」

 

 まさしく大尉の言う通りである。EDFにはスカウトと呼ばれる偵察専門部隊がいるのだが、彼らは素早く敵地に乗り込み情報を収集するために、レンジャーでありながら最低限の装備と戦闘訓練しか行わない。そのため一般の兵士に比べ数段実力で劣ってしまうのだ。

 かといって護衛部隊をつけてしまうと、彼ら自慢の機動力が損なわれてしまう。そういった理由からスカウトには偵察力で劣るものの、どんな事態にも柔軟に対応できるストームチームに白羽の矢が立ったのである。

 勿論この案も諸刃の剣なのは誰もが理解している。未知の場所に人類の切り札を送り込む。下手をしたら全滅の憂いに合うかもしれない。だがそれを加味しても彼らに、彼に引き付けられる何かがあるのだ。人類の英雄に…

 

 大尉の説明を聞き、彼も何とか納得してくれたところでプロフェッサーが移動装置の電源を入れる。そろそろ出発の時間というわけだ。

 各員装備の支度が終わったところで装置に目をやると、電源が入った装置は淡い光に包まれ自身を通過する者を今か今かと待っている。

 

 「ストームチーム、そちらはお願いします。こちらもいつでも回収できるよう後続の部隊を編成しておきますので」

 「相棒、なにかあればすぐに連絡してくれ。必ず助けにいく。死ぬなよ」

 「諸君らには何度も世話になる。今回もよろしく頼む」

 

 少佐、プロフェッサー、司令部の三人に見送られながら精鋭部隊は装置に足を踏み入れる。

 するとすぐさま目も開けられないような光に包まれる。この感覚に覚えのあるストーム1はすぐに身を委ね、視界が広がるのを待つのであった。

 

 どれくらい経ったのだろう。

 何度経験してもこればかりは慣れそうもない。徐々に視界が開けていく。

 視界不良から開放され、辺りを見回すと石で作られた何かの中にいた。どうやら何かの建造物のようではあるが情報が少なく断定はできない。耳を澄ませば遠くに鳥の甲高い鳴き声と水の流れる音が聞こえてくる。

 

 山にいるのかと仮説を立てていると無線に連絡が入る。声の主はストーム4隊長であった。

 

 「どうなっている…ここはジュラ紀だとでも言うのか…」

 

 声のトーンからかなり動揺しているのがよくわかった。彼女は一体何を見たというのだろうか。

 まずは現状の把握に努めたいストーム1は無線で集合をかける。幸いヘルメットに映し出されたミニマップで位置は把握していたため集まるのにそこまで時間を要さなかった。

 

 ストーム1が建造物からでると帰還したストーム4含め全員が揃っており、簡易的な防衛線も敷かれていた。どうやら自分が一番最後だったようだ。

 

 「やっと起きたようですね」

 「こんな時でもどっしり寝れる大将は流石だぜぇ!」

 「そう言うな。普段は助けられてるんだ。たまにはいいだろう」

 

 ストーム2隊員の面々に出迎えの声をかけてもらいつつ、情報共有を行う。

 因みに当たり前だがこの世界に衛星は上がっていないため、レーダーに映るミニマップは自分の足でマッピングしなければならない。

 そして情報を共有していく中で分かったことがいくつかあった。

 

 まず、今まで寝ていた建造物はピラミッドであること。明らかに人の手で作られているため知的生命体がいるのは間違いないだろう。だが場所が場所であった。

 

 それが二つ目、ここはアマゾンの奥地のような辺境であったこと。我々の知るピラミッドはこんな鬱蒼とした場所に建ってはいない。ここが地球ではないなによりの証拠なのだろう。

 

 だが一番重要なのはここの生態系だ。飛行ユニットを積んだストーム4が偵察して分かったのだが、まるで恐竜のような見た目をしたオレンジ色の生物たちが闊歩していたという。他にも人間並みの大きさの魚や虫、黄色いトカゲのような生き物まで存在していたそうだ。

 

 たが彼女たち曰く人間サイズを超える生物は発見出来なかったというので一先ずは安心だろう。

 希望的観測に過ぎないのは承知しているが、わざわざ好き好んで絶望する必要もあるまい。

 

 まずは行動の方針を決める必要があったため、話し合いが行われる。

 ストーム2からは情報収集の継続案が出され、ストーム4からは拠点の防備に人員を割く必要があると言われる。実際に目にして来た彼女たちの意見を無碍にするわけにもいかず、とりあえずは二チームに分かれ行動することとなった。

 事実、ピラミッド内には光を失ったリングが鎮座しているため、これを守る必要があった。そして不味いことにどうやら故障しているようなのだ。

 というのも先ほどリングが光を失っていたため、本部に通信したところ応答が一切無く砂嵐が聞こえるのみであった。

 プロフェッサーからは事前に通信できるようにしてあると伝えられているため故障で間違いないだろう。

 

 幸い弾薬、食料と多く持ってきているためその点は問題ないが、元の世界に帰る手段を失ったのは大きい。この世界を生き抜くためにも早急に行動を起こすべきである。

 

 「…では行きましょう、ストーム4。…大尉、ストーム3、ここはお任せしました」

 「フッ、亀のように鈍い動きで防衛線を突破されるなよストーム3」

 

 「ああ、任せておけ。そちらの吉報を待っているぞ。あと無線はオープンにしておけよ。何があってもいいようにな」

 「そっちこそウサギのように飛び回って撃ち落とさ「…やめておけ」…!失礼しました隊長」

 「部下が失礼した。背中は任せろ。安心して行って来い」

 

 やはりどの世界でも頼もしい先輩方だ。

 いつもの下りで場が和んだところでストーム1、4は出発を開始する。

 

 この先に何があるかは予想もつかない。だが我々は精鋭ストームチーム。障害が何であろうとこの仲間となら突き進んでいけるだろう。その思いは皆、同じであった。

 

 

 〜これは後にツキトの英雄と呼ばれる者たちの物語である〜




 
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