【完結】殺帝の子   作:ねをんゆう

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39.情報共有

 ロキ・ファミリア本拠地に集められた見慣れた者達。闇派閥との決戦を終えて一息を吐く暇もなく、彼等は次の案件に頭を悩ませる。

 ロキとその幹部陣に、アイズ、アキ、レフィーヤの関係者3人。シャクティは当然として、今日は珍しく1人でここに来たヘルメス。他にも今も色々と動いている者はいれど、取り敢えず今後の方針を練るために必要な人員がここに集められた。なんなら闇派閥と対峙していた時よりも深刻な顔をしている者達も、ここには居る。

 

   

「さて、一先ず共有が必要な最優先事項について皆に説明をお願い出来るかい。アキ」

 

「はい、団長。……ヘスティア・ファミリアや元イシュタル・ファミリアの眷属達も含め、情報収集のため関係者各位に聞き取り調査を行いました。また並行して共有が必要な懸念事項も生じましたので、その辺りについても説明していきたいと思います」

 

「頼む」

 

 

 もうすっかりと情報収集や書類整理が得意になってしまったアキは、慣れたように自分で作った資料を手に前に立つ。こうして資料説明をするのも慣れたものだ。

 ……そんなことに慣れさせた女が今回の元凶であると考えると益々皮肉な話ではあるが、それでも淡々と自分の仕事を熟せるようになれたのは、あの地獄の書類地獄を乗り越えた証なのだろう。

 

 

「まず、女神イシュタルがフレイヤ・ファミリアとの抗争に向けた切札として準備していた、"殺生石"という魔道具があったそうなのですが。砕かれたその破片について、現在行方が分かっていません」

 

「え、マジか」

 

「ふむ、魔道具か……神ヘルメス、その効果を知っているのなら教えて欲しい」

 

「ん?ああ、そうだな……簡単にいえば、ルナールの魂を封じ込めることで、そのルナールの扱う妖術が誰にでも使用可能になるって魔道具だ。砕いて欠片にしても効果を保つことから、欠片を渡すだけで複数人が同じ妖術を使えるようになる」

 

「またケッタイなもんを……」

 

「アキ、その砕けた殺生石にルナールの魂は入っていたのか?」

 

「いえ、リヴェリア様。ヘスティア・ファミリアが妨害に成功しているため、中身には何も入っていない筈だそうです。それに砕かれてしまっているので、別の魂を入れることも不可能なのだとか。現状では単なる石と変わらないと」

 

「……一応、懸念事項には入れておこうか」

 

「俺からもタケミカヅチに確認しておこう。あれについては俺よりアイツの方が知っている。……というか、作成に使用している材料がやば過ぎて、普通に別の魔道具にも転用出来そうだからな。アスフィにも確認してみる」

 

「頼むわ。偶然かもしれんけど、流石に無視出来ん」

 

 

 特に、既にあちら側には神イシュタルが付いていることが確定している。この件と無関係であると考える方が難しいだろう。これは彼女の元眷属達、特にアイシャ・ベルカでもなければ気付けなかったことだ。この情報アドバンテージを得られるのなら、それは大きい。

 

 

「殺生石については分かった。他には?」

 

「はい。これはガネーシャ・ファミリアからの報告ですが……クノッソスの管理者:バルカ・ペルディクスが失踪しました。同時にクノッソス内の約6割の扉が既存の鍵では開錠出来なくなり、現在"万能者(ペルセウス)"が鋭意対応中です」

 

「……つまり、クノッソスがまた手を付けられない状態になったということか」

 

「すまないフィン、これはこちらの不手際だ。早々に契約など無視して強制捕縛すべきだった」

 

「いや、こればかりは仕方がない。元々が扱いに困る人間だった。……クノッソスという彼の箱庭で、本気で逃げられればこちらとしてもどうしようもない」

 

「ヘルメス、開錠は出来そうなんか?」

 

「難しいな。元々は特定の魔力の波長に反応して扉が開く仕組みだったんだが、どうもその波長パターンの設定が切り替わっている。全てのパターンを試そうとすると何年掛かるか分からないし、新しい鍵を手に入れて正解パターンを確認出来るまではお手上げだな」

 

「……また壁を壊すしかないか」

 

「こうなると、ここ一月の作業は全てその関連のものだったかもしれんな。何をされていても、専門外の儂等には分からん」

 

「まあ当然の対応といえばそうなのだろうが……」

 

 

 この件に彼女が一体どれほど絡んでいるのか、それは分からない。断言出来ない。ただ、クノッソスという利用価値の高いものを、彼女が何の手も出していないとは思えない。元よりクノッソス攻略のためにフィンも知らないうちに色々と画策していた人間だ。既にその時には仕込みをしていた可能性も十分に考えられる。実質的に彼女の手に落ちていると考えておいた方がいいだろう。

 

 

「最後に……グラナさんの現在のステイタスについてです。ロキが書き出したものを複製して資料としてお配りしました。一応、極秘でお願いします」

 

 

「「「……」」」

 

 

「ロキ……」

 

 

「……すまんな、せやけど更新しないって選択肢はなかった。半端な形にすればイシュタルにもバレたしな」

 

 

「いや、そこを責めるつもりはないんだが……」

 

 

「……正直に言うと、手が付けられん。何かある何かあるとは思っとったけど、想像を遥かに超えて来よった。意図的に恩恵を抑えるとか誰がすんねん」

 

 

 配られた彼女のステイタスを、皆が険しい顔で凝視する。特にこれまで一言も話していなかったレフィーヤは、それでも少しの冷汗を流しながら書かれた文字を見つめていた。アイズも同様だ。

 

 ……下界の未知にも程がある。

 

 前代未聞のオンパレード。

 

 レアスキルの雨霰。

 

 思い出すのは7年前に都市を襲った2人の先達。

 

 誰もが目を背けたくなるような内容が、そこにはあった。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 グラナ・グレーデLv.5

 力 :i0

 耐久:i0

 器用:i0

 敏捷:i0

 魔力:i0

 発展アビリティ : 拳打、耐異常、治力、精癒

 《魔法》

【ゴルドラ】

 超短文詠唱。拘束魔法。

 《呪詛》

【ケイオスマグア】

 無詠唱。攻撃呪詛。神格特攻。回復阻害。

【シャルトー】

 超長文詠唱。結界呪詛。

 《スキル》

衝動掌握(メア・グラニア)

 能動的行動に対するチャージ実行権。

神憎本能(ディオスレイヤー)

 神威侵犯時に発動。全能力に超高補正。『治力』『精癒』が強化。神威の丈により効果向上。

情景欠落(リアリス・レギオン)

 成長しない。全能力に超超超高補正。

我進正反(レギナ・ライン)

 任意発動。発展アビリティ『剣士』『魔導』『破砕』『剛身』『魔防』『開華』が発現、自身に複数の『状態異常』を付与、体力及び精神力が自動減少。

――――――――――――――――――――――――

 

 

「「…………っ」」

 

 

「なんだ……これは……」

 

「爆発という言葉がこれほど似合う変化もないだろう……」

 

「こうなると、最早Lv.5なんて数字はただの飾りだね」

 

「せやな、実際にはLv.7は確実や」

 

「しかも呪詛が2つ……無詠唱の攻撃呪詛は厄介だな。確実に呪詛対策が必要になる」

 

「今後永久にステイタスが成長しない代わりの、能力値の先取り……これがLv.5時点で発現したのが不味い。特に彼女の潜在能力から考えるに、一体どこまで底上げされているのか想像も付かない。スキル構成を見ても猛者1人で倒せるの、か?」

 

「いや、あいつの性格からして一番不味いのは結界呪詛の方だ。何処に使うか以前に、使うのか使わないのかの選択さえも手札にして来るだろう。こうして事前に存在を知らされている事も材料にされる」

 

「……それと、この神々に対する明確な殺意」

 

「相当嫌なことされたんやろなぁ……」

 

「よくもまあここまでのものを隠して来たな、アイツは……」

 

 

 人間、振り切れると溜めていたものを爆発させるということは往々にしてある。それによってステイタスに変化が起きると言うことも稀にだがある事だ。

 しかし今回の場合、衝動掌握というスキルと本人の心変わりによって、リヴェリアの言った通り爆発的な変化を起こしてしまった。なんならこれで彼女のステイタスは完結したと言っていい。

 

 Lv.2でLv.6の魔導士でさえ手の届かない回復魔法を扱うアミッドや、尋常ならざる魔力量と魔法によってLv.3の時点で第一級の大砲として機能していたレフィーヤ、加えてここ数ヶ月で凄まじい成長速度を見せるベル・クラネル。

 そういった神々の想定さえも上回る下界の未知は多くあり、恐らく彼女もまたその域へと足を踏み入れたのだろう。Lv.7の身でありながら、Lv.9の怪物共を倒す可能性さえ持っていた才鬼達の前例もある。それが再び敵に回る目が出て来たのだから、それは揃って顔を青くもするだろう。

 

 

「くっ、7年前を思い出す……」

 

「なんなら、あのグラナがこのステイタスを持っているという事実が一番キツい……まだオッタルの方がマシだった」

 

「手札の宝庫過ぎるからな……ザルドとアルフィアを混ぜて2で割った上に、頭にフィンの脳をそのまま入れ込んだような奴だ。敵に回すことそのものが悪手と言える」

 

「フィン、後は頼んだぞ」

 

「うーん、僕達3人で互角くらいかな」

 

「もうそれラスボスやんけ……」

 

「えぇ……」

 

 

「……でもグラナさん、ベルと同じチャージのスキルも持ってるんだよね」

 

 

「「「「…………」」」」」

 

 

 アイズのふと放ったそんな言葉に、いよいよLv.6幹部陣3人で相手取る必要が出て来てしまい、笑えなくなる。しかもそれだって彼女が1人の場合の想定に過ぎない。実際にはそんなことはまずあり得ないだろう。

 

 なんならフィンは今日までずっと彼女と敵対しない方法について考えていたが、このステイタスを手に入れた彼女が止まることはもう絶対にない。何処かで妥協して融和を図るというのが一番だが、そもそも彼女の目的さえもわからない始末だ。

 

 ……彼女とベルが共通して持つチャージスキルの恐ろしさは知っている。あれは少し前に18階層に現れた黒色のゴライアスさえ、当時Lv.2のベルが葬れた程の異常性を持つ。そしてLv.3のグラナがLv.6級の怪人レヴィスに致命的なダメージを与えた前例もある。それ一つでさえ、彼女の脅威性を担う柱でもあった筈なのに。

 

 

「……あらゆる行動が強化される上に、シャクティ曰く、今は恐らくチャージの枯渇が存在しない、だったかな?」

 

「"衝動掌握"ってスキル名通り、その根源はグラナの衝動や。溜め込みに溜め込んどる上に、母親の血のせいで衝動が起き易い体質しとるみたいやからな。半分無尽蔵ってことや」

 

「本当に帰って来てくれ……頼むから敵になるな……」

 

「フレイヤ・ファミリアに喧嘩を売るほうが楽な仕事に見えるのが不思議じゃな」

 

「はっはっは、まさかこんなところでイシュタルの言っていた意味が分かるとは……」

 

「ん?イシュタルがなんか言っとったんか?」

 

「……匿って世話をしていた時にアスフィが言われたらしい。彼女からの提案は頼みではなく譲歩だから、取り敢えず言うことを聞いておけば自分達に同調してくれると」

 

「……なんでそういうとこだけ的確やねん、アホの癖に」

 

「ちなみに皆忘れているようだけれど、彼女はLv.4からLv.5への最短記録を出している」

 

「……うーむ、それは割とどうでもいいのが不思議じゃな」

 

「ベル・クラネルという前例もあるからな……」

 

「最近の若い奴等はどうなっとる……」

 

 

 きっとザルドやアルフィアが生きていたら、ウキウキとして育成に取り組みそうな逸材がゴロゴロと出て来ている。なんならグラナ・グレーデはまだ17歳、成長を停止させるスキルがこれでも安く思えるような逸材だ。

 ……いや本当に、最近の若い冒険者は何かおかしい。アイズ達もこの歳にしてフィン達に追い付いてしまったし、未来は明るい筈なのだが、それでも笑っていられない。

 

 

「どちらにせよ、グラナを止めるのならフィンが居なければ話にならない。頭であいつに勝てるのはお前だけだ。悪いが指揮を取りながら相手をしてくれ」

 

「う〜ん。既に彼女に準備期間を与え過ぎている上に、情報差もあり過ぎて、正直ゼウスとヘラの眷属達にボコボコにされた時くらい自信がないけれど……まあそうなるか」

 

「そもそも、今回はフレイヤ・ファミリアに協力を申し出るのか?以前の際は本当に渋々と言った感じだったが」

 

「ううん……」

 

「……まあ、放っといてもグラナが狙いに行くやろ。何をするにせよ、フレイヤ・ファミリアを叩き潰したって成果は影響大きいからなぁ。なんや大きいこと成そうとするんなら、名声目当てにその看板狙いに行くやろ」

 

「当然のようにそこが既定路線になってくるのもどうかしているがな」

 

「オッタルには悪いけれど、フレイヤ・ファミリアがグラナの手勢を可能な限り削ってくれることを祈ろう。あとは彼女の手札も引き出して欲しい、情報差を埋めたい。それと彼女の目的も引き出して妥協点を探したいかな。普通に考えれば彼等を打ち倒した後に彼女は宣言するだろうからね、それまでになるべく可能性を出しておかないと……」

 

「……フィン、なんかグラナに影響されとらん?」

 

「あれだけ長く共に頭を捻っていたんだ、それは影響もされるさ。個人的にはそれが悪いことだとは思っていないよ」

 

「……そうやな」

 

 

 こうして情報を頭だけでなく適当な紙に書き込む癖も彼女から移ったものだ。

 情報を自分の中だけで完結させれば良かったうちには必要としなかったものだが、他者との共有をし、より思考を発展させるために、この手段は思っていたよりも非常に有効的だった。加えてフィンでさえも膨大な情報を取り扱っているうちに非常に細かな内容ではあるが、忘れてしまっていることも多いことに気付いた。

 

 つまりそれは慢心。その細かな情報で道筋を固めていく彼女を見て、やはり頭と自分の中だけで全てを完結させることは危険だとフィンは感じたのだ。これは彼女と関わって得ることのできた知見だ。

 

 最初は殆ど使われていなかった大判の紙も、今や確かな在庫がある。ガレスやリヴェリアへの情報の伝達も、以前よりスムーズに、そして深いものになった。彼女がフィンを見て急速に成長しているように、フィンも彼女から学びを得ている。自分達の関係はそういうもの。

 

 

「……それで、レフィーヤはどうしたい?」

 

 

「……グラナさんは私が止めます」

 

 

 そしてきっと、彼女との関係が一番変わってしまったであろう彼女は、すっかりと変わってしまった雰囲気のままに言葉を言い切る。

 

 

「まだ彼女が何を企んでいるのかは分からないよ?」

 

「でもそれはきっと、私には言えないような事です」

 

「まあ、そうだね」

 

「それに……こうなったのも全部私のせいですから。責任は取りたいですし、責任を取らせたいです」

 

「責任を、取らせたい……?」

 

 

 

「あれだけ好き好き言ってたくせに。側に居るって言ってたのに。今更になって逃げられると思ってるのが許せないです」

 

 

 

「……確かに」

 

 

 散々口説くようなことを言って来たくせに、同性の人からそんなことを言われたことがないと慌てていたのに、当の本人は恋愛感情など分からないとか言い始めて。隣に居るとか守るとか言っていた癖に、確かにレフィーヤは間違いを犯してしまったかもしれないけれど、だからと言ってこんなにも簡単に捨てられてしまえば、いくらなんでも不満はある。

 

 

「私も……レフィーヤを手伝いたい」

 

「アイズもかい?」

 

「うん。レフィーヤ、すごく頑張ってるから……私も力になりたいなって」

 

「アイズさん……」

 

 

「まあただ、君達2人で彼女を止められるかどうかは別の話だけどね」

 

 

「「うっ」」

 

 

 Lv.4のレフィーヤ、Lv.6のアイズ。

 しかしフィンの想定では、十分な連携の練度と対人戦の経験を積んだ幹部陣3人で相手取って、ようやく倒せるというのが戦力想定である。今の彼女が相手がレフィーヤだからと言って手を抜くとは思えないし、今の彼女達でどうにかなる相手ではないことは明らかだ。そもそもフィンが対峙することが前提にもなって来る訳で……

 

 

「……ガレス、悪いけれどアイズとレフィーヤにギリギリまで対人戦闘と連携を叩き込んであげてくれないかな」

 

「む?本当にこ奴等にやらせるのか?」

 

「割と分のある賭けにはなると思うよ。何故なら彼女達の成長した実力や新たなスキルは、グラナの嫌う未知だ」

 

「……!」

 

「それに……彼女は頭が良く、感情があり、相手に対して誠実だ。闇派閥とは違い、言葉が通用する。手は抜いて貰えないかもしれないけれど、心のままに言葉を投げ掛けることに意味はある」

 

「団長……」

 

「特に、彼女が恐らく今も大切に思っているレフィーヤと、同い年のアイズの言葉だ。僕が何かを言うより、よっぽど彼女の心に届くんじゃないかな」

 

 

 何度も言うが、目的は彼女を打ち倒すことではないのだから。口で説得出来るのならそれが一番いいし、多少の被害くらいは飲む覚悟でやっている。

 そして決して取り返しのつかない事態にならないように……フィンもフィンで根回しをしているのだから。それこそグラナのように、仲間どころかロキにさえ何も言わずに進めていることもある。それを察しているからこそ、ロキもグラナに影響されているのではないかと心配していたのだ。それも分かっている。

 

 

「グラナが失踪してから既に3週間、正直いつ何をしてくるのかも分からないが……ロキに接触して来た以上、時間はもう無いと思って欲しい。いつでも出迎えられるように、各自準備を怠らないように」

 

 

 フィンは一先ずそこまで言葉を告げて、会議を打ち切った。まだまだロキはヘルメスと、フィンもシャクティと調整しておくことがあるので完全な解散にはならないが、一先ず共有できるのはこんなところ。

 

 

「アキ、すまなかったね。帰って来たばかりなのに書類整理を頼んで」

 

「いえ、もう慣れちゃいましたので」

 

「……それなら、聞いて来た話について、シャクティとレフィーヤ達にも話してあげてくれ。彼女への理解度が、恐らく全てを決める鍵になる」

 

「はい……」

 

 

 そしてここからが、より重要な議題。

 グラナ・アリスフィアについて知りたいのなら、しなければならないことがあって、アキはここ1週間を使ってそれを成して来たのだ。自分の足で走った方が早いからと、本当になりふり構わず走って行った。

 

 ……ゴルゼに、直接話を聞きに行った。

 

 フィンとギルドからの文を持って。

 

 自分の足で、自分の目で、そして耳で。

 

 彼女は全てを、知ったのだ。

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