【完結】殺帝の子   作:ねをんゆう

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09.怪物祭

「……きな臭いお祭」

 

「へ?」

 

「ああいえ、なんでもありませんわ。ほら、行きましょう?レフィーヤさま」

 

「あ、えっと、そうですね!行きましょう!」

 

 

 怪物祭、そう呼ばれる祭りがオラリオにはある。

 ダンジョンからモンスターを捕獲して来て、それを地上でショーとして調教する。普段モンスターを見ないような、恩恵を持たない住民達が、1年で唯一モンスターを見る日であると言ってもいいだろう。

 

 

 (そんな危険な催しを、あのガネーシャ・ファミリアが主催している……あり得ない。ただ、企画しているのはギルド。つまりギルド側の何らかの思惑に付き合わされている形)

 

 

 純粋に祭を楽しんでいる様子のレフィーヤには決して伝えないが、単純に危険な催しであることに間違いはない。ガネーシャ・ファミリアは責任感を持って業務に当たっているだろうが、どうやったって想定外というものは存在する。そういったものが生じた時、責任を負うのはギルドではなく、付き合わされている彼等だ。

 

 ……そこまでして付き合う理由も当然あるのだろうが、その理由についてサッと考えてみても、まあ大凡良さそうなものは思いつかない。いくらガネーシャ・ファミリアが金に困っていても、そのために民の危険を承諾するような者達でもない。人情のために動く者達が、民の危険が生じるような祭を主催している。その矛盾。

 

 (反吐が出る………っ!」

 

 一度深く息を吐いて、自分の額を小突く。

 仮にも祭に誘ってくれた人間の横で、『反吐が出る』などと思うものではない。気に入らないことはあれど、それは今は余計な思考。考えるべきことは他にある。

 

 

「グ、グラナさん!何処か行きたいところとかありますか……?」

 

「……実はこういった催しの経験が少なく、困ってしまっています。もしよろしければレフィーヤさまのお勧めを教えていただけますか?食べ物の好き嫌いはそれほど無いはずです」

 

「そ、そうなんですね。それじゃあ……」

 

 

 ムムムと困り顔をしながら行き先を考えてくれている彼女の姿は、やはり恐ろしく美しい。汚したくない、穢れて欲しくない、心からそう思う。

 

 

 (思わず寄り道をしてしまうほど……いえ、寄り道どころの話でなくなってしまいそうなくらい……ああ、美しい)

 

 

「グラナさ〜ん!こっちです〜!」

 

「……ええ、直ぐに」

 

 

 笑顔で手を振る彼女について行く。

 考えずに行動をすると言うのは、もう無理なのだ。そういう風に生きて来たのだから、目の前の物から目を背けて今に夢中で楽しむなどということが出来るはずも。ない。

 故に自分に出来るのは、目に入れないという行為だけ。何もかもから目を背けるために、何もかもを目に入れず、ただ美しいものに見惚れていればいい。それだけが自分がこの穢れた世界で出来る、唯一の人間らしく居られる方法。

 

 

 

 

**************************

 

 

 正直なことを言ってしまうと、レフィーヤは勢いでこんなことを引き受けておきながら、それほど怪物祭というお祭りについて知っている訳ではない。

 もちろん、どんなことをしているのかとか、どこでショーが行われているだとか、そういうことくらいは知っている。けれどこの祭を楽しむに必要な知識だとか、お得な情報だとか、そういうのはサッパリだ。

 故に出来ることなんてフラフラと歩いて良さげな屋台を見つけたり、ショーの時間になったら会場へ行こうと誘うくらいしかない。

 

 (あぁ、どうしてそういうことを調べてこなかったんだろう……)

 

 彼女に楽しんで欲しくて誘ったというのに、そういう努力を今日の今日まで一切して来なかったことに後悔する。こういう怠けたところがいけないんだぞ、と自分でも思いながらも、今更後悔したところでもう遅い。

 出来ることをやるだけだ。ここで何もかもを解決できる素晴らしい作戦を思いつける可能性など、ほぼ0%に近いのだから。

 

 

「そ、それでですね!実はこういうお祭りの時には"じゃが丸くん"の新しい味が出るってアイズさんが……!」

 

「ふふ、そうなんですね」

 

「……あ、ご、ごめんなさい!あんまり興味ない話でしたよね!そんな"じゃが丸くん"の味のことなんて!」

 

「いいえ。実はわたくし、一度ロキ様に"じゃが丸くん"を強請ったことがありまして」

 

「そ、そうなんですか?」

 

「ええ、なにせこの街ではそれなりにメジャーな食べ物だと聞きましたから。一度くらい食べておかなければ損でしょう?……そう思ったのですが」

 

「?」

 

「少し独特な味が多いことに驚きました。揚げた甘味というのは見たことがありますが、芋を主要とした揚げ物に甘味を入れるのは……なかなか経験したことのない味でしたわ」

 

「そ、そうですよね!私もたまにアイズさんと食べるんですけど、期間限定で変な味とかも売っていて……!」

 

「よろしければ、レフィーヤさまのおすすめの味をお伺いしても?小豆クリーム味と抹茶クリーム味は食べましたので、それ以外だと嬉しいです」

 

「ま、任せてください!私はですね……!」

 

 

 完全に空回りした気分であったレフィーヤであるが、彼女がそうして話を拾ってくれたおかげでなんとか勢いを取り戻す。彼女はそんなレフィーヤを見ながらニコニコと笑っており、そんな彼女を見てレフィーヤもまた楽しませることが出来ていると自信を取り戻す。

 

 まあ悲しいことにやっているのはアイズと同じレベルのことなのだが。こういう時に冷静に話題が出せたら、それはそれでレフィーヤではないので仕方がない。

 

 

「……」

 

「?どうかひまひたか、グラナさん」

 

「………いえ、少しここから移動しませんか?」

 

「え?それはいいれふけど……んぐ、何か?」

 

「気分転換です。行ってみたいところがありますの、ついて来て頂けますでしょうか?」

 

「も、もちろんです」

 

 

 レフィーヤのススメで"じゃが丸くんバターチーズクリーム味"を頼んだ2人は、グラナからの突然のそんな提案で、今度は場所を変えるために歩き始める。

 正直よく分からないままに、けれど特に疑うこともなく、レフィーヤは彼女に着いて行った。見たいところがあるのなら仕方ないと。むしろ自分が変に紹介するより、よっぽどそっちの方が助かると。そんな不純な動機で。

 

 

「レフィーヤさまは、とても魔法に秀でた方だと聞きました」

 

「え?あ、あはは……その、まだまだ未熟な身ですけど」

 

「なんでも、あのリヴェリアさまの後釜候補だとか。色々と重圧も多いのでは?」

 

「そ、そうなんです……私なんて魔力が多いだけで、いや確かに魔法にも恵まれましたけど、それ以外は全然駄目なのに……リヴェリアさまの後を継ぐだなんて、今は全然考えられないというか……」

 

「それでも懸命に努力をされていると、リヴェリアさまは仰っていましたわ」

 

「結果が、付いてこないんです……」

 

「なるほど」

 

 

 屋台のあった場所からギルドの方へ向けて歩いて行くグラナ。彼女はそうして歩きながらも、レフィーヤの悩み相談に話題を移し始める。そしてレフィーヤも簡単にそれに乗せられて、悩みを打ち明け始めた。

 

 なかなかファミリアの中でもレフィーヤに共感してくれる者も居ないからだろう。なにせレフィーヤはLv.3の眷属としては明らかに異常な魔力を持っていて、突出した逸材であるのだから。正直彼女が『成果が出ない』などと言っていても、他の団員からすれば『何言ってんだこいつ』と思われてしまう。

 

 

「結果が出ない、自身がそう思っている時に本当に不足しているものが何か。レフィーヤさまは分かりますか?」

 

「本当に不足しているもの?……なんでしょう」

 

「目に見える成果、です」

 

「……?」

 

「努力をしていれば、その仕方や資質にもよりますが、大抵の場合は何かしらの成果は出ているものです。しかしそれでも成果が出ないと感じるのは何故か。……それは明確な変化を感じ取れていないからですわ」

 

「明確な変化……」

 

「例えば、毎日岩壁に魔法を打ち込む努力をする。続けて行くうちに岩壁に生じる穴の大きさが変わっているのなら、成長を実感出来るでしょう?」

 

「はい、分かります」

 

「ですが、毎日海面に魔法を打ち込む努力をする場合。続けていても、変わるのは精々が水の跳ね方くらい。それも海など日によって勢いが変わるものですから、その跳ね方が真に自分の努力によるものかは判断出来ない」

 

「確かに……」

 

「同じ魔法を撃つという努力であっても、同じ効果が出る筈の努力であっても、撃ち込む対象によって自身の捉え方は大きく変わります。……端的に言えば。成長を実感するためには、実感するための環境作りが必要なのです」

 

「おお……!」

 

「知識を学ぶのなら、テストという方法が。技術を学ぶなら、実践という方法が。これが分かりやすいでしょう。……恐らく今のレフィーヤさまは取り入れるばかりで、それを外に出すという手順が足りていないのでしょうね。この2つを適度なバランスで行うこともまた、努力を継続していくために必要な活力になるのです」

 

「な、なるほど!」

 

 

 それは十中八九、リヴェリアによる過保護が原因なのだろうなとグラナは想像が付いている。とは言え、あの魔導士がそれでいいと思っているのなら、余計なことを言うのも違う。故にこれ以上のことは言わない。

 しかしレフィーヤにとってはグラナのその言葉はなかなか響くものがあったらしく、『成長を実感するためには、実感するための環境を作る必要がある』というのは目から鱗のような認識であった。無意識にやっていることはあっても、そんなこと考えたこともなかったのだから。それを言葉で理解することは、意味合いとしては大きい。

 

 

「あ、あの……グラナさんは、お強いんですか?」

 

「……どういう基準での話かにもよりますが、劇的に強いということはありませんわ。あくまで常識的な範囲の実力しかありません」

 

「なんか……そういうこと言う人って、すごく強そうです」

 

「あまり期待されてしまうと困ってしまいますわ、わたくしの専門はそちらではありませんので。……やれと言われたらやりますが、そうでなければ、なるべく前に出るのは控えたいですわね」

 

「あ、あはは、すみません」

 

「……さて、そんなことよりも着きましたよ。こちらへどうぞ」

 

「え?こちらって……ギルド?」

 

「ええ、この怪物祭はギルドが主催していると聞きました。であれば今日という日にギルドがどのような動きをしているのか、それを見るのも一興ではありませんか?」

 

「え……一興……?」

 

「わたくしはとても気になります。こういうなんでもないことも、意外と深い所に繋がっていたりするので」

 

「な、なるほど……そういう積み重ねが大切ってことですか!」

 

「ええ、まあなんかそういう感じですわ」

 

 

 もちろん、全部嘘である。適当言ってる。

 それでも現状、恐らくここに居るのが一番丸い。

 

 気付いている。

 ガネーシャ・ファミリアの様子がおかしいのは。

 

 予想出来ている。

 恐らくはモンスターが脱走したのだろうと。

 

 詳細までは分からないが、ここに来る途中でガネーシャ・ファミリアと共に行動している冒険者を見た。彼等がそうして他のファミリアの冒険者にも助けを求めているということは、相応の規模の異常事態が起きているということ。

 

 

 (自分がそれに関与していると思われたくない……というのも、もちろんありますが)

 

 

 それより優先したのは、そんな厄介ごとにレフィーヤが巻き込まれること。彼女の性格を考えれば、そんなことを知った途端に自分も協力すると言いかねない。

 今回の黒幕が誰であるのかは流石に見当も付かないが、先日フィンとああいう話をしたばかり。故に当然ながら警戒はしている、今回の件についてもそうだ。

 

 

 (仮にこの騒ぎに闇派閥が関係無かったとしても、便乗して何かしらすることは出来ますし……そういうことに巻き込まれない安全地帯として、ギルド以上に最適な場所もない。外の件は他の方に任せましょう)

 

 

 適当にギルドの職員とレフィーヤで話していれば、自分の無実は証明出来るし、レフィーヤの身を守ることも出来る。簡単な話だ。まさかギルドを狙って攻撃してくることもないだろうし、流石に逃げ出したモンスターもここまで来るということは……

 

 

 

「っ!?レフィーヤさま!!」

 

 

「へ?ひあっ!?」

 

 

 

 突如生じた床面のヒビ割れ、それを見た瞬間にグラナはレフィーヤを抱えて全力で横に飛ぶ。

 直後、突き破るように現れた巨大な蔦のような生物。ギルド正面の大広場、人通りはそれなりに多い。ギルド職員だってここには居る。

 

 ……だというのに。

 

 

「グラナさん!?これって……!!」

 

「……はぁ、仕方ありませんわね。本当に何事も上手くいかないといいますか」

 

「あ、あの!?」

 

「レフィーヤさまは下がっていてくださいな、わたくしがやります」

 

「し、支援くらいなら私でも……!」

 

「いえ、その間にギルド職員と共に付近の方の避難誘導を。最悪死人が出るくらい強い相手です」

 

「!?」

 

「これは明らかにガネーシャ・ファミリアが持ち込んだものではありませんから。1体だけとも限りませんので、もう少し気を引き締めてくださいな」

 

「わ、わかりました……!!」

 

 

 ここまで脅しておけば、彼女も無茶なことはしないだろう。それに最悪なことに、この辺りにはどうも力になれそうな冒険者が居ない。彼等もまさかギルドにこんな怪物が現れるとは夢にも思っていなかったのだろう。

 ……まあ、それも仕方がない。こんなモンスターは確認された情報の中には居なかった筈であるし、つまりはガネーシャ・ファミリアが関係している筈もない、未知のモンスターなのだから。

 

 

「勇者様、あなたの勘は本当に当たりますのね」

 

 

 邪魔くさい装飾品を放り、無駄にフリフリとした袖を引き千切ると、動きの邪魔になるスカートを引き裂き、スリットを作る。

 音を鳴らしながら首を回し、ほぐすようにして腕を軽く振るい、姫のような仕草を捨てて、どころかそこらのチンピラのように、至極面倒臭そうに、態度悪く、柄悪く、軽く腰を落として敵を睨む。

 

 

『キシャァァァアアアッッ!!!!!』

 

 

「花開いた!?グラナさん!!」

 

 

 

 

「はぁぁ、変なことに頭を使わせないで下さいませ」

 

 

「え……?」

 

 

 ドゴンッ!!と、襲い掛かったモンスターの頭部が大きな音と共に地面にめり込む。

 勢い止まらず衝突……という訳ではない。むしろ勢いが増してしまった、そうなるように直前で蹴りを喰らった。スレ違い様に、その動きを加速させるような形で。

 

 

「頭は良くない、表皮は堅牢、魔石は口内、小さな蔓もある程度は操れる、適性はLv.3……魔法と斬撃が適切?いや、小蔓の奇襲を考えるに並行詠唱は必須」

 

『ガァァアアッッ!!!!』

 

「魔力に反応した……?であれば魔法使いも駄目、しかし釣りには使えますか。面倒が過ぎますわね」

 

『ボゴっ!?』

 

「物理的に不可能な動きをする要素はなく、特殊な動きもなさそう。魔法を纏っている訳でもない、見たままの動きしかしない。筋肉と身体の動きから次の行動の予測は可能……」

 

『グバァッ!?』

 

 

「……すごい」

 

 

 戦闘をしているように見えないのに、しっかりと敵の攻撃をいなしている。基本歩きながら分析をしつつ、攻撃が来た瞬間に動きを加速させて、敵の攻撃を避ける。

 

 ……動きの緩急、一瞬の瞬発力。言ってしまえばそれは、無駄というものが殆どない。

 

 

「攻撃手段は突進が基本、ただ1撃が致命的。歯があり噛力は脅威、肉体性能は相当高い。……斬るか焼き払うか、燃料投げ付けるのが一番早い?突進中に口を開く癖があり、飛び道具で口の中の魔石を狙うことも戦法としてはあり」

 

 

「グ、グラナさん!避難完了しました!!」

 

 

「お疲れ様です。……じゃあもういいですわね」

 

 

「え?」

 

 

 レフィーヤのその言葉に、彼女はスッパリと解析を止める。最早どうでもいいとばかりに、そもそもそれほど興味もなかったかのように。……どころかそれ以前に、苦戦さえもしていなかったとでも言うように。

 

 

「なに……あれ……」

 

 

 握り締め構えた彼女の右手に、紅色のオーラが纏わり付き始める。最初は霧のようだったそれが、何重にも重なり、密度を増し、光を生み出す。生じる黒の光の粒子は紅に色を添えるように飛び回り、少しずつ、少しずつ、その存在感を増して行く。

 

 

『キシャァァァアアアッッ!!!!!』

 

 

「ああ、はいはい。そう何度も見せられれば馬鹿でも分かります」

 

 

「……!」

 

 

 その紅色の光を溜めながら、モンスターの攻撃を踊るようにして掻い潜る。そこには確かにティオナやティオネ達のような驚異的な身体能力はなく、アイズのような高速移動もなく、けれど軽やかに、無駄なく、そして敵の動きさえも利用して自分の動きを作り上げていて。

 

 

「チャージ30秒」

 

 

『!?』

 

 

「平伏しなさいな」

 

 

 それはまるで、紅い落雷。

 

 地下からの突き上げを利用して跳躍した彼女は、そのまま落下と共に拳を叩き付け、凄まじい衝撃と共に紅い火花を撒き散らす。爆散するモンスターの頭部、パラパラとレフィーヤのところまで飛んでくる床面の破片。

 

 ……その威力はそれこそ、レフィーヤの全力のアルクス・レイと遜色ないほどのもの。けれどそれは決して魔法などではなかった。

 

 

「す、ごい……」

 

「ふぅ……さて、レフィーヤさま。我々もギルドの中へ参りましょうか。これ以上に巻き込まれるのは御免ですわ」

 

「え?あ、はい……でも、いいんでしょうか。他にも同じようなモンスターが出て来たりとか」

 

「まあ、するでしょうね。ただレフィーヤ様が魔法を使わない限りは大丈夫でしょう」

 

「魔法……?」

 

「魔力に反応しているようでしたので、出現するにしても魔法を使っている方の居る場所でしょう。ここは人通りが多いですし、呼び出すのにも不向きです」

 

「……そう、ですね」

 

「ええ、ですから……」

 

 

 

 

 

 ーーーーーッッ!!!!!!!

 

 

 

 

 ……そんなフリのような話をしてしまったからだろうか。

 

 直後、背後から響いた凄まじい爆音。

 

 振り向けばそこには、少し遠くの家屋が崩れ落ち、中から先程の蔦のようなモンスターが3体も出てくるという顔の引き攣るような光景。

 

 

「……どうしてこうなるのですか」

 

「グ、グラナさん!急がないと街の人達が!!」

 

「はぁ……分かりましたわ。取り敢えず敵の概ねの情報は掴めましたので、狙撃中心で立ち回りましょう。幸いにも漸く我々以外の冒険者も集まって来たようですし、わざわざ近寄る必要もないでしょう」

 

「わ、分かりました!!」

 

 

 もしこれで本当に背後に現れていたらブチギレていたかもしれないが、そうでもないだけ良かったと思うしかない。兎にも角にもレフィーヤに怪我をさせないように、集まって来た冒険者達を餌にする計画に移ることにした。

 

 ……そもそも、あのモンスターの魔石の色を確認できた時点で、もうグラナにとってアレに関わる価値など無いのだから。無駄な時間も労力も、リスクさえも、可能な限り拒否したいと思うのも当然だった。

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