みんなのアイドル、まこーらになってしまったようだ   作:やめちっち

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前回のあらすじ


まこーら→お外だー!

伏黒→誰やねん、オマエ

虎杖→まこーら可愛くね?

五条→これが噂のまこーら!?



「まこーら、君に決めた!」 『マコォ!!』

 

 おは魔虚羅。

 虎杖受肉事件から一度も呼ばれてない。さっさと調伏してくれや。早く外に出たい!! と思ったら普通に出れてしまった。この前の召還途中に無理やり影から出たおかげで影に適応できたんだと思う。と言っても夜中にこっそりと虎杖の部屋からグラビアのポスターを拝借したくらい。その際、宿儺に見られてしまい、『おい、そこの式神。何をしている? 三枚に卸すぞ?』的な感じで理不尽にブチギレられた(自業自得) 慌ててポスターを胸に抱えて影に逃げ込んだけど、冷静に考えれば今の宿儺ごときじゃ、このスーパーまこーら様には勝てない、と。

 デカイ口叩きやがって! 俺はオマエと違って自由に動けるんだぞ! このハイドロ凡夫めェ!! と影の中で愚痴ってたら(小物)、玉犬と円鹿がペロペロと頬を舐めて慰めてくれた。心がすごぉーくポカポカしたんだ!! ありがとうございまこーら!

 とにかく、俺は影から出たのはほんの数回。だから、無駄に呪力を消費してないし、バレてない。いや、別にバレてもあまり問題ないんだけどね。ただ悪いことしている気がして罪悪感が押し寄せてくるんだ。人の心があるタイプの式神だからね、勿論罪悪感を抱きますよ。

 

 因みにグラビアのポスターを見ても何も思わなかった。俺はちゃんと魔虚羅なんだな、と改めて思った。寝たいとも思わないし、食べたいとも思わない。三大欲求がなくなってしまったみたいだ。ちょっと悲しい。だから、影の中から釘崎のスカートの中を見たいと思わなかった。そう、思わなかったんだ……ッ!!(本当に?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんと今日はあの少年院での任務らしいです。そしてまだ調伏されてないんですよ。なんてこった。まこーら、凄い心配です。この回で主人公の虎杖が殺されちまうんです。そこから伏黒君が落ち込んじゃって……。

 

 虎杖死亡→宿儺と縛り→けいかぁつッ!!→まこーらが寝取られる→冷めちゃった(脳破壊)

 

 まずいですね、これは。この最悪の事態を逃れるために今回やることは虎杖を死なせないのが最適解だろう。そうすると誰かが宿儺に代わって虫君呪霊をがんばれ♡ がんばれ♡ しないといけない。

 では、誰がやるのか? まこーらに決まってんだろ!!(ブチギレ)  せっかく出入りが自由なんだ。ピンチになった時は勝手に暴れちゃおう。『恵をいじめるなァ!!』みたいな里香ちゃんムーブしてみたいと思ってたし。まあ、俺の場合はマコマコ言うことしか出来ないんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やってしまった。完全に油断してた。虎杖の死を防げば大丈夫だと思ってたら、まさかの玉犬が破壊されてしまった。昨日まで仲良く追いかけっこしてたのに……。この失敗は無駄にしない、絶対に。

 

 

 

 

 ってことで、虎杖の手があの虫君呪霊に斬りとばされそうだったから影から腕を伸ばして素早く弾いた。多分、二人には認識できなかったと思う。虫君呪霊ですら間抜けズラ晒してたし。恐ろしく速い手捌き、五条先生と宿儺、メロンパン……あとは九十九、乙骨、じょーご、フィジギフおじさん じゃないと見逃しちゃうね。……結構いるな。

 玉犬が破壊されてなかったら、完全に油断して虎杖の手が吹っ飛んでた。

 

 

 

『虎杖は釘崎を連れて伊知地さんに連絡しろ!』

『伏黒はどうすんだよ!!』

『…魔虚羅を出す』

 

 

 

 ……おや?伏黒君直々にお呼ばれですか? ちょっと召喚するのを渋ってたのは不安だったからだろう。本当のまこーらだったら、即伏黒君は死刑だし。でも今のまこーらはフレンドリーまこーら だからね。

 

 

 

『それってこの前の…』

『ああ。この前のようにいくか分からないが、これしかない。早く行け!!』

『なら約束しろ!! 絶対に死ぬなよ!!』

 

 虎杖はそう伝えて釘崎を探しに行った。原作と違って虎杖が助けに行くから助かるか心配だ。だが、俺の一番は主である伏黒君だぁ!

 

 

 

 

 

――布瑠部由良由良 八握剣異戒神将魔虚羅

 

 

 虫殺しいきまぁす!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「布瑠部由良由良」

 

 

(頼む。あの時の魔虚羅であってくれ!!)

 

 伏黒の影からは強力な呪力が溢れ出る。

 

「八握剣異戒神将魔虚羅……ッ!!」

 

(頼む!!)

 

 伏黒は相沢第三高校でのお茶目な魔虚羅であることを望みながら呼び出す。

 

 そして、影から目から左右に二対なる翼の生え、右腕に剣を備えた筋肉質の人形の式神が姿を現した。その式神――魔虚羅は伏黒の目を見て、一言、『マコ』と言って頷き、伏黒がこの式神を呼ぶにいたった元凶に向き合う。

 

(これは大丈夫なんだよな……?)

 

 呪霊は異質な呪力を感じ取り、すぐさま強大な呪力の塊をとばす。その呪力の塊を魔虚羅は防ぐことなく受け入れる。それにより大きい爆発が起き、煙で魔虚羅の姿が見えなくなる。

 

「なっ!?」

 

 

(アイツは魔虚羅だ。だから、この程度なら大丈夫なはずだ。はずなんだが…)

 

 伏黒は魔虚羅がどのくらい強いのかは詳しく分からないが、過去に調伏した術者がいない、ということから相当強いのは分かる。それに五条も『使い方次第では僕でも危ういかな』と言うくらいだ。だが、不安だった。握手を求めたり、恥ずかしくて頬を赤く染めたりする式神だ。不安で仕方なかった。しかし、その不安は杞憂に過ぎなかった。

 

 呪霊は倒せたと思い、ニヒィと気味の悪い笑顔を浮かべる。

 

 しかし煙の立つところから、ガコン……ッ! と音が鳴った。

 

『マァ、マコォ……』

 

 煙が薄れると、肩をすくめる魔虚羅の姿があった。

 

 魔虚羅は一歩一歩呪霊に近づいていく。対する呪霊は手から光線をとばす。しかし、それを一つ一つ腕で退ける。その退けられた光線は壁、天井へ向かい、瓦礫の山を作る。

 

 そして魔虚羅は退魔の剣で呪霊の右腕を上から下へと斬り落とす。続いて左腕を同じように。それから魔虚羅の左腕が呪霊の腹部にめり込む。それにより吹っ飛ぶ呪霊。

 

(俺たちがあんなに苦戦したのに……)

 

 魔虚羅は倒れている呪霊の側へ行き、顔を覗き込むように見ると甘い声なのか低い声なのかよく分からない声をかける。

 

『マコ♡ マーコ♡』

 

 呪霊が呪力による治癒で腕を生やす。それを見た魔虚羅は拍手しながら、口角を上がて笑う。まるで赤子がオモチャで遊ぶかのように。そして魔虚羅はすぐに腕を斬り落とす。生えては斬り落とすの繰り返し。そして、次は脚も斬り落とす。

 

(おい、何してんだよアイツ……。さっさとトドメを)

 

 魔虚羅はひたすら生えてくる腕、脚を斬り落とす。

 

『マァコ!』

 

(楽しんでんのか? 前も思ったがアイツ自我ありすぎんだろ)

 

 魔虚羅は数十回繰り返した後、飽きたのか高速で縦、横、斜めと高速で細かく斬り刻み、呪霊を祓った。

 

 

「終わったんだよ、な……?」

 

 伏黒はこれから魔虚羅との戦闘があるかもしれないのでボロボロの体に鞭を打ち立ち上がる。

 

 魔虚羅は呪霊が取り込んでいた宿儺の指を手に持ち、伏黒へ渡す。

 

「え、えーと、助かった。で、調伏の儀の続きは……」

 

伏黒は魔虚羅に聞くが、

 

『マコ』

 

 首を横に振って、影の中に戻った。

 

「あ、勝手に……」

 

(まあ、いいか)

 

 伏黒は安心からか力が抜けてその場に倒れ込む。それと同時に慌てた声が聞こえる。

 

「伏黒ー! おい、伏黒ー!!」

 

 何度も伏黒と連呼する虎杖の姿が視界に入った伏黒は口を開く。

 

「虎杖、俺はここだ」

「伏黒! 大丈夫か!?」

「俺は大丈夫だ。それよりも虎杖……」

 

 伏黒は虎杖の顔を見て心配の声をかける。

 

「ああ、所々痛むけど大丈夫!それより伏黒が無事で良かったよ」

「虎杖……」

 

 虎杖は笑顔で言うが、伏黒には無理しているようにしか見えなかった。

 

「心配いらねぇって! 早く行こうぜ!」

 

 伏黒は何と声をかければ分からず、虎杖の微かに震えている肩を視界に入れることしか出来なかった。

 

 

 

 




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