みんなのアイドル、まこーらになってしまったようだ   作:やめちっち

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反転のアウトプットで真人って祓える? 呪霊は呪力の集合体だから正のエネルギーぶつけられたら魂関係なく祓える気がするんだけど、どうですかね?



まこーらの親友

 

 

 うわぁ…… パイナップルだぁ……

 

 ということで今、伏黒君と釘崎の目の前には禪院と東堂がいる。勿論場所はあの自販機のところ。虎杖はナナミンと任務だからここにはいない。改造人間がいるんだってさ。うーん、真人。

 

『なんで東京(こっち)いるんですか、禪院先輩』

『あっ やっぱり? 雰囲気近いわよね』

 

『嫌だなぁ、伏黒君。それじゃあ真希と区別がつかないわ。真依って呼んで』

 

 はーい! 真依ちゃんって呼びます!

 

『コイツらが乙骨と三年の代打…ね』

『アナタたちが心配で学長に着いて来ちゃった。怖いでしょ? 同級生にあんなのが混じってるんだもの』

 

『……何が言いたいんですか?』

 

『いいのよ、言いづらいことってあるわよね。代わりに言ってあげる。

 "器" なんて聞こえてはいいけど、要は半分呪いの化物でしょ? そんな穢らわしい人外が隣で不躾に "呪術師" を名乗って虫酸が走ってるのよね?』

 

 おいおい、二人ともキレちゃったよ。真依ちゃん、どうしてくれんねん!

 

『真依、どうでもいい話を広げるな。俺はただコイツらが乙骨の代わり足りうるのか、それが知りたい。

 

 伏黒…と言ったか。

 

 どんな女が好み(タイプ)だ?』

 

 

 うわぁ、マジで聞いてきたよ(ドン引き) ちなみに俺は退魔の剣が大きい女の子がタイプです(は?)

 

『返答次第ではココで半殺しにして、乙骨…最低でも三年は交流会に引っ張り出す』

 

 そう言いながら上着をビリビリに破く東堂。

 

『ちなみに俺は身長(タッパ)(ケツ)がデカイ女がタイプです』

 

『なんで初対面のアンタと女の趣味話さないといけないんですか』

 

 もっともな意見だけど、目の前にいるパイナップルゴリラには通用しないよ、諦めろ。

 

『そうよ、ムッツリスケベにはハードル高いわよ』

『オマエは黙ってろ。ただでさえ、意味わかんねー状況が余計ややこしくなる』

 

『京都三年、東堂葵。自己紹介終わり、これで友達だな。早く答えろ。男でもいいぞ』

 

 コイツと友達はハードル高いな。エベレスト並みだよ(ガチ)

 

『性癖にはソイツの全てが反映される。女の趣味がつまらん奴はソイツ自身もつまらん。俺はつまらん男が大嫌いだ。

 交流会は血沸き肉踊る俺の魂の独壇場。最後の交流会で退屈なんてさせられたら何しでかすか分からんからな。俺なりの優しさだ。今なら半殺しで済む』

 

 うーん、何言ってんのかさっぱり。まこーら、怖ーい。タスケテー。

 

『答えろ、伏黒。どんな女がタイプだ』

 

『別に好みとかありませんよ。その人に揺るがない人間性があれば、それ以上は何も求めません』

『悪くない答えね。あっ、でもアンタ、虎杖のポスター』

『だから、あれは魔虚羅だって言ってんだろ』

『式神がグラビアに興味持つわけないでしょ』

 

 そーだ! そーだ! 俺のせいにすんな!(犯罪者)

 

『やっぱりだ。退屈だよ、伏黒』

 

 そう言った瞬間、東堂は伏黒君に殴りにかかる。が、伏黒君は両腕で受け止めて口を開く。

 

『急に何してくれてんですか』

 

 ホント、何してくれてんの。

 

『ほう……今のを止めるのか。少々見誤ったみたいだ』

 

 伏黒君はここ最近、まこーらフィットネスや まこーらスパーリングでフィジカルを鍛えている。更に『魔虚羅の横を歩いていても恥をかかない、恥をかかせない漢になりたぁい!!』みたいなこと言って、五条先生に鍛えてくれってお願いした。普段なら絶対に頼まないのに。成長してて まこーら嬉しい! 

 

 俺は呼ばれるまで出るつもりないから頑張ってくれ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 伏黒は急に殴りかかってきた東堂の拳を両腕で受け止めながら考える。

 

(なんだこの馬鹿力は!? 魔虚羅ほどではないが強い!!)

 

「退屈だと思ったが、中々骨があるようだ」

 

 東堂はそう言い、攻撃を止めて伏黒の顔を見る。

 

(東堂…あの東堂か!! 去年の百鬼夜行で一級呪霊五体、特級呪霊一体を一人で祓ったというあの東堂!! それに驚くべきなのは……)

 

「アンタ術式使わないんだってな」

「ん? あぁ、あの噂はガセだ。特級相手には使ったぞ」

 

(一級相手には使ってねーのかよ!! 化物が!!)

 

「安心したよ!!」

 

 伏黒は容赦する必要がないだと考え、掌印を結ぶ。

 

『鵺』+『蛾蟇』

 

――『不知井底』

 

 影から羽の生えたカエルが数匹現れた。

 

(あまり校舎を破壊したくはないが…コイツが大人しくしてくれるはずないな。一旦距離を取って拘束する)

 

 そう、決めて後退しようとするが、その前に東堂が背後を取る。伏黒は即座に振り向き、迫り来る拳をギリギリのところで避ける。

 

(速い……ッ!!)

 

 しかし伏黒は二発目の拳に反応出来ず、吹っ飛ばされてしまう。

 

「かはっ」

 

 伏黒は地面に叩きつけられて頭から血が流れる。

 

(化物め!!)

 

 伏黒を口の中に入った砂をペッと吐き出し、悪態をつく。

 東堂は横たわっている伏黒へ地を蹴り、迫る。それを視界に入れた伏黒は即座に掌印を結ぶ準備を開始。

 

「やはりつまらんッ!!」

 

 東堂は掌印が結び終わる前に打撃を加えようとする。しかし、その拳と腕、そして腰に不知井底の舌が巻き付き、拘束される。それを見た伏黒は――『満象』

 

 伏黒の影から脚と額辺りに紋様がある象が召喚された。

 

「やれ……!」

 

 伏黒の合図に満象は鼻から勢いよく水を噴き出す。その水は不知井底の拘束から解けたばかりの東堂に直撃する。

 十秒の間満象は水を出し続けて終わると、東堂が両腕をクロスさせ抵抗した状態で立っていた。

 それを見た伏黒は力なく呟く。

 

「マジで化物だな……」

 

「伏黒、中々やるな。だがまだ退屈だ……!」

「そこまでグチグチ言うならやってやるよ……!」

 

 伏黒は式神を召喚しようと掌印を結び、東堂は地を蹴ろうとするが、それは第三者の手によって止められる。

 

『動くな』

 

 そう聞こえたと同時に両者の動きが止まる。この声の主は呪術高専二年の狗巻棘。彼の術式『呪言』により、言葉にした通りに相手の動きを強制する。しかし、しっかりと止まったのは両者の動きのみであった。

 

 伏黒の影から顔を覗かせていた式神はほんの一瞬動きを止めただけですぐに動き出し、顕現した。

 

『マコォォォォオオオオ!!!!』

 

 姿を現したのは『十種影法術』の一種――八握剣異戒神将魔虚羅。強大な力を持ち合わせた式神は狗巻の『呪言』では制御することができなかった。そして狗巻は格上相手に術式を使用して喉に負担をかけてしまい盛大に吐血してしまった。

 

「棘、大丈夫か?」

 

 遅れてやってきたパンダが吐血した狗巻の元へすぐに向かい、心配の声をかけた。

 

「すみません、狗巻先輩!」

「じゃげ」

 

 拘束が解かれた伏黒は自身の式神によってダメージを負ったと理解し、謝罪を述べる。狗巻はノドナオールを飲んでこたえる。

 そしてそんな伏黒の横では両膝をついて地面におでこを擦り付ける魔虚羅の姿。

 

『マコォ…』

「ず、ずじご!?」

 

 登場した時の咆哮とは打って変わって消え入りそうな声を漏らす。

 

「なあ、恵。コレ、命令したからやってんの?」

「……勝手にやってます」

 

 伏黒はそう答えてふと、横を見る。するととんでもない光景が目に映り込んできた。

 

『マコ!?』

「ツナマヨ!!」

『マ、マコマコ!!』

「おかか!」

『マコ?』

「しゃけ!」

『マ、マコ!?』

「しゃけ! しゃけ!」

 

「い、狗巻先輩、魔虚羅の言葉理解できるんですか?」

 

 伏黒は仲良く(?)話す二人(?)を見て驚く。

 

「おかか!」

 

 ……できていないようだ。

 

「おい、オマエは伏黒の式神なのか?」

 

 東堂は魔虚羅の側に寄り、声をかける。

 

『マコ』

 

 魔虚羅はコクリと頷き、それを見た東堂は不敵な笑みを浮かべて口を開く。

 

「おい、マコ。オマエはどんな女がタイプだ?」

『マ?』

「早く答えろ」

『マ、マコ』

 

 魔虚羅は怯えた様子で首を高速で横に振りながら後退る。しかし、東堂はそんな様子を気にかけることなく詰め寄る。

 

「おいおい、逃げるなよマコ」

『マコマコ』

「飼い主と同じでつまらんな」

『マコォ?』

「なんだ? 文句があるなら言ってみろ」

『マコッ!!』

「それで?」

『マコ、マコ』

「ほう……」

『マコーマコ!』

「なるほど、一理あるな」

『マコ!』

「それは…そうだな」

 

 身振り手振りで伝える魔虚羅とびしょ濡れのゴリラ。それを見て伏黒は横にいるパンダに声をかける。

 

「…パンダ先輩、どうしましょうか、アレ。助けてください」

「俺、パンダだから人間の言葉分かんない」

「…狗巻先輩」

「おかか」

 

「そうか。オマエの気持ちは、よーく分かった。では改めて聞こう。

 どんな女が好み(タイプ)だ?」

『マコ、マ、マコ!!』

 

 魔虚羅の返答を聞いた瞬間、

 

 

 

 

   〜東堂の脳内に溢れ出した

         存在しない記憶〜

 

 

 

 

 ここは学校の屋上。そこに学ランを見に纏った二人の男がいた。

 

「マコ、明日は休みだよな?」

『マコ』

「そしてここには映画のチケットが二枚ある」

『マコ?』

「悪いな、俺はこれで明日高田ちゃんと観に行く」

『マコ!?』

「いいや、まだだ。放課後誘いに行く」

『マコ!? マコ!』

「だから、俺の勇姿を見届けてほしい」

『マコ〜。マ、マコ!!』

「ありがとな」

 

 

 放課後、東堂は高田と教室に二人っきり。そしてその様子を廊下から見守るマコ。

 

「高田ちゃん、明日俺と映画を観に行こう」

 

 東堂は一枚の映画のチケットを手に頭を下げてお願いした。

 

「うーん、ごめんなさい。私、明日は好きな人と水族館行くの。じゃあ月曜日、学校で」

 

 そんな死刑宣告により、東堂の心にはポッカリと穴が空いてしまい、去っていく高田の背を見ることしかできなかった。

 

 マコはそんな東堂に駆け寄り、手に持っているチケットを取り上げ、思いっきり、背中を叩いた。

 

『マコ!!』

「マコ……」

『マコ、マコ! マコッ!!』

「マコ……」

『マコ!』

「マコ!!」

『マコ!!!』

 

 二人は涙を流しながら抱き合う。

 

「マコォ!!」

『マコォォ!!』

 

「『マコォォォ!!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 東堂の瞳から多量の涙が流れ落ち、頬を伝う。

 

「そうか…そうだったな。オマエは俺の親友(ベストマイフレンド)だ」

 

 東堂はそう言って魔虚羅に抱きつこうとする。が、魔虚羅は急いで影へ避難しようと動き出す。

 

『マコ!?』

 

 しかし、東堂はそれを許してくれない。腕をガッチリと掴み、逃がさない。

 

「よし、京都へ行こう! 今日は俺の部屋でお泊まりだ! 一晩中、語り尽くそうじゃないか!」

『マコォォォォオオオオ!!!!』

 

 魔虚羅の悲痛な叫びが高専の敷地内に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

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