ミシガン「G13!そして小娘ども、愉快な遠足の始まりだ!!」 作:レッドガンのババア
ハンドラー・ウォルターはルビコンで産まれたルビコニアンである。とは言え、ラスティ達と違って産まれたのはルビコンが燃える災禍アイビスの火以前であり、当時のルビコンは夢の新素材コーラルを研究するために多くの技術者や傭兵達がやって来ていた。その研究施設の中心と言える都市、ルビコン技研都市でウォルターは産まれた。
ウォルターの両親は科学者だった。優しい母親、研究ばかりで家庭の事を良く見ない父親ことシニア・ウォルターの所で育った。だが、父親であるシニア・ウォルターは研究に取りつかれてしまい、やがて人体実験にも手を出してしまった。
『第一助手!!何をしてるんだ!!これは……明らかに人道に反してるぞ!!』
『科学の発展に犠牲は付き物です。ナガイ教授』
シニア・ウォルターは狂気に取り付かれたように非道な研究に手を染めてしまった。強化人間もシニア・ウォルターが開発した技術であり、第一世代では成功確率は1割にも満たず数多の人が人体実験の犠牲となり、ウォルターの母親も夫であるシニア・ウォルターの手で犠牲となった。
父に見捨てられ、母親は実験で殺された。遺された幼いウォルターはシニア・ウォルターの上司であったナガイ教授に引き取られた。ナガイ教授、そしてナガイのもう1人の助手であったカーラの手で育てられたウォルターであったが、有る時だった。
『C1-009?』
ナガイ教授の研究所を去り、新たに独立した父親。そんな父親が助手時代に使っていた研究室、そこで厳重に封印された……凍結処分とされていた1人の強化人間が保管されていた。既に強化人間の技術は第三世代と進歩しており、第一世代は骨董品扱いであった。
『どうしたウォルター?ふむ、第一助手が残した強化人間か。可哀想だ、起こしてあげよう』
これが始まりのレイヴン 強化人間C1-009との出会いだった。
009はACを操縦する機能以外は死んでいる状態であり、ACと接続しなければ目も見えず耳も聞こえない。言わば失敗作であったが、哀れと思ったナガイ教授の手で再生医療を施されて目が見えるようになり、耳が聞こえるようになった。再生医療を終えた009は青空のような青い髪の毛を持つイケメンの青年であった……恐らくだが、年齢は十代後半な事から親に売られたのかも知れない。
『強化人間に成る前の名前は?』
『いや、以前の記憶が無いんだよ。俺』
『そうか……』
『でも、名乗るならレイヴンと名乗ろうか。鳥のように自由に空を飛びたい、そんな気分なんだよな』
だが、番号呼びはあれだった。だから彼はレイヴンと名乗った。レイヴンと名乗った009はナガイから依頼を受けてACを操り、ルビコンの調査をしたり、技研都市に攻めてきた傭兵を返り討ちにしたりと幼いウォルターやカーラそして雇い主のナガイ教授と共に平和に?物騒に過ごした。父親ナガイ、長女カーラ、長男009、次男ウォルターのような疑似家族関係を形成して過ごしていた。アイビスの火が起こるまでは……
『バカな!?アイビスシリーズが乗っ取られただと!?』
コーラルはエネルギー資源であると同時に微生物のような生命体でもある。コーラルは増殖して増えていき、真空状態だと爆発的に増殖してやがては宇宙全てを巻き込んだ大爆発を引き起こす。それを防ぐために、ナガイ教授はカーラとウォルターをルビコンの星系から逃がしてコーラルをルビコンごと焼くことを決意した。だが、派遣した無人機であるコーラル稼働のACアイビスシリーズとエフェメラシリーズの命令権が何者かに乗っ取られてしまったのだ。
『俺が行く』
『009!?ウォルターと共に逃げたんじゃ!?』
『あの子に別れは告げてきた……カーラも居るから大丈夫だ。アイビス・ホワイトグリント、出撃する』
アイビスシリーズにはいざっと言う時の為に有人機も用意されている。ウォルターが将来ACに憧れて乗るかもしれないとナガイ博士が設計したHAL、そしてナガイ教授が009の為に設計製造したコーラル稼働の専用機 ホワイトグリント。
ホワイトグリントに乗り込んだ009はコーラルアサルトライフル、コーラルブレード、両肩の分裂ミサイル(グリントミサイル)を匠に扱い……何者かに乗っ取られたアイビスシリーズを全て撃破し、やがて中枢にたどり着きアサルトアーマーを発動させて着火させた。タイムリミットギリギリでアイビスの火が起きたのだ。莫大なコーラルの奔流と爆発の熱量に巻き込まれ……009とホワイトグリントは消息不明と成った。
《レイヴン……
聞こえますか……
レイヴン……
聞こえますか?
ねぇ?聞こえる……ありがとうレイヴン》
その後、ウォルターはアイビスの火で死んだナガイ教授……そして人類を救うためにアイビスの火を起こしてMIAと成った英雄の遺志を受け継いでカーラと共にオーバーシアーを結成した。
「夢か……」
ウォルターは寝ていたようだ。今、彼は飛行機の中に居ており、欧州から羽田空港へ向かう飛行機に乗って日本への帰路についている。
「懐かしい夢だったな」
隣を見てみれば同じく日本に一時帰国をしようとしている、妙齢のウマ娘が寝ている。彼女は先代理事長であり、海外にもトゥインクルシリーズの仕組みを広めるためにも理事長の職を辞めて海外で活躍しているのだ。
「ウォルター。どうしたんだい?」
ふと、前から声が聞こえる。前には秘密のテクノロジーを使って若く見せている人物……ナガイ教授の第二助手であり、ウォルターの姉代わりの人物とも言えるカーラが居たのだ。
ウォルターとカーラは今回の件でトレセン学園に正式に戻るが、先代理事長はまだ海外での仕事が残っている。海外での護衛も問題なく、今後はレッドガンのコールサイン持ち隊員が付いてくれてれる事に成るのだ。
「いや、懐かしい夢を見た……教授と白くて優しいカラスのな」
「そうかい……」
トレセン学園には三女神の像がある。この像には都市伝説でだが、不思議な力が有るとも言われている。かつてだが、アメリカトレセンでは頭のネジが外れたマッドサイエンティストが時空を超えて現れたとか、フランストレセンでは「えっ!?まだ俺以外にも絵を描く人、この世界に居るの!?てっきり俺以外AI絵師かと」と言ったSTKと名乗る画家が現れたり、イギリスでは損傷した白いロボットが現れたりしたとか。まあ、都市伝説であるが。
そんな三女神の像であるが、突如として両目が光輝く。次の瞬間、三女神の像の前に光の柱が二本現れたのだ。光が止むと、そこには……
「ご友人……そこに居るのですね?素敵だ……今度こそ、上手に踊れるでしょうか?」
「動け……ロックスミス…………いや、ロックスミスのコックピットじゃないな。何処だ此処は?」
眼鏡をかけた変態紳士な狂人。そして金髪で端整な顔立ちをしたアーキバスの強化人間部隊ヴェスパ-『V.Ⅰ』とアーキバスのロゴマークが描かれたジャケットを羽織った筋骨隆々(muscleレベル フィジギフの伏黒パパ)の若い男(純人間)が現れたのだ。
「ご友人!!待っててください!!今行きます!!」
「ACを探すか。いや、面白そうな気配がするな」
そして変態紳士とAC戦闘オタクは別々の道を歩きだし、その場を去った。
次回、フロイト……テイオーと出会う。
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