銀翼の凶弾《シルヴァブレイム》
haunt:トリニティ自治区
appearance:腰まで届く銀髪、大きな銀色の翼→純白の翼、長砲身のショットガンを携行する
action:ヘルメット団をはじめとする不良生徒との度重なる交戦、制圧
purpose:不明
affiliation:不明
activity time:夜間のみ
weapon:レバーアクション式散弾銃
record:ac-e02943.
概要
昨年の秋頃から、不良生徒を中心に急激に名が浸透した所属不明の人物。
その正体から目的、活動理由までの多くの事柄が謎に包まれている。
・調査経緯
彼女に関する報告がはじめて挙がったのは、9月中旬のことである。初めは1週間に1度程度の頻度であったが、同年10月にはその頻度も増加、
それから徐々に報告は増え続け、12月中にはほぼ毎日のように報告がされるようになる。この頃になると、噂がトリニティの一般生徒にも広まるようになった。また、本会が彼女を危険因子として対策・調査対象に指定したのも同時期である。
・目的について
はじめの出現報告から現在までの襲撃対象は全て軽犯罪を繰り返していた不良生徒のみであることから、その目的は私的制裁であるとの見解がなされており、現在調査中。
本会もこの線で追跡を行っていた為、表立って罪を犯していなかった生徒を対象とした襲撃が報告されるようになり、本会はその目的が
もしそれらを目的とするならば、過去に本人、あるいは近しい者が何かしらの事件に遭遇・巻き込まれたと仮定し、正体特定の足掛かりとして襲撃対象生徒から余罪の調査及び共通事件の洗い出しがされている。
・外見
容姿に関しては上述の通りに腰まで届く銀髪に純白の翼と、ことトリニティにおいては珍しくない特徴である。換言すれば彼女の種族は天使であることが確定している。
容姿以外の特徴としては装備が最も目立つ。レバーアクション式の散弾銃は一般的ではなくともそれなりに見掛けることが多いが、彼女の使用するものはその改良型であり、生産終了モデルのため流通数も極わずかである。
・武装
現在確認される武装はレバーアクション式散弾銃のみ
WRAcの開発するレバーアクション式のものであるが、一般に購入できるモデルではなく、その改良型を素体としたものと思われる。
現場の戦闘痕からは、使用する弾丸のバリエーションが多いこと、接敵距離によって使い分けていることがわかる。
また、下記内容は私見に過ぎないが、白を中心とするシックな塗装が施された銃が本校ティーパーティーを想起させる。
・目撃情報及び証言
主な証言は襲撃された生徒より、活動時間帯は深夜。
徒党を組んだ不良生徒によると、彼女は直接アジトを襲撃し逃走を図る生徒を優先して狙っていた。常に数的不利であっても怯むことなく苛烈な撃ち合いを展開し、幾ら被弾しようとも堪える様子を見せず、それどころか懐に飛び込むようにして接近戦を仕掛けてきたと言う。
更に、戦闘前に力強いエントリーを行い、此方が銃を抜く頃に1人は確実に仕留められているとか。
その迅速さ故か彼女の銀髪と翼を同視され大きな銀の翼に見えるようで、多くの証言者が彼女の翼がとても大きな銀翼であると言う。
本会もその特徴的な翼を目星に正体を割り出す算段であったものの、
・通り名
遭遇者達の間では外見の特徴から『銀翼』、『銀翼の凶弾』や戦闘時における異様な耐久力の高さから『不死身のSG使い』など、恐怖の対象として彼女を指し示すことが多い。
彼女の目的が咎人の制裁であると噂されるとトリニティ生徒間で『糾弾者』であると、まことしやかに囁かれるようになった。
後にそれらが混同されて現在の『
・戦闘評価
今回は街頭カメラ等に納められた映像記録から分析・評価をした。
はじめに彼女が襲撃を仕掛ける際は必ず死角からの突入→開戦の流れを用いる。集団であればそのまま迎撃に移ることが出来るものの、単独の場合は侵入が困難な室内を選択する他ない。
次に、戦闘では安定した射撃精度と回避行動が観察でき、翼は機動補助及び急所への被弾を抑える役割を果たしている。
また、無駄撃ちを嫌っているのか、至近距離でもない限りは滅多に引き金を引かない。しかしこれはレバーアクションにおけるリロードでの欠点をケアする動きとも言えるだろうか。
更に、本会が彼女を危険視する大きな理由は彼女が保有する神秘である。改良型とは言え威力に限界のあるレバーアクション式で殆どの団員を一撃で戦闘不能にする攻撃性、文字通り弾丸の雨が降り注ぐ戦場で2個小隊規模の集団を単騎で壊滅させる耐久力、これらを所属すら明かさない存在が持っている事、そのものが脅威であり端的に言って排除すべきであると考えられる。そもそも─────────
「はあ…」
放課後のトリニティ総合学園の大聖堂、そのシスターフッドの部室内にて、『銀翼の凶弾』についての報告書を保管室から引っ張り出して再読していた。ただし、妖しい語りが連なりはじめた所から先は読むのを止めたが…。
「…あの子も周囲に影響されがちなだけであって、決して悪い子ではないのですが…」
昨年度に同級生が作成を任された報告書を今一度流し読みする。
普段は大人しい態度で問題ひとつ起こすことないのだが、噂話や悪評を他人より少々信じ込みやすい所があるため、この報告書を作成している際も何かそれらしい噂話に乗せられてしまったのだろう。
「容姿は一般的、種族が天使である点もトリニティ総合学園においては珍しくない…さて、困りましたね」
彼女をはじめて目にした時の直感は気の所為だったのだろうか…。
「この際、襲撃された生徒に1から聞き込みをしてみるのも…」
『銀翼の凶弾』の報告は今年度の春からは全く挙がっていない。彼女が何らかの役目を果たし終えたのか、それとも何者かによって消されてしまったのか…。
「今日はもう駄目ですね…一瞬思考がこれに染まっていました」
もう夜も更けてしまっている。今日は一旦帰宅して明日から本格的に調べればいいだろう。
報告書の端を直しソファから立ち上がる。
実のところ、サクラさんが『銀翼の凶弾』であるかを判別する方法はあるにはある。分かりやすい特徴となるレバーアクション式散弾銃の改良型を使用するのかである。
他人の携行火器をじろじろと見回すのは無作法なのだが、それでも彼女がそうであるのなら……。
………。
次期シスターフッドの先導役を期待される者として、私はどう行動するのが相応しいのだろうか。
『銀翼の凶弾』は数多くの生徒を傷付けてきた。その数は約半年の期間の出来事とは到底信じられない程に多い。ですが…。
もしも彼女が『糾弾者』であったなら、その罪は当人にのみ背負わせるべきではないのかもしれない。
「私はこの件をトリニティ…いえ、ひいてはこの都市全体の罪であるように思っています」
そう口にすると、胸中のわだかまりがまるで霧が払い除けられたように消え去っていた。
「ふふ…次の週末が待ち遠しいですね」
どうか私達の巡り合いがみこころのままにありますように
トリニティならこんな感じの生徒いる…絶対いる。
ついでにサクラコ様も独り言聞かれててモブに奸計を巡らせてるとか勘違いされてて欲しくもある。
前回の続きを書こうとして詰まってから過去を掘り下げる話の一環として、半ば設定集のような感じになってしまっていますがお許し下さい。
続きを書き終えたら投稿致します。