原神 自分を一般人だと思い込んでいる主人公の兄 作:アリエイルでしょ
ネタ被りしてたら本当に申し訳ない。指詰めます。
思いつきなので先のことは全然考えてないし当然書き溜めもない。
え?
ふと気が付いたらとても自然に満ち溢れた場所に立ってた。
なにを言っているのかよくわからないだろうが、俺もよくわからない。
波の音が聞こえるし、軽く辺りを見渡せばここはどうやら綺麗な海岸で少し歩けば森もあるようだ。
俺はしがない社会人だったし、こんなに緑があるところに行くこともない人生を送ってたんだけど…夢?
いや夢にしてはリアルすぎる、匂いとか風が体を撫でる感覚がすごくこう…すごい!本物みたい!
「こわ…えぇ…なにこれ、こわ」
つい言葉が漏れてしまう。
なんか発した声もいつもと違う気がする。怖い。とにかく訳がわからない、そしてわからないことは怖い。
とりあえず今いる海岸からは移動して、誰か親切な人に助けを求めたいところだ。
一先ずの目標を決めて移動を開始するが…どこか見覚えがある光景な気がする。なんかこう、ゲームで見たような…
体感10分くらい移動、いくつかの段差を乗り越えてみた光景はここをゲームの世界であることを確信させるものだった。
「モンドじゃん…原神かここ……」
現実の世界には原神というゲームがあり、俺はそのゲームにそれなりにハマってそれなりに遊んでいた。
まさかその世界に実際に踏み込むことになるとは思っていなかったが…
それからは色々と仕様を確認しながらモンドの街に向かうことにした。
まあ見た目がわかりやすく主人公の空くんであったことや、いつだか課金して手に入れた強力な武器とかも持ってたこと。
あとはメインストーリーである魔神任務クリア報酬の深邃の血やそれに値するアイテムも複数所持していたこともあり、
進捗状況やその他諸々と照らし合わせて自分のアカウントで原神の世界に入ったのだろうと思われる。
しかし仲間とかは居ないっぽいのでキャラのためにした課金が無駄になっていて少し悲しくなった。
モンド城が思ったよりも遠く、歩くのは面倒なのでワープ機能も使いたかったが、
ワープの使い方はよくわからないので渋々歩くことに。
アイテム確認したり、武器を取り出したりするのは感覚的にできるのに…不便だな全く。
「やっと着いた…ゲームだと距離が近く感じるのは狭く描写してるだけかこれ…」
かなり歩いて自由の国モンドに無事到着、そしてまた一つ学び、賢くなったな。
ワープで長距離をサクッと移動できないからとりあえずモンドに来たが…
出来れば璃月港に行って鍾離先生に相談し、現実世界への帰還方法がないかを訪ねたいところっすね。
え、風神?
多分どこかの居酒屋に居るんだろうけど飲んだくれなんか頼れる訳ないから(辛辣)
ゲームと違って外から見ても街が国らしくデカくて広そうだし、ゲームじゃ存在しない居酒屋的な店も多分たくさんあるだろ。つまり見つからなさそう。
それに比べて鍾離は往生堂の客卿なので居場所がわかりきってる。
岩神 IS GOD ちょっとモンド観光したら会いに行こう。
我ながらパーフェクトなプランだなと考えながら鳩と戯れているティミー君を後目に橋を渡りきる。
そしていつも立ってる門番をスルーして街に入ろうとしたが
「君!ちょっといいかい?」
「え、なに急に…」
イベントすか?
街に入るだけでイベント発生とか今は勘弁して欲しいところなんですけど…
「いや…栄誉騎士殿が捜しているという異国の服を着ている金髪の少年に似ていると思ったのだが…」
「え?」
え????????????
俺が主人公なら探してるのは妹の方なのでは?
「いや、栄誉騎士って…」
「彼女の名は確か蛍殿といったか、この名前に聞き覚えは?」
「そりゃ…まあ知ってるけど…」
主人公の片割れだし。
「知っている、と。それに君の服装は栄誉騎士殿が着ていたものに似ている意匠だ、とりあえずもう少し詳しい事情を知る人に会ってもらえないか?」
「…………まあ、そんなに時間とらないならいいけど」
めちゃめちゃ取り調べみたいじゃん…
てかそれじゃあまるで俺は主人公じゃなくて、蛍の方が主人公みたいな感じになるじゃん。そんなの聞いてないじゃん?
そんなこんなで断るに断れないまま連行されることになりました。多分話の流れ的に組合かモンド城に連れていかれる感じなんですかね?
歩くこと数分(多分数分じゃないけど緊張で短く感じた)城に到着。
「ロレンスじゃないか、モンド城まで来るなんて…なにかあったのか?」
「まだ不確定だが、後ろの彼はかの栄誉騎士殿の尋ね人かもしれないと思ってな…ガイア隊長やジン代理団長のような事情を知る人に直接確認をしてもらいたい」
「…あ、ども……」
主人公気分から一転、犯罪者気分になった俺は適当に騎士に頭を下げてやり過ごす。
「確かに栄誉騎士殿と似ている気がするな…わかった。ここからはこちらが引き継ごう」
「助かる、それじゃあここからはアトスに任せよう」
ここまでの移動中に思ったことがある。普通に忘れてたけど横にパイモンがいなかったわ。冷静に考えれば原神の主人公ってパイモンが常に一緒じゃん。
つまり、一人ぼっちの俺は偽物であり、この世界に混入した異物(見た目は主人公の兄貴)ということになる。
テイワットに来る以前の双子の関係性もわからないし、見た目が空くんなだけの中身一般人という自らの状況はこの先どう転んでも面倒なことになりそうなんですけど…大丈夫なんですかねそれは。
「ガイア隊長はどこをほっつき歩いているのか…忙しいところ申し訳ないが、ここはジン代理団長にお願いするとしよう…連れまわすことになってしまい申し訳ない」
「あ、大丈夫っす」
大丈夫ではない、けど大丈夫って言ってしまう……そういう経験、あると思います。
後、ガイアって本当にフラフラしているんだ…というこの状況に対して何の価値もない情報を脳に刻みながら騎士の後ろをついていく。
「ジン代理団長、かの栄誉騎士殿の尋ね人と思わしき人物をお連れしました」
「彼女の…?入室を許可しよう、入ってくれ」
ジン団長に会えるのは嬉しいけど、何をどう説明すればいいんですかね? 実は別人です、っていえばいけるか? いや流石に苦しいか…
「失礼します。ほら君も中へ」
「……失礼しまーす」
「君が…!確かに彼女に似ているな…」
「いやあの…」
「おっとすまない、私はジン。西風騎士団の代理団長を務めている」
「初めまして、空です」
あ、ジン団長だ。可愛いね。なんて言ってる場合ではない、ジン団長に気を取られて普通にデフォルトネームである名前を名乗ってしまった。
デフォルトネーム厨の悪いところが出たな…しかし本当に可愛い。先ほどのやらかしに加え、これから先のことを考えると頭が痛いが、原神のキャラに会えたんで来てよかった気がする。
「単刀直入だが聞かせてほしい、君が栄誉騎士…蛍殿のお兄さんなのか?」
「違います、他人の空似です」
「ふむ、とはいえ君のその服は彼女の着ているものによく似ているように見える。仮に尋ね人本人ではないにしても彼女に一度会ってもらうことは出来ないだろうか?」
嫌だなぁ…会ったら何言われるかわからないし、
偽物だとバレたらどんな目に合うかもわからないじゃん? とりあえず強制じゃないっぽいから時間稼いで逃げよ。
「…会うのは構わないけど実は璃月港に行く用事があって…モンドへは途中休憩で寄っただけなんだ。だからここで待っている訳にはいかないんだけど…」
我ながら上手い手を打った気がする。
多分冒険者組合かなんかに伝言を依頼して主人公様に璃月港に行くらしいって伝えるのだろう。そのあとは先回りされる感じになるだろうけど、そこはもう璃月をスルーしてスメールに向かえば会わずにやり過ごせるだろう。草神のナヒーダは知恵の神でもあるし、帰り方もわかるでしょ(適当)
「ああ、それなら大丈夫だ。今彼女にメールをしたら大急ぎでこちらに向かうと連絡があった。手間は取らせないよ。」
メールって…あれ運営からの連絡とかに使うシステムメールだけじゃないんかい! 誕生日に届いてるメールってハガキみたいな古典的なやつだと思ってたわ。そんな現実のメールと遜色ない性能って思わないじゃん? 多分主人公特権でワープしてきて捕まるパターンですねこれ、詰んだか?
「…………なるほど、じゃあどこか宿を取ってくるのでそちらに来てもらうようにお願いできます?」
「いや、直ぐに到着するとのことだ。どうかこの場所で待っていてほしい」
「……………………な、るほど…」
「…まあ実を言うと彼女から私の目の届くところに到着するまで引き留めておいてほしいと言われていてな、曰くお兄ちゃんはよく逃げる、とのことだ」
ジン団長のお兄ちゃん呼び可愛いね。
じゃなくて、空くんは物事から逃げるような人間じゃないだろ! とはいっても俺がいる時点でもうここは普通の原神の世界じゃないから双子がどんな人物かもわからん。何か逃げたくなる事情があったのかもしれない。今みたいな感じでね。
それからはジン団長と適当に雑談をして暇を潰してた。何回も本当は兄妹じゃないか?今まではどちらに居た?等と聞かれたが、溢れ出る知性から上手い言い訳を考えてぬらりくらりと質問を回避出来たと思う。多分ね。とりあえず疑いの目を向けるジン団長も可愛かった。そんなこんなで過ごしていたら物凄い勢いで扉が開く音がした。
「お兄ちゃん!!!」
んー…これどうしたらいいですかね?
正直続きは誰かに書いてほしい