原神 自分を一般人だと思い込んでいる主人公の兄   作:アリエイルでしょ

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古戦場してた。


お礼参り-璃月編-4

 刻晴と出会い、香菱と胡桃に現状を共有した翌日。グゥオパァーが賊どもの根城に居るとも限らないので、彼女たちには引き続き璃月港での捜索を任せ、俺たち3人に鍾離、そこに刻晴を加えたメンバーで出発することになった。

 

 そして危惧していた通り、刻晴から何故今日中に行かないのかと多少ゴネられもしたが、それを上回るパイモンのお腹すいたというゴネによって事なきを得た。普段パイモンにこれをやられると普通にイラつくけど… 今回のケースだと非常に心強く、お腹すいたぞ の連呼もなんか可愛く見えた。

 

 

「それじゃあ出発… の前に詳しい場所の連携ね。場所は層岩巨淵の北部の方。探樵の谷って言われてる場所よ。他の状況説明はとりあえず移動しながらしましょうか」

 

 

 なんたらの谷って言われても正直ピンとこない。というより層岩巨淵くらいの地名をあやふやで覚えてるだけで具体的な地名なんて多分9割くらい知らない。

 そんなことを思いつつも一行は璃月港を出発した。距離的に今日中には着きそうだが、それでも夜になるくらいだろうか。

 

 

「このまま移動しながら状況を整理するわね」

 

「よろしく」

 

「まず数ね、10人以上は確認しているらしいけれど… それで全員かは不明よ」

 

 

 2日も時間があったのに何故人数もわかってないのかしら… と未だに千岩軍の働きに対して小言をこぼす刻晴。個人的には割と頑張っている方だとは思うけど、彼女は相手に自分と同じレベルの働きを求めているのだろう。

 

 

「10人以上って… 結構居るんだな。層岩巨淵ってそんな簡単に入れるもんだったか?」

 

「あの地は認可された労働者以外にも隠れて勝手に採掘を行う輩が居ると聞く。入場に制限をかけ辛い地表部分では尚更だろう」

 

「入口以外から行くのは険しいけど… まあやろうと思えばなんとかなるよね。外周を全部囲って入場制限するとかは難しいだろうし」

 

「内側の警備とかも少なかったのかしら。他で色々と忙しくて対策が後手になっていたせいね… 反省だわ」

 

「いやいや、宝盗団って本当にどこでも出てくるからオイラは仕方ないと思うぞ…」

 

 

 確かに… あいつらはテイワット各地で存在を確認できるし、多分勝手に生えてくる雑草みたいなものなんだろう。パイモンの言うこともあながち間違いではない。

 国の一大事ってときに火事場泥棒よろしく増殖する宝盗団… 中々にムカつく話だ。

 

 それと忙しくなった理由はおそらく隣に居る神様の引退の一件のせいかな。つまりファデュイのせいでもある。やっぱ碌な奴らじゃないな…

 なんて、わかりやすい陰謀論を考えている中、刻晴から他の情報も共有される。

 

 

「説明を続けるわ。そんな勝手に居座っている人たちだけれど、1か所だけ常に警備が厚いところがあるらしいわ。そこに貴方達が捜しているグゥオパァーが居るかもしれないわ」

 

「だといいけどね」

 

「ていうかそうじゃないと困る… 他に何もわからなかったし」

 

「一先ずはそこまで行くことが目標ね、あとは実際の相手の配置を見てから少し考えましょう」

 

 

 その後は補足で具体的に排除しようと決まったのはつい最近であり、居座っていたのは割と前々からだということも教えてくれた。

 

 宝盗団が住み着いた経緯は、元々層岩巨淵が一時立ち入り禁止となった時期に使用していた軍の仮の駐屯地として使用していた拠点があったが、現在は使われなくなり軍が撤退した際に勝手に集まってきたという感じらしい。設備とかは撤去したとのことだが、その辺りも連中が勝手に持ってきたのだろう。

 

 あと補足の補足で宝盗団の排除に至った経緯も聞けた。今回制圧する場所は治安維持や元駐屯地の場所に建物を建てたいみたいで、そのため連中が邪魔とのこと。色々と聞いた後だけど、そんな国のお偉いさんの仕事の話を俺たちみたいな流れの人間に話していいの? って思わなくもない。

 

 

 道中特に邪魔が入ることなく順調に移動してきた俺たちは夜少し前に到着することができ、まだ少し明るいうちに相手を目視確認することができていた。

 

 

「到着したか。…ふむ、あの一帯が奴らの一番警戒してる地点だな」

 

「うん。パパっと倒しちゃおっか」

 

「そうね! まだ明るいしそれでいいわよね?」

 

「いいけど。 …なぁ蛍、この瞬間だけでもいいから手を離していい?」

 

「駄目」

 

 

 なんで??????

 これから20人くらい居るチンピラどもを倒すって話なんだけど、何故手を離してはいけないのか理解ができない。

 

 

「…まあこんな感じでコイツらあんま役に立たなそうだけどいいのか?」

 

「平気よ、元々1人でも行くつもりだったんだもの。それに鍾離先生も居るしね」

 

「俺にできるのはせいぜい守ることくらいだ。制圧については君のお手並み拝見だな」

 

 

「言っとくけど、危なくなったらお前のせいだからな…」

 

「私たちなら手を繋いでいても余裕だと思うけどね。あとお前って言うのはやめて」

 

「オマエらそのやり取り何回やってんだよ… オイラもう飽きたぞ」

 

 

 こうして俺の役立たずが確定した。

 しかし、そんな無能の2人に対して、特に文句を言わないどころか心配すらしない様子だ。ここまでふざけていても蛍なら大丈夫だろうという、そういった信頼が透けて見えた気がした。

 

 

「多分失敗するでしょうけど、まずは話し合いで解決できないか試すわ」

 

「まあ、一応取り締まりで来てるわけだし妥当か」

 

「行きましょう。完全に暗くなったらもっと危険になるわ」

 

「おう! ボコボコにしてやろうぜ!」

 

 

 

 

 

「なあ、結局奴らと連絡はついたのか? 俺たちもいつまでもこうして居るわけにもいかないだろ」

 

「んなことはわかってんだよ… ただ言い出しっぺの本人が療養中って話でいつ帰ってくるのかわからないんだから仕方ねえだろ!」 

 

「おいおい… いつまでも待つってのは勘弁してほしいんだが… ッッ誰だ!?」

 

 

 

 近づいた辺りで何か話し出したからこっそり聞いていたけど、そこそこ人数いるし動きにくいしですぐにバレた。

 

 

「私は璃月七星、玉衡の刻晴よ。単刀直入に言うけれど… 貴方たちは不当にこの地に居座っているの。無駄な抵抗せず早々にお縄についてくれると仕事が減って嬉しいわ」

 

「この人めっちゃ煽るじゃん…」

 

「そんな話聞くわけねぇだろうが! お前らこそこの人数差だ… ただで済むと思うなよ!」

 

 

 ですよね。

 刻晴のありがたいお話も無意味に終わり、相手は当然怒っている。どうやら戦闘は避けられないらしい。

 

 

「まあ少し待て、その前に聞きたいことがある、お前たちはグゥオパァーという者を誘拐しているか?」

 

「グゥオパァー? 俺らが誘拐したのは…」「バカ! こういうのは答えなくていいんだよ!」

 

「はぁ、なんでこんなのに引っかかるような相手に軍の人たちは…」

 

 

 簡単すぎるひっかけに掛かった奴によって誘拐されてるっぽいことがわかった。こういう時相手がバカだとわかりやすくていいね。あとは適当に叩きのめすだけだ。

 

 

「へへっ やっぱりここに居たみたいだな! 早いところ連れて帰ってやって香菱を安心させてやろうぜ!」

 

「うん。一緒に頑張ろうね」

 

 

 肩を寄せ、頭を傾けてくる蛍。頑張るためにもこの場は手を離して欲しいが… それは当然の如く却下されたので諦める。まあ別にこの程度の相手なら負けるわけもない、か。

 

 

「クソっ! おいお前ら! こんな状況でも手を繋いでるバカップルなんかに後れを取るんじゃねえぞ!」

 

「っ……! ぐっ……… いや俺と蛍はそういうのじゃなくてぇ…!」

 

「ふふふ… 私たちカップルだって、やっぱりそう見えるのかな。こうして面と向かって言われると少し照れるね…」

 

「いや否定してくれない!?」

 

 

 相手の煽りに何故かやや赤面する蛍。今はそういうのをする状況じゃないんだけど… いや、今はというより兄妹だから常にそういう反応は変ではあるが。

 

 

「またイチャついたぞ! ふざけた真似しやがって…! ぶちのめすぞ!」

 

「ああ! リア充は爆発させてやる!」「やっちまうぞ!」「おう!」

 

 

 蛍の反応を勘違いした宝盗団は変にボルテージが上がっていく… むさ苦しい男所帯だとこういう妬みや僻みが生まれるのか…

 

 

「ちょっと! 貴方たち変に相手を刺激しないでくれないかしら?」

 

「ごめん」

 

「俺はしてない! ていうか俺たちは兄妹でカップルですらないんだが!!?」

 

「こんな時にカップルじゃなくて兄妹で手を繋いでる方がおかしいだろうが!!」

 

「ッッッッ!!! いや、そっ… れッッッッ……… い、言い返せないんだけど…!?」

 

 

 言い訳がパッと出ず、頭の中が一瞬真っ白になる。何も言い返せないこの状況に納得がいかない。しかもその正論を叩きつけてくるのが誘拐犯という犯罪者だ。これで怒りを抑えろって言うのが無理な話だ…!

 

 

「少し落ち着け、別に言い返す必要はないだろう。それよりも相手がこれ以上熱くなる前に終わらせるべきだな」

 

「それもそうね… それじゃ始めましょうか!」

 

「いや待て! 俺はまだ納得が!」

 

 

 俺が言い訳を思いつく暇もなく、刻晴は瞬間移動と見紛う速度で飛び出していき、宝盗団の一員を瞬く間に戦闘不能に追いやっていく。こうなってしまえばもう会話するなんてもう無理な話だ。もう諦めて俺も水鉄砲をするしかないか…




投稿ペース落ちすぎててビックリした。長距離走と同じ感じで抗えないね。
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