原神 自分を一般人だと思い込んでいる主人公の兄   作:アリエイルでしょ

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短いですが生存報告も兼ねて投稿。
これは余談であり言い訳ですが、色々なアカウントが乗っ取られたり、乗っ取られかけたので正直投稿どころじゃなかったというのが実情です。


お礼参り-璃月編-8

 

 かの誘拐事件解決から数日… 璃月到着直後の忙しさはどこへやら、俺たちは何事もない平和な日常を送っていた。

 

 その間に不卜廬の面々に挨拶して薬草採取の手伝いをしたり、組合からの依頼をこなして過ごした。当然その間も拘束はあったけど観光気分で歩き回るのは楽しかったし、割と充実した日々だったと思う。

 

 

「それで、結局今日はどうする? 昨日の口ぶりだと雲菫の劇を見に行く感じ?」

 

「んー…それもいいけど、北斗たちに会いに行くのもいいね。船、戻ってきたみたいだし」

 

 

 港の方を指さす蛍の言葉を聞き、目線を港の方へ向けるとそれはもう立派な南十字船隊が視界に入ってきた。言われてみれば昨日まではなかった気がする。普通に気づいてなかった。

 

 

「北斗がなにか美味しい獲物とか獲ってるかもしれないぞ! オイラは北斗に会いに行くに1票だな」

 

 

 いつも通り食い意地が張っている様子を見せるパイモンだが、彼女たちは別に漁に出ている訳じゃないと思うので、美味しいものを獲ってるとは限らないと思う。

 

 とはいえ船は間近で見てみたいし、北斗や万葉にも会ってみたいからそれもありかな… などと思考を走らせていると横に居た鍾離から劇についての説明が始まった。

 

 

「しかし雲菫殿の劇も捨てがたい、確か今日の演目は歩雪といい、彼女の1人芝居で雪中での行脚を題材にし、雪の中で方向を見失い途方に暮れ、嘆く人を演じ―――」

 

「ちょっ… 鍾離先生ストップ! 劇をお勧めしながら内容をネタバレしないでくれ…」

 

「む、本当に素晴らしいのは彼女の演技だ。例え事前に内容を知っていたとしても、演劇の良さは損なわれないと思うが…」

 

「そういう解説は観た後で聞いた方が楽しめるってことじゃない? まあ鍾離がそんなに勧めるなら劇に行くのも面白いかもね」

 

 

 劇について語りだし、いつになく饒舌になる鍾離。このままでは内容すべてを説明しかねないと思い、彼を制止する。 なんだかそう力強く推されると雲菫の演技を見てみたい気もしてきたな…

 

 

「俺は別にどっちでもいいかな。正直両方とも行ってみたいし… ていうかそもそも遅くはなるだろうけど2つとも行けるんじゃないか」

 

「それもそうだな! それに劇を観ながらなにかを食べるのもよさそうだし! そうと決まれば劇場に…」

 

「あの、すみません…」

 

 

 蛍もその方針でいいみたいで、全員の意見もまとまり早速移動と思った矢先に突如として声を掛けられる。

 

 

「み、皆様お久しぶりです…。その… 本日のご予定を立てている最中にお邪魔して申し訳ないのですが、お時間よろしいでしょうか…?」

 

「ん?」

 

 

 恐る恐るといった感じで背後から話しかけてきた声に振り向くと、そこには今後の計画の邪魔をしてしまって気まずいといった面持ちで立っている彼女が居た。

 

 

「ん? おっ甘雨じゃないか、久しぶりだな!」

 

「久しぶり。これ私のお兄ちゃんの空」

 

「これって… あー、どうも空です。兄やってます」

 

「え? えと… は、はぁ…この方が蛍のお兄さんですね… あの…よ、よろしくお願いしますね」

 

 

 そう言う彼女の反応はなんとなく余所余所しい感じがした。これは俺が胡散臭く見えるとかじゃなくて彼女が控えめな性格をしているが故の反応だと信じたい。じゃないと精神的ダメージを受けてしまう。

 

 

「どこかのタイミングで紹介しようと思ってたけど… こうして偶然会えてラッキーだね」

 

「だな! あ、そうだ。この後暇ならオイラたちと一緒に劇を観に行こうぜ!」

 

「えっと… その…し、仕事があるので… お誘いはとても嬉しいのですが、すみません…」

 

「うー… 残念だな。あ、じゃあ明日はどうだ? それも駄目なら明後日でも――」

 

「まあ待てお前たち。彼女は何か用があって訪ねて来たのだろう」

 

 

 まずはそれを聞こうじゃないか、と場を収める鍾離。

 話を進めてくれて助かる、ありがたいな… と思いつつ、そういえば今更だけどこの人なんで当然の如く今も俺たちと一緒に行動しているのだろう、とも思った。

 

 なんか一緒に居るのが当たり前になってて普通に忘れてたけど、思い返せば璃月に到着してからずっと一緒に過ごしていた気がする。この前七七と薬草を取りに行った時も当たり前に着いてきてて、なんか植物のうんちくとか披露してたくらいだし… 一体どこまで着いてくるつもりなんだろ…

 

 

「ありがとうございます…。先日の宝盗団の一件で皆様にご報告とお礼をしたいから群玉閣までお連れして欲しいと、凝光様から仰せつかっておりまして…」

 

「ん? …あぁ、グゥオパァーを誘拐したやつらの話ね。そういえば刻晴がなにかわかったら知らせるって言ってたっけ」

 

 

 数日前の記憶を呼び起こし、俺を侮辱してきた宝盗団のことを思い出す。

 確かあの時彼らの会話を少し盗み聞きした際、なんとなく聞こえたのは誰かに連絡をつけてグゥオパァーを引き渡す、という感じの内容だったはず。その相手について何かしらわかったのだろう。

 

 

「うーん、それならまずはそっちに行こっか。事件の真相も気になるし…」

 

「賛成だ。そして事件解決のお礼に俺の捜索願を剥がしてもらえないかをお願いしてみよう」

 

 

 対応してもらえれば自分がまるで指名手配されているかのような、そんな気分の悪さからはおさらばできそうで一安心だ。なお「折角のお礼なのに勿体ない」だの「その意見は自己中心的だ」などというパイモンの戯言には聞こえないふりをしよう。そもそも大前提として自己中心的なのは蛍だろ…

 

 

「劇に後ろ髪を引かれる思いもあるが… ここは凝光殿の元へ向かうべきだろう。俺としても事の顛末は知っておきたい」

 

「色々とご計画されていたのにすみません… 皆様がよければ早速向かいましょうか。凝光様もそう時間を取らせる気はないと仰っていましたし…」

 

 

 決まったばかりの予定が潰れてしまい、少し残念そうな表情を浮かべる鍾離。何回か観てそうなのにこの反応、劇とか講談とかが本当に好きなんだろうな。気持ちはわからないでもない。良いものは知人に広めたくなるものだしね。

 

 

 

 




一応璃月編の終わりまでと稲妻編の頭辺りまでは話を考えているので、今後ペースを上げられるよう努めたいと思います。
私からは以上です。
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