TS被検体少女による模範的曇らせ   作:鰻重特上

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被検体027番/ニーナ

 

 

 はじめまして!わたしの名前はニーナ!被検体027番のニーナだよ!

 

 ここは明らかに非合法な人体実験が行われる異能の研究機関!わたしはここで薬漬けにされたり、電極をぶっ刺されて無理やり異能を使わされたり、何が入っているかわからない飯を食わされる生活を送っているんだ!

 

 

 という自己紹介と現状説明はこの程度にしてさっさと本題に入ろうと思う。

 

 皆さんは曇らせという性癖、物語のジャンルをご存知だろうか?

 

 ……とりあえず知ってる前提で話を進めるね。

 

 俺は曇らせが大好きだ、そんな曇らせの中でも大切な人が傷つき苦しむ様に周りが曇るというジャンルを特に愛している。

 もっと正確に言えば自分が傷ついて苦しむのを見て曇る様を見るのが大好きなのだ。

 

 俺がこのような難儀な性癖をどのようにして患ったか、それは前世まで話を遡ることになる。

 

 俺は生粋の引きこもりだった、どのくらいかといえば産まれてから死ぬまで一度も病院の外に出たことがないレベルだ。

 

 

 先天性の神経病、医者には20歳まで生きられないとされた。常に鈍痛をともない、まともに歩くこともままならず、地に足を着けたのも数える程といえば俺がプロの引きこもりであることを理解してくれるだろう。

 

 親はそんな俺に見切りをつけたのか、物心がついた頃にはある程度の自由に使える金を振り込むだけで会いに来ることはなくなり、話し相手といえば担当の看護師さんくらいという生活を送っていた……。

 

 あれは12歳くらいの時のことだった、その時期に特に仲良くしていた優しくてかわいい看護婦さんがいたんだが、その子が俺への投薬量を少しミスりましてね、それは死ぬ程ではなかったけどかなり重い副作用に数日苦しむことになって……。

 

 その時に見た後悔と罪悪感で歪み、涙を流しながら「ごめんなさい」と繰り返す彼女の顔を見てですね、なんていうか……その、下品なんですが、フフ……勃起……はしなかったけれど、興奮してしまったのだ。

 

 そう、生まれてはじめて心の底から興奮して、そして感動してしまった。

 

 自分なんかのためにこんなにも苦しんで、悲しんで、涙を流してくれることに。

 

 その時はその感情がどのようなものか理解できていなかったが、様々な小説や漫画を読んだり、アニメを視てそれが曇らせという性癖だと知ってから沼の底に沈むまでそう時間はかからなかった。

 

 そして多くの人を病気を利用して曇らせながら生きること15年、俺は眠るように息を引き取ったはず、だったのだが……。

 

 

 気がついたらトイレとベッド以外は窓もない真っ白な部屋に、4歳か5歳くらいの白髪赤目の美幼女の姿で転生していたというわけである。

 

 そして、今は転生してからちょうど一週間、ここの生活にもなれてきて、ある計画を実行し始めようというところだ。

 

 ……いや、この一週間は本当に大変だった。

 

 

─────

 

 

【1日目】

 

「え、何ここ?……手ぇちっさ!髪しっろ!ていうか幼女になっとる!?」

 

 

「来い027番、実験の時間だ」

 

 

「あ、はい」(コミュ障特有の生返事)

 

 

─────

 

 

「あの、こんなにギチギチに拘束しなくても逃げないので話を……」

 

(ここなに、手術室に似てるけど……ていうか会話してくれん)

 

 

「投薬開始」

 

 

「え?ちょっ!待っ!?」

 

 

【2日目】

 

「あの薬ちょっと副作用きついな……5時間しか寝れなかったぞ」

 

 

「027番、時間だ」

 

 

「はい……」

 

(とりあえず幼女の演技をしながら現状把握に努めるか)

 

 

─────

 

 

「拘束完了、電極挿入します」

 

 

「ギッあ゛!」

 

(痛っい!首になんか刺された?!)

 

「信号出力開始」

 

ジジジジジジジジジジジジジジッ

 

「はっぁ!ぐぅぅうぅぅっ!!」

 

 

「異能の強制行使を行わせます」

 

 

【3日目】

 

「んぅ、もう朝か昨日はびっくりしたなぁ」

 

(まさか異能、超能力ありの世界観とは思わなかった)

 

「027番、さっさとこい」

 

 

「ひっ!ぃゃ……いや!」

 

 

─────

 

 

「猿轡を噛ませろ、自傷されては困る」

 

 

「んぐぃ!ぅぅ……」

 

 

「投薬開始」

 

 

【4日目】

 

「大体わかってきた、とりあえずマッドなサイエンティストは多分あの口調の強い男だけだ」

 

(他の研究員?の人たちは恐らく普通に近い感性をしている、俺が苦しむのを見て顔を歪めたり、目を伏せたりする人がいたし……)

 

「027番、時間だ来い」

 

 

「……」

 

 

─────

 

 

「投薬開始」

 

 

「……ひっ、ぃゃ」(演技)

 

 

【5日目】

 

「よし、この薬の副作用にも慣れたな」

 

(しかし、この幼女の体かなり快適だな、病気じゃない身体ってこんなにも楽なのか……)

 

「027番」

 

 

「はい」

 

 

─────

 

 

「拘束完了、電極挿入します……」

 

 

「猿轡もだ」

 

 

「……しかし「やれ」……はい」

 

 

「っづぅ!」

 

(今日は異能実験か、自分の能力も把握しないといけないと思ってた所だ、ちょうどいい)

 

「信号出力開始、異能の強制行使を開始」

 

ジジジジジジジジジジジジジジジジジジッ

 

「づっ!えぅゔぅぅぅ!!」

 

 

【6日目】

 

「なるほどアレが異能か、自力で使えるようになるには時間がいるな」

 

(懸念があるとすればこの首のチョーカーだな、俺の異能は使い方次第ではここを脱出できる可能性がある、なのに普段の拘束がこれだけなのは、異能の行使を止められるだけの機能がこれにあるからの可能性が高い)

 

「まぁ、今考えても無駄か……」

 

 

「027番」

 

 

「……」(返事のパターンなくなってきたな)

 

 

─────

 

 

「投薬開始」

 

 

─────

 

 

「027番、明日は休みだ」

 

 

【7日目】

 

「オッケー、おおよそ理解した、現状把握はこれで終わりだ」

 

 まずこの施設からは逃げられない、移動の自由がないし不確定要素が多すぎる。

 

「実験自体は問題ない」

 

 はっきり言って前世の病状と投薬の副作用のほうが数倍は苦痛だった、この程度なら15年は続いても余裕だ……。まぁ、実験がより過酷になるなら別だが。

 

「だから今はこの状況を利用して楽しもう」

 

 せっかくの二度目の人生だ、欲望のままに生きても誰も文句なんて言わないだろ。

 

 この愛らしく儚げな幼女の身体とこの状況はまさに理想的な曇らせ要素だ、最大限活用すればそれはもう素晴らしい曇らせを実行できるはずだ。

 

「被検体027番。そうだな、名前はニーナだ!明日から俺は記憶喪失の少女になる!」

 

 

 純真無垢で天真爛漫!いつも笑顔で誰にでも優しく、自分は無価値だと無意識に考える少女。

 

 実験によって短期間で与えられた過度なストレスによる解離性同一性障。

 

 昨日までの記憶を持たない交代人格だ。

 

 

─────

 

 

【8日目】

 

「027番、来い」

 

 

「だれ?どこにいくの?」

 

 

 





【主人公/被検体027番/ニーナ】
 親の顔も知らず愛も知らないまま育った。そんな時に自身に向けられた同情や憐憫、罪悪感を愛と錯覚して性癖が歪んだ人。性癖と言ってはいるが曇らせはあくまで愛情の代償行為に過ぎない。
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