デュエル・マスターズ 【=%ゴールデン%=】 作:ルピコ
「お前にこれをくれてやろう」
あのデュエルの後、俺と先生は職員室の前にいた。
何か取るものがあるとのことで、取り敢えずついてきたのだが。
入る前にカードを一枚渡された。
「『ボルメテウス・サファイア・ドラゴン』!?」
しかも教授のものとは明らかに違う。
素人だが明らかに
「急に勝負を仕掛けた詫びだ。本来ならそれを主戦力としておくのだが……まぁ、今回は出なかったからな」
「でも先生のデッキが……」
「ああ、気にするな。これは私のメインのデッキではないからな」
とのことで。
デッキに入れる予定は今のところないが、有り難く受け取っておくことにした。
コストは⑩と重めだが、スピードアタッカーでトリプルブレイカー。
その上、破壊したシールドを全て墓地に送る……シールドトリガーを発動させることなく。
相手の手段を増やさせない、強力なドラゴンの一体だ。
「少し待っていろ。取るものがある」
「了解です」
先生が職員室に入ってのを見て、俺は貰ったカードの方に視線を移す。
しばらくて見ていたが、飽きてデッキケースの空いている場所に入れた。
「……しかし暇だな。待ってる間は」
あくびを一つしたところで、視界の端に人影が一つ映る。
視線を移してその人影へ。
……昨日、公園で見た灰色の……。
確か名前は、キロ、だったか。
「やぁ。来たんだね、学校に」
「よぉ、ここの学生だったんだな」
「まぁ、ね。一応学生だよ」
「一応……?」
物言いは気になったものの、それは一旦置いとくことに。
取り敢えず自己紹介をすることにした。
「間削だ。間削 勝矢。よろしくな」
「カツヤくんか。僕は
適当に握手を交わす。
「それで。こんなところにどうしたんだ? 時間的に、今は授業中じゃ?」
「僕のクラスは些か例外だからね。自由行動が許されているんだ」
クラスは……ってことは、さっき観客席にいた生徒達は、キロのクラスメイト達だったのだろうか。
人数も少なかったし、自由行動が許されている、となるとそうとしか考えられないが。
「なるほど? でも、こんなところに来る理由はないだろ?」
「あるさ。君に会いに来るという理由がね」
「俺に?」
「ああ……昨日言った通りだ。君とデュエルがしたい」
「……なるほど」
俺の手が自然とデッキケースの、中のカードへと手が伸びる。
向こうもデッキからカードを取り出した……ところで。
突然、職員室のドアが開かれる。
「こんなところで何をしている。キロ」
「先生……」
「……全く。やりたいのはわかるが、唯一無二デッキ同士のデュエル、こんなところでやればどうなるか。結果は見なくともわかる。それにその光……」
ふとデッキを見れば、俺たちのデッキは強い光を放っていた。
それも昨日の比ではないほどの強い光だ。
「そこまでの力が出ているんだ。ただのエネルギーの放出では済まされないだろう。それこそクリーチャーが……」
「……?」
「……なるほど。確かにそうですね」
「放課後、会場を開けておいてやる。そこを使え」
「ありがとうございます……そういうことだから。待ってるよ、放課後」
「お、おう……」
そう言ってキロはその場を離れていった。
それとともに薄れるカードの光。
どうやら放課後、またデュエルをすることになるらしい。
しかも相手は話に聞く限り唯一無二デッキを持つ奴だ。
どんな勝負になるか、全く予想ができない。
「……取り敢えず教室に行くぞ」
「そう言えば、何を取りに……?」
「いや何……カードの方をな」
「カード?」
「これだ」
『
見たことのないクリーチャーだが、先生が持っているということは普通のカードなんだろう。
どうやらこのクリーチャーが場にいることで、本来デッキを引き切ると、負けになるところを勝ちにする。
エクストラウィンのカードらしい。
「それを取りに?」
「ああ、それだけだ。必要な生徒がいたんでな」
「なるほど?」
デュエマの学校だもんな。
ありとあらゆる物事がデュエルで決まるってぐらいに。
「お前も何かあれば言え、カードの一枚や二枚ぐらいならば、すぐ用意できる」
「いいんですか?」
「多少、ポイントと引き換えにはなるがな」
それはそうか。
ただまぁ、どんなカードが欲しいか相談すれば、ある程度は出してくれそうだな。
欲しい効果があったりした時は相談してみるか。
そんな会話をしながら歩いていると、先生は足を止める。
俺も足を止めると、そこにな扉が……上には2-Cと書かれていた。
「ここがお前クラスだ」
「2-C……」
「まぁ、変な奴はそういないから、上手くやれるだろう。お前の実力次第だが」
「え? 実力……?」
「行くぞ」
「あ、ああ。はい!」
俺は覚悟を決め、扉を開ける先生の後について行くのだった。