デュエル・マスターズ 【=%ゴールデン%=】 作:ルピコ
「なんだお前」
「そのデッキを俺に寄越せ、と言ってるんだ」
「なんでやらなきゃいけねぇんだよ」
俺たちの言い合いになんだなんだと野次馬が集まる。
あまり注目を受けたくないんだが……とっととここを逃げ出そう。
そう考えた時、奴は懐からカードの束を取り出す。
「勝負だ」
「は?」
「勝ったらデッキを寄越せ」
勝負を受ける義理もないが、俺はこの世界のルールをよく知らない。
教授の方に視線を向ける。
「なぁ、これ受けないとダメな奴?」
「別に受けんでもいいぞ。勝負の基本は相互了解がルールだからのう。物の賭けも対等と思うもの。じゃからどちらかが了承しない限りは勝負は成立せんぞ」
とのことだった。
つまりこのまま無視して帰ってオーケーだと。
ならば取る選択肢は一つ。
「やるわけねぇだろ」
そう言い捨てて振り返ること180度。
負けたら手に入れたデッキを失う、やるわけないだろと。
メガネの男は完全無視でデッキをポケットにしまって帰ろうとした、時だった。
「全財産」
「……なんだと?」
「俺の全財産を賭けよう」
俺の頭にぽっと出で浮かんだ感想は、こいつ馬鹿なのか、だった。
だってこいつ、カード40枚に全財産賭けるとか言ってんだぞ。
「ほーん……全財産ねぇ……本当になんでもデュエルで決まるんだな」
何故そこまでして俺のカードな執着するのか。
そもそも俺のカードの中身を見ていないから、何を持っているか知らないはずなのに。
やっぱさっきの機械のアレ、目立ってたからだろうか。
「……お主、まだそのデッキの回し方すらわからぬじゃろうて……乗る気じゃなかろうな」
「どうせ負けたって失うのはこのデッキだけだし。なくなったらなくなったで買えばいいだろ?」
「そういう問題では……いいか、お主。そのデッキはじゃな──「いいぜ。乗ってやるよ」──ワシの話を聞けぃ!!」
教授の声を遮ってメガネ男に返事を返す。
メガネ男はニヤリを笑みを浮かべると、近くのデュエルをするための台に移動する。
俺もそれに合わせて反対側に移動し、お互いのデッキを指定の位置に置く。
教授は小走りで近づいてきて、台を覗き込む。
そしてさっきから見ていた野次馬たちも周囲に集まってきた。
……なんか野次馬増えてんな。
「俺のアウトレイジデッキ! 見せてやる!!」
そう言うとメガネ男が力強く台を叩く。
すると台の中心からコインが一枚射出……中心で落ち、向こうのいる台の色を指し示す。
先行はあっちだ。
さて、どうしたものか……と思いつつ手札を取ろうとしたとき、カードが勝手に動き出しシールドを展開。
驚くのも束の間、山札から五枚のカードが飛んできて、俺の手元に収まった。
「な、なんだ!?」
「これが
「よくわからんが、まぁ……やればいいんだな!」
なんかアニメっぽくて興奮してきた。
……まぁ、負けたら持っていかれるわけだけど。
「『チェイサー』をマナゾーンに。ほら、君の番だぞ」
「お、おう」
そう言えばまだ手札を見ていなかったな。
早速手札を見てみると、やはり見たことのないカードばかり。
だが文明は火、自然、闇だけで組まれているようだ。
「俺もこの……『バルガ・グラープ』? をマナゾーンに置くぞ」
自然と闇文明のクリーチャーをマナゾーンに。
そのカードを見たメガネ男は、突然興奮したようにブツブツ呟き出す。
「やはり……!! 俺の見立ては、間違ってなかった……!!」
何か言っているのはわかるのだが、声が小さくて聞き取りづらい。
だが何か喜んでいるのだけはわかる。
俺のカード……一体なんなんだ。
「俺のターン! 『ホルモン』をマナゾーンに。そして呪文『ダークライフ』! 一枚をマナゾーンに、もう一枚を墓地に送るぞ。ターンエンド」
やはり最初は地味だな……。
「この『バルガイト・ルピア』をマナゾーンに。そして呪文! ②コスト支払って『ドラゴン・マナホール』! こいつは手札からドラゴンを一枚捨てることで、山札から上二枚をマナゾーンに置くことができる」
お互いマナゾーンを増やしたり、墓地を増やしたり。
奴は『ボーンおどり・チャージャー』を用いてマナゾーン、そして墓地を加速している。
エグザイル・クリーチャーのドラポンが出てきたが、その前にとあるクリーチャーを用いて破壊した。
ちなみにそのクリーチャーは能力で自壊している。
俺はと言うと3ターン目にして、④コスト支払い『バルガイト・ルピア』を召喚。
こいつはコッコ・ルピアの能力に加え、『バルガ』と名のつくクリーチャーのコストを更に一少なくする能力がある。
そして場に出たとき、山札から一枚を表にし、それがドラゴンなら手札に加える能力もある。
これを用いて手札を肥やしつつ、そんなこんなで現在5ターン目。
俺は9コストを控え、圧倒的に有利に立っていた。
シールド一枚割れてるけど。
「『バルガイト・ルピア』の軽減効果で『
お互いに手札に触れ、声を張り上げる。
「「ガチンコ・ジャッジ!!」」
俺は4コストのカードを、向こうは8コストカード。
当然だが俺の負けだ。
「負けか……まぁいいや。こいつはマッハファイターだから……お前のバトルゾーンにある『チェイサー』を破壊!」
タップ状態の4ターン目に出てきたチェイサーを破壊。
墓地送りだが……奴の墓地はだいぶ肥えてきている。
……奴のデッキはアウトレイジが中心。
そして墓地の肥え……嫌な予感がするな。
だがこのターン、俺にできることはない。
『バルガイト・ルピア』をタップするわけにもいかないし。
「ターンエンドだ。その時、バルガ・グラープの効果で墓地から一枚をマナゾーンに置くぞ。これで俺のマナは十だ」
「ふ、ふふっ……やはり、やはり選ばれしものにのみ与えられる、『
「素人で悪かったな。てかなんだよ、その……『
聞き慣れない単語に質問を投げかけるが、奴はそれを無視して言葉を続ける。
「どんなに強いデッキであろうと、素人なら負ける気はしない!! そして君の出すクリーチャーを見てて思ったことがある。基本的にクリーチャーたちはパワーが低い。そしてパワーが高いクリーチャーは何かしらの自壊能力を抱えている。そうだろう?」
「……っ!」
そうなのだ。
出たターンは扱えるものの、ターン終了時に自壊する能力や、出す代わりに誰かを破壊する能力を抱えているクリーチャーは多い。
『バルガ・グラープ』は自壊能力を抱えていない、7コストのクリーチャーだがパワーは5000。
俺の予想通りならば……奴の使うカードの効果範囲内にあるクリーチャーだ。
そして奴の墓地にはクリーチャーが6体……ここで6ターン目、既に召喚範囲内。
問題はそれが手札にあるかどうかだが……。
あのニヤついた顔。
多分、あるな。
「じゃあ、終わらせに行こうか! カードを一枚マナゾーンに! 行くぞ!!」
手札から一枚を手に取り、空高く掲げる。
見ずともわかる、奴だ。
「俺は手札から『
やっぱり出てきやがったか。
『
そして誰もパワー5000以下のクリーチャーを出せなくなる、とんでもない奴だ。
「さぁ! 君のクリーチャーは全て破壊だ!!」
「くっ……」
俺は場に出ているクリーチャーを全て墓地に置く。
これでコスト軽減効果を持つ『バルガイト・ルピア』は出せない。
まずいぞ……!
「そしてもう一体、コストを支払わずに『クロスファイア』を召喚!!」
『クロスファイア』! パワーアタッカー100万のスピアタのダブルブレイカー!
『
これは……!!
「トリプルブレイク!!」
「くそッ……!!」
パリンッ!! という大きな音ともに三枚のシールドが割れる。
シールドチェック、中身は……普通のクリーチャー、シールドトリガーはなし。
「そしてダブルブレイクだ!!」
追加で二枚、勢いよく割れた……が! 最初に割れたシールドが力強く光る。
「来た! シールドトリガー! 『滅びの隕石』!! 俺は手札の上から五枚を見るぞ! そしてその中にドラゴンがあれば……三枚まで、そして一枚以上を墓地に置く! そしたら相手のクリーチャーを一体破壊できるが……!!」
取り敢えず、中にあった三枚のドラゴンを墓地に。
そして……どっちだ。
どっちを破壊するべきなんだ。
次、奴のターンが回ってきた瞬間、俺はダイレクトアタックで敗北する。
だから、どっち破壊しても正直なところ大差はない。
どうすれば……。
悩んでいた、その瞬間。
ふと、手札の中の一枚が光り輝いた気がした。
俺はそれが気になって手札を見ると、先程割られた二枚のもう一枚。
それが鈍く、俺にだけわかるように光っていた。
「これ、は……!! ッ!! 『クロスファイア』を破壊だ!!」
俺はそのクリーチャーを見て即決し、『クロスファイア』を破壊。
「……ふん。どちらにしろ、君に取れる選択肢はない。次のターンで俺の勝ちだ。ターンエンド」
奴のターンが終わりを告げる。
奴のバトルゾーンには『5000GT』のみ。
手札は何枚かあるが、多分クリーチャーを混ざってるはずだ。
だが……勝てる。
俺は
「……特別だ。お前に見せてやるよ。このデッキの
「なに……!?」
「行くぞ!! マナを一枚チャージして十一マナに!! そしてこいつ自身の軽減効果で⑤コスト軽減し、⑤コストで召喚!!」
俺は手札から一枚のカードを手に。
その時、鈍かった光はその輝きをさらに強いものにする。
「行けぇッ!! 『
火、自然、闇の⑩コストのクリーチャー。
パワーは22000、そしてスピードアタッカーかつトリプルブレイカー。
そして墓地にあるドラゴンの数だけ召喚コストを軽減させる能力を持つ。
そのクリーチャーを場に出した瞬間。
俺は全身にその圧を感じ取る。
あまりにも重く、そして力強い圧。
それは周囲も、教授も、目の前のメガネ男も感じ取っているらしく。
メガネ男に関してはもはや声も出なさそうな感じで硬直している。
『行くぞッ!! オレの輝き、その目に焼き付けろォッ!!』
っ……!? 今のは……?
突然聞こえてきた声に周囲を見渡すが、声を出したような人はいない。
それどころかどうやら聞こえたは俺だけらしい。
周りの野次馬は全員、先行きを見守っている。
あまりの突然のことに困惑するが、今は一旦忘れてデュエルに集中することに。
さて、改めて説明すると……こいつの特徴はその多数ある能力だ。
とは言っても、それらは『
……そう、俺はもう既にこの条件を達成しているのだ。
「まずは『龍マナ武装5』を召喚するときに発動!! 山札の上から三枚目をめくって……そこからドラゴンを好きな数、召喚することができる!!」
「なにぃッ!!?」
「『
「い、一気に三体も増えたぞ……これが、お主のデッキか……」
⑥コストと⑦コスト二体の大型召喚。
その光景には教授も感嘆の声を漏らす。
だがまだ終わらねぇ。
こいつはさっきも言った通り、スピードアタッカーのトリプルブレイカー。
そしてもう一つ、『龍マナ武装5』で出したクリーチャーは止まらない。
この効果で出されたドラゴンはスピードアタッカーを得る!
「スピードアタッカーを得た『ヘルヒドラ』でダブルブレイク!!」
勢いの良く二枚のシールドが割れる。
奴は確認するがその顔色が暗く、青くなる。
どうやらないらしい……ならば!
「そして『シュヴァルツ』!! シールドを全てブレイク!! そして攻撃する時の効果で、俺は山札の上から三枚を見て……ドラゴンはないから、一枚を山札の下に。残りをマナゾーンと墓地にそれぞれ置くぞ!」
これで全てのシールドが割れた。
後はバーストでダイレクトアタックを仕掛ければ……!
突然割れたシールドの一枚が光り輝く。
「よ、よし! よしよしよし!! 来たぞッ!! 『終末の時計ザ・クロック』!! お前のターンは終わりだッ!!!」
「なッ……!!」
そうか、『ザ・クロック』……!!
あれもアウトレイジだった!
だが奴のバトルゾーンにあるのは『5000GT』のみ。
奴がダイレクトアタックを仕掛けてきても、それに対抗する術を俺は持っている。
故に、もう負けない。
「マナを増やして八マナに……そして『ファルコン・ボンバー』!! そして呪文『
「なにを……!!」
ダイレクトアタックだけで済ませることを、何故ここまで……。
奴の顔を見てみれば、だいぶ追い詰められて参っているらしい。
デュエルで全てを決める世界なだけはあるな。
どうやら俺が切り札と言ったシュヴァルツを、破壊して終わらせようとしているようだ。
……どう足掻いたところで、無駄なのにな。
「ふ、ふふっ……お、俺は負けねぇ!! お前の『バルガ・シュヴァルツ』を5000GTで破壊だぁぁあああッ!!!!」
そうしてカードを横にタップ。
……だが、俺の『シュヴァルツ』はバトルゾーンから離れない。
代わりに
「……は?」
「『龍マナ武装3』、自分のドラゴンがバトルゾーンから離れる代わりに、マナゾーンから三枚、墓地に置いても良い。ってな」
「ふ、ふさげんなぁぁああああああッ!!! ならば『ファルコン・ボンバー』でダイレクト……」
「無駄だッ!! 『龍マナ武装7』!! 俺がゲームに負けるとき、代わりにドラゴンを破壊できる!! ……ま、『龍マナ武装3』の効果は発動しないけどな」
『バルガ・グラープ』を破壊し、俺は敗北を回避。
もう既に奴に手はないようで、半笑いで項垂れていた。
「ターンエンド、でいいな? ……『シュヴァルツ』でダイレクトアタック!! 俺の……勝ちだッ!!」
そうして俺の初戦は無事、勝利に終わったのだった。
『金色竜星 バルガ・シュヴァルツ』(10)火自然闇
ゴールデン・コマンド・ドラゴン/ハンター
22000
・スピードアタッカー
・トリプルブレイカー
・自分の墓地にあるドラゴンの数だけ召喚コストを少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
・攻撃するとき山札の上から三枚見て、その中からドラゴンを一体をバトルゾーンに出す。他は墓地とマナゾーンにそれぞれ置く。ドラゴンがいなければ一枚を山札の下に置き、それ以外を墓地とマナゾーンに置く。
・【龍マナ武装3】ドラゴンがバトルゾーンから離れるとき、代わりにマナゾーンから3枚を墓地に置いても良い。
・【龍マナ武装5】召喚時、山札を上から3枚引き、その中にあるドラゴンを好きな数だけバトルゾーンに出しても良い。残りは山札の下に置く。この効果でバトルゾーンに出たドラゴンは全て、スピードアタッカーを得る。
・【龍マナ武装7】ゲームに負けそうなとき、自分の場にあるクリーチャーを代わりに破壊しても良い。ただし、このとき【龍マナ武装3】の効果は発動しない。
後書きでオリジナルクリーチャーの説明をすべき?
-
するべき
-
しないべき