デュエル・マスターズ 【=%ゴールデン%=】 作:ルピコ
「ん、私の勝ち」
「……くそっ、負けたか」
勝手に集まるカードを手にし、デッキケースにカードを入れる。
「引きはいいけど……まだ、実力が足りない、感じ……?」
「久しぶりにデュエマに触れたらしいからのう」
「ふーん……? そんな人……いるんだ。それも……唯一無二デッキの持ち主で」
どうやら大体の話は教授から聞いていたらしかった。
というかそもそも、彼女は一体何者なんだろう。
親戚……ってな風には見えないし。
かと言って、接点があるようにも思えない。
うーん……? と思いながら悩んで、二人の顔を見ていると、白い少女が突然手を差し出す。
「そういえば、名前……私、
そう言って握手を求められた。
……なんか、思ったより普通の名前だな。
教授が特殊なだけなんだろうか。
ともかく、俺も握手を返す。
「間削 勝矢だ。よろしくな」
「……カツヤ。よろしく……それで、デッキだけど……火自然闇の……墓地ソース*1?」
「連ドラ*2……のはずなんだけどな。なんか墓地ソースっぽいとこある」
『ヘルヒドラ』とか完全にそうだしな。
前回召喚した時は全く能力を使わなかったが、こいつは召喚時バトルゾーンにあるクリーチャーを破壊し、それよりも①コスト高いクリーチャーを召喚しても良い効果を持つ。
それ以外にも破壊された時にコストが⑦になるように、墓地からドラゴンを召喚しても良い能力もある。
「出せなかったが、切り札の『シュヴァルツ』もそうだ。墓地のドラゴンの数だけコストが低くなる」
「……デッキ見たい」
「ああ」
デッキケースからカードを取り出しユキに手渡す。
ユキはカードをマジマジと見ながら、次々と中身を見て行く。
呟いたりしているが、その言葉は小さく些か聞き取りづらい。
「……ありがと」
五分ぐらいしてからユキはカードを纏め俺に渡す。
なかなか長い時間見ていたが、そんなに見るものあっただろうか。
まぁ、確かに全てのカードが新規のカードだからな。
見たことないのばかりで気になるのは分からなくもない。
「……私も、引きに行ってみようかな……」
引きに……というのはあれか。
俺がカードを出した機械のやつか。
「……そういや、あれって無料なのか?」
「初回は無料じゃな。二回目以降はちと金がいるのう」
「どうやって初回の確認を……写真か?」
「らしいが。詳しいことはワシも知らん」
なんとも不思議な機械だ。
そもそもどういう基準でカードを出しているのか。
少し考えていたところに、何かを思い出したかのように教授が声をあげる。
「む……そうじゃ。お主、何か用事があったんじゃろ」
「……あ。そうだった……前、話してたやつ、だけど……」
「見つけたのか?」
「……証拠はなかった」
「むぅ……そうか」
なんの話をしているのか。
とてもじゃないが割って入れそうにはない。
何やら深刻そうだし、長引きそうだ。
ならば……ちょっと外の方、見て回ってこようか。
色々確認してから荷物は動かしたほうがいいだろうし、話の邪魔をするわけにもいかない。
かと言って、やれることがあるわけでもないし。
取り敢えず教授に外に出ることだけを伝えて家の外へ。
外の方は相変わらずの賑わいを見せている。
教授の家があるのはだいぶ都会らしく、ビルもそれなりの数並んでいた。
「取り敢えず、家の近くに何があるかぐらいは確認しとくか」
軽く放浪してみれば周囲には一通り生活に必要そうな店が揃っている。
基本的にはなんでもだ。
だが……俺の世界とは違うのは。
どんな店にもデュエルをするための台が設置されていることぐらいか。
店員や店長とのデュエルで勝ったら特典が、みたいな店も結構ある。
「タダになる店もあるのか。利益出てんのか、それ?」
なんてのいくつかあったが、カードを持った人たちでいっぱいだったから、儲かっているのかもしれない。
……しかし、こうして見ると俺の世界とほとんど変わらないな。
ちょっと近未来的なところを除けば、ほとんど同じだ。
「おい! 俺たちと勝負しろよ!!」
「何回やっても結果は同じさ。いい加減、諦めるんだ」
ふと、広めの公園の近くを通った時、そんな声が聞こえてきた。
覗きに行ってみれば一つの台に数人の高校生、俺と同い年ぐらいのやつらが集まって何かやっている。
まぁ、何かつってもデュエマぐらいしかなさそうだが。
赤い髪の男が灰と黒の髪色の男にすごい言い寄っている。
それを止めているが気弱そうなメガネの男。
そんな二人を近くで見ているのが、赤みがかったオレンジ色の髪の少女。
……この世界の人間の髪色はカラフルらしい。
染めたって感じはないところを見るに、あれが普通なんだろう、多分。
「もう一度だ!! 次やれば絶対……!!」
「も、もうやめなよ……! そう言って十回やって全部負けてるじゃないか……!」
「うるせぇ! 俺はもう負けねぇ!!」
「いいや! 次は私とだよ! ふふん!」
「……君たちも諦めが悪いな」
灰色の髪の男は少しうんざりとした様子。
何回もやっているみたいだし、そうなっても仕方なさそうだ。
しかし……なんだろう。
あの灰色の男……見てると……すごいざわつく。
はっきりと『デュエルがしてぇ』という感情が沸き立つ。
異常なことだが、確かにそう考えてしまう。
そして気づけば、俺の足はその言い合いへと向かっていた。
「どうしたんだ? こんなところで言い合いして」
「あぁ!? なんだお前!?」
「ああもう。初対面の人にそれはないよ……!」
「見ない人だね? こんにちは!」
赤色の髪は喧嘩腰、眼鏡の男はため息を、そして少女は元気良く挨拶。
三者三様の反応見せてきたが、灰色の男は目を見開いて俺の顔を見ていた。
「いや、なんかすごい揉めてそうだったから」
「なんでもねーよ!! おい、キロ!! もう一度やれ!!」
だがキロと呼ばれた灰色の少年は返事を返さない。
ただ俺を見ていた。
「……なんだ?」
「君とデュエルをしたい」
そう言って懐から取り出したデッキ。
取り出した瞬間、デッキは強烈な光を放つ。
その光にはさっきまで騒いでいた三人は息を呑み黙ってしまう。
そして俺の腰のデッキケースからも強烈が光が放たれる。
まるで奴の持つデッキに反応するかのように。
俺はただ、その光を見ていることしかできなかった。
現在主人公のデッキを纏め中です。完成次第解説とともに投稿するつもりです。