キョウリュウジャー×シンフォギア 無敵の詩姫《スーパースター》   作:地水

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 シンフォギア成分とキョウリュウ成分を詰め込んで、ようやく復活。




ブレイブ03:復活ッ!ガングニールの歌!

 

奏音(かなでね)の勇者、キョウリュウネイビー!」

 

響の前に現れたソウガ……否、そのソウガが変身を遂げた蒼き戦士・キョウリュウネイビー。

彼は高らかに名乗り上げると、手にしたガブリボルバーを再び構えて、その狙いを定める。

 

「ハッ!」

 

放たれた光の弾丸はゾーリ魔へと吸い込まれるように飛んでいき、すぐさま炸裂する。

ぶっ飛ばされるゾーリ魔達、それを皮切りにキョウリュウネイビーは地面を蹴って空高くから飛び掛かった。

 

「いくぜ、オンリーなれどライブスタートってな!」

 

まず急降下からの飛び蹴りを近くのゾーリ魔の群れへと叩き込み、そこから踊りのような激しいアクションが繰り広げられた。

 

まず殴り掛かってくるゾーリ魔を裏拳や回し蹴りといった一撃で応戦していく。

 

次にガブリボルバーを構え、向かってきたゾーリ魔を銃撃して見事に撃ち抜いていく。

 

最後に繰り出されたのは、黄色い刀身と恐竜の頭部パーツを有した刀剣型の武器・ガブリカリバーによる斬撃。

鋭い斬撃がゾーリ魔達を切り裂き、全員地面へと倒れ伏した。

 

物の見事に異形の怪物たちを蹴散らしたその姿を見て、響や錬金術師といったその場にいた人々は驚いた。

特に響に至っては、自分達装者以外に戦える存在を目の前にして驚いていた。

 

「す、すごい……! あの数をひとりで!?」

 

「まあな、一人でも強いのが売りでもあり長所でもあるからな」

 

驚く響に対し、軽口を叩くキョウリュウネイビー。

彼は先程の暴れっぷりは準備体操だったと言わんばかりに両手を繋いで背伸びをする。

余裕綽々なキョウリュウネイビーの様子を見て、錬金術師は苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべる。

 

「貴様……一体何者だ! 我らの邪魔をしおって!」

 

「さっき、名乗ったろ? キョウリュウネイビー、ってな」

 

「小賢しい! 我は、そこのシンフォギア装者を、忌まわしい歌女が齎した陳腐な平和を壊す……お前も邪魔をするなら、貴様も纏めて潰す!」

 

ネイビーの言葉を耳にして錬金術師は一層激しく声を荒らげる。

その言葉を聞き、ネイビーはマスクの下で眉を潜める。

 

「穏やかな声音と言葉じゃねえな。平和を陳腐だなんて、普通の性根じゃねえな……まだデーボス軍達の方がまっすぐ生きてるぜ」

 

未だに凄まじい形相を浮かべる錬金術師を見て、きつい言葉で反論するネイビー。

キョウリュウネイビー自身、今まで様々な敵と戦ってきたがこれほど性根が腐りきった相手とは出会う事はなかったのだ。

それでも錬金術師の激高は止まることを知らず……ついには、『望ましくない増援』を文字通り生み出した。

 

 

「ヌゥゥゥル!!」

 

 

独特な大声を上げて錬金術師から出てきたのは、青い体色を施された屈強な異形の怪人。

手には分厚い剣を持ち、三葉虫やアノマロカリスを思わせる体を有したその怪人を見て、ネイビーは驚く。

 

「おいおい、カンブリ魔を生み出したのか!?」

 

『カンブリ魔』。

守護騎士の異名を持つ怪人であり、かつて倒されたとある幹部直属の使い魔だった。

その強さはゾーリ魔ら100倍分にも及び、簡単にはいかない相手なのは確実だった。

カンブリ魔は手に持っている剣・ヌルブレードを振り上げ、ネイビーへと襲い掛かっていった。

 

「ヌルッ! ヌルゥ!」

 

「たっく、なんで人間からカンブリ魔が出てくるんだよ……邪魔っ!」

 

振り下ろされたヌルブレードをガブリカリバーで咄嗟に受け止め、すかさず上段蹴りを叩き込むネイビー。

勢いよく蹴り飛ばさるカンブリ魔……だが、その直後に嫌な気配を感じ取り、後ろを振り向く。

そこに立っていたのはもう一体のカンブリ魔であり、こちらは鬼カン棒なる大きな棍棒で殴り掛かってきた。

 

「ヌルッ!!」

 

「あっぶねっ!?」

 

地面へ倒れる形で鬼カン棒の一撃を避けたネイビーはすかさずガブリボルバーを発砲。

もう一体のカンブリ魔は軽く吹き飛ぶが、致命傷には至っていないようですぐに態勢を立て直す。

剣と棍棒、二体のカンブリ魔らの登場にネイビーは思わず言葉を漏らす。

 

「おいおい、人気者はつらいねぇ……!!」

 

強敵である二体のカンブリ魔を一人で相手しなければいけない状況に追い込まれ、ネイビーはため息をついてからガブリボルバーを向けて走り出す。

トリガーを引いて放たれた銃撃が周囲に着弾して爆発する中、戦いは苛烈していく。

 

「くぅ、私も、戦えれば……!」

 

確実に苦戦へと追い込まれているネイビーを響は悔しい想いをする。

だが迫り来るゾーリ魔の侵攻を止めるべく、彼女もその拳で抗うことにした。

 

 

~~~~

 

 

響とネイビー達がいる場所から少し離れた道路。

人々は既に逃げて人の往来がなくした道を、ギアのネックレス届けに翼のバイクが走る。

今現在響と謎に包まれた蒼の戦士が食い止めていると聞いて、一層アクセルを吹かせて向かおうとしている。

だが、目的地に近づくにつれて、進行を阻もうとする異形の怪人達が現れた。

 

「なんだ、こいつら!」

 

翼がその怪人達……ゾーリ魔達に気づくと、少々荒い運転を使って何とか駆け抜ける。

まさかこちらにも未知の敵が出現した事に後部座席に乗っているクリスは驚いていた。

 

「群れ雀共がウジャウジャ……とぉ!」

 

バイクへ飛び掛かろうとするゾーリ魔の一体へ裏拳をお見舞いするクリス。

前々から弦十郎から受けていた格闘術の心得と、彼から勧められたアクション物の映画が学んだ事が効いたのか、そのゾーリ魔は顔を抑えながら道路の上へ倒されて置き去りにされていく。

だが、それでも翼とクリスの行く手を阻もうとゾーリ魔達が大群のように塞いでいる。

 

「くそっ、なんなんだこいつらは!」

 

「このままでは立花が……!」

 

クリスは前にも後ろにも囲み始めたゾーリ魔達を見て悪態づき、翼は最悪の事態が脳裏に過ぎり内心焦る。

唯一対抗できるガングニールのギアが響へ届けられない中、どう打開するべきか考えている。

すると、その突破口は何処からともなくやってきた。

 

 

「おーい、大丈夫かぁー!」

 

 

翼とクリスの耳に聞こえてきたのは、若い男の声。

その直後、二人が通ってきた方向の道を塞いでいたゾーリ魔達が一発の拳圧によって蹴散らされ、文字通り吹っ飛んだ。

一体何が起きたのか、と思って振り向けば、そこにやってきたのは赤いジャケットを身に纏った一人の男性。

突き出した握り拳を見ると『まさか生身でぶっ飛ばしたのか』……と、自分の叔父(風鳴司令)以外にもそんな事をする人物がいたのかと驚愕しながら、翼は恐る恐る訊ねた。

 

「ア、アナタは?」

 

「ああ、オレか? 俺は桐生ダイゴ! あだ名はキングだ!」

 

二人の前に現れたその男――『桐生ダイゴ』は高らかにそう名乗った。

威風堂々としたその様子に気取られた後、自分を取り戻したクリスがツッコむ。

 

「って、出会った初対面に王様気取りか!?」

 

「ハハハ、旅の行く先々でよく言われてるんだよ!」

 

キング発言にツッコんだクリスに対して豪快に笑い飛ばし、ダイゴは二人の前に出る。

その手に握った黄色を基調とした恐竜の頭部がデザインされたその銃……ガブリボルバーをクルリと回転させると、一瞬で狙いを定めてトリガーを引いた。

放たれた弾丸は目の前に立ちふさがるゾーリ魔達を蹴散らしていく。

 

「ココはオレが引き受けた! お前達はどうする!?」

 

ゾーリ魔達を撃ち抜きながらダイゴは二人に問いかける。

翼とクリスは互いに顔を見合わせると、ダイゴに向かって自分達の言葉を告げる。

 

「すまない……私たちは、戦友(とも)の元へと向かう!」

 

「じゃあな、赤い王様(Red King)! せいぜいアタシらが戻ってくるまで無事でいろよ!」

 

翼はエンジンを吹かして再び走り出し、クリスは手を振りながら激励の言葉を贈った。

ゾーリ魔達の間をすり抜けてその先へ向かう二人、彼女らの意外な返答にダイゴは二ヤリと笑った。

 

「すっげぇぜ、俺達みたいにブレイブな奴らだな!」

 

ダイゴは自分達のような勇気を見せた二人に大喜びした後、追いかけようとするゾーリ魔達を勢いよく殴り掛かった。

大暴れする赤い色を誇るキング……鋭く重い鉄拳を繰り出してゾーリ魔達を蹴散らすと、懐からあるものを取り出す。

 

「さぁてと、俺達も行くか」

 

――それはネイビーが使っていたものと酷似した、ティラノサウルスの意匠が入った獣電池だった。

 

 

 

~~~~

 

 

 

同じ頃、キョウリュウネイビーと立花響は苦戦を強いられていた。

あのあと三体にも増えた強敵・カンブリ魔をネイビー一人で耐え続けていた。

その数は5体……何度か修羅場を乗り越えてきたネイビーでも、流石にきついと感じていた。

 

「おいおい、これは流石になぁ」

 

ガブリボルバーとガブリカリバーを駆使して何とか耐え凌いでいるが、状況は多勢に無勢。

ゾーリ魔達を従えた5体のカンブリ魔を前に、ネイビーは膝をつく。

劣勢を強いられるその姿を見て、未だにゾーリ魔達と戦う響が叫ぶ。

 

「ソウガさん!」

 

響の声を聴いて、ネイビーはついた膝を再び上げて立ち上がる。

何かに気付くような何処かを見る仕草をすると、自分の前を見る。

目の前に立ちふさがるカンブリ魔達を前に戦意が途絶えない様子を見て、高みの見物をしていた錬金術師は驚く。

 

「貴様、これほどの戦力差にまた戦う気か……?」

 

「ああ、そうだな。さっきはああ言ったがなぁ……面白い音色が聞こえてきてな、思わず立ち上がったよ」

 

「音色だと? いったい何を……?」

 

ネイビーの言葉の意味が分からない錬金術師は首を傾げる。

だが、その場に響くバイクの排気音と共にやってきた存在に響は驚きの表情を浮かべた。

何故なら、その音色とやらの正体が自分のよく知る存在だったからだ。

 

 

「立花!!」

 

 

ゾーリ魔達の間を駆け抜けてバイクでやってきた先輩・風鳴翼。

 

 

「こいつを受け取れッ!!」

 

 

後部座席から赤いペンダントを投げ飛ばす戦友・雪音クリス。

 

 

そして赤く光る流星が、響の元へ向かう。

赤い星の正体に気付いた響は襲い掛かるゾーリ魔の一体を踏み出しにして、上空へ高く飛ぶ。

やがて流星――もとい、相棒と言うべきギアのペンダントをその手に掴むと、とある詠唱を口にした。

それは胸に浮かぶ歌の一つであり、かの聖遺物の欠片の力を目覚めさせる(うた)でもあった。

 

 

Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

 

 

 

その瞬間、響の周囲が白とオレンジの閃光に包まれ、その姿を変えていく。

少しだけ肌を見せるオレンジと白を主体としたボディスーツの上から、腕部にはガントレットパーツ、脚部にはアンカージャッキを装着。

鋭い白い角を模したヘッドセットを頭部に身に着けたその姿に変わると、変身を遂げた響はその場で着地。

たなびく真っ白いマフラーが風に揺らめいて踊る。

 

着地したその直後、戦場に鳴り響くのは一つの歌。

まるでどんな強敵でも貫く意思を具現化させた槍のようなメロディが鳴り響き、その場にいた人々は驚き、一方で翼やクリス、遠くで見ていた未来達は希望に満ちみちた明るい表情を浮かべる。

 

特に一番動揺していたのはカンブリ魔やゾーリ魔達だった。

かの強き竜の者達と同じ音色がしていると、錯乱したといってもいいほどの動揺っぷりで一体のカンブリ魔が襲い掛かる。

振り下ろされるヌルブレード……だが、響はその刃を片手で受け止め、自身の拳を握る。

 

 

――そして、思いっきりカンブリ魔を殴り飛ばした。

今までゾーリ魔程度となんとか戦えていた少女から放たれたとは思えない強烈かつ凄まじい一撃を受けて、カンブリ魔は最期の言葉を口にして問いかける。

 

 

「馬鹿な、その歌はまるで地球の(メロディ)……なんなのだ……それは!?」

 

 

空中へと舞い上がった後、カンブリ魔はその一撃にそのまま爆発した。

最期に口にした問いかけに対し、響は力強く思いっきり叫ぶ。

まるで、響を含めた彼女達"歌女"は今も此処にいると言わんばかりに。

 

 

「撃槍ッ、ガングニールだぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

――FG式回天特機装束『シンフォギア』

ガングニール 立花響。

未知の強敵の前に、此処に復活。

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