この街の名はポート・カクテル。
俺の作った港街だ。観光する分には愉快で結構だが、住むには値しない。
何故ならとんだ悪党達がゴミのように溢れ返っているからだ。
「ロミオ!あなたはどうしてロミオなの!」
今日もいつもの調子でガキが喚いている。これだからコカインはいけねえ。薬物と恋愛は人を駄目にする。
「嬢ちゃん、何便言えば分かるんだい?俺はロミオじゃねえ。ドン・カクテルだ」
「え‥‥?あなたはカクテルなの?ドン・カクテルって呼んでいい!?」
「フルネームで呼ぶのはよしてくれ。いかにも悪人って感じがして敵わねえや」
そう言って拳銃をぶっ放すと椅子が転がってくる。
ひどく歪で汚ない椅子だが、俺の様なやつには寧ろお誂え向きだろう。
俺は椅子に腰を下ろすと、上等な葉巻に火をつけた。
「何をするの!?ロミオを殺さないで!!」
「おっとすまねえ。こいつがロミオか?待ってろ。今治してやる」
俺は靴下からヘロインを取り出すと、穢れた丘に十字架を突き立てる。
慈善活動は柄じゃないが、たまにはこういうのも悪くないだろう。
「何を注射したの!?」
「クリスマスにはまだ少し早いが俺からのプレゼントだ。すぐに気分がよくなるだろう」
すると椅子が立ちがり、ガキと一緒に感謝の言葉を述べてくる。
「はぁ〜、よくなったよ。ありがとうドン・カクテル」
「ありがとね!モレノを助けてくれて!」
「ロミオじゃねえのか。こいつは一本取られちまったな」
「ねえ、ドン・カクテル。私達と一緒にクリスマスイブをお祝いしない?」
「サンタクロースは忙しいんだ。悪いが他を当たってくれ」
そう言ってその場を後にすると、跡を着けてきたジャンキーにパイを投げつけられた。
「何すんだこのガキ共。俺のお気に入りのシャツが台無しじゃねえか」
「「メリークリスマス!!」」
「‥ああ、メリークリスマス」
俺はパイを一口齧ると、オモチャを集めながら夜の町へと繰り出した。
さあ、この腐りきった街に光を灯してやろうじゃないか。
銃声、爆発、悲鳴の嵐。鈴の音は聞こえないが愉快で結構だ。
道端でトナカイを拾った俺はサイレンを鳴らしながら町に飾り付けを施していく。
「ちゃんといい子にして待ってたか?坊や達。俺が聖母マリア様の代わりに迎えにきてやったぜ」
このクソ溜めみたいな街に責めてもの愛と平穏を
それが俺の唯一の願いだ。
fin.........
【atogaki】
最低文字数1000のノルマがきちゅしゅぎますです先生。