系—幕間編   作:七星七夕

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当作品は二次創作であり、原作、実際の物事、人物、事象には一切の関連がありません、ご注意ください
また、死ぬほど捏造設定があり、原作の隙間を縫うような部分がいくつも散見されますが、これは個人の好みでありそういった作風であるとご理解いただければと思います。個人的にはその隙間は想像の余地のままになってたらうれしいな!

また、当作品は恋愛小説です
版権キャラクターとの恋愛描写や性行為描写が苦手な方は回避をお勧めします
主人公が大怪我したり戦闘したり場合によっては修行するかもしれませんが誰がなんと言おうとこの作品は恋愛小説です。ご理解いただければと思います
カップリングは「吉良イヅル×オリジナルキャラ」になります。ハーレム等の予定はありません、悪しからずお願いします



幕間7

幕間7

 

 

 

「ねぇ緋月〜」

「なんですか松本副隊長」

 

 去る昼下がり。私は十番隊に渡す書類があったので訪問したわけだけど、その書類は日番谷隊長に直接渡すように言われて同隊舎内の執務室にいる

 

 しかし日番谷隊長本人はしばらく帰ってこないとのことなのでお茶を出してもらって待機していた。そしたらあからさまに仕事をサボっている松本副隊長が自分のお茶も淹れて私の目の前に座り出して…今に至る

 

「あんた彼氏いるんだからもう少しお洒落したら?」

「また急ですね」

「だってそうじゃない。若い女の子がストイックに生きてるなんて勿体無いわよ」

「リボンは充分お洒落ですので」

 

 ずず、とお茶を啜る。第一彼の方がそういうの好きかわかんないし…好みじゃなかったらと思うと怖いよね、うん

 

「辛気臭いわね〜、若いんだからもっとパーっといきなさいよパーっと!」

「化粧も服もわからないので」

「わからないは逃げ道にならないわよ」

「…」

 

 思わず視線を逸らす。そんなこと言われてもなぁ…吉良副隊長がそういうお洒落好きとは思えないんだよなぁ。だって雛森副隊長が好きだったんだよ? あの、生きてるだけで美人みたいな雛森副隊長が

 

「それとも何? なんかしたくない理由でもあるわけ?」

「…だって、吉良副隊長がお好きかわからないですもん」

「あんたほんっと吉良のことばっかりね…そう思うなら寧ろそのクマくらいはなんとかしたら?」

 

 それは確かに…とは思ってしまった。でも消えないんだよなぁこのクマ…私の誇るべき勲章なんだけど最近は流石に消したい

 

「う…それは本当にやり方がわからなくて…」

「コンシーラーでもなんでも貸してあげるわよ。やり方わからないなら教えるし」

「本当ですか!?」

 

 飛びついてしまった。彼の方はクマのない私なんて印象がないだろうしなぁ、楽しみかも…

 そんな私を見て松本副隊長は楽しげに笑う

 

「じゃあ早速やりましょっか!」

 

 そう言って松本副隊長はいそいそと小袋を取り出した。中にはたくさんの化粧道具が入っている

 

「とりあえず洗顔する余裕はないだろうし化粧水で軽く拭っちゃおうかしら」

 

 なんて一言から化粧が始まった。化粧水をコットンパフにつけて汚れを落とすように全体に馴染ませる

 

「隊長がいつ帰ってくるかわかんないから手早く済ませないと…」

 

 瞳は上を見るように言われて指示に従う。したまつ毛のすぐ下に手が触れてる感じや化粧品が乗る感覚があってくすぐったい

 

「コンシーラーで隠して、下地と軽くパウダーで馴染ませて…全体にやってる余裕ないからこんなもんかしらね〜。つまんなぁい、あっでもマスカラはつけれるかも!」

 

 そうこうやってるうちに終わったのか手鏡を渡された。そこに映るのは驚くほど目元の綺麗な自分

 

「わぁ…すごい」

「でしょ〜? 吉良もこっちの方が喜ぶわよ!」

「そうですかね…?」

 

 なんてきゃいきゃいしてたら、松本副隊長の後ろに人影が見えて固まる

 

「…松本」

 

 その一言で松本副隊長がピシッと固まる。彼女が振り向くと勿論そこには日番谷隊長の姿が

 

「あっ、隊長〜。帰ってきたなら言ってくださいよ〜」

「…まだ仕事中のはずだが?」

「だからこうやってお客様の相手を…」

 

 しかしそう言うには机の上のあれこれが日番谷隊長の目に入らないはずもなく

 

「松本ぉ!」

 

 今日も松本副隊長は怒られていた

 私は謝罪をして書類を渡してから隊に戻る。帰り際、松本副隊長が化粧落としのシートをくれた。落とさないと肌荒れるって言ってた、こわい

 

 隊に戻ると何人もの隊士が私のことをちらちら見ている…何、何かしたの私は。そんなクマがないだけで珍しいこともないだろうに

 

 ふと、貴方とすれ違った。頭を下げるのは当たり前で

 

「お疲れ様です、吉良副隊長」

「あ、あぁ…」

 

 歯切れの悪い返事に顔をあげると、こちらを見て驚いている

 

「?」

「いや、なんでもない。すまなかった」

 

 そう言って貴方がそそくさと去っていく。まぁ仕事中にこの目元の感想は来ないよね。でも驚いてたってことは何か思うところがあったのかな? 嫌な感想じゃないといいけど

 

 とりあえず終業して帰り支度をする後でメールでもして感想をきいてみようかなぁ〜なんて考えつつ…と思ったらメールがきた。自室で待ってるようにとの貴方からの指示なのでそうすることに

 

 化粧を落とすか落とすまいか悩んだけど、とりあえず落とさないことにした。もう一回見てからの方が乾燥言いやすいよね

 

 障子に人影、声で貴方と判断して中に入ってもらう

 貴方は障子を占めると落ち着かない様子で私のすぐ近くに座って肩を掴んできた

 

「お疲れ様ですイヅルさ——」

「どうしたんだその目!」

 

 必死な貴方に戸惑う。そんなにおかしかったかなぁ

 

「松本副隊長がお化粧してくださって…変でしたか?」

 

 なんて私が問うと、貴方はそこから項垂れる

 

「はぁぁ…びっくりした…」

「?」

 

 貴方の反応の意味がわからない

 様子を見つつ固まっていると、頭を上げた貴方が私の目元をまじまじと見始める

 化粧に触れないように私の顔を親指で撫でて感心したような態度を示す

 

「急に美人になるからびっくりした」

「…普段が醜くてなんとも…申し訳ありません」

「あっ、その! 普段も綺麗なんだけど、さらに綺麗になって帰ってくるから驚いたっていうか…!」

 

 そんなに普段が美人とも思わないけど…急に慌てた貴方の反応を見る限り醜くはないようだと思いたい

 

「クマが消えるだけでこんなに印象が変わると思っていなくて…失礼なことを言った、すまない」

「そんなに違う物でしょうか?」

 

 確かに第一印象は良くなったと思うけど…自分ではやっぱり自覚がない。貴方や周りがそんなに驚く理由が

 

「全然違う。誰にも見せたくないくらい綺麗だ」

「!?」

 

 いやそんなに変わりはしないと思うけどな!?

 

 急なことに顔が赤くなる。何かと一緒にいるのが当たり前になってきてしまったと言うか、私は常に貴方に好きとかなんとか言うけど貴方から自発的に飛んでくるのは本当に珍しくて…喜びのあまり泣きそうなんだけど懸念点がいくつか

 

「君は元が美人なんだからもう少し自信を持っていいと思う」

「あ、いや…それは…っ」

 

 顔が真っ赤に茹で上がりそう

 しかしそれを理性でぐっと堪えて疑問を口に出す

 

「それは…普段からお化粧をした方がいいでしょうか…? やっぱりその、すっぴんの私は醜いと思うので…」

 やっぱり貴方も、綺麗な人の方がいいよね。私は見た目に自信があるほど美人じゃないし…

 

「それは違う」

 

 私は貴方からの返答に目を見張った。今までの反応だとお化粧した方が良さそうだけどな

 

「さっきも言ったろ、誰にも見せたくないくらいだ。普段はいつも通りの君でいて」

「はぁ…」

 

 いまいちわからない

 

「普段の君が嫌とか…そう言うことじゃないんだ。化粧なんかしなくても美人なんだから自信を待ってほしいし、化粧したらその…綺麗すぎて周囲の目を引く」

「!」

 

 貴方も顔が真っ赤で、初めて理解する。そっか、いつもの私でもいいんだ、なんか安心した。周囲の目を引くほど美人だとは思わないけど

 

「なんか安心しました…安心ついでにお化粧落としていいですか? 慣れないから肩が凝ってしまって…」

「いいと思う」

 

 もらった化粧落としの裏書きに従ってお化粧を落とす。水分の効果かお化粧がなくなったからか、なんとなく肌がスッキリした

「ふぅ…」

 

 なんだかひと段落と言う感じだ。お化粧も印象は悪くなかったみたいだし、松本副隊長に教えてもらってたまにしようかな

 いつもの私に貴方が安心したような顔で見る。それはそれで普段の自分をわかってるだけに複雑なんだけども…

 

「やっぱりいつもが一番な気がするよ」

「…貴方が良いなら良いんですけどね」

 

 悔しいから明日化粧品買いに行こうかな…現世の化粧品扱ってるお店聞いたことあるし。そこからまた松本副隊長に教えてもらおう

 

 思わずため息が出る。嬉しいような寂しいような…わがままなんだけど。とりあえずわかるのはクマがない方が印象がいいと言う事実確認って感じ

 

「不満かい?」

「そんなに喜んでいただけるならそもクマなんて作らないようにすればよかったと、そう思っただけです」

「僕はそうは思わないけどな」

「?」

 

 意味がわからない。さっきまであんなに顔を赤くして…喜んでくれていたと思ったのに

 

「君のクマは僕への努力の証なんだろ? その分君を独占してるのは悪くないし、君があんまり美人だと変な虫が湧くからね」

「…っ!」

 

 またそうやって、またそうやって嘘が本当かわからないことを言う! 独占なんて嬉しいことを言って!

 クマを差し引いたって変な虫なんて湧かないよ、こんな目つきの悪い女!

 

「わ、私を喜ばせたって良いお店のところてんしか出ませんよ!」

「そ、それは任せるけど、僕は本当のことを言っただけだ」

「〜〜〜〜〜っ!!!」

 

 貴方のそういう! 無自覚に殺し文句を言うところどうにかしないとこっちの心臓が保たない!!

 しぬ! しぬから!!

 

「君は僕によく近寄る女性がどうとか言うけど、君も充分美人なんだから気をつけるようにだね…」

「またまた〜。美人っていうのは松本副隊長とか雛森副隊長みたいな方を言うんですよ」

「…」

 

 貴方は頭が痛いというように額に手を当てた。嘘は言ってないんだけどな

 

「お二人とも気立てもいいですし、私なんて全然…」

 

 なんて話していたら、ふと貴方が私の手をとった。そのまま反対の手で顎を持ち上げられて強制的に目が合う

 

「僕が綺麗だと言ったら綺麗だ。変な心配させないで」

「…は、はい…っ」

 

 思わず頷いてしまったけど、貴方がこんなに褒めてくれるなら少しだけ自信が持てる気がする

 なんて、さっきそう言った貴方が照れてたら世話ないと思うんだけど…そこもまた愛おしい

 

「…っ、と、とにかくそれだけだから僕は戻る。君も早く寝るように」

 

 ぎこちない動きで部屋を出ようとする貴方を、つい袖をひいて引き留めてしまった

 

「?」

 

 疑問が出る貴方。本当はそんなつもりなかったから言うのが少し憚られるけど、もう引き留めてしまったし…

 

「あ、その…寂しくて」

 

 まるで子供みたいだ、恥ずかしい。でも最近は貴方がこの部屋に泊まることもあったからつい人恋しくなってしまって

 視線を合わせられない私に貴方が小さく笑う

 

「ほら、おいで」

 

 両腕を広げる貴方に飛び込む。恥ずかしくて喋れなくなった

 

「少しずつ素直になっていってるのかな…」

「…」

 

 答えられなかった。頭を撫でる貴方の手が気持ちよくてそのまま貴方の胸に顔を埋める

 

「このまま僕にだけ見せてくれたらいい…」

「…貴方以外になんて見せません」

 

 貴方のつぶやきについ答えてしまう。貴方は発言した自覚がなかったのか、撫でる手が一回止まった。その後ぎこちない動きで戻る

 

 

 このまま時間が止まればいいと思った

 そして化粧は悔しいから覚えていつか貴方を驚かせると心に誓った。松本副隊長には感謝だ

 

 

 

 

 

 

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