また、死ぬほど捏造設定があり、原作の隙間を縫うような部分がいくつも散見されますが、これは個人の好みでありそういった作風であるとご理解いただければと思います。個人的にはその隙間は想像の余地のままになってたらうれしいな!
また、当作品は恋愛小説です
版権キャラクターとの恋愛描写や性行為描写が苦手な方は回避をお勧めします
主人公が大怪我したり戦闘したり場合によっては修行するかもしれませんが誰がなんと言おうとこの作品は恋愛小説です。ご理解いただければと思います
カップリングは「吉良イヅル×オリジナルキャラ」になります。ハーレム等の予定はありません、悪しからずお願いします
幕間9
「翠霞ー、今日は一緒にお風呂行こ」
「はーい、今行くー」
夜も八時
たまたま翠霞が部屋にいたのでお風呂に誘ってみた
二人で着替えを持って大浴場に向かう。そして脱衣所で何も考えず服を脱いでいたら翠霞がじっとこちらを見ていた
「…?」
翠華は見てるというより凝視して固まってる、と言う感じ。急にどうしたんだろう
「すい———」
「は? だっっっっっっっさ(鏡花ちゃん…女の子やさかいもう少し服装気にしよう?)」
「標準語でてるでてる。ついでに気持ちも出てる」
普通に話せるんだろうとは思ってたけどさ。心の声が出てるのまでは気にしようよ
「あ、かんにん…信じられへんくらいもっさすぎてつい」
「今更戻しても遅いよ」
「嫌がらせなのにやめるわけあらへんやん」
「そこまで暴露しろとも言ってない」
なんだこいつ、と思わないの無理だと思うんだ
ていうか主人に嫌がらせをするな
「もうこの際やさかい言わしてもらうけどいける? 女の子って自覚ある? お給料何に使うてるん?」
「基本的に貯金だけど」
「は? 信じらんない」
標準語に戻るのか市丸隊長みたいな話し方するのかどっちかにして欲しい
そも使う用事もないのに使うわけないじゃん。服は着物があるし、現世にデートでもないし…
「女の子って自覚なさすぎとちがう? そもそもブラジャーしてへんって信じられへんねんけど若さちゅう嫌味?」
「なにがいいたいのよ…」
「ブラジャーしいひんと若いうちに胸垂れんで」
「うっ」
「わかっとってしてへんの!?」
思わず視線を逸らした
「一回サラシ巻いたことあるんだけど苦しくて…」
「そんなんサラシなんやさかい当たり前やん!」
あほを見る目で見られた。そんなこと言われてもなぁ…
そこまで言われると少し現世の下着に興味も出てくることには、そうだけど
「サラシと現世の下着じゃ根本からちゃうさかい! 今気づいてよかったぁ…こないな女性らしさのかけらもあらへんやら彼氏に恥かかしたいの?」
「それは違う!」
「そう思うならとっととお風呂入って! うちが話通しといたるさかい明日は現世に行くさかいね!」
「わ、わかった…」
とりあえずお風呂に入ってから身支度して明日に備えることにした。翠霞は最後まで「下は現世の下着やのに胸はなんもつけてへんやら信じられへん」と憤慨しててなんか恥ずかしくなったし、そうでなくても情報のない自分が不甲斐ないと思った
********
翌日
現世に出てから二人して義骸に入ってお店に向かう。何やら午前中に翠霞は「情報収集してくる」とどこかに行ってしばらくしてから合流したし、なぜか翠霞の分まで義骸があるしでややついていけずにいた
「なんで翠霞まで義骸に入るのよ」
「服屋で一人喋りしとったら怪しいやん」
そもなんでこうなったのか…勢いに流されてここまできちゃったけど、最近仕事してる日が思いの外少ないような
「ちゅうか何そのお上りさんみたいな服。本気であり得へん。下着のお店だけちゃうくて服屋も行くさかいね」
「あんたストレートパンチしか出せないの?」
怒ってるにしてももう少し言い方ってものがあるような気がするんだけど。そんな辛辣になる程酷いのか私は
しかしそう言う翠霞はどこで手に入れてきたのか、シンプルだけど清潔感を感じるパンツスタイルで居る。白い七分丈のパンツと少しゆるりとした印象で絞りの入った黒いTシャツ、ヒールの高いパンプスと大きめのアクセサリー…確かに人の服装に文句をつけるだけあって私から見てもオシャレだと思う
確かに対しては私は、とは思うけどさ
「それにしてもどこからお金出したのよそれ」
「鏡花ちゃんのへそくり使うてお店に行った」
「…次から一言いいなさい」
あぁ、私の吉良副隊長グッズ購入資金が。流石に使い果たされたら困る
「そんなんどうでもええさかいいくで。お店教えてもろうたさかい」
翠華に腕を引かれてどこかへ連れて行かれた。最初は人通りの多い大通りを進んで、少し路地に入ったところのお店で立ち止まる
「ちょっと…これは」
そこにあったのは白を基調にした建物の少し高そうな下着のお店。中やショーケースには白や水色や淡いピンクと、少し若いと言うか正直"女の子向け"って感じの下着が並んでいる。下着の装飾はリボンにレースに羽とか花とか…
「鏡花ちゃんならここがええ思たんや」
「本気で言ってる!?」
とても私が似合うとは思えないんだけど!?
この子の目には私がどう映ってるのか
「そないな謙遜しいひんでもちゃんと似合うで。安心して」
「謙遜なんて話じゃないんだけど」
「ほな入ろう。試着する前にサイズ測ってもらわなね」
「ちょ、引っ張らないでよ!」
それ以上は有無を言わせてもらうことすらできなかった。中に入るなり翠霞が店員さんを呼んで流されるままに胸と腹とお尻と…とサイズを測られて、それがあまりに羞恥的で目を塞ぎ、思わず現実から逃げる
「今日はうちが選んだるね。吉良はんが好きそうなの選んどく!」
「彼の方が好きそうなのって何!?」
「吉良はん絶対清楚なのが好きや思うんやんな〜」
服を着直した私の言葉を完全に無視した翠霞の手によってさくさくと下着は選ばれていく。どうなるかわからないと思ってすごい多めに環は円に換金してきたけどお金足りるかな…
「翠霞…あんまり選びすぎないでよ?」
「多めに買うとこうなぁ! 後ええ忘れとったけど古いのんはほかしたさかい」
「は!? 捨てたの!?」
「あないなもっさいのこれ以上履かすわけあらへんやん。今履いてるのも帰ったらほかすさかい」
眩暈がした。私の思考パターンを完全否定されてる気さえする。動きやすくてよかったんだけど
「そやけどブラジャーは吉良はん喜ぶ思うなぁ」
「そうなの?」
「素直にかいらしいし、好きな子ぉわしを思てお洒落しとったら嬉しいに決まってるやん。男性的なロマンもあるし」
「…男性的なロマン?」
そういうものには疎い。わざわざ特筆するってことは大事なことなんだと思って訊いた
「そや。ブラジャーのホック外すのなんて"相手を暴く"感じがしてロマンやん」
「!」
急に何を言い出すかと顔が赤くなる。で、でも彼の方もそういう願望があったりするのかな…
気になるけど誘ってるみたいでいやらしい子だと思われない? 大丈夫?
「あ、ブラジャー盛れるのにしとこ。寄せて上げてやり魅力的に〜」
翠霞の声は聞こえるけど頭の中でぐるぐる考えてしまう。好きだって言ってくれるといいんだけど
「鏡花ちゃん? お会計終わったさかい次いくで?」
「!」
考えすぎて気がついたらお会計まで終わっていた。慌てて返事をする
「あ、わ、ごめん。お金後で払うね」
「いけるで。鞄からお財布勝手に抜いたさかい」
「…手癖悪いわよ翠霞」
「かんにんえ〜、悩んでるみたいやったさかい⭐︎」
悪びれない態度にため息をつく。呆れつつもとりあえず店を出た
「下着って試着できひんさかい似合いそうなの選んでもうたけど、次は服やさかい試着してな」
「わかったわよ…もう好きにしなさい」
「もー、鏡花ちゃんの服なんやさかいもっと気合い入れてや」
次の目的地に連れられながら、疲れはしてるけどなんとなく楽しみになってきた。下着はともかく瀞霊廷で現世風の服を買うのではなく現世そのものに降りて服を買うのは初めてかもしれない
服屋に到着するとまた驚く。また普段着ないような可愛らしいタイプの服屋さんだ…
「吉良はんは女の子になんやかんや夢見てるタイプや思うんやんな」
「あんた吉良副隊長をなんだと思ってるの…?」
「ん〜…それ見定めてるとこ?」
「はぁ…」
何したいのか不明瞭だな。まぁなんていうか、頑張ろうとしてるのは伝わってくるんだけど
「それなら吉良副隊長に対するその偏見はどこからくるのよ」
「灰猫ちゃんが言うとった!」
「…」
これ以上の会話を諦めて店に入ることにした。戦闘時の頭脳の良さというか、鋭い判断力はどこに行ったんだろう。今は狼っていうか…本気で大型犬みたい
お店の中に入るとまたこれは愛らしいというか、清潔感溢れる中に女の子っぽさのある色使いの内装。売られてる服はスカートやワンピースが多いし本当に似合うのかなこれ
「ほなうち見繕うてくるなぁ。鏡花ちゃんも好きに見とってええわぁ」
「は、はぁ…」
その言葉を残すなり翠霞は行ってしまったのでとりあえず店内の服を見て時間を潰す。やっぱり長い丈のふわふわしたスカートやリボンやフリルで少し飾られたシャツとか、皮っぽい可愛い靴とか…そんなのばっかりで不安になってくる。やっぱり自信がない
でもこういう服似合うって言われたら嬉しいけど…
ていうかこういうのってお手入れどうするんだろう。クリーニングだよね、多分
「うーん…」
「鏡花ちゃん何悩んでるん? 決まったさかい試着してきて」
「うわぁ!?」
いけない、そんなに悩み込んでたのか。まさか近づいてくる気配に気づかないなんて
「いける? 調子悪い?」
「大丈夫。どれ着ればいいの?」
「こっちで組み合わせ指定するさかいそれ着てみて」
「わかった」
とりあえず試着室を借りて指定された組み合わせをいくつか試着してみる。どれも女の子らしすぎて鏡見ても自分の黒髪とクマが浮くんだけど…
「似合うやん! 髪解いて巻いたりしたら可愛い思う!」
「そうかなぁ…?」
「どうせ毛先跳ねやすいしいっそ巻いたほうが可愛い思うで」
「あー、それはありかも…」
現世で義骸に入ってたら霊圧とか関係ないから無理にリボンで結ぶ必要もないし、下手に癖っ毛で半端なのよりは可愛いかな?
「き、吉良副隊長どう思うかな…」
試着室の中でくるりと回って確かめる。ほ、本当にこんな可愛いの私が着ていいのかな。彼の方は何て言うだろう
今来てるのは青のロングスカートと襟に小さなフリルがついたブラウス。スカートは裾がひらひらしてて生地が軽い印象になるよう薄く、細かいプリーツが入って…正直とても可愛い
「鏡花ちゃん前にお化粧でクマ隠しとったやん? あぁしたら余計にええんとちがうかな。吉良はんにしか見せへんどっしゃろ?」
「そ、それはそうだけど…何で知ってるのよ」
「うちは鏡花ちゃんの斬魄刀やわぁ? そやさかい化粧品も買うて帰ろ!」
「わ、わかった…」
また勢いに流されてる気がするけど実際翠霞は楽しそうだし、実際こんな機会はなかったからちょっと楽しいしで…なんか浮かれてる自分がいる
「ほなこのまま買うていこう! 次は化粧品のお店ね!」
「わかった! わかったから落ち着きなさい!」
とりあえず着替え直して、会計を済ませてから店を出る
その後は本当に化粧品のお店に行って、ついでにお洒落なお店で甘いもの食べたりして…なんだかんだ多くなった荷物と共に帰ってきた
「あ〜! いっぱい遊んだなあ」
「私は疲れた」
「ほなかなんかった?」
「嫌じゃないけどさ…ありがと」
翠霞はたくさん紙袋を持ってると言うのに抱きついてきた。危ないと思って引き剥がしてから自分の部屋に戻るために歩き出す
すると少し前には見慣れない人影が二人
「松本副隊長! 雛森副隊長! お疲れ様です」
駆け寄って挨拶をする。すると、二人は私とそれについてきた翠霞を見て何か納得したような顔をした
「あぁ、そういうこと」
「如何しましたか?」
「今日午前中にあんたの斬魄刀が来たのよ」
「!?」
松本副隊長の言うには、午前中突然翠霞が訪れてざっくり私のことを話したらしく…事情を把握した松本副隊長が雛森副隊長に連絡をしてお店が決まった、らしい
「翠霞、あんたねぇ…他の隊の副隊長さん達にまでご迷惑かけることないでしょ」
「だって、この服買うた時にこっちの服屋はん見たけど鏡花ちゃん似合いそうなのがなかってんもん」
「いいじゃない、よくできた斬魄刀だわ。うちの灰猫にも見習わせたいくらい」
「二人は仲良しなんですね!」
雛森副隊長の言葉に複雑な気持ちになる。仲良いっていうか、互いに振り回してるっていうか…そんな感じが近いような
「良いの見つかった?」
「はい! 教えてもらえたおかげさんで鏡花ちゃんが可愛なった!」
「よかったわね」
なんてやり取りをしつつ翠霞は松本副隊長に撫でられている。いつの間に懐いたんだろう
「緋月さん、私が前に行ったお店で大丈夫でした?」
「雛森副隊長の行かれたお店だったんですね…! とても愛らしかったです」
「よかったぁ、最近お気に入りなんです」
雛森副隊長ならあの可愛い感じとっても似合うだろうなぁ。私と同じ黒髪なのにこんなに印象が変わるのは何でなのか、やはり目つき…?
「吉良くんに気に入ってもらえるといいですね!」
「! は、はい。ありがとうございます…」
ど直球な言葉に照れた。こういうところが彼の方は好きだったのかな、裏表がない感じというか、そういうところが素敵だな
「あたし達これから飲みに行くけどあんた達も来る?」
「いえ、私は———」
「誘うてもらえて嬉しいけど、今日は徹底的に鏡花ちゃんを可愛うしたいさかい時間あらへんの! かんにんえっ」
私はお酒が弱いのでどちらにせよ諦めようとしたんだけど、翠霞が割り込んできた。少し驚いていると松本副隊長が乗り気で答える
「あら、いいじゃない。出来たら写真送って」
「ええわぁ! とびっきりかいらしゅうする!」
その後で松本副隊長達とは解散になった。隊舎の自室に戻って荷物を整理しようとすると翠霞がそれを止める
「?」
「鏡花ちゃん、今から着替えようなぁ」
「こんな時間に?」
「下着のサイズ合うてるか確認しいひんとやん?」
そこで納得した。とりあえず今来ている服を脱いで、教えてもらいながら今日買った下着をつけてみる
この部屋には姿見がないので確認はできないけど…なんか下着つけたら胸大きくなってない?
「胸大きゅう見えるやん? そないなやつ買うたんや〜」
「へぇ…色々あるのね」
「買うた服とも合わしてみよ! この花柄のワンピースやらどないかいな?」
「わかった」
とりあえず着てみる。小花柄のワンピースは膝下まで丈があって着やすい。そこにストッキング? というのを合わせて素肌を綺麗に見せるらしい
「こっちの上着も羽織ってみて。ほんならお化粧して写真撮ってみよ」
「写真撮るの!?」
「姿見ーひんねんさかいしゃあないやん」
「そ、そうだけど」
そう言われると…と思ってしまい上着を着て、お化粧をして本当に写真まで撮られてしまった。その後でなにか音がして顔が青くなる
「…翠霞、今何した?」
「吉良はんと松本はんに写真送った。なんなら吉良はんには今急いできたら見れるでって添えた」
「あん…っ!? あんった勝手になにしてんの!?」
「だって〜、松本はんには送るって約束してもうてたし、吉良はんはええやん見て貰うたら〜」
あぁ〜〜! 絶対この子こうするつもりで試着させたな!?
なんなら写真撮るところまで織り込み済みだったんだ!
「うちやったら侘助はんにすぐ見せに行くもん。鏡花ちゃんが恥ずかしがり屋なんやわぁ」
「あんたね、人の嫌がることはするなって…」
翠華に説教しようと思ったその時、声掛けもなしに襖が開いた
「!? い、イヅルさん!?」
反射的に振り向くとそこには貴方がいて、やや息を切らせている
「あ、きたきた。ほな私侘助はんのとこ行ってくるなぁ〜」
「ちょっと待ちなさい翠霞!」
「またね〜♪」
これはちょうどいいと言わんばかりに翠霞は逃げていく。最後に吉良副隊長を部屋に押し込んで襖を閉めると去っていった
恥ずかしさのあまり視線を逸らす私に貴方は見えないけど、この格好をどう思ってるんだろう。つい胸元なんかは慣れないものつけてるし余計に違和感もあって隠してしまう
「その、どうでしょうか…」
控えめに見ながら問うてみると、貴方は少し照れた様子で頬を掻くのが見えた。しかし沈黙が恥ずかしくて死にそう、重たい
「に、あってない、ならそれで…」
「それは違う!」
「…っ」
貴方が私に数歩詰め寄る。たまにしか見れない奥手な貴方に少し不安になって、手に少し力が入った
また少し視線を逸らす。すると貴方が近づく音がして、頭に触れたその手に驚いて顔を上げた
「!」
「えっと…ごめん、よく似合ってる」
「ふぇ…」
本当? 馬子にも衣装みたいな感じになってない?
貴方から見て可愛い?
「か、可愛い? ちゃんと可愛いですか…?」
「か…っ」
そこでまた貴方は言葉を詰まらせる。わかっているはずなのに、さっきの言葉で充分なはずなのに…今日はちゃんと"可愛い"って言って欲しくて強請ってしまう
だけど貴方は少しだけ間を置いて、背けそうになった顔を私の方に向けて…それから私の目を見た
「そんなに心配しなくてもちゃんと可愛い。だから安心して」
「!」
見透かされたようで貴方の胸に顔を埋めて逃げる。でもそんな私の頭を貴方は撫でてくれて顔を上げた
「ありがとうございます…」
そう言ってまた顔を埋めてしまったから貴方の顔が見れない。でも嬉しい、可愛いって言ってくれた
あとは初めてつけた下着とか…本音を言うと見てほしいけど流石にはしたないかなって思うと必然的に控える。そういう空気でもないし…
すると、貴方の方から伝令神機が鳴った。電話のようで、それはしばらく鳴り響いている。一度離れてそれを貴方が確認すると不可解そうな顔をした
「如何しましたか?」
「いや…発信元が君の伝令神機だから不思議に思って」
「え…?」
貴方の伝令神機はまだなり続けている。とりあえず出てみようという話になったので警戒しつつ電話に出ると少しして貴方が赤い顔をした
「…?」
私がよくわからないまま、貴方は電話を切ってまた私を見る。不思議に思っていると背を向けるように言われた
とりあえず言われた通り背を向けると、貴方が指で背筋をなぞる
「ひゃあ!?」
流石に驚いて、その後貴方が私を後ろから抱きしめたのも驚いた
「な、ど、どうしたんですか?」
「とりあえずさっきの電話は翠霞さんからだったよ」
「翠霞!? あの子ったら私の伝令神機勝手に…」
「そんなことはいい。とりあえず着替えて」
その言葉に戸惑う
何か翠霞が貴方の気に触るようなことを言ったんだろうか
「…僕は部屋の外にいるから」
その言葉で翠霞が何を言ったのかを察した
あのおせっかいめ…とは思いつつ、与えられた機会は逃したくない。私はその気持ちで貴方を引き留めた
「嫌です」
「…?」
「見てもらうために、買ったので…嫌です」
「! だって君、それは」
わかってる。貴方が紳士的であろうと努めてくれているのは。わかってるけど、はしたないかもしれないけど、それでも頑張ったから見て欲しい
「はしたないでしょうか?」
「いや、それは…っ」
我ながら狡い質問だ。貴方の真面目さでは答えづらいだろうに
「少しでもそう思わないなら、見てください」
上着を脱いでからワンピースのボタンを一つ一つ、少し震える手で開けていく。緊張がないわけじゃないから指先の震えはあって、でも二つめを外したあたりで貴方の手が触れた
「…!」
「手、震えているじゃないか。無理しなくていい」
「やっぱり少し緊張して」
「ならそのままでいて」
次のボタンから貴方が外していく。服を痛めないようにゆっくりと外れていって、するりと袖を抜くと中から水色の愛らしい下着が露になった
「…やっぱり照れますね」
貴方の視線に顔が赤くなる。慣れてないからこれでいいのかもわからない。でもなんか、このまま立ってても仕方ない気がしたから覚悟を決めて貴方を押し倒して上に跨ってみる
「…黙ってないで感想、教えてください」
下着が胸を寄せてあげてるからか、下を向くと溢れそう。少し驚いてる貴方は必死な私を見て何を思うんだろうな
不意に、貴方の少し冷たい手が腰に触れて声が出た。反動で少し腰が引けると、後ろに硬いものを感じて更に赤くなる
「それは行動で? それとも言葉がいいのかい」
「そんなの」
貴方の襟を掴んでぐっと手前に寄せてからキスをして、唇に勇気をこめる。答えなんて決まってるから
「そんなの、どっちもです」
私が赤いと貴方はいつも赤くない。私の余裕を持っていってしまってるみたいにすんとして、大人で
ほんの少し前まであんなにやりづらそうだったのに、なんだかんだといつも勝てないのはどうしてなのか
貴方は私の腰を抱くと腹筋で起き上がる。私を抱え込むように抱きしめて噛み付くようなキスをした
「んぅ…んん、んく…」
短いキスから離れると、貴方が私の瞳を見ている
「ならまずは行動からにしようか」
貴方の手は下着越しに私の胸元に触れた。優しく下着を撫でる手を私は嬉しく感じて、もしかして本当に貴方が気に入ってくれたのかもしれないと思えてくる
「誘ったのは君だ、後悔しないでくれよ」
「喜んで」
今日の夜も長いといい
せっかく今日一日頑張ったから、貴方からご褒美をもらってると思って
終
おまけ
翠霞「昨日はお楽しみどしたなぁ?」
鏡花「なっ…やっぱりあんたなんかけしかけたわね!」
翠霞「知らへんなぁ、うちは吉良はんに「鏡花ちゃんブラジャーつけるようになったんどすえ」って言うただけやさかい」
鏡花「絶対それじゃん!」
翠霞「だって、二人一緒におってくれたらうちはその分侘助はんといれるもーん」
鏡花「あんたねぇ…!」
翠霞「ええやん、昨日かてお楽しみやったんやん?」
鏡花「そういう問題じゃ…」
翠霞「そういうたら今日も下着つけてるやんな?」
鏡花「え、つ、つけてるけど…」
翠霞「えらい! じゃあまた買い物行こうなぁ! またねー!」
鏡花「あっ、ちょ! 待ちなさい翠霞! 翠霞ー!」
終