三国志外伝『死神と呼ばれることになる名も無き一般兵のお話』   作:車馬超

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『逃げた帝を追えっ!! 李傕・郭汜の大暴走っ!!』

(後ろには元董軍の李傕・郭汜……前方には鬼畜のごとき曹軍……俺の命もここまでかぁ……ぐすん)

 

 一体全体何でこんなことになってしまったのだろうか?

 

「ひゃっはぁああああっ!! 董卓様直伝の騎馬戦術とくと味わえやぁあああっ!!」

「ひ、ひゃっはぁぁぁ……はぁぁぁ……これ絶対通じないんだけどなぁ……ひゃっはぁあああっ!!」

 

 物凄く大雑把な命令で勢いのまま突き進むが、曹軍の落ち着きっぷりから見て対策されていることは目に見えている。

 少し前の俺なら気づけなかっただろうが、孔明君と仲達君の本を読んだお陰で自分たちが罠に嵌りつつあると確信すらできるほどだ。

 ただどのような罠が待ち構えているのかは生兵法しか身についていない俺にはわからなくて、だから止まるよう進言することもできない。

 

(あぁぁ……どうしてこんな連中に見つかってしまったんだぁぁぁ……)

 

 友人の私塾を文字通り叩き出された俺は、行く当てもなくさ迷い歩いていた。

 しかし道中で帝が長安から逃げ出したことを知った俺は、これこそ新たな出世の機会だと思って護衛するために彼らの下へ向かい……先に帝を連れ戻そうとする李傕・郭汜連合軍に見つかってしまった。

 そこでかつて敵対していたからあっさり殺されるかと思いきや、今は帝を連れ戻すのが第一だとばかりに馬を操れる俺は強引に仲間にされてしまったのだ。

 

(死なずに済んだって意味では運がよかったと安堵したけど、まさかいつの間にか帝を庇護していた曹軍に無策で突っ込む羽目になるなんてぇ……さ、最悪だよぉぉっ!!)

 

 曹軍に敗れたものの末路は陶謙殿の下にいた際に嫌というほど目の当たりにしている。

 それこそ捕えられたら戦闘員だろうが非戦闘員だろうが命の保証は全くないだろう。

 だから何とかして逃げ出さなければいけないのだが、俺みたいな道中で拾ったような裏切りそうな輩は最前線に立たされているからどうしようもない。

 

(うぇぇぇんっ!! こんなことなら私塾からでなければよかったよぉぉぉっ!! これが女神様の見た目をバカにした罰なのかぁぁあっ!? 謝るからどうにかしてくださいよぉおおおっ!!)

 

 心の中で必死に謝罪を繰り返すけれど現状が変わるはずもない。

 こうなるともう一か八か自らの武勇で運命を切り開くほかなく、俺は女神様に貰った剣を引き抜いてそのまま曹軍にぶち当たるのだった。

 

*****

 

「いたぞぉっ!! 捕まえろぉおおおっ!!」

「ひぃいいっ!!」

 

 物凄く執拗に追いかけてくる曹軍から逃げ惑う俺。

 思った通り策を隠していた曹軍に李傕・郭汜連合軍は完膚なきまでに敗北しほぼ全滅状態に陥った。

 それでも俺はこれまでさんざん負け戦を経験してきた甲斐もあり、また私塾などで勉強した知識を生かして何とか退路を見出すことに成功したのだ。

 

 ただ向こうも逃げるならこの場所だとわかっていたようで、あらかじめ配属されていたらしい部隊が今もなお俺を追いかけてきている。

 

(も、もう仲間はチリジリになってここには俺一人しかいないっていうのに何でここまで執拗に……や、やっぱり曹軍は敵対者は最後の一人まで虐殺する気で……う、うわぁああっ!! 冗談じゃない、死んでたまるかぁああっ!!)

 

 とにかく必死で今までに学んできた技術の全てを動員して、追手から逃れようとする俺。

 

「おーいっ!! ここに逃げ延びた者よ、聞こえているかぁっ!! 孟徳はあの絶望的な状況からたった一人でここまで奮戦した君の才能を惜しんでいるっ!! 好待遇での登用を約束するから出て来て欲しいっ!!」

 

 片目を眼帯で覆っている偉そうな将軍らしき男が大声で叫んでいるが嘘に決まっている。

 

(そ、そうやってノコノコ出てきたところを陶謙のところの奴らを虐殺したみたいに……お、俺は騙されんぞっ!! 絶対に……ぜぇったいに逃げ延びてやるぅうううっ!!)

 

 まだ俺はこの乱世で全くと言っていいほど活躍できていない。

 出世したいのはもちろんのこと、今までずっと頑張ってきたのだから、せめてちゃんと俺の能力を評価してくれる人の下で働きたい。

 そのためにもこんなところで死ぬわけにはいかないと、俺は改めてこいつらから逃げ切るために全力を尽くすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「李傕・郭汜、あの二人もついに天命が尽きたか……やっぱり強いなぁ孟徳様の軍勢は……個々人の能力を生まれとかに関係なく上手く見切って活用してるみたいだし、あいつも上手く曹軍に入りこめればちゃんと出世できそうなんだけど……」

「しかし流石に叩き出したのは悪かったかもなぁ……どこで何してんだろうか……ひょっとして李傕・郭汜軍に入って負け戦してたりして……はははっ!! 幾ら何でもそんなわけはないか~」

 

 

 

 

 

 

 

何とか曹軍を振り切ることに成功した主人公。

しかし玄徳からも孟徳からも狙われているこの状況で彼は何を思うのか。

次回『ここが一番安全だっ!! 天下一の武勇と共にっ!!』お楽しみに




主人公ステータス

統率:35(+10)=45
武力:70(+10)[+10]=90
知力:33(+10)[+20]=63
内政;43(+0)[+20]=63
外交:35(+5)=40
魅力:2(+10)=12
特技:歩兵/騎兵/酒豪/拷問/挑発/治安/訓練/遁走/水軍/舌弁/混乱/虚報/眼力/不屈/商才/[軍師]/[仁政]

友人ステータス

統率:50(+2)=52
武力:30(+0)=30
知力:72(+2)[+10]=84
内政:61(+2)=63
外交:60(+2)=62
魅力:80(+0)=80
特技:耕作/商才/虚報/偵察/天文/歩兵/[医術&妖術]/舌弁/人望/名士/鍛冶
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