三国志外伝『死神と呼ばれることになる名も無き一般兵のお話』   作:車馬超

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『ここが一番安全だっ!! 天下一の武勇と共にっ!!』

「……久しぶりだなぁ親友……元気してたかぁ?」

「あぁ……まあそれなりに……はぁぁ……」

 

 数年ぶりに友人の私塾へ立ち寄った俺を、こいつは優しく迎え入れてくれた。

 そしていつぞやの様に持ってきてくれた茶を飲み干しながら、改めて友人と向かい合う。

 

「やだやだやだ……頑張っても頑張っても成果は零零ぜぇろ……乱世は嫌だねぇ……」

「はは……その調子だとまた負け戦沢山経験してきたみたいだなぁ……今度はどこ行ってたんだ?」

「ああ、呂布殿のところよ……天下一の武勇を誇るあそこなら絶対安全だと思って……だけどお前も知ってるだろ?」

「そうだなぁ……玄徳殿と孟徳殿の連合軍に水攻めされて……まさかあの二人が組むとは思わなかったが……」

「もう流石に嫌んなったよ……何で俺が所属した勢力は絶対に滅ぶのかねぇ……まるで俺のせいみたいじゃんか……」

 

 流石に呂布殿までもが戦で敗北したせいで心が折れかけている。

 何せあの勢力には出陣すれば確実に敵陣を堕とす『陥陣営』の高順殿、そして髭とも渡り合える武勇と馬術を誇る張遼殿、更には元曹軍で相手を知り尽くしている軍師の陳宮殿まで揃っていたのだ。

 だから実際に玄徳軍も孟徳軍も単独ならば跳ね返せたというのに、そいつらが組んでまで襲ってきたのだから悪夢としか言いようがなかった。

 

「大変だったろうなぁ……だけどよくまた逃げて戻ってこれたな?」

「何だかんだで董軍で西涼仕込みの騎馬術を学んでる俺は重宝されててさぁ、籠城する呂布殿達を援護するために外で遊撃隊を任されてたから負けを確信した時点で逃げるのは容易かったよ……心苦しくはあったけどな」

 

 色々と教えてくれた上司や、玄徳や孟徳が嫌いだからという輩が多くて意気投合できた同僚たち……本当は助けに戻りたかった。

 だけど行ったところで全滅するだけだとわかっていたし、その時指揮していた部下たちを自殺行為の巻き添えにするわけにはいかなかったのだ。

 

(俺の力じゃ養えないし、こんな疫病神と一緒に居させるわけにはいかないからちゃんと安全なところまで避難したところで解散したけど……あいつら無事でいるといいなぁ……はぁぁ……マジで俺は疫病神だよ……)

 

 今なら玄徳の奴が言っていたことがわかる気がする。

 だから本当はここにも来るべきではないのだろうけれど、俺にはこいつのところ以外他に行けるところなどなかったのだ。

 

「お疲れさん……まあここでゆっくり休んで英気を養ってまた頑張れ……もしくは前に言った通りここで畑でも耕して暮らすか?」

「……それもいいかもしれないなぁ……俺ももう乱世でバチバチやるのは疲れたよ……けどいいのか? 俺みたいな疫病神が居たら迷惑かかるんじゃ……?」

「もうとっくに慣れてるし、俺以外にお前の面倒見れる奴他にいないだろ? そんなこと気にすんなっての」

「……ありがとう親友……じゃあしばらく厄介になろうかな?」

 

 またしても親友に迷惑をかける形になって心苦しいことこの上ない。

 だけれど俺の言葉を聞いた親友はいつものような呆れたような顔ではなく、どこか安心したように微笑んで見せた。

 

(……この顔どこかで……ああ、そうだこれはいつぞや湖で見た女神様の……いや違う、もっと俺が幼い頃に……)

 

 何故かその顔を見たら俺は妙に安心してしまって、これまで張りつめていた糸が切れたかのように力が抜けてしまう。

 そんな倒れ掛かる俺の頭を優しく抱き留めた親友は、そのまま膝枕してくれた上で頭をなでながら子守唄を口ずさみ始めた。

 

「♪~♪~♪~」

「…………」

 

(ああ、そうだ……俺が物心つく前……いつだってこいつは……となりのおねえちゃんはちのつながらないぼくをこうしてあやし……Zzz…………)

 

 とても懐かしくも心地よい感覚に包まれた俺は、自然と目を閉じて深く深く寝入ってしまうのだった。

 

「Zzz……Zzz……」

「……こんなに大きくなったのに、寝顔は昔と変わらないなんてなぁ……思い出すなぁ、よくおねしょしてたお前のおしめを変えてやったっけなぁ……」

「Zzz……Zzz……」

「お前がちょうど立てるようになったころだったかなぁ……二人して家族を流行り病で失って、泣くことしかできなかった俺を……当時のあたしをお前は必死に……まだ片言だったってのに……自分の方が泣きたかったはずなのに……そうやって無理して虚勢張らせちまったお前にもう苦労させまいと頑張ってきたつもりだったんだけどなぁ……」

「Zzz……むちゃ……Zzz……」

「……必死に押し殺してるけど本当はさ、心配だからもうどこにも行ってほしくないんだよ……目に見えるところにいて欲しいって……そう思っちまうのはやっぱり我儘、なんだろうなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友人の下で安寧なる暮らしに戻ろうとする主人公。

しかしそこに迫る魔の手を前にして彼は…………

 

次回『俺は疫病神……?』




主人公ステータス

統率:45(+20)=65
武力:80(+10)[+10]=100
知力:43(+5)[+20]=68
内政;43(+5)[+20]=68
外交:40(+5)=45
魅力:12(+20)=32
特技:歩兵/騎兵/酒豪/拷問/挑発/治安/訓練/遁走/水軍/舌弁/混乱/虚報/眼力/不屈/商才
/[軍師]/[仁政]/+攻城/+遊軍

友人ステータス

統率:52(+3)=55
武力:30(+0)=30
知力:74(+1)[+10]=85
内政:63(+2)=65
外交:62(+3)=65
魅力:80(+0)=80
特技:耕作/商才/虚報/偵察/天文/歩兵/[医術&妖術]/舌弁/人望/名士/鍛冶
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