三国志外伝『死神と呼ばれることになる名も無き一般兵のお話』 作:車馬超
「んで、次はどこに行くつもりなんだ?」
「うぅん、とりあえず俺の騎馬術が活かせそうなとこってことで……白馬で有名な公孫瓚のところかなっ!!」
親友……ではなく妻の言葉にはっきりと答える俺。
「そうか、よし分かった……じゃあそこに敵対してる袁紹のところが第一候補だな」
「えぇっ!? な、なんでそうなるのぉっ!?」
「お前の経歴を考えたら当然だろ? 絶対真逆の方を選んだほうがいいっての」
身もふたもない宣言に、俺は何だか泣きたくなってくる。
(うぅぅ……あ、相変わらず容赦ないこの物言い……やっぱり胸も無いしこいつ男なんじゃないかなぁ?)
あの後、俺を幻術で騙していただけで実は女だったと白状したこいつだが未だに時折疑いたくなってしまう。
尤もこんなことを口にしたら血の雨が降るので黙っているにこしたことはない。
(しっかし本当に真っ平だったもんなぁ……てっきりサラシでも巻いて隠してるのかと思いきや百パーセント自前だったとは……まあ本人も滅茶苦茶気にしてるみたいだし、逆にその反応が可愛いからついつい揶揄いたくなるんだけど、盛り上がっているとき以外はマジで流血沙汰になるからなぁ……)
あれからも一体何度失言して暴力を振られたことか……なんだか結婚前の時の優しさが嘘のようだ。
まあそれだけ俺に甘えてくれているとも言い換えることができなくもない。
(……『物は言いよう』『病も気から』うん、相変わらずあの二人の残した本は役立つなぁ……うぅ……)
「……なんか言いたげだなぁ? そしてその視線も気に食わないところを見てる気がするんだが、気のせいかなぁ?」
「い、いやいやいやっ!! そ、そぉんなことはありませんですよはいっ!!」
「全く、まあ別にいいけどよ……とにかくちゃんと生きて帰って来いよ……この子が生まれる前までにな?」
「も、もちろんだよっ!! 膨らむ前には絶対絶対、ぜぇったいに戻ってくるからなっ!!」
そう言って優しくお腹を撫でる妻の仕草に刻々と頷いて見せる俺。
まだ胸もお腹も膨らんでいないけれど、自分の身体だし何より医術をかじっている妻には新しい命が宿っているとはっきりわかるようだ。
(だからこそ色々と膨らんで動けなくなる前にお金を稼いでおかないとな……何が起こるかわからない乱世はまだ続いているんだからなっ!!)
未だに幻術が使える妻はもう前みたいな無理はしないと約束してくれたし、自分の身を守るぐらいはできるはずだ。
だからこそ俺は出世のためでも自分の能力を発揮するためでもなく、俺たちの幸せな未来のために戦場へと繰り出すのだ。
「そうそう、それでいい……がちなみに聞いておくけど、その膨らむはどの部分を指して言ってるのかなぁ? 大きいお胸大好きな旦那様ぁ?」
「うぐっ!? あ、あははは……じ、じゃあ行ってくるわっ!!」
思いっきり心中を見透かされている気がして、俺は慌てて家を飛び出すように乱世の世を駆け抜けていく。
そんな俺の後ろ姿を見守りながら元親友にして妻であり……今も変わらず世界で最も大切な存在は呆れたような目を向けながら、だけど愛おしそうに手を振ってくれるのだった。
「気を付けていって来いよぉ……また勢力が滅んでも泣くんじゃないぞぉ……お前さえ生きてりゃぁあたしは十分なんだからさ……」
「わかってるってっ!! もう開き直ってるからさ……誰に何と言われようと……例え疫病神を超えて死神と恐れられることになったとしても、俺は全力で頑張りぬくぞっ!!」
そう叫び返しながら、俺は明るく煌めく未来への道のりを全速力で駆け抜けていくのだった。
(……でもあいつはああいったけど、やっぱり公孫瓚殿のところにまず顔出してみよう……もしそれで駄目なら次に袁紹殿、といいたいところだけどあそこ行くぐらいなら袁家の公式な血筋って言われてる袁術殿のところへ先に向かった方がよさそうだよなぁ……それもダメなら次は………………)
これは後に死神と呼ばれ恐れられるようになりながらも、歴史に語られるほどの影響力を得られなかった……だけど幸せに生きた名も無き一般兵のお話。
主人公ステータス
統率:70(+0)=70
武力:91(-1)[+10]=100
知力:50(+0)[+20]=70
内政;50(+0)[+20]=70
外交:50(+0)=50
魅力:50(+10)=60
特技:歩兵/騎兵/酒豪/拷問/挑発/治安/訓練/遁走/水軍/舌弁/混乱/虚報/眼力/不屈/商才/[軍師]/[仁政]/攻城/遊軍/繁殖/+悪運/+幸福
友人ステータス
統率:55(+5)=60
武力:30(+1)=31
知力:85(+0)=85
内政:65(+0)=65
外交:65(+0)=65
魅力:80(+10)=90
特技:耕作/商才/虚報/偵察/天文/歩兵/医術/妖術/舌弁/人望/名士/鍛冶/繁殖/+愛嬌/+良母/+幸福