【未完】機動戦士ガンダム:新秩序の終焉   作:うねる蛇

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初めましての方は初めまして、それ以外の方々はご機嫌よう、投稿者のうねる蛇です。
今回よりネット上の知り合い複数名との共著として、hoi4のmod”The New Order”と宇宙世紀(ガンダム)のクロスオーバー作品である”機動戦士ガンダム:新秩序の終焉”を掲載いたします。
以前より個人で執筆していた『Red Flood × 宇宙世紀(仮)』についても、今の所は書き続けるつもりですのでご安心ください。


第一章:時の壁を超えた出会い
プロローグ


 

 

 

とてつもなく広い宇宙の片隅にある、生命溢れる星・地球。

 

人類が繁栄していたこの惑星だが、今まさにこの瞬間、人類史史上最大の波乱が幕を開けようとしていた。

 


 

U.C.0079年1月10日 シドニー

 

 

この都市に住んでいる者たちは、皆恐慌状態に陥っていた。

 

ある恋人達は()()()()()()震えて涙を流しながら抱き合い、あるものは()()()()()()()涙ぐみながら家族をその腕に抱いて。

ある者達は何かから逃げるかのごとく車を走らせ、またあるものはパニックのあまり過呼吸に陥った。

 

 

 

無理もなかった。

なにしろ彼らの眼前には、轟音をあげながら空から急速に落ちてくる、巨大な構造物が目に映っていたのだから。

 

彼らは皆その構造物が何かであるかは知っていた。しかし、この場所にそれが落ちて来るとは誰一人予想していなかったのだ。

 

人類のサイド2所属のコロニーの一つ:『アイランド・イフィッシュ』。

 

かつて様々な人々の居住区だったその場所は、今や毒ガスが内部で充満し、誰一人として生きている者はいない。

 

ジオン公国軍・地球連邦軍の想定では、南米にある地球連邦軍の総本山・ジャブロー基地に落ち、地球連邦軍の指揮系統に甚大な被害と混乱をもたらすはずだったそのコロニー。

 

双方が予想しなかったことに、衝突前日まで続けられた連邦宇宙軍第四艦隊の決死の迎撃が影響し、大気圏突入時に崩れ落ちた事で、ジャブローへの直撃は未然に防がれた。

 

だがそれは、裏を返せば大小様々な破片が地球上の様々な場所に降り注ぐことを意味し、そのうち最も大きな破片がシドニーに向かって行ったのである。

 

そうしてかつてコロニーだったものがシドニーの地表に激突し、その衝撃波と、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と共に、その届く範囲内にいた人々の意識は永遠に暗転した。

 

 


 

 

同時間帯 ジオン公国軍所属ムサイ級軽巡洋艦『ファルメル』

 

 

ブリッジで地球を眺めていた男、キリング・J・ダニガンは知っていた。自らが人類の半分を殺戮するであろう作戦の実行者となることを。

その作戦の遂行にあたって用いた手段が、ジオンの大義に永遠に泥を塗ることを意味するのも理解していた。

しかし彼は軍人であり、そしてジオン公国の将軍であった。だから彼はブリティッシュ作戦の実行を選んだ。選ばざるを得なかった。

 

「これでいい」

 

彼は部下に言った。

 

「俺も覚悟を決めたぞ。この戦争で、連邦の屑どもを根絶やしにしてやる」

 

それは決意というよりも、諦観に近いものだったかもしれない。あるいはそれは、自己正当化のための言い訳に過ぎなかったのだろうか?

しかし彼の言葉を聞いた兵士たちの顔には、希望と勇気がみなぎったように見えた。

少なくとも、ダニガン自身の目にはそう見えた。

 

そうして彼は、コロニーの衝突しつつある地球をその場にいた部下たちと共に見ていた。

自分達の罪を、記憶に焼き付けるために。

 

『対象の目標着弾まで、10…9…8』

 

平坦な女性乗員の声が、艦内のスピーカーを通じて鳴り響く。

おそらく人類の半数を虐殺することに対して、感情を押し殺しているのだろう。

 

『7…6…5…』

 

ダニガンは真っ直ぐと地球を見つめていた。

コロニーの落ちるであろうある地球を。

 

『4…3…2…』

 

他のドズルの部下たちは固唾をのんだ。

無理もなかった、彼らは歴史の変わる瞬間に立ち会っていたのだから。

 

『1…』

 

しかし、

 

『0』

 

この瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()歴史は舵を切ることとなる。

 

 

「なんだあれは…!」

ダニガン達は見た!

コロニーが地球に激突したと思われたその瞬間、その残骸の着弾したと思しき各地点から、白い光が漏れ出たのを。

彼らの眼前でその光は徐々に広がり、やがて地球全体を覆い尽くした。

 

そして、大きな揺れが訪れた。

「うおっ!?」

「うわっ!?」

「どうした!連邦軍の攻撃を喰らったか!?」

「いえ閣下、連邦軍艦船の姿及び攻撃の跡、どちらも付近に確認できません!」

「一体何が起こっていると言うんだ…!」

 

そして揺れが収まり落ち着いた彼らの眼前には、もう先程の謎の光は確認できなかった。

 

「…!閣下、地球が!」

「どうした!…!?」

 

そしてその代わりに彼らの眼前の地球からは、こちらを向いていたはずのオーストラリア大陸ではなく、欧州やアフリカ大陸が見えていた。

しかも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、各地域の都市に光が点っていた。

…奇妙なことに、旧ロシア地域の西部やアフリカのほとんどからは、光が一切観測できなかった。

 

彼らの預かり知らぬことだが、この奇妙な揺れは地球圏のほぼ全てで観測されていた。

木星のコロニーの住民であれど、移動中の宇宙船の乗員であれど、全て揺れていた。

空気がなく衝撃波など伝わらないはずの宇宙空間ですら、例外では無かった。

 

この異常事態でブリッジが混乱状態に陥る中、ダニガンは一抹の不安を感じながら、急いで友軍と連絡を取ることを部下達に指示し、こう一言呟いた…

「一体、何が起こった…」

 

 


 

 

同時間帯 地球近郊宙域 地球連邦所属宇宙軍第四艦隊 臨時旗艦

 

 

地球近郊宙域を航行する、地球連邦宇宙軍の第四艦隊。

彼らは地球に落ちてくる『アイランド・イフィッシュ』を迎撃するも、その最中にジオン公国軍の新兵器『モビルスーツ』による核弾頭も交えた攻撃を受け7割以上の損耗が発生、壊滅寸前に陥り、友軍の基地に撤退している最中であった。

 

そして彼らもまた、地球を覆い始めた謎の光を見て驚愕していた…

 

 

 

本来の旗艦が撃墜され、臨時旗艦となった巡洋艦のブリッジでは混沌が場を支配していた。

 

「全員落ち着け!地球の状況はどうなっているか至急確認するんだ!」

「ほ、報告します!シドニーを始め、パリやバイカル基地など、地球側施設からの通信が続々と途絶しています!おそらくあの光に呑み込まれたところはもう…」

「なん…だと…!」

 

この艦隊の提督を務める男:ティアンムが、ブリッジの全員を落ち着ける意味も込めて大声で状況報告を求め、その副官がそれに応じる。

 

「て、提督!ち、地球が、全てあの光に…!」

「クソっ、ジオンの奴らめ、どんな新兵器をあのコロニーに載せたと言うんだ…!」

 

地球が全て謎の光に呑み込まれたことにブリッジのクルーが戦慄し、ティアンムはこの事態を引き起こしたであろうジオンに対して悪態をつく。

 

そしてその直後、彼らを謎の揺れが襲う。

 

「うおっ!?」

「どうした!?敵襲か!?」

「いえ、敵の姿や攻撃の跡、共に付近に確認できず!」

「今度は一体何が起こっているんだ…!」

 

「ゆ、揺れが収まった…」

「待て、地球が!」

「どうした!…何ッ!?」

 

その時彼らの眼前の地球には、つい先ほどまでこちらを向いていた欧州大陸は移っていなかった。

その代わりに移っていたのは、北米大陸が映っていた。

 

「地球の向きが…変わった?」

「コロニーの直撃で地球の向きが変わったというのか…!」

「一体どれだけの威力だったと言うんだぁ!」

「全員落ち着けッ!!」

 

ティアンムが再度大声を揚げて、全員を落ち着かせる。

 

「おいそこの君」

「はっ、はい」

「今すぐジャブローに暗号伝で連絡しろ、『第四艦隊ヨリジャブローへ、我、コロニーノ迎撃ニ失敗ス。ジオン軍ノ手ニヨリ甚大ナ損害ヲ受ケ、ルウムヘ撤退ス』だ。急げ!」

「は、はい!」

 

ティアンムが通信担当の士官に、ジャブローへの連絡を命令し、第四艦隊はルウムへの撤退を開始する。

 

しかし、彼らはこの時知らなかった。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…。

 

 


 

 

西暦1973年6月3日 アメリカ合衆国 NORAD本部

 

 

「一体何がどうなっているんだ!?」

この施設に勤める一人の管制官が混乱して声を挙げる。

普段ならば同僚や上司に咎められてもおかしくないが、今実際にそうする者はいない。

彼のたった今の発言は、この場にいる他の者たち全員の思いを代弁していたからだ。

 

突如として地球全土の昼夜が逆転したと同時に、北米大陸の遥か上空、大気圏の最上層に大量の超大型の未確認飛行物体がレーダーに写ったのだから、無理もなかったが。

 

「どうしてこんな物体が突然!?一体どこの国の物だ!」

「何処ってたって、こんなもん我が軍では作ってないぞ!ナチかジャップの新兵器じゃないのか!?」

「今はそんなことどうでもいいだろ!クソっ、ここのレーダーは居眠りでもしてたのか!?」

「全員落ち着け!!」

混沌とした場の中、ついに状況を静観していたNORADの司令官が皆を黙らせる。

 

「今から指令を下す!直ちに国防総省にこのことを報告!それから戦闘機を出撃準備させろ!急げ!」

「「「い、イエッサー!!」」」

司令官の鶴の一声を受け、その場の全員が一斉に秩序立って動き出す。

 

「こちらNORAD本部、至急の報告あり、ペンタゴン応答せよ、オーバー」

『こちらペンタゴン、はっきり聴こえている。報告を、オーバー』

「北米上空、大気圏最上層にて多数の大型未確認物体をレーダーで確認、反応の数50以上、その全てが現在東進中、戦闘機のスクランブル必要ありと思われる、オーバー」

『こちらペンタゴン、了解した。直ちに近隣の基地より戦闘機を発進させる、オーバー』

報告は届けられ、後NORADにいる者たちにできるのは、この異常事態が一刻でも早く収束するのを祈ることだけだった。

 

 


 

 

同日数時間後 アメリカ合衆国上空

 

 

「なんだ、ありゃあ…」

スクランブル発進した戦闘機のパイロットがそれを見て最初に口からひねり出せたのは、この一言だけだった。

あらゆる航空機の飛行限界高度を少し超えたところに浮かんでいたそれらは、彼が今まで見てきたどのような航空機よりも大きく、そして異様だった。

 

『…気持ちはわかるが、気をしっかり持てイーグル1。警告を送るんだ。』

「お、おう。…こちら合衆国空軍。不明機に告ぐ。貴機は合衆国領空を侵犯している。直ちに所属と飛行目的を明かせ。This is the United States Air Force. Attention, unidentified aircraft. Your aircraft is in violation of U.S. airspace. Identify yourself and the purpose of your flight immediately.」

長年共に飛んできた仲間に支えられ、しかし若干震えた声でパイロットが警告を発する。

 

数秒、しかし極度に緊張していた米軍パイロットたちにとっては、とてつもなく長い時間に感じられたそのひと時が過ぎ去った。

 

『…縺薙■繧蛾?」驍ヲ霆咲ャャ蝗帛ョ?ョ呵襖髫願?譎よ署逹」繝?ぅ繧「繝ウ繝?縲√◎縺。繧俄?ヲ騾」驍ヲ霆榊、ァ豌怜恟逕ィ謌ヲ髣俶ゥ溘ヱ繧、繝ュ繝?ヨ縺ィ諤昴@縺崎??↓谺。縺舌?』

「!?」

『謌代???蜿ェ莉翫?√さ繝ュ繝九?關ス縺ィ縺励?髦サ豁「縺ォ螟ア謨励?√ず繧ェ繝ウ蜈ャ蝗ス霆阪?謨ー縲??譁ー蜈オ蝎ィ縺ョ謇九↓繧医j逕壼、ァ縺ェ陲ォ螳ウ繧貞女縺代Ν繧ヲ繝?譁ケ髱「縺ォ謦、騾?荳ュ縺ァ縺ゅk縲ゅ%縺ョ縺薙→繧帝浹菫。荳埼?壹?繧ク繝」繝悶Ο繝シ縲√◎繧後′蜿カ繧上↑縺代l縺ー莉倩ソ代?蜿玖サ阪↓閾ウ諤・騾」邨。縺励※縺サ縺励>縲よ?縲??繝ォ繧ヲ繝?縺ォ謦、騾?縺吶k縲ゆサ雁屓縺ョ謌ヲ莠峨↓縺翫>縺ヲ縲∬イエ蜷帙?豁ヲ驕九r逾医k縲ゅが繝シ繝舌?』

 

その意味不明の暗号化された通信が送られた直後、パイロットたちは驚愕した。

 

なんと、その巨大な飛行物体たちが、猛スピードでさらに上へと浮かんでいったのだ。

 

先ほどの意味の通じない通信のこともあり、米軍パイロットたちは、それを唖然としながら見ているしかなかった…

 

 


 

 

同時間帯 大ゲルマン帝国 総統官邸総統執務室

 

 

「これは一体どういうことだ……?」

 

総統の第一声は、呆然としたような静かな一言から始まった。

その拳は怒りで非常に強く握られており、わなわなと震えている。

 

「ウィーンの直上だぞ!ほとんどベルリン寸前の上空に敵の存在を許した上に、しかも全く探知できなかったとはどういう事だ!?お前たちには、世界に冠たる大ゲルマン帝国の軍人として職務を全うしようという気概はないのか!」

 

アルベルト・シュペーア。

奴隷制をライヒに敷き、自らの保身の為に奴隷制を批判し、改革による奴隷制の除去すらやってのけ、今や新しいナチズムの権化として君臨するこの男。

彼が軍の無能について喚き散らす姿は、改革派として知られていた頃の聡明な姿とは違っていた。

むしろ、かつてのヒトラー総統の演説を彷彿させるような、怒りと失望と激しさの声色。

シュペーア総統のそれを、エルンスト・レーマー国防軍最高司令部総長とラインハルト・ゲーレン帝国諜報局長は静かに聞いていた。

 

「総統閣下、ご安心を。この大失態の責任がどこにあるのかは、我々が責任を持って突き止めましょう。帝国上空に、このような存在の侵入を許すなど……」

 

ラインハルト・ゲーレンの機関は帝国国内の責任以前に、未曾有の飛行物体がどこの所属なのかすら掴めていない。

分かるはずもなかったし、分からないという事そのものは大日本帝国でもアメリカ合衆国でも、現時点では共通だった。

しかしこの件に関して、目の前の事実ではなくありもしない責任を追求しようというのは全世界で大ゲルマン帝国だけであった。

そして二人の目線は、部屋の中にいる残り一人の男へと向く。

 

「申し訳ございません!総統閣下!しかしドイツ国防軍には、ステルス戦闘機Ho229とヴェルナー・フォン・ブラウンの核ミサイルがあります!もしアメリカや日本が卑劣な攻撃を行うつもりなのだとしても、一時的にレーダー網を破ったのだとしても、少なくともそれなりの準備があります」

 

エルンスト・レーマーももちろん、軍国主義者でありながらシュペーアの政権の中での権力闘争を生き残った傑物である。

彼は未確認飛行物体、つまり今回の敵が地球人であろうと宇宙人であろうと──特に”地球人”の仕業であれば──、何をするべきか完全に理解していた。

 

「…わかった、我がルフトヴァッフェの航空隊を発進させたまえ。ただし次はないぞ?レーマー君」

「はっ、了解いたしました!」

シュペーアから睨まれながらも、レーマーが退室する。

 

「では、私もこれで…」

そしてレーマーの後を追うようにゲーレンも退出する。

 

一人残されたシュペーアはため息をついた。

「全く…一体なんだというんだ…この惑星中の昼と夜が一瞬にして入れ替わるなど、尋常じゃないぞ…」

本当のことを言ってしまえば、シュペーアは今回の事態についてレーマー率いる軍部に責任があるとは思っていなかった。

それだけの異常事態だと気づいていたのだ。

端的に言ってしまえば、先ほどまでの怒り狂った様子は自分の面子を保つための演技であった。

 

「今回の事態は本当に異常だ…一体どこから奴らは現れた?いきなり我が帝国のレーダー網を突破してくるなど、大気圏内どころかそれより何千メートルか上でも不可能だぞ?」

彼は頭を掻きむしり、あり得る犯人を全て頭の中で浮かべては消していく。

そうして、一つだけが残った。

 

「あの復活した東のボリシェヴィキども…奴らとの国境線でこれまで不審な動きは検知されてはいなかったが、確か奴らの新たな指導者の…ジダーノフといったか、奴は『人類を恒星間競争に引き上げる』だの気の狂ったようなことを言っていたな…」

そこまで言ったところで、彼はある可能性に行き着いた。

「まさか…奴らはあの台詞にふさわしい兵器を完成させたとでもいうのか?我が帝国のレーダーの索敵範囲より遥か上の、宇宙空間で運用できる代物を、あんなに大量に…!?」

彼は自分の肌を見た。

鳥肌が立っていた。

 

「不味い…もしそうだとすれば非常に不味い、一刻も早く宇宙に聡い彼を呼ばなければ、この帝国が危うい…」

シュペーアはそう一人呟き、急いで自身のメモ張の頁をめくって、ある番号を探し当てた。

その番号の上には、こう手書きで書いてあった。

 

ヴェルナー・フォン・ブラウン、RLR長官

 

 


 

 

同時間帯 大日本帝国 東京 霞ヶ関

 

 

「ふむ…ではどうしましょうか皆様方。」

 

内閣総理大臣、福田赳夫は威厳に満ちた、しかし決して他者を見下し威圧しない声色でそう言った。

彼はこれまでも冷静で、そして的確に判断を下せる人間であるし、今回もそうであると皆が期待している。

それは事実であるが今回は少し事情が違う。

地球全土の昼夜が逆転し、それと同時に帝国本土上空に突如出現した謎の飛行物体…これは幾ら何でも想定外にすぎる。

さらに天文台が信じられないことを報告してきたのだ。

 

「我々は西暦2150年前後に来たとしか考えられない…これは間違いないのですか?」

「は、はい総理。国立天文台が惑星の位置関係や各恒星の位置などを考慮し計算したところ、我々は1973年の宇宙ではなく、2150年前後の宇宙にいるとしか考えられないと…」

 

その瞬間、閣議に出席した各大臣や秘書たちからどよめきの声が上がった。

「それは一体どういうことだね!?何かの間違いじゃないのか!」

「あの宇宙船が惑星規模のタイムマシンとでも言うつもりか!」

「もしそれが事実だとすれば、次がいつどのように起きるのか分からない!早く原因追及を…!」

 

落ち着け諸君!君たちが慌ててどうする!

「そうだ。我々の双肩には日本臣民とアジアの兄弟たちの命運がかかっているのだ。そう慌てふためくな!」

 

狼狽える大臣たちを一喝したのは陸軍大臣の堀栄三、海軍大臣の淵田美津男だった。

流石は軍人と言うべきか、想定外の事態や生命が脅かされるかもしれない事態でも落ち着き払っている。

 

「陸海軍大臣の言う通りです。今我々に必要なのは原因の究明もそうですが、今後の対応です。」

福田首相も改めてそう主張する。

総理と陸海軍大臣の一喝によって閣議は平静を取り戻した。

閣僚たちは酸素に脳を供給させ、秘書たちも帝国大学を卒業した頭脳を使って閣僚の手足となれる準備がいつでも整っている。

 

「えー、現在提示されている方策としましては三つ提示されております。静観、つまり野放し。他二つは鹵獲か破壊、ですね。」

「破壊でいいんじゃないか、あんなもの!いつも我々の頭上にあんなものがあったら恐ろしくて眠れやしない!」

「国民もあの飛行物体に怯えていますしね。破壊せよとの声が少なくありません。ですので、私も破壊で宜しいかと…」

「待ってください!あの宇宙船は他惑星の知的生命体が搭乗している可能性があるんですよ!戦争にでもなったら取り返しがつかないことになる!」

 

議論は三々五々に紛糾している。

大日本帝国、いや日本では何事も石橋を叩いて渡るが如き慎重さが常に政治では求められてしまっており、その為にスピード感のある対処と言うのは難しい。

かと言って結論を急ぎ過ぎればそれこそ誤った判断をしてしまいかねない。

 

会議が踊りながら、夜が更けていく…

 

 


 

 

同時間帯 ソビエト社会主義共和国連邦 スィクティフィカル 最高指導者官邸

 

 

「諸君!遂に我々は待ち望んでいた時がやって来たのだ!」

 

そう高らかに他の閣僚に向けて宣言したのはジダーノフ亡き後のソ連を継承した男:ニコライ・カルダシェフであった。

 

「私はジダーノフ時代から続く科学への莫大な投資と、宇宙科学技術の開発を命令させてきた。それは我が国の国威発揚とミサイル技術の開発だけではなく、宇宙に住まう知的生命体と接触しようという試みでもあったのだ!だがしかし、我々が接触する前に彼らから先に来てくれた!これは我々ソビエトにとって、いや、人類にとっての福音と言えるだろう!」

「ですが最高指導者閣下。彼らの目的は果たして何なのでしょうか?彼らは時折奇妙な信号を我々に向けて送っておりますがそれ以外には特にこれと言った行動を取ってきておりません。」

「目的などどうでもいい!我々にとって重要なのは、異星人が存在し、こうして地球に来ている。それだけなのだ。そこで諸君らに頼みたいのが…彼らに対するメッセージを考えて欲しい!」

 

カルダシェフのこの発言に多くの閣僚は動揺している。

宇宙にいる知的生命体と交信しようとするなど初めての試みであっただけでなく、下手をすれば人類に大きな不利益をもたらしかねないファースト・コンタクトにカルダシェフは堂々と名乗りを上げたからである。

 

「では、先ずは我々が知的生命体であることを証明する為に数式や世界各地の言語、音楽を送ってみてはいかがでしょう。」

「他にも相手の惑星や知的水準を計るために、数学の問題を送ると言うのはどうでしょうか?」

 

そう質問するのはカルダシェフが「有識者」として招いた、科学者たちであった。

門外漢である閣僚たちは相槌を打つか、彼らにいくつかの簡単な質問をする程度であった。

 

「では、以上の内容をマガダンのラジオ局から、あのトーキョー直上の船団に向けて発信しよう。さぁ諸君!我々はこれより地球のみならず、宇宙の知的生命体となる大きな一歩を踏み出すのだ!」

カルダシェフはそう閣僚たちに呼びかけた。

 

…彼の行動は、結果的にソ連と人類の歴史を大きく変えることになるが、それは彼が全く思いもよらないところから来ることとなる。

カルダシェフは、そのことをまだ知らない。

 

 




ジオン「コロニー地球に落としたったでwww」
地球連邦「もうダメだあ、おしまいだあ…!」
ガンダム地球「ウワーッ!(コロニー落とし着弾と同時に怪光に包まれ、消失)」
TNO地球「なんだここ!?(いきなり出現)」
ジオン・地球連邦「ファッ!?誰だお前は!?」

TNOと宇宙世紀のクロスオーバー、始まり始まり()
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