トロいわ、悟くん。   作:狐大総統

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感想、誤字報告ありがとうございます!
ギリ、今日は書けました!

今回は前半だけ視点が変わりすぎて読みにくいかもです。
それでも良ければ、どうぞ!


クソうめェだろのドブカス

side直哉

 

ゴクッ 

 

仏舌を使って呪霊玉を呑み込む傑くん。

 

さて、傑くんは呪霊操術の不味さを克服できたんやろか。

「どうなん?傑くん。美味い?不味い?どっちなん?」

俺の言葉に、傑くんは少し遅れて反応した。

 

「……う、美味いよ!美味すぎる!!なんて美味しさなんだ!呪霊とはこんなにも美味しいものだったのか!まるで、濃縮された一杯のスープのようにも感じるし、舌にインパクトの残る今まで食したことのない高級肉のようにも感じる!納豆やチーズの臭さが旨みの源になるように、呪霊の不味さも術式反転によって、ここまで旨みへと昇華させることができるなんて…!」

 

そう言って、テーブル上に置いてある鶏のような呪霊へと傑くんは手をかざして呪霊玉にすると、すぐに口元へと運ぶ。

 

「な、なんてことだ…!こちらは先ほどの蝿頭よりも肉肉しさが強い!!にもかかわらず、あっさりとした味わいもあり、超高次元でバランスを保っている!いくらでも食すことができるよ!」

そう言いながら、手は次の呪霊へとかざされている。

 

「こっちの魚のような呪霊はどのような味なんだ…?……!す、素晴らしい!!新鮮な魚の刺身を食べているようなのに、甲殻類の濃厚な甘みも感じる!!ここまで美味い海産物はこれまでに食べたことがない!ああ、私の語彙力の低さが恨めしいよ!こんなに美味しい呪霊達を表現する言葉が見当たらなくなってしまうなんて!!!」

その後も他の呪霊を次々と口に運んで食レポをしていく傑くん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつ、ハイになってねーか?」

「…まあ、成功したようでなによりやわ」

甚爾くんの言葉に俺は苦笑しつつも返答しながら、反転術式を会得したらハイになるってのが一般的なんやろか?と思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

side夏油

 

 

 

 

うまい!旨い!!美味い!!!

この世の呪霊の全てを食したい!!

 

 

 

 

 

食欲が裏返る、そんな予感がした。

 

 

 

 

 

今ならできるだろう。

呪霊操術 極の番 『うますぎ』 

 

 

 

 

 

 

 

 

side直哉

 

「…!まさか傑!『極の番』に到達したのか!?」

カー◯ィみたく呪霊を吸い込んどる傑くんを見て言う悟くん。

 

「いやいや、悟くん。六眼持ちが何を言っとんねん。分かってんねやろ。ボケるのやめろや。」

あれは縛りを使ったただの早食い・・・や。

 

おそらく、しっかりと味わわんことを縛りとして早く多く食べ切ることに特化したんやろ。

手を呪霊へとかざす速度、呪霊玉にする速度、呪霊玉を口へと運ぶ速度、あいた手を次の呪霊へとかざす速度の全てが甚爾くんの本気レベルの速度や。そこについては充分驚異と言えるわ。

 

せやから、ギリ拡張術式とはいえるかもしれへんけど、極の番とは到底言えるもんやない。

『領域』を除いたそれぞれの術式の奥義であるんが『極の番』や。

あれが極の番やったら、呪霊操術が泣くで。

…まあ、ある意味で奥義っちゃ奥義やろうけど。

 

「さすがだぜ傑…。」

「いや、だからアレはただの拡張術式やろって。…あかん、耳に届いてへんわ」

 

漫才とちゃうねんぞ。

もうええわ。

 

 

 

 

 

 

side夏油

 

 

直哉が何かを言っているが、私の耳には入らなかった。

ごめん、直哉。

私は今、直哉に感謝していない。非術師に感謝している。

今はただただ、この世界(呪霊という名の食糧)が心地良い。

 

 

 

 

 

 

 

「いただきます。ごちそうさま。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side直哉

 

「にしても傑、泣くほど美味いのか。めっちゃ感動してんじゃん」

悟くんは、一筋の涙を流しながら食べる傑くんを見て言う。

…傑くん、どこかの俳優かなんかやろか。様になりすぎやろ。

 

まあ、しゃーないやろなとは思うわ。

今まで呪霊を溜め込む度に、他人のゲロ拭いた雑巾を飲み込んどったんや。

 

高専に入る前はどんくらいの頻度か知らんけど、確実に高専に入ってからは任務のためってのと悟くんの隣に立ち続けたい自分のプライドのために飲み込まなアカン量は相当増えてったやろうし、それを我慢し続けとったんやろうからな。

 

それが、いきなり全部最高級のご馳走に変わったんや。涙くらい出るやろうね。むしろ、悟くんがおらんかったら号泣しとるんちゃうか?

 

「ま、俺らからのプレゼントを喜んでもらえて何よりや」

俺が笑みを浮かべてそう言うと、傑くんはようやく我に返ったようやった。

 

「す、すまない!私としたことが、あまりに美味しくて感謝を伝えられていなかった!」

そう言うと、傑くんは立ち上がって俺らに向かって頭を下げた。

「本当にありがとう。この恩は絶対に忘れない」

 

「へぇ、夏油にしては素直じゃん」

「まあ、俺らはそんなたいしたことしてねーよ。今回の手柄はほぼ全て直哉のモンだ。恩を感じるなら直哉だけにしとけ」

甚爾くんがそう言うと、そーそーと続ける女王様。

 

「いやいや。女王様と甚爾くんの案が無かったら、俺も確信を持てずにやっとったとこなんやで?俺だけの手柄なわけやないって」

「あれ?私の言うことは全て正しいんじゃなかったの?」

「ゔっ…」

クールに笑みを浮かべながら言う女王様に、俺は言葉に詰まる。

 

「こりゃ、一本取られたんじゃねーか?直哉」

さすがはお前の女王様じゃねーかと続ける甚爾くん。

 

「甚爾くん…。ホンマ女王様はいけずやわぁ」

そんなん言われたら、なんも返せんくなるやん。

 

「直哉、本当にありがとう。これで私はこれからも頑張っていけそうだ。それに」

「待って待って、傑くん。まさか、プレゼントがそれだけで終わりとか思ってないやろな?」

まだまだ感謝の言葉が続きそうな傑くんの言葉に、俺は割って入る。

 

「もしかして、まだなんかあんのか?」

俺の言葉に反応する悟くんと、自分達は何も聞いてないぞと首を横に振る女王様と甚爾くん。

 

「さっきのは、あくまで俺の中では俺らからのプレゼントやってん。術式反転会得済みの先輩としてのプレゼントはまだ渡してないんや」

まあ、ようするにデザートやなと俺は続ける。

 

「傑くん、今回は術式反転をデバフの帳消しみたいに使うたけど、戦いに使うならどうするつもりや?」

「えっ、うーん。まだハッキリとは決められていないし試行錯誤していくつもりだけど、呪霊操術の私と呪霊の隷属関係に重きを置いていく予定だよ。」

例えば、私が呪霊を呪力で強化している点を、術式反転によって呪霊が私を呪力で強化するといったことも可能だと思うんだと続ける傑くん。

 

「おん。そういう使い方も勿論ええと思うで?ただ、俺は傑くんの言った隷属関係の一歩先に目をつけてみたんや」

そう言うと、傑くんは不思議そうな顔をする。

 

「今って、そのへんにおる自然発生した呪霊を狩って取り込んどるやん?」

言うなれば、傑くんが王様で呪霊は外から入ってくる国民やなと続ける。

「そんなら、その逆はなんやと思う?」

 

「人口減少じゃないかい?」

「もしくは呪霊の国外逃亡になっちまうんじゃねーの?」

何を言っているんだという顔をする傑くんと悟くん。

 

「…スマン、俺の例え方が悪かったわ。ようするに俺が言いたいんは、取り込むのとは逆でゼロから産み出すってのはできないんやろうか?ってことや」

ちなみに、合体っちゅうわけやないでと続ける。

 

「…!なるほど、取り込んだ後にばかり気を取られていたな。さっき、私の術式は取り込むことも含めてだと認識できたばかりなのに…!」

悔しそうに言う傑くん。

 

「あー、なるほどね。ネ◯ルさんを取り込むピッ◯ロじゃなくて、卵を口から産み出すピッコ◯大魔王になって、配下を増やせばいいじゃんってことか」

正に傑の逆そのものじゃん!と続ける悟くん。

 

「えぇ〜。まぁ、それでええけど。」

「ていうか、それだと劣化してない?」

悟くんの言葉に俺は面倒になって反論を諦めた。女王様は突っ込んでくれたけど。

まあ、悟くんの例えも間違うてはないか。

 

「最終的には意図的な術式とか、呪力の性質なんかを持った呪霊を産み出せたらええな。」

そのへんは、知り合いの呪具師を紹介するから参考にしてみてやと続ける。

 

「ああ、何から何までありがとう。はは、返せないほどの恩ができてしまったな」

「何を言うてんねん。これからが本番なんやで?この術式反転は傑くんの成長によって、特級クラスも作れるかもやし四級程度にしかならんかもしれん。全部傑くんの努力次第や」

 

とは言うけど、傑くんなら特級呪霊どころか特級呪術師相当の呪霊を作りあげることに成功するやろな。

呪霊操術の強みは数やけど、いかんせん究極の個っちゅうのには負けてまう術式や。そこをこの術式反転で、いかに究極の呪霊を作りあげられるかが肝や。

 

それに、俺の予想やと『呪霊操術で取り込んだ呪霊の術式の精度は取り込んだ時点でその成長を止める』っていうのも反転されて成長し続けるに変化すると思うんやけど、そのへんはどうなるんやろね?今後に期待やけど、あとで一応傑くんに伝えとかなあかんな。

 

あとは、構築術式なんかやと命を賭ける縛りで特級呪具を作れたりするらしいけど、呪霊操術の場合は特級作るとなると必要なんやろか?

 

まあ、傑くんが命を賭けるのは問題外やから、そんときはテキトーに呪詛師を生け贄にしたったらええか。

…傑くんのメンタルにきたりせんよな?大丈夫やんな?一応傑くんにこれも了解取らなあかんな。

 

俺がそのような思考をしていると、傑くんが話しかけてきよった。

「…凄いね、直哉は。こんなにもたくさん私の視点には無かった呪霊操術の使い道を考えられるなんて」

 

「いや、逆に呪霊操術を使わん俺やから見えた視点やろ。」

俺を傑くんは持ち上げてくるが、本来はそんなたいそうな人間とちゃう。

 

「そもそも、俺が強くなれたんは甚爾くんが色んなことを教えてくれたからや。はじめっから強かったわけとちゃう。ええか?自分で強くなるには限界があんねん。俺は甚爾くんに、傑くんは俺に強くなる手伝いをしてもらう。そうやって、仲間全体で強くなってくねん」

俺の言葉に傑くんは目を大きく開いて、別の人みたくなっとる。

 

 

 

「で、どうやった?俺のデザートは」

俺は挑発的に傑くんへ聞く。

「ありがとう 満腹だよ」

傑くんは満たされた笑みを浮かべとった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、俺は?」

仲間全体って、俺は強くしてもらってなくね?と続ける悟くん。

マジ空気読めんやつやな〜。そんなやから庵先輩に嫌われるんやで?

 

「悟くんも俺が強くしてやったやんけ」

「もしかして、俺が死にかけたときのことかよ。とんでもないスパルタじゃねーか。お前、ドMなんじゃなかったのかよ」

悟くんの言葉に、俺がドMなるんは女王様にだけやわと言い返す。

 

 

そんなことを話していると、唐突にあ!と悟くんが声を発したと思うたら、甚爾くんの方へ歩いて行きよった。

 

「そういや、聞きたいことあったんだけどさ。俺、アンタにどっかであったことあったか?」

「気にすんな。俺も苦手だ。男の名前覚えんのは」

甚爾くんがそう言うと、悟くんは分かったーと続ける。

 

…え?甚爾くんって悟くんに会うたことあんの?

聞いたことないんやけど。

マジ?どないなときに会ってん?

 

…これはあとで問い詰めなあかんな。

 




呪霊操術の術式反転、また自己解釈が産まれました。
夏油強化をここまでしても、ほぼ確実に宿儺様には負けちゃうんですよねぇ。
…いや、マジでどうやったら勝てるんだろ。
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