トロいわ、悟くん。   作:狐大総統

11 / 13
この作品の直哉はキッショさ10割、カッコ良さと綺麗さは添えるだけでやりたいんですよね。
最近、キッショさが減ってきている気がするので次からは頑張ってもう少し増やしたいと思います。

…メロンパンがキッショさ25割なんですもん。規格外過ぎるでしょ。

あと、今回も独自解釈入ります。


黒い衝動なドブカス 

side直哉

 

あれからというもの、傑くんは呪霊を産み出すことと食すことに全力を注いどった。

 

産み出すことはまだまだやけど、食すことについては呪霊大食い世界選手権があったら、ぶっちぎりでチャンピオンになれるレベルや。

 

あと、ちょっとそこまで出かけるってなったときは、基本的に人混みを好むようになったわ。最初こそ傑くんって賑やかなところが好きなんやったっけ?って思っとったわ。

 

せやけど、目の前で非術師の肩や頭に乗っとる呪霊を見てる傑くんの目が、飲食店のメニューを見る目と同じやってことに気づいたらなんも言えんくなった。あの人にとって、非術師は自分に食事を運んでくる店員さんと変わらん。

 

そういえば、任務もガンガン受けるようになったわ。あるとき、傑くん達と同じ任務で一級呪霊の跋除があったんやけど、傑くんが取り込んだときの顔といったらヤバかったわ。頬が落ちるとばかりに自分の頬を抑えて、幸せって感情を出しまくっとった。

 

あとで傑くんが興奮して俺と悟くんに言っとったのが、

「等級ごとに美味しさも上がっていってるみたいなんだ!なんていうか…そう!ミシュラ◯の星の数ってあるだろう?私にとって、等級は同じような基準になりつつあるよ!…あぁ!一級でコレなら、特級はどれほどの美味しさなんだろう?まさに死んでも良いと思えるほどの味わいなんじゃないか!?地方による味の変化もあるし、これからが本当に楽しみだよ!」とのことやった。

 

なんなら、「いつか私のフルコースを完成させることが夢なんだ!!」とかアホなこと言っとった。

◯リコの◯食屋とちゃうねんぞ。お前は呪術師やろうが。

もしくは◯ケモンマスター目指しとるんか?

夏油はゲットゥってか。はは、おもんな。

 

そんなことを思っとると、傑くんが高専の共有スペースまで走ってきよった。

「直哉、悟!探したよ!今から呪霊を狩りに行かないかい?新鮮な呪霊と熟成された呪霊がいるんだが、私としては熟成された方に興味があるんだ!しかも、熟成された方は星七つらしいよ!」

「何を言っとんねん」

 

熟成されたってなんやねん。古来からの恐怖によって生まれた呪霊ってことか?そもそも、ミシュ◯ンにも国や会社独自の星の付け方にも星七つとか聞いたことないわ。◯ラゴンボールかい。

 

…いや、俺が聞いたことないだけであるんやろか?まあ、それはええわ。そんなら、星七つは特級ってことか?1番下が四級やから、それは星1つってことやろか?わけわからんな。

 

だいたい、あのパーティーの後に二週間で全国食べ歩きツアーやったやんけ。あのツアーで何千体増えたと思っとるんや。地方ごとの食べ比べをしてみたいんだって言ったの傑くんやろが。

 

なにが「思う存分、食べ比べようじゃないか…!」やねん。

しかも、そのすぐ後に傑くんだけ特級認定されとったよな?

 

俺、てっきり特級認定は悟くんが先やと思っとったんやけど。どんだけヤバいことしたか自覚ないんかコイツ。てか、もしかして傑くん、任務のことタダで食える超高級ビュッフェやと思うてないやろうな…?

 

「いや、悪いな傑。今日は俺に付き合って貰うぜ。ちょっと実験してみたいことがあるんだ」

「……………………そうか、仕方ないね。いつも私に付き合って貰っているし、今日はビュッフ…立候補型任務は諦めるよ。」

なんやねんコイツ。返事する前にため過ぎやろ!めっちゃ残念そうな顔しとるし!なんなら、ビュッフェ言いかけたんやけど?誤魔化しきれてへんからな?

 

「硝子も連れて校庭行こうぜ。どうせなら広いとこでやりてーし」

悟くんは、文房具を持って俺らを校庭まで引き連れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!このへんなら良いだろ。」

校庭に出て、悟くんは俺らに渡されたんはボールペンと消しゴム、定規を渡した。

 

 

 

俺に思いっきりぶつけてくれよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…は?悟くん、いくら俺と同じ真のドMとはいえど、やっていいこととやっちゃいけんことくらい見極めろや。なんで、俺の女王様にSMプレイを要求しとんのや。コイツ、殺したろうかな。そういや、七海も悟くんの横暴は嫌がっとったな。…ヨシ、コイツ殺そう。甚爾くんにも協力して貰えば確実に殺せるやろ。悟くんの懸賞金、今っていくらくらいなんやろか。

 

そんなことを考えていると、傑くんが発言した。

「…悟、君ってドMだったのかい?人の性癖にとやかくいうつもりはないが、友人に求めるのはどうかと思うよ?」

傑くんも女王様もドン引きしとる。

 

「なんでそうなんだよ!?術式の実検だって言ったろうが!」

てか、それ言ったら直哉はどうなんだよ!と続ける悟くん。

「直哉は硝子に迷惑をかけているわけじゃないんだからいいだろう」

「お前、あんときにやったパーティーから直哉に甘くなってねーか!?」

 

 

…あー、なんやねん。そういうことかい。ただの実験ってだけなら、はよ言えや。

「なんやねん、危うく暗殺計画立てるとこやったわ」

「こっわ。俺の後輩怖すぎなんだけど」

なんなら、一回殺されかけてるしと続ける悟くん。

 

「やかましいわ。ほら、さっさとやるで」

そう言って、悟くんの前に立つと3人でタイミングを合わせる

「「「せーの!」」」

そうして投げた3つの文房具は、傑くんが投げた消しゴム以外は2つとも悟くんの前で止まった。

 

「うん、いけるね」

満足そうに言う悟くん。

「げ、何今の」

「術式対象の自動選択か?直哉みたいな」

傑くんは驚いたように悟くんへと尋ねた。

 

「そ、正確には術式対象は俺だけどね。」

そう言うと、悟くんは今の現象の解説を始めた。

「今までマニュアルでやってたのをオートマにした。」

「悟くん、人のパクりよったんか」

 俺の言葉に、直哉だって俺の無下限バリアをパクッただろと悟くんに返される。…ハァ、それはそれ、これはこれって言葉を知らんのか。

 

「呪力の強弱だけじゃなく質量・速度・形状からも物体の危険度を選別できる。毒物なんかも選別できればいいんだけどそれはまだ難しいかな。これなら最小限のリソースで無下限を"ほぼ"出しっぱにできる」

 

「出しっぱなしなんて脳が焼き切れるよ?」

悟くんのとんでもない発言に女王様が医療目線で反論するが、俺には悟くんのやろうとしとることにひとつアテがあった。

 

「…俺が前に言っとったやつやるつもりなん?」

「そ、自己補完の範疇で反転術式も回し続ける。いつでも新鮮な脳をお届けだ。」

悪いな、直哉。お前の案使わせてもらうぜと続ける悟くん。

この男、人の案をパクりすぎやろ。著作権の侵害で訴えたろうかな?

 

 

…それにしても、や。

やっぱ、六眼ずっるいわぁ。

 

無下限の出しっぱバリアとか、ほぼ無敵やんけ。俺の防御かて最強クラスやってのに、出しっぱにはできんのやぞ。こんなん、悟くんを攻撃できんの世界ごと殴れる俺か天逆鉾持っとる甚爾くんくらいちゃうか?

 

まだ、悟くんは世界を捉えることができてないから俺の攻撃の選択肢は減っとらんけど、そっちまで会得されたら更に厄介になりそうやな。

 

「前からやってた掌印の省略は完璧。「赫」と「蒼」それぞれの複数同時発動もボチボチ。あとの課題は領域と長距離の瞬間移動かな。高専を起点に障害物のないコースをあらかじめ引いておけば可能だと思うんだ。硝子、実験用のラット貸してよ」

「えー…」

悟くんが女王様にお願いしとるけど、普通は先に超高級な日本酒を手土産にお伺いを立てるとこやろが。何を手ぶらで催促しとんねん。

まったく、ホンマ真のドMのくせして、俺とは方向性が合わんわぁ。

 

 

そんなことを考えとると、そういえばさ、と悟くんが傑くんに声をかけとった。

「傑、ちょっと痩せた?さっきも思ったけど大丈夫か?」

 

悟くんが人の心配ができるようになっとるなんて…!成長したなぁ。お兄さん、ちょっと泣けてまうで。

 

傑くんは呪霊ばっか食っとるからな。呪霊が美味すぎて普通の食事やと物足りんのやろ。せめて、3食ふつうには食べろや。

さて、そんな傑くんは悟くんにどう返答するんや…?

 

「ただの少し早めの夏バテさ。大丈夫。」

なんっちゅう下手な誤魔化しやねん!そんなんで騙されるやつとかおらんぞ!特級詐欺師の名が泣くで?ホンマに傑くん本人か?誰かが身体を乗っ取っとるんちゃうやろな?

 

「ソーメン食いすぎた?」

いや、騙されるんかい!どう考えても呪霊ばっか食って普通の食事をせんかったからやろがい!悟くんはどこに目をつけとんねん!ピュアピュアボーイにもほどがあるわ!

 

傑くんも変なモンばっか食いよってからに!!あ〜!ストレス溜まるわ〜!!女王様からの無茶振りなら、寧ろご褒美やっちゅうのになんで俺がこんなストレスを感じなアカンねん!

 

「あ、直哉ぁ!」

こんなにも俺がストレス溜まりまくっとることも悟れへん悟くんが俺に声をかけてきた。悟って名前、改名しろや。

 

「なんやねん」

「たぶん、長距離の瞬間移動も直哉を越える速度を出せると思うんだよね。悪いな!最速の術師の称号はもらってくぜ!」

俺の進化に置いてかれるなよ!と続ける悟くん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかがキレる予感がした。

 

……ブチィッ!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハァ?なんで女王様の前で悟くんが俺より上みたいな空気出しとんねん。

そら、最初は悟くんの方が強かったやろうけど、一回俺にボコされとるやんか。

 

お前のせいで女王様から見限られたらどないすればええんや。

俺は泣き叫ぶ自信があるわ。

俺にとっては禪院家が1日で滅びようが、新時代の幕が開けようが、世界が滅びようがどうでもいいねん。

甚爾くんは最強やし、甚爾くんの家族と女王様はなんとしても俺が守るしな。

 

例え、あの両面宿儺と殺し合わなアカンくなったとしても、そんなん知らん。怖ないわ。呪いの王との殺し合いの時間よりも、女王様から見限られる1秒のが勝っとる。そんだけや。

 

せやから、そんな考えを持っとる俺に対して、女王様の前で恥をかくかもしれへんことをした悟くんは万死に値すんねん…!!!

あかん、頭が沸騰しそうや。冷静になるんや俺…!

 

 

スゥーッ、深呼吸や深呼吸。俺はすこぶる冷静や。

そう、ただな?ただやで?

ちょっと、ほんのちょーっぴりだけや

ちょーっぴりだけやけどな?

ちょっと、イラッときただけや。

 

「…領域展開、見せたろか?」

唐突な俺の発言に傑くんは驚いとる。

 

「できるのかい?」

「誰ができひん言うたねん」

そう言って、俺は準備運動を始めた。

 

「そんなら、頼むわ!ぜひ見せて貰おうぜ、直哉せんせーの領域展開講座」

悟くんはやってみろとばかりな態度で俺に言ってくる。それは教えを乞う態度やないやろ。

 

「女王様、念の為に俺からなるべく離れておいて貰うてええですか?」

そう言うと、女王様は30mほど離れてくれた。

 

「いやー、楽しみだな」

「少しワクワクするね。直哉の領域はどんな風になっているんだろう」

実に楽しみだと続ける傑くん。2人とも特級呪霊のものはともかく、呪術師の領域展開は見たことないやろうからな。テンション上がっとるんやろ。

…けどな?通常時ならそのテンションのままでいさせたったけど、今回ばかりはドタマにきたわ。傑くんも悟くんも好き勝手しすぎやねん。

 

 

 

その上がっとるテンション、一気に下げたるわ…!

目ぇかっぴらいて良く見とけや。

 

「見せたるわ、本物の呪術っちゅうもんを。

 

 

 

 

 

 

    領域展開『時胞月宮殿』 

 

 

     

 

 

 

                      」

 

 

「うお、すげーな。これが直哉の領域てん……!?おいおい、こりゃどういうことだ?」

「領域が閉じていない…!?」

傑くんはもちろん、領域を展開し始めたときはまだ余裕のあった悟くんも俺の領域の全貌を見て驚愕しとった。なんなら、二人とも冷や汗まで流しとる。

 

「どうやってこんなものを…」

「あぁ、女王様がこっちの景色を見やすいように工夫しただけや」

念のために離れて貰うたからなと続ける。

 

「いやいや、どんな工夫だよ…!こんなもん、空に直接絵を描くような神業だぞ!」

悟くんが驚きながら例え話を言うたけど、俺がやったんは悟くんが言ったそのまんまや。俺は甚爾くんと同じで空気の面を捉えられる。その面を外殻に利用しただけの話や。そんなたいしたことはやっとらん。

 

「あとちなみに言っとくと、この領域は逃げ道を与える縛りをしとる。これによって底上げされた必中効果範囲の最大半径な、超長いねん」

俺がニヤつきながら悟くん達へと伝える。

 

「…どれくらい伸びるのか聞いてもいいかい?」

神妙な面持ちで傑くんは俺へと聞く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13kmや 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がそう答えると、2人は驚愕したようやった。

そら、そうや。こっから13kmいうたらとんでもない範囲が俺の攻撃範囲っちゅうことになる。

「ピンとけえへんやろ。数で聞いても」

 

「マジかよ」

悟くんはようやっと声を出すことができたみたいやった。

 

(オイオイ、そんなのほぼ核攻撃と変わんねーだろ!)

(たしか、核爆発の爆心地から半径21キロまでは受傷するとこの前見たテレビ番組でやっていた。その内、半径13km以内にいた人々はIII度熱傷するとか。直哉は核爆発のIII度熱傷範囲までを自身の攻撃範囲とすることができるのか…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が驚き過ぎて固まっとるとき、唐突に女王様が会話へと入ってくる。

「なんか、13kmって聞こえたんだけど、この領域ってそんなに伸びるの?」

少し遠くから女王様が聞いてくる。

「すんません、あれ嘘言いました。言うたほど長く延びません」

 

 

「「嘘なのかよ(い)!? 」」

「女王様に嘘つけるわけないやろ」

何言っとんねんとばかりに2人へと返す。

 

「実際はどれくらい延びるの?」

「まあ、最大半径約150mくらいですかね」

俺が女王様にそう言うと、傑くんはまた驚いた顔つきになった。

 

「それでも十分な攻撃範囲だな」

「せやろ?」

ちなみに今は必中効果を切ってやっとることも伝えると、俺は悟くんの真ん前へと向かう。

 

「悟くんに聞きたいんやけど、ちゃんとオートバリアは今も張っとるんか?」

「ああ、そうだぜ」

俺が聞くと、悟くんは頷いてそう言った。

 

「ん、そっか。そんならええねん」

手加減無しでいけるからと続ける。

「んぁ?それ、どう」

悟くんが話を続けとる途中に俺はある準備をした。

 

狙いは顔面国宝かっちゅうくらい整った顔立ちで、目の前でアホ面さらしとる悟くんの顎先。

自身の身体を液体で包むように領域を展開する。

 

   『 ー領域ー  

       ー展延ー 

         

 

「いう意ブァッ!」

気づいたときにはもう遅い。

悟くんは俺にブン殴られて空中に1メートルくらい身体ごとふっ飛びよった。いやぁ、スッキリしたわ。

 

 

「で?誰が置いてかれるっちゅうねん。

 

 

 

 

   進化がトロいわ、悟くん。         

 

 

 

                       」




閉じない領域って、宿儺様が空中ジャンプできてるってことは空気の面を外殻にしてるってことだと思うんですよね。
他にもそういう風に解釈している方はいらっしゃるようでしたので、今回はこの方法を独自解釈として採用しました。

あと、閉じない領域をなんなくやる宿儺様が、世界ごと断つ斬撃は至難の業と言うほどのものなので、ドM直哉が世界ごと攻撃できるんなら閉じない領域はできるレベルかなっと。
まあ、結界術とは難易度の方向性違うと思うんですけど、この直哉はドMゆえにSMプレイルーム作成のためだけに結界術を極めてますので…


最後の直哉のセリフ、あるサッカー漫画の赤い髪の人のセリフをちょっとだけ取り入れたんですけど、分かる人いるかなぁ。
ジャンプじゃないからなぁ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。