トロいわ、悟くん。   作:狐大総統

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お久しぶりです。
少しだけ余裕ができたので、隙間時間で書いてみました。
久しぶりで、直哉のキッショさが少なくなってるかもしれません。
次回更新予定のものは頑張ってキッショさを引き上げていますので、もう暫くお待ちください。


35億。あと5000万人のドブカス

side直哉

 

いやー、やりすぎたわ。

まさか、あの後1時間たっても悟くんが復活せぇへんとは。

まあ、女王様の前でふざけたこと言うた悟くんが全面的に悪いんやけどな。

 

とか思っとる間に悟くんの意識が戻りそうやな。

「ゔっ、いてて」

「大丈夫かい?悟」

「あ?俺どうして気を失って…そうだ!直哉だ!あいつ、俺のこといきなりぶん殴りやがって!」

意識が戻った途端、俺への怒りが爆発しとった。

 

「ふっかけてきよったの悟くんやん。俺、悪くないやろ」

「あぁん?だからってやりすぎだろーが!」

「あー、すまんすまん。悟くんがそんな弱すぎるとは思ってなかってん」

これからは手加減するから許してな、ごめんちゃい♡と続ける。

 

「…傑、あいつ死ぬほどムカつくんだけど」

「まぁ、私達も最近やり過ぎていたところもあったし、お互い様ということにしよう」

なんか傑くんが悟くんのことを宥めとるみたいやが、そもそも2人とも落ち着きが足らんねん。もっと女王様と甚爾くんを見習えや。

 

「つーか、あの領域なんなんだよ」

「私もまだ聞けていないんだよね」

「てか、やっぱアレってアンタらから見てもかなりとんでもないんだ?」

悟くんと傑くんの反応を見て、女王様が驚いたように聞いとる。

 

「とんでもないどころじゃねーよ。器が無い状態で水を貯められるか?ハードなしでソフトを再生できるか?普通はあり得ねーな」

「だが、そのあり得ないことを直哉はやった。本当にどうやったんだい?」

「たいしたことやあらへんよ」

そう言って、俺は空気の面を外殻に利用したことを伝える。

 

「はは、なるほどな。マジで文字通り空中に絵を描いてたわけか。」

「よくそれをやろうと思ったものだ」

思いついたところで、なかなかできるものではないだろうと言う傑くん。

 

「ええか?SMプレイかて最初はできんと思うものばっかや。その壁を飛び越えたらたいしたことあらへんことの方が多い。そんだけのことや。」

「いや、そんなものに例えられてもよぉ…」

俺がこれ以上に無いってほど分かりやすく例えたったのに、悟くんはイチャモンを付けてきよった。 

 

「そもそも、性癖っちゅうんは自分の中だけに閉じ込めとくもんとちゃう!解放するもんやって俺の超親友ブラザーも言っとった!領域を閉じないっちゅう発想はそこから来たわけやな」

「いや、誰だよお前のブラザーって。ヤバすぎんだろ。…性犯罪者予備軍か?」

「いや、もう塀の向こうにいる可能性もある。あまり聞かないであげよう」

 

「ちゃうわ!今は直接会うことが難しいところにおるけど、心で繋がっとるんや!」

俺の言葉に、2人は心底同情する目を向けてきた。

なんやねん!本当におるんやぞ!

おるんやからな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が反論するための上手い言葉を探しとると、悟くんの興味は別に移ったようで、俺に質問を行ってきた。

「そういや、俺を殴り飛ばしたアレって世界ごとやったんじゃねーよな?なんつーか、領域を薄い膜状にして身体に纏ってたように見えたんだけど」

「その通りやで。『領域展延』っちゅう技でな、悟くんの無下限を中和するとこができんねん」

そう言って、実際に領域展延を再度行って見せる。

それにしても、ようあの瞬間で見えたもんやわ。領域展延を発動するまでのキレはかなり良かったハズやねんけど。

 

「あー、術式付与をしないことで容量を空っぽにした領域を纏ってんのか。んで、俺の術式を中和したと。けど、これって中和する術式は選べねーよな?自分の生得術式も使えなくね?」

「だが、直哉は領域を使えてたじゃないか。あのときは使えない状態だったのかい?」

そう聞いてくる傑くんに俺は首を横へ振る。

 

「あくまで使えへんのは自身の肉体に刻まれた生得術式やからな。領域に付与された術式は使えんで」

ま、それでも難易度はかなり高いんやけどなと続ける。

 

「なるほど。まあ、それなら不可能ではないか」

「簡易領域と違って、発動中も自由に身動きが取れるというのは大きなメリットだね。」

「ただ、相手がより強く術式を使うてきたら中和しきれへんってことはあるで。このことは頭ん中に入れたときや」

俺の言葉に頷く2人。

 

「ところで神業ばかりに気を取られていたが、直哉の領域の必中効果はどういったものなんだい?」

傑くんの言葉に、悟くんもたしかにといった顔つきになる。

 

「んー、なんていったらええんやろか。俺の術式は触れた相手を1秒間フリーズさせるやん?それが細胞レベルで必中になんねん。」

そうすると、1つ1つの細胞がバラバラにフリーズするわけやから、肉体が崩壊してまうってのが俺の領域効果やねと続ける。

 

「…えっぐ」

「とんでもないね」

先ほどまでその効果を持った領域内にいたかと思うと寒気がするよと続ける傑くん。

 

「いや、必中効果は切っとる言うたやんか」

「じゃあ、硝子を外に避難させたのは何故なんだい?」

ん?傑くん、珍しく変なこと聞いてくるなぁ。

そんな回答が分かりきっとることを聞くなんて。

 

「万が一があったらあかんやん。クズ2人と女王様で比較したら命の重さがちゃうねんから」

純粋なお目目をしてそう言うと、額に血管が浮き出るクズ2人。

 

「…傑、さっさと領域を会得してこのドMに吠え面かかせてやろーぜ」

「おや、奇遇だね。私も同じことを考えていたよ」

なんか知らんが、領域の押し合いで負けないレベルまで習得してみせると2人は意気込んどる。

なんで急にやる気になっとるんや?

 

「そういえばさ、禪院の領域って閉じてないけど押し合いってできるの?」

「無理やと思いますよ。俺の領域には通常は存在する結界の外殻が無いので、そもそも押し合いになりません。」

俺が女王様に返答しとったら、その内容を至極真面目にクズ2人も聞いとった。

 

「けど、通常の領域を出されたら、その領域の結界内で対になる必中命令が打ち消し合うってことはあると思います。ただ、それはあくまで結界内での話です。」

一瞬希望を見て明るい顔をした2人やったが、あくまで結界内ということを聞くとなんとなくこの後の解説を察したようで暗い顔をみせよった。

 

「俺の領域の効果範囲は通常の領域の外殻より外側に達します。領域の外殻は外側からの攻撃に脆いんで、結局は俺が勝つってオチになると思います」

 

「へぇ、それじゃあ結局はこの2人が空気の面を捉えられるようにならないといけないわけか」

「そうなりますね。まあ、通常の領域でもやりようはあるかもしれませんけど、できるようになっといて損は無いと思います」

 

「だってよクズ共」

そう言って、女王様は明らかに気落ちしとる2人に目を向けた。

 

「空気の面を捉えるってどうやんだよ!」

「なかなか掴むことができないんだよね」

 

「ん〜。2人がセンス無いだけちゃう?」

そのような会話をしていると、途中で傑くんが別の話を挙げてきおった。

 

「話は変わるが、悟は今回でかなり急激に強くなったと思ったのだけど、なかなかそう簡単に頭ひとつ抜けるとはいかないようだね」

「いやいや、まだまだ強くなれるってことだろ!伸びしろ伸びしろ!」

すぐに更に最強になって直哉をボコボコにしてやるよ!と吠える悟くん。

まったく野蛮やなぁ。俺みたいなか弱い男に対してやめてほしいわ。

 

「実際、私達に追いつかれたらどうするつもりだい?それとも、まだまだ直哉にも伸び代があるのかな?」

そう言って、傑くんは探りを入れてくる。

まったく、ホンマしたたかな男やわ。

 

「せやなぁ。俺もボコボコにされたないし、そんときは奥の手の一つを使わせてもらうわ。」

そう言いつつ、懐をガサゴソと探る。

 

「奥の手?おいおい、まだなんかあんのかよ」

呆れたように悟くんは言っとるけど、割と王道な手段やで?

 

「おん、悟くん達がどんだけ強くなっても封印って方法あるからな。どっかのヨン様みたく封印したるわ」

 

俺は海外で見つけた特級呪物『獄門彊』を見せる。

その瞬間、悟くんは目が点になったと思ったら急に大声を出してきよった。

 

「なんっで、そんなもん常備してんだよ!?」

「え、ロマンやない?いざってときにラスボス封印するん」

この前見た漫画やと、ラスボスのヨン様が封印されとったんやけどなぁ。

 

「たしかにピッ◯ロ大魔王は封印されてたけどよぉ」

「まさかの手段だったね」

悟くんはなんとも言えない顔をし、傑くんは苦笑いをしている。

 

「千の備えで一使えれば上等やって名言を知らんのか?それに、俺は女王様を守るためにはどんなことでもするって決めてんねん。」

それが真のドMである俺のやり方やと続ける。

 

「さすがは私の犬だな。褒めてやろう」

「お褒めに預かり光栄や!」

やったわ!女王様に褒めてもらえたわ!ここ最近で一番嬉しいわ!!俺の脳内メモリのドMフォルダに保存せな!!

 

あとはまぁ、理由はもう一つあるねんけど言わんでもええやろ。

…ふへへ、獄門彊さえあればいつでも放置プレイし放題や!俺かてドMの端くれ。いくら真のドMはプレイを求めんとはいえ、限界はあるねん。いつかやれるかもしれんっちゅう希望のためにいつでも携帯しとるんや…!

 

いや〜、にしても俺は運が良かったな。こんなええもんを偶然海外で見つけられるなんて!他のドMの方達に申し訳ないわ。こんなにも凄い素敵アイテムなんやから、欲しがるドMはいっぱいいるやろなぁ。

 

そもそも、呪術師っちゅうんがドMにとって最高の環境なんよ。なんやねん、縛りって!こんなにも気持ちええプレイを常に行える環境なんて、呪術界くらいやろ!!呪術界はドMにとってのパラダイスやったんや!!あ〜、ホンマ呪術師に生まれて良かった!!

 

 

 

 

 

 

 

「…とんでもねぇ犬だな。犬は犬でもケルベロスかなんかだろ」

「いや、犬神の方が合っているんじゃないか?それに、ドMの直哉にとってはそちらの方が嬉しいだろう」

だれが飢えた直後に首だけになってでも食糧に飛びつく犬やねん。

…女王様からの躾やったらええかもしれん♡

 

 

俺が最高な夢に浸っとると、傑くんが声をかけてきよった。

なんやねん、邪魔すんなや。ちょうど女王様が俺の首を斬り落とそうとするクライマックスやったのに…!

 

「それにしても、直哉の結界術は独学にしてはかなりのものだ。師匠などはいないのか?」

体術については甚爾さんに教えていただいてるとのことだったよね?と続ける傑くん。

その問いに返事をしようとしたとき、急に悟くんが難しい顔をしだした。

 

「…ん?そういや、結界術でなんか忘れてる気がすんだよな。…あ!歌姫の帳!俺だけ入れないってやつ!あれやったの直哉だろ!」

「せやで。嘱託式のやつな。プレゼントしたんや」

俺がそう返答した途端、悟くんは怒涛の勢いで責めてきよった。

 

「お前のせいで歌姫に近寄れないようになったんだぞ!あれなんとかしろよ!」

「ん?何を言っとるんや悟くん。放置プレイってことやろ?もっと喜んだらええやん」

「ああん!?お前と俺を同じにすんじゃねーよ!」 

うわ、ヤッバ。キレすぎて悟くんの顔が別人みたいや。それにしても、別人みたいに顔つきが変化しとるのにイケメンさはそのままとかどないなっとんねん。そんな感想を胸に秘めつつ、俺はド正論を返したった。

 

「今までの歪なSM関係のパワーバランスがおかしかっただけや。寧ろ俺に感謝すべきやろ」

全く、真のドMとしての方向性が俺と違うからってそない怒らへんでもええやろ。今のままやと悟くんは庵先輩とのSM関係が進展せん。よりドギツイSM関係になるには、この辺で一度矯正した方がええねん。悟くんにはドMとはなんたるかの基本も叩き込まなアカンしな。

 

「だから!SM関係はどうだっていいんだっつーの!」

「そのままやと、悟くんはより強化された自分(ドギツイSMプレイを受けたドM)になれへんけどええんか?」

俺がそう言うと、悟くんはさっきまでの火山みたいな怒りがスッと消えて、俺の話に耳を傾けようとした。

 

「…強化された自分(呪術師として強化された最強)?」

「せや、最強の自分(真のドMとして何もかもを受けられる最強のド変態)や」

 

「なる!俺は最強(呪術師として最強)になる!」

「なら、俺が全力で導いたる!」

死ぬんやないで悟くん(女王様からの痛みで)!!登ってくるんや!!高みへ(スーパード変態としての)!!

それを乗り越えれば、悟くんは強くなれる(女王様からの痛みに)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今の絶対にお互いの意味がすれ違ってたよね?」

「まあ、いいんじゃないか?私としてはクズがドMになるってのも面白そうだから見てみたいし」

「それはたしかにそうだね」

 

女王様と傑くんがなんか言っとったけど、俺には聞こえんかった。

 

 

 

 

 

「あ、傑くんからの質問を返しとらんかったわ。なんのことやったっけ?」

「結界術は独学なのか、誰か師匠がいるのかについてだね」

傑くんの言葉に、そうやったそうやったと返事する。

 

「結界術は基本独学やけど、領域展延はお婆ちゃんに教えてもろうたねん。あ、でも最近は結界術についても教えて貰うてるかな」

「へぇ、禪院家の婆さんにそんな高等技術使えるやつがいるのか。…ん?けど、そもそも領域展開を使えねーと展延は使えねーよな?そんなやつが禪院家にいるなんて話、聞いたことねーぞ」

「もしくは、術式に領域が備え付けであったから使えるとかかい?」

悟くんと傑くんが不思議そうに聞いてくる。

 

「ん?ちゃうちゃう。禪院家のもんに教えて貰うたワケやないよ。お婆ちゃんっちゅうんは

 

 

 

 

 

        天元様や

 

 

 

 

 

                       」

 

 

 




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