トロいわ、悟くん。   作:狐大総統

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更新頻度、もしかしたら遅れるかもです。
少し忙しくなってしまって…

本誌、ヤバくないですか?
直哉をメロンパンレベルのぶっ飛び度で北へ向かわせるのが目標だったんですけど、予想の斜め上すぎて難しい気がしてきました。
いや、まあはじめから難しいことは分かってたんですが、それにしたってねぇ…ヤバすぎるでしょ
反則っすよ、アレは



食戟のドブカス

side夏油

 

なぜ、このようなことになっているのだろうか。

 

私は、いま食堂で呪霊玉に糖衣加工を嬉々として行っている直哉達を見て困惑していた。

はじめはサプライズプレゼントがあると言われて食堂へと直哉に連れて来られた。そこで待っていたのは、硝子が白衣を着て糖衣の準備をしている姿と、蝿頭の入った小さい檻を幾つかまとめて持っている甚爾さん。

 

最後に、ゲラゲラ笑いながら写真を撮っている悟だった。

 

…本当になんでこうなっているんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side直哉

 

傑くんの反転術式特訓から約二週間後、ついに傑くんは反転術式の会得に成功した。

さすがに特訓開始二回目で反転術式を会得とはならんかったみたいやけど、二週間で会得したっていうのも充分凄いわ。さすが、悟くんと肩を並べとるだけのことはあるな。

 

せやから、俺らからちょっとしたプレゼントをあげることにしてん。

それは呪霊玉の不味さを無くすためのものや。

 

不味いことで快感を得られとるならともかく、しんどいだけの苦しみなんて真のドMからすればナンセンスや!

 

苦痛には快感があるからこそええんや!

筋トレしかり、サウナしかり、あの行為にはドMの扉を開くキッカケを目的としているのが十割とされとる。せやから、パンピー非ドMにも分かりやすいやろね。

 

やけど、他人のゲロ食って大金を稼げます、たくさん人助けできますって言われても、非術師どころかドM道の探求者である俺としても長続きせぇへんのは目に見えとる。

 

これについては、女王様も甚爾くんも同じ意見みたいやった。

せやったら、甚爾くんも辞めたらええやんって言ったら、俺はいいんだよとのことやった。

まあ、甚爾くんの場合は強みが減るし、そもそも傑くんほど味を感じる機会があるわけやないからええか…

 

 

そんなわけで、甚爾くんと女王様からも脱不味さの案を集めて実行することにした。

 

 

 

 

 

食堂で実行するための材料や準備を全て終わらすと、俺は早速寮まで傑くんを呼びに足を運んだ。

その途中で、悟くんとすれ違ったから俺は傑くんにサプライズイベントをするんやけど食堂に来る?とだけ伝えると、ワクワクした様子で食堂へと走っていった。

てか、まだサプライズイベントの内容を伝えとらんけどええんやろか?

傑くんも激マズってことは隠して欲しいやろうし、甚爾くんのことも紹介できてへんねんけど…

 

ま、甚爾くんと女王様が上手いことやってくれるやろ!

 

 

傑くんの部屋の前に着いて、ノックするとすぐに出てくれた。

 

「どうかしたのかい?」

「今日の反転術式会得記念パーティーをするで!サプライズプレゼントもあるから、俺に着いて来てや!」

「え、私のためにそんなことを準備してくれたのか。ありがとう、すぐ行くよ」

傑くんは一瞬驚くと、すぐに笑みを浮かべて着いて来た。

 

「どこでやるつもりなんだ?」

「食堂やで!パーティーといえば、ご馳走やからな!」

 

そうして、傑くんと話していくうちに女王様達の準備万端な食堂に着いた。

「さ、傑くんはここに座ってや!」

お誕生日席やで〜と続けると傑くんは聞きたいことがあるようで、俺に声をかけた。

「…ちょっと待ってもらっていいかい?私はお祝いの席と聞いていたんだが、これはなにか違くないかい?」

 

…傑くんは何を言うてるんやろ?

ちゃんと『傑くん反転術式会得おめでとう!』の文字がプリントされた横断幕もあるし、お花もいっぱい飾っとる。中央にはチキン、寿司、ケーキまであるやん。どこがあかんねん。

そのことを伝えると、傑くんは声をあげた。

 

「うん、その食べ物のメニューが全て呪霊でできていなければの話だけどね???」

傑くんは、鶏みたいな呪霊、握られた米の食品サンプルの上に乗っとる魚みたいな呪霊、最後に蝿頭をホールケーキみたく並べたものを見て言った。

 

「どこに呪霊をご馳走だと言う馬鹿がいるんだよ」

傑くんは呆れたように言った。

 

「まあまあ、とりあえず聞いてや。」

毎回取り込まなアカン呪霊や。どうせなら美味しく取り込む方が傑くんにとってもええやろということを伝えると、傑くんはそれに回答した。

「そんな簡単に上手く行ったら苦労しないよ」

 

「てか、そういや呪霊って不味かったの?」

「んー、そんなに美味しいものではないかな」

悟くんの疑問に、傑くんは誤魔化すように返事した。

悟くんには弱みをあんま見せたないんやろーなーってのは理解しとるけど、親友なら寧ろ伝えればええと思うねんけどな。まあ、親友やからこそ言えないってのもあるんやろか。

 

「さて!てなわけで俺らは3つのコースをご用意したで!」

では、まず女王様よろしくお願いします!と続けると、女王様が白くコーティングされた呪霊玉の乗った皿を傑くんの前に出した。

 

「ほらよ、医療の進歩で開発された苦い薬も飲みやすくなる魔法だ。さっさと試しな」

堂々とカッコよく言い切るその姿、さすが女王様や!

視点も人を治す道からの方法!

俺には無かった発想やで!

 

「あー、ようするに正◯丸にしたってことね。…頂くよ。」

覚悟を決めたように、糖衣された呪霊玉を呑みこむ。

 

「…どうや?」

「ダメ、美味しくない。なんなら、変な甘みが着いて気分が悪くなった」

あー、あかんかぁ。女王様の方法ならいける思ったんやけどな。

 

「まあ、だろうね」

「…硝子、なんとなくダメなの最初から分かっていただろう?」

ニヤつきながら言う女王様に傑くんはツッコミを入れる。

 

「傑くん、ダメやったからって女王様の方法にケチをつけるんはアカンで!女王様は全て正しいんやから!」

「…君の持病、かなり進行してきてないか?」

 

「何を言っとんねん傑くん。さ、次やで次!」

甚爾くんよろしく頼むで!と言うと、甚爾くんは片腕に呪具を持って傑くんの前に立った。

 

「その呪具、ずいぶん異質な呪力が滲み出てんね。」

「ああ、こいつは特級呪具『天逆鉾』。その効果は発動中のあらゆる術式の強制解除。お前の無下限のバリアだろうが、簡単に貫くぞ。」

悟くんの言葉に甚爾くんが答えると、マジかよと言ってドン引きしとった。

 

「んで、コイツをお前が呪霊を取り込むときに使う。ワンチャン、取り込んでるときに味覚に影響して味が無くなるだろって寸法だ」

分かったらやるぞと甚爾は続けると、傑くんに呪霊玉を呑みこませた。

 

「え、ちょ…待っ…ぅぐ!」

「じゃ、ちょっとチクッとしますよーってな。」

甚爾くんはそう言うと、喉の辺りをメッタ斬りにした。

 

浅くはあるけど、割と傷多いなぁ。

そんなことを思っていると、傑くんの口から呪霊玉が吐き出された。

 

「なんだ、失敗か」

「ワンチャンあると思いましたけどねー」

「2人とも、私で遊んでないかい?」

甚爾くんと女王様の反応に、傑くんは少しキレとった。

 

「ていうか、甚爾さん。こんな斬らなくて良かったんじゃないですか?一回斬れば充分ですよね?」

「術師なら死なねぇ程度に斬った。反転術式あんだから、生き残れんだろ」

傑くんの言葉に甚爾くんが面倒くさそうに返すと、更にキレとった。

 

「ていうか、傑くん。実際、斬られたときどうだったん?」

効果はどうだったのかを聞くと、傑くんは疲れを吐き出すように回答した。

「味は無くなったよ。ただ、呑み込むこともできなくなってしまったが」

「なるほど、そんなら俺の案ならイケるかもやね」

「ああ、最後は直哉の案か。もうどうとでもしてくれ」

傑くんは、死刑執行が決まった人ってこんな顔になるんやろかって感じるほどの顔をしとった。

 

「よっしゃ、任せとき!…って言いたいとこやねんけど、傑くんにやってもらわなアカンことやねん。」

「何をすれば良いんだい?」

「今って呪霊を取り込むときは美味しくないやん?それを拡張術式として、更に強めんねん。もう気絶するほどの不味さを感じられるようにするってことやね」

イメージは、悟くんのバリアであるニュートラルな無下限呪術から強化した無下限呪術である蒼に変えるイメージやと続ける。

 

「はぁ、より不味くしたとこで意味ないだろう」

傑くんはため息をつきながらそう呟く。

 

 

「本題はこっからやで。拡張術式によって死ぬほど不味く感じる舌をやな、術式反転で死ぬほど旨く感じる舌にしたらええんちゃう?ってのが俺の案や」

そう言うと、傑くんは目を見開いて目から鱗が落ちたようやった。

 

 

 

 

「…たしかに、それは考えたことが無かった。反転術式ができなかったから、そもそも選択肢に入れてすらいなかったよ」

「そんなら、今試してみよーや!上手くいくんちゃう?」

 

正直、これが上手くいかんかったら俺はお手上げや。

女王様の案で、直接味覚に作用しとるわけやないことは分かった。

甚爾くんの案で、術式が味覚に関係しとることは分かった。

 

ちゅうことはや、呪霊玉も呪霊も味覚に影響を及ぼすときは五感やなくて魂に働きかけとるんちゃうかってことを推測できる。

 

せやけど、傑くんは魂を知覚できとらん。そんならなんで味覚としては知覚できるんかって点については、術式が魂へ味覚を伝達する補助をしてるって解釈したわけや。

 

まあ、呪霊は術式を介さずとも不味いって可能性もあんねんけど、あんな呪霊玉に加工しとるんやったら、流石に術式は関係しとると思うんよなぁ。

そんなら、魂への味覚の影響も拡張術式として外延に収まるはずやろ!

 

そんなことを思考していると、傑くんが悟くんに順転のコツを聞いて、ついに始めるみたいや。

 

「…拡張術式、術式順転『鬼舌』、、、」

ん。傑くんの顔を見る限り、とりあえず拡張術式と順転は上手くいったみたいやね。

さて、こっからが勝負やな。

 

みんなに見守られながら、傑くんは1番重要な段階を始める。呪力を反転させ、その反転させた呪力を術式へと流す。

「   …術式反転

 

 

 

 

 

        『仏舌』 

   

 

 

 

 

                  」




味覚については、完全に独自解釈です。
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