お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜   作:哀上

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『魔法少女の初仕事』⑨

『魔法少女の初仕事』⑨

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 僕のマジック・ウェポンは基本的にはメイスとほぼ一緒。

 近距離専用の打撃武器だ。

 そう、基本的には……

 

 ヴィランは僕の間合いの外。

 それでも、届くはずのない距離で僕はメイスを振り下ろした。

 

 そもそも、僕がこれを欲した理由は必殺技を撃つため。

 メイスによると、必殺技にも魔法少女によって近距離遠距離があるらしい。

 僕は後者だった、それだけだ。

 

 メイスが光り、下腹部が熱を持つ。

 下腹部から何かがメイスに流れ込み、さらに強く眩しいぐらいに光り輝く。

 その光は先端に集中し、周囲の空間を歪ませる。

 

 僕の中から結構な力が持っていかれているのを感じる。

 肉体的な疲労感とは違うが、これが魔力を消費する感覚なのだろうか。

 少なくとも、今の僕に必殺技の連射は不可能だな。

 

 そして、その光がレーザーの様に放たれる。

 本物のレーザー並み、光速ということはないだろうが動揺して隙を晒したヴィランが避けれるものじゃない。

 

「ぐあぁぁぁぁーーーー!!!!」

 

 ヴィランに当たるとその部分が吹き飛び、残った体も徐々に蝕まれるかのように光の粒子に還元されていく。

 ネットとかで見るのとは違って、自分でやるとなかなかにグロいな。

 光景としては同じなんだけど、どこか現実感のなかった物がリアルで本当に起こっているのだと改めて理解した。

 

 このまま全身が粒子に還元される物だと思って見ていたのだけど、突如黒い炎が強く燃え上がった。

 やっぱり拳以外にも纏えたのか。

 患部を燃やして光の粒子による侵食を食い止めたってところか。

 

 だが、ヴィランは上半身の大半を失っている。

 口は動いているが、まともに言葉を話せてすらいない。

 もう生きられないだろうな。

 

 ただ、透かしっぺも怖いからね。

 手負の獣ってのは、想像もつかないことをやらかすから恐ろしい。

 こんな状態でも、ただの人間にとっては脅威。

 

 近くに落ちていた瓦礫を拾い魔力を纏わせる。

 ずっと魔法少女としてのオート機能に任せて身体強化ぐらいにしか魔力を使えてなかったけど、さっき必殺技を使って魔力がごっそり減ったおかげでようやく掴めた。

 あの時の感覚を思い出しながら、下腹部の熱を流し込む様に。

 

 そのまま、ヴィランの頭部へ投擲。

 

 この程度の威力、不意打ちで殴った感覚から言えば通じる訳ないのだが。

 さっきの黒炎で力を使い切ったのか、そんな力ももう残っていなかったのだろう。

 瓦礫は頭部をあっさりと貫通し、破壊した。

 

 必殺技の時とは違い辺りが真っ赤に染まる。

 赤……

 同じ色の血か。

 

 ヴィランは死んだ。

 僕が、殺したんだ。

 

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