お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜   作:哀上

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『魔法少女の初仕事』⑪

『魔法少女の初仕事』⑪

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「そういえば、マスコットさんは僕が新人だってバレた理由わかる?」

 

 あのヴィラン、別に頭脳派って感じじゃ無かった。

 とても魔法少女を網羅的に記憶しているとは思えないし、暴れる前にその地域の魔法少女のこと調べて対策練るような事もしないだろう。

 なのに……

 

 ある程度戦闘した後ならともかく、何故すぐバレたのか。

 

「ああ、おそらく主が正面から正々堂々姿を現したのとヴィランの会話に乗ったからじゃな」

 

「え、それで?」

 

「ヴィランとの会話とか無駄じゃからな」

 

 無駄って……

 

「魔法少女って普通どんな感じなの?」

 

「基本は不意打ち、遠距離攻撃を持ってれば相手の射程外かつ視界の外からの攻撃が主じゃな」

 

「……」

 

「お主みたいにマジックウェポンが近距離で必殺技が遠距離の場合、初手必殺技が安定じゃな」

 

 なんか、僕の中での魔法少女のイメージが崩れていくんだけど……

 

 いや、そりゃ理屈で考えればわかるんだけどね。

 魔法少女の仕事は命懸けだ。

 実際、僕もさっき即必殺技ブッパしてヴィランを倒した訳だし。

 

 遠距離攻撃は強いし、視界外からの攻撃じゃ取れる手段が限られる。

 相手の行動の選択肢が狭まるってことは、対応を考えなきゃいけない数も減るわけで。

 なんの訓練も受けてない魔法少女にとってこれほど重要な事はない。

 

 ただ得意な行動を相手に押し付けてるだけで勝てるんだからな。

 こう言う、役立たずなマスコットと一緒に戦う訳だから特に。

 

 きっと、それに辿りつかないような子は……

 

 ヴィランは話通じないって言うけど、マスコットもなかなかだと僕は思う。

 

 魔法少女の消耗率、か。

 意図的にそういう暗い話題には触れないようにしてたけど、これは調べた方が良さそうだ。

 

 ほら、よくない想像しちゃうでしょ。

 妹が魔法少女になって、魔法少女について調べるようになった訳だけどこの手の話題は耳にすら入れたくなかった。

 

 少し考え込んでいると、複数の視線を感じた。

 まさか、他にもヴィランが!?

 さっと振り返ると、そこには避難してた人達が。

 

 街を破壊され、恐怖を与えられ、散々理不尽な目に遭った人々。

 でも、彼らの瞳は絶望に染まってはいなかった。

 今日散々な目に遭って、これからも大変なはずなのに、希望の光が差していた。

 

 これが魔法少女の社会的な存在意義なんだろうな。

 ヴィランが現れるようになって、社会が混乱して、人が簡単に死ぬ世界になって……

 そんな世界での希望の光。

 

 僕に向けられる好意的な視線。

 認められる感覚。

 なんか、ちょっといいかも。

 

 この街、僕が守ったんだよな……

 

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