お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜   作:哀上

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『僕、魔法少女になる』②

『僕、魔法少女になる』②

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「えっと、どう言うこと?」

 

 妹の突然の申し出に思考回路が完全に停止した。

 

 妹の代わりに魔法少女をやる?

 男の僕が?

 

 ……ちょっと意味が分からない。

 

「そうじゃ、そうじゃぞ! シズよ、一体どう言うことじゃ?」

 

 僕が妹の発言に混乱して返答に困っていると、突然妹の胸元から聞き慣れない声が。

 第二次成長期に入り、女の象徴は順調に成長していたが……

 まさか勝手に話し出すなんて!

 

 当然そんなことはなく、ひょこりと妹の胸元から変な毛玉が顔を出した。

 

 毛玉は妹の胸元から抜け出し、ふよふよと空中を漂う。

 例えるなら、多少デフォルメされたイタチのぬいぐるみってところだろうか。

 初めて見たが、妹のマスコットってやつだろう。

 

 魔法少女には誰にも一匹このマスコットとかいう謎生物が一緒にくっついている。

 なぜかは知らないがそう言う物らしい。

 もっとも、全てネットで軽く調べただけの知識だけど。

 

 妹が魔法少女やってるからね。

 多少は調べるよね。

 

 そんな、魔法少女のパートナーであるこのマスコットは妹に文句があるらしい。

 あ、そうそう。

 シズって言うのは妹の名前ね。

 

「しばらく隠れてて欲しいと言うから様子を見ておれば、自分の代わりに兄を魔法少女にするじゃと?」

 

「え、マスコットさん聞いてなかったの?」

 

「初耳じゃ!」

 

「そりゃ当然。私、言ってないもん!」

 

 いや、「言ってないもん!」じゃなくて……

 マスコットも混乱しちゃってるじゃん。

 

 妹には欠点無いって言ったけど、この有り余る行動力は欠点でもあるかもしれない。

 一度思いついたら即行動、周りへの説明は後回し、みたいなところがあるのだ。

 魔法少女になった時も周りに相談とかしなかったみたいだし。

 事前の説明なく唐突にこんなことを言い出すものだから、僕みたいな周囲の一般人達は振り回されっぱなしである。

 

 ただ、ちょっと懐かしい。

 最近はこうやって巻き込まれることも減っていたから。

 昔からあんな無茶振りや、こんな無茶振りを……

 

 あれ?

 苦労した記憶しか無いな。

 

「そもそも、魔法少女って変われるもんなの?」

 

「もちろん! 私も先輩から引き継いで魔法少女になったんだから」

 

 へぇ、魔法少女ってそういうもんなんだ。

 初耳である。

 もっとこう、マスコットとロマンチックな出会い方でもして魔法少女として目覚める的な物かと。

 先輩からの引き継ぎって、意外と地味な手続的なものを経て魔法少女になるんですね。

 

 特別な人間である必要とか無いなら、魔法少女もっと増やせそうなものだけど……

 意外と、マスコットの方に上限があったりするのだろうか?

 ほら、対ヴィランを考えれば無限に増えるなら多い方がいいに決まってるし。

 

 と言うか、だとしても男の僕に魔法少女は無理だろ。

 男の魔法少女の話なんて聞いたことない。

 ……居るならきっと話題になってるはずだよな。

 

 あ、まさか、

 

「もしかして、その先輩の魔法少女って男の人だったり?」

 

「何言ってんの? 魔法少女だよ、女の子に決まってるじゃん」

 

 違ったらしい。

 てっきり前例があったりするのかと思ったが、そう言うことでも無さそうだ。

 

「……えっと。今、女の子に決まってるじゃんって。僕男なんだけど?」

 

「お兄ちゃんなら可愛いから大丈夫だよ」

 

「いや、そう言う話じゃなくて。性別という超えられない壁が……」

 

 ダメだ、話が通じない。

 

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