お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜   作:哀上

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『妹の失踪』③

『妹の失踪』③

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 とりあえず心当たりのある場所を片っ端から回る。

 ヴィランに襲われた可能性があると言っても、状況からしてそこまで妹が自分の意思で行ったのは確実だろう。

 そもそも、魔法少女の拠点と言ってもいい家を直接狙う可能性は少ないだろうし。

 

 妹がいなくなる直前、僕は変身中だったとはいえマスコットはその場にいたのだ。

 ヴィランが家に突撃してきて連れ去ったとか、それに気づかないほどマヌケじゃないと信じたい。

 部屋も荒らされてなかったし、僕も違和感は感じなかった。

 

 しかし、何処にも妹の姿はなかった。

 目撃情報も、何も。

 僕は警察でもないので監視カメラなんかは確かめられない。

 当然、聞き込みだけだが。

 

 妹は目立つ。

 ヴィランがどれだけ綺麗に一般人に紛れていようと、それは変わらない。

 だから、途中までの足取りぐらいなら簡単に追えると思っていたんだけど……

 全くの見当違いの場所を探してるって事か?

 

 しかし、悪いことばかりでもない。

 妹を探してあちこちを回ったが、街でヴィランが新たに暴れてる様子はなかった。

 せっかく魔法少女を排除したと言うのにだ。

 

 時間をかければこの地域の魔法少女の不在が他の魔法少女にバレるかもしれない。

 行方不明になった魔法少女の捜索に出てくれるのかは知らないが、少なくともこの地域のヴィランにも対応しに出張って来るようになるだろう。

 それじゃ秘密裏に排除した意味も減る。

 実際は僕がいるからそういう事にはならないだろうけど。

 

 僕という新しく現れた魔法少女に警戒しているのか、もしくは初めから目的が違うのか。

 どちらにしても、すぐに目立つ行動を起こさなかったと言うことは排除が目的という訳では無かったという事かもしれない。

 妹自体に、魔法少女という存在自体が目的であった可能性もある。

 

 そうであるなら殺す必要はない。

 むしろ、殺す意味がない。

 つまりは、プラス材料……

 

 研究、

 人体実験、

 

 悍ましい。

 そんなこと、考えたくもない。

 が、命あっての物種だ。

 

「はぁ、はぁ……クソ、ほんと何処に行ったんだ。マスコットさんはどこか心当たりないの?」

 

「うーむ、もしかしたら……」

 

「どこ!?」

 

「うむ、少しだけ心当たりのある場所があるのじゃ」

 

 さっさと言えや!

 

 でも、くだらない言い合いをしている暇はない。

 マスコットに案内を任せ後ろを走る。

 

 足が痛い、今日1日で身体を酷使し過ぎたらしい。

 でも、無理にでも動いてもらう。

 堂々と胸を張って隣に並べるようになる前に妹が居なくなるなんて、そんなの許せる訳ない。

 

 どんどん人通りの少ない方へ。

 あまり妹がこんなところへくるイメージがないが……

 

「ここは?」

 

「シズが魔法少女になった場所じゃ」

 

 思い出の場所ってわけか。

 魔法少女になった場所なら、魔法少女をやめた後に来て感傷に浸ったりしてもおかしくない。

 妹はそういうタイプではないと思うけど、魔法少女を辞めたいと思う思考もらしくはない。

 

 そこを狙われたと。

 

「シズの匂いがあるのじゃ」

 

「なに、それは本当か」

 

「うむ、一度ここに来てたのは確実みたいなのじゃ」

 

 やっと手掛かりが……

 

「こっちじゃ、付いてくるのじゃ」

 

 待ってろよ、今助けてやるからな!

 

 さらに奥へと進んでいく。

 

 人通りはまるでなく、街灯もまばら。

 周りには田畑が広がっている。

 その向こうは雑木林だろうか、暗くてよく見えない。

 

 ザ、田舎の風景。

 何もない場所。

 

 マスコットがピタリと止まった。

 

「ここで匂いが途切れているのじゃ」

 

 さっきの場所が思い出の場所だとして。

 こっちの方までは、流石に自分の意思でくるような場所ではないよな……

 いや、明るければ多少は雰囲気も違うのか?

 

 とりあえず、匂いが途切れてるって事はここで何かがあったはず。

 あたりを見渡す。

 一応、魔法少女に変身しておいた方が、

 

 そんな思考の中、視界の隅できらりと何かが光った気がした。

 

「え?」

 

 それはただの偶然だった。

 いや、今日戦闘した勘が残ってたというべきか。

 

 咄嗟に顔を傾け、……直前まで頭が合った場所を何かが通過した。

 

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