お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜   作:哀上

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『魔法少女という存在』②

『魔法少女という存在』②

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 必殺技を中断すればかなり魔力のロスが出る。

 僕としても別に望ましい事じゃ無い。

 が、それで敵を仕留められるならその程度気にするまでもない。

 

 相手も不意打ちを狙ってるのだろうが……

 こちらは魔法少女に変身した状態で相手のおおよその居場所も把握しているのだ。

 少し考えればこの状況での不意打ちなんて通じる訳ないと分かりそうなものだが。

 

 そもそも、どの程度近距離戦闘の経験があるのかも疑問ではある。

 近距離戦にも自信があるなら位置バレなど気にせず自分の射程から撃ってきてたはず。

 反撃手段が限られる以上、その方が僕としては戦い難かった。

 

 相手はそうはしなかった。

 自身の有利を捨ててでも、位置バレを嫌った。

 それほどまでに致命的。

 

 あのレーザー、威力から見ても遠距離特化ではあるのだろうが。

 位置バレは多少の有利じゃ取り返せないほどの不利。

 その思考回路、慎重というべきかノミの心臓というべきか……

 

 セイクリット・アタック、前回ヴィランに向けて必殺技を撃ったときの魔力量を超えさらに魔力を流し込む。

 メイスが光を纏い、真っ暗闇な雑木林に光が差す。

 周囲の空間どころかマジック・ウェポンそのものまで歪み、膨大な魔力に世界が軋む音すら聞こえてくる。

 

 こんな魔力明らかに過剰、

 こんな威力明らかに不必要、

 

 こんな大ぶりの技、まともに使えるわけない。

 そんな技でも、動かない的に当てるだけなら別に問題ない。

 それに、そこまでしてるからこそ無駄に強力だ。

 

 どうせ出てこないなら、雑木林の一部ごと消し飛ばして……

 

『セイクリット・

 

「ちょ、ストップ! 降参します! うち、降参するから! 殺さないで!!」

 

 僕が必殺技を放とうとした瞬間、視線の先から焦ったような声が聞こえてきた。

 

 やっぱり、そこに隠れてたか。

 今更になって出てきたのは、僕が放とうとしてる必殺技の規模に気づいたのだろうか?

 こっちには聞きたいことがあるし、マスコット同様に殺すのは本意ではない。

 

 ……が、止めるのがちょっと遅い。

 今更止めるんじゃ、魔力の消費は撃っても撃たなくても大差ない。

 それってさ、ちょっと勿体無いと思わない?

 

 それに、せっかくだから見てみたい。

 自分の全力、魔法少女の力を……

 

 エクスプロージョン』

 

 もはやそれはレーザーでは無い。

 過剰に込められた魔力の爆発。

 まともに制御すら出来ていない魔力の塊が、射線をそのまま吹き飛ばした。

 

 なんと言うか、爽快だ。

 これが僕の魔法少女としての全力か。

 

「ぎ、ぎゃーー!!」

 

 うるさい。

 

 ギリギリでずらしてやったんだ。

 悲鳴を上げないでほしい。

 こっちは感傷に浸ってたんだから。

 

 水平方向に撃ったのに、地面が大きく抉り取られている。

 あと数十センチずれていたら、腕の一本ぐらい残して後は吹き飛んでいたかも知れない。

 我ながらナイスコントロールだ。

 

「さて、話を聞かせてもらおうか。先輩、」

 

 抉られた地面の横でへたり込む魔法少女にメイスを向けた。

 

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