お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜 作:哀上
『魔法少女という存在』③
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さて、どうしたものか……
地面にへたり込み俯いたままの少女を見下ろす。
現在の様子を見るに、特に抵抗の意思は無さそうだ。
妹のこと、素直に吐いてくれれば楽なんだが。
とは言え、油断は禁物だ。
あまり戦闘経験が豊富な魔法少女には見えないが、少なくとも今日魔法少女になったばかりの僕より経験が薄いって事はないだろうし。
少なくとも、先輩ではあるはず。
マスコットを殺した以上、こいつが妹を探す手掛かり。
逃すわけにはいかない。
何か、奥の手とか隠し持ってなければいいのだが……
そんな思考のおり、突然メイスから冷気が、
一瞬何事かと思ったが、……なるほど。
冷気と同時にメイスから強い抗議の意思が伝わってきた。
どうやら、僕のマジック・ウェポンはさっき必殺技を撃つのに無理やり魔力を詰め込まれたのに文句があるらしい。
メイスいわく、「壊れるかと思った」と。
メイスいわく、「何度もやめてほしいと伝えようとしたのに、膨大な魔力に阻まれてそれもままならなかった」と。
……
それはごめん。
流石にあれは無理させすぎたよね。
もうやらないから。
今メイスにへそを曲げられると非常に困るのだ。
僕は必殺技を撃って魔力を結構消耗してる。
このタイミングでマジック・ウェポンを使えなくなったりしたら、目の前の魔法少女に逃げられるどころか形成逆転なんてこともあり得る。
周囲の空間どころかメイスすら歪んでるように見えたもんな。
やっぱアレは無茶だったか。
あんなこともう絶対やらないから、許して、ね?
まぁ、戦闘中に使えるようなものでもないし、一回自分の全力を試せたからもう満足だ。
いや、勿論反省はしてるよ?
ほんとだよ?
モウヤラナイ、メイスと僕の約束。
ふぅ、良かった。
なんとかメイスに許して貰えたっぽい。
なんか、渋々だった気もするけど。
とにかく無事和解した。
「……」
何やら視線を感じる。
少女からだ。
さっきまで俯いてたくせに。
そりゃまぁ見られますよね。
自分に武器を向けていた相手が突然慌て出したら何事かって思うだろうし。
その状況で僕から目を逸らすなんて選択肢なんてないし。
同じ魔法少女って事は、おおよその魔力の流れも分かる訳で……
いや、流石に話してた内容は分からないと思うけどね?
実際、僕に向けられている視線も恐怖やら不安やらの負の感情でいっぱいだし。
分かるのは僕がメイスと何かやり取りしてたことぐらいだろう。
だから、敵を前にして自分のマジック・ウェポンと揉めるなんていう情けないとこは見られていない、はず。
そう、そのはず。
だから何も問題ない。
……
でも、恥ずいものは恥ずい訳で。
いや、ここで弱気になってどうする。
こいつは敗者。
ここは強気で行くべき。
「何、なんか文句あんの?」
「ひ、ひゃい! ごめんなさい」
……なんか僕、余計情けなくない?
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