お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜 作:哀上
『僕、魔法少女になる』④
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「そういえば、マスコットさんの方はいいのか?」
「何がじゃ」
「魔法少女が突然僕みたいな素人に変わって。ほら、シズってこの街じゃ結構有名な魔法少女だったし、戦力的に……」
街の人たちも頼りないだろ。
突然魔法少女が僕みたいなのになったら。
しかも、男だし。
「痛いは痛いけど、本人がこう言っておるからのう。しょうがない事じゃ」
「そんなもんか」
「それに、」
「?」
「さすが双子と言うべきか、君からもなかなかの才能を感じる。代わりとしては合格点じゃな」
合格点……
なんだろう。
魔法少女としての評価なんて全然不本意なのに、ちょっと嬉しく思ってしまう。
完璧超人な妹と比べられてばかりだったから。
そりゃこのマスコットも内心では妹の方がいいとか思ってるのかもしれないけど、代わりとして合格点だって評価だけでつい喜んでしまう自分がいる。
どうやら僕が魔法少女をやるのに障害らしき障害はなく、頷くだけでなれる程度には道がひらけているらしい。
これは変わるチャンスなのかもしれない。
結局妹の後追いではあるけど、それでも僕という人間を大きく変えるきっかけに。
しかも、後追いではあっても妹が中途半端で投げ出した道だ。
僕が成し遂げれば、自分という人間に少しは自信を持てるようになるかもしれない。
「分かったよ。僕、魔法少女になる」
もう後戻りは出来ない。
いや、後戻りする気は無い。
僕は、変わるんだ!
「よし、早速契約といこうかのう」
「うん、さっさと終わらせちゃおう!」
「え、もう!? てか、今ここでやるの?」
「覚悟決まったんでしょ?」
「いや、そりゃそうだけど」
本当に簡単に引き継ぎとか契約できるんだな。
なんとなく、今までのイメージが。
魔法少女に対するファンシーなそれが、今日だけで書き換えられまくりである。
「気が変わらないうちに。ほら、善は急げって言うでしょ?」
「別に今更心変わりしないって」
「そ、そう? ……でも、」
妹は何をそんなに急いでるんだ?
何か理由でもあるのだろうか?
それとも、僕ってそんなに信用ないのだろうか?
まぁ、別にいいんだけど。
妹からの低評価なんて今更である。
気にしたって仕方ない。
「では、始めるぞ」
「お、おう」
「2人とも、手と手を合わせて向き合うのじゃ」
「こうか?」
妹と手を合わせ向かい合う、こんな近距離でまじまじと見るのは久しぶりだ。
そういえば、いつの間にか妹の身長抜いてたんだな。
少し見下ろす形になった妹の事を見て、そんな事に今更ながら気がついた。
「しっかり、ピタって合わせるの」
「お、おう」
「何照れてる?」
「照れてないやい」
上目遣いって言うのだろうか。
見上げられる形になる。
それに、目を合わせると自然と谷間とかも視線に入ってくる。
妹をそう言う対象に見たことは無いが、男の性なのか自然と視線が引き寄せられてしまう。
厄介なものだ。
気にしてない風を装うのに精一杯だ。
「ふふ、やっぱりお兄ちゃんって可愛い」
「またそんなこと言って」
「ごめん、ごめん」
「別にいいけどさ」
そんな僕の視線に気づいているのかいないのか、揶揄うような口調でそんなことを言って来る。
また昔みたいな関係に戻れたらいいな。
いや、戻れるように頑張ろう。
僕は変わるのだから。
妹に見劣りしない男になるために、せめて行動から。
「本当に、……ごめんなさい」
「いや、そんな怒ってないって」
やけにしおらしげな妹の態度に少し引っ掛かりを覚えた。
が、それを問いただす間もなく
「今ここに、契約が結ばれるのじゃ!!」
マスコットがそう口にした瞬間、視界が真っ白に染まった。
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