お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜 作:哀上
『ヴィランという存在』②
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これ、マスコットとヴィランが敵対してるのがヤラセじゃなければ結構いいお土産になると思うんだよね。
基本は生け捕りとか、そこら辺はちょっと怪しい所あるけど……
でも、やらせにしては僕がヴィランを殺した時のマスコットの反応が薄かった気がする。
小言こそ言ってきたけど、それだけ。
マスコットの演技が上手い説もあるが、あいつは大根役者だ。
間違いない。
あいつの演技がうまければ、僕はさっきあそこで先輩のレーザーに頭吹き飛ばされて死んでいた。
魔法少女という存在に何らかの思惑が絡まってるにしても、マスコットとヴィランが根本で敵対していることに間違いはないはず。
敵対こそしていても積極的な殺しはしないなんてそんな珍しい話でもない。
別に価値ある賄賂にならなくてもいい。
このお土産で話す余地さえできればそれで。
本来それすら難しいのだから。
魔法少女とヴィラン。
普段の、出会った瞬間即敵対して即攻撃って感じの関係だと話す余地すらない。
下手に回る事すらできないのだ。
……
それにしても、なかなか出てこないな。
インターホン鳴らされて、それに気づいてないってことはないだろうけど。
何となく気配に変化もあったし。
というか、僕がこの部屋の前に来るから気づいてはいたっぽい。
単純にこのヴィランが敏感なのか、もしくは魔法少女相手だからか。
近づいた時には既に警戒を向けられていた気がする。
まぁ、先輩は気配消すのとか得意らしいけど僕にその手の心得は全くないからね。
戦闘タイプ的にも補正は乗らないだろうし。
魔法少女って宿敵が、気配を消す訳でもなく近づいてくればそりゃ気付くし警戒もするか。
今、部屋の前でしてた会話も聞かれていた事だろう。
証拠に、殺人鬼ってワードを出した時ちょっとこちらに向けられた意識に変化があった。
それに、それに先輩曰くグロいらしい土産にも興味はあるっぽい。
ただ、出てくる気配が一向にない。
出て来てくれないと無理にでも突撃するしか無くなるが、ただでさえ敵同士なのにそんなことしたら間違いなく話が拗れる。
出来るなら、なるべく穏便に話を進めたいんだが……
あ、そうだ。
「先輩、スマホ貸して」
「へ?」
「いいから」
「は、はぁ」
カシャ
「ちょ、何撮ってるんですか」
「先輩とマスコットのツーショット」
「へ? なんで、そんなの撮って」
きょとんとした表情の魔法少女とマスコットの死体のツーショット。
どっからどう見てもサイコパスにしか見えない。
これなら、間違いなくお仲間認定してくれるはず!
まぁ、そんな冗談は置いておいて。
少なくとも興味を持ってくれそうな仕上がりではある。
普通の魔法少女には見えない。
普通の魔法少女じゃない=ヴィランの敵じゃないなんて単純な図式にはならないだろうが。
敵の敵は味方って言葉もある。
マスコットの死体と並んでる方が、ヴィラン相手の好感度的には幾分かマシなはず。
後はこれを、ポイっ
「な、何するんですか!!」
「いや、言葉で色々言うよりこういうのの方が分かりやすいかなと思って」
やった事は単純。
先輩のスマホをマンションの室内に放り込んだだけだ。
この郵便受け、穴が空いてるだけのタイプなのか結構な高さからスマホが落下した音が聞こえた。
これ、画面は割れちゃったかもね。
まぁその時は運がなかったってことで、ドンマイ。
「う、うちのスマホ……」
「何? 奴隷のものは僕のもの、違う?」
「……アキさん、酷いです」
先輩が抗議してくるが、言葉限りの抵抗だ。
流石にそんなの意味ないともう理解はしてるのだろうが、口に出さずにはいられないってやつだ。
実際、言葉に出しただけでそれ以上は何もしないし。
あんまり虐めてると、いつかこの先輩に復讐されるかもだな。
怒ってるのか何なのか、体震わせてるし。
まぁ、自分の命狙ってきた相手に下手に遠慮するのも意味わからんが。
それに、どのみち使い潰すつもりで使うんだ。
先輩にいつかなんてそんな先の未来がある可能性はだいぶ低いだろう。
それは同じ魔法少女の僕も似たような物だし、考えるだけ無駄か。
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