お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜   作:哀上

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『先輩、生贄になる』③

『先輩、生贄になる』③

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「じゃあ、僕は隣の部屋にいるから。ごゆっくり」

 

 先輩の売り渡しが完了した。

 これからどうなるのか、ちょっと見ていたい様な気持ちもある。

 が、流石に同じ部屋にいる気にはなれない。

 

 単純に気まずいったらありゃしない。

 いや、僕は思春期真っ只中ではある訳で、例に漏れずちょうどその手の話に興味津々なお年頃ではある。

 しかし、経験は皆無なのだ。

 

 そんな僕が直接行為を見るのは刺激が強いと言うか、

 そこまでの勇気は無いと言うか、

 さっきまで一緒に行動してた先輩のあられもない姿を想像し難いと言うか、

 

 ……まぁ、そんな所だ。

 

 対価として先輩を差し出したのだから、楽しむ時間はそれなりに必要だろう。

 ヴィランがどれだけするつもりなのかは知らないが、これからどう動くにしてもどっちみち明日以降にはなるだろう。

 今日はもう疲れたし、正直興味云々よりなるべく体を休めておきたいのが本音だ。

 

「なんだ、お前は一緒に楽しまないのか?」

 

「は?」

 

「いや、これから男女で盛り上がろうってのに、1人仲間はずれも冷めるだろ?」

 

 事が始まる前に隣の部屋に避難しようとした所に、ヴィランからのお誘いだ。

 なるほど。

 僕のことも交えて、3Pでもおっ始めようって訳か。

 

 ……

 

 いやいやいや、冗談じゃない!

 

「お生憎様、僕はそういうの趣味じゃないんだ」

 

「つれない奴だ」

 

「どう言われようと、僕は自分のことを安売りするつもりは無いよ」

 

「はいはい」

 

 そもそも、僕にそっち方面の趣味なんて無いし。

 と言うか、ヴィランもそうだろ?

 じゃなきゃ冗談半分でも先輩の事を抱かせろなんて言い出すわけ無いのだし。

 

 まぁ、僕が自分のことを男だと明かさないせいなのだろうが……

 

 別に特段秘密にしなきゃいけない理由がある訳でもない。

 ただ、なんと言うか男より女の方が良くない?

 力を貸す相手として、むさ苦しい男よりは可愛い女の子の方がやる気が出るでしょ。

 

 いや、純度100%の偏見だけどね。

 

「……だが、向こうの部屋は汚れてるぞ?」

 

「ここの家主かい?」

 

「正解」

 

「ま、隣でアンアン喘がれるよりは静かな仏さんと寝た方が幾分かマシかな」

 

「イカれてやがるな」

 

「そりゃどうも」

 

 部屋に入った時点で、何処かに死体が転がっているであろうことに気づいてはいた。

 濃厚な血の匂いがしていたし。

 リビングに転がって無かったのだから、他の部屋にあるのだろう事は自明だろう。

 

 あまり気持ちの良いものでは無いが仕方ないか。

 本当なら窓からポイしたいが……

 多少後ろめたい気持ちもあるので、それは勘弁してやる。

 

 僕が匂いに気づいていた事は向こうも分かっていたと思うが。

 と言うか、だ。

 仮に気づいてなくても忠告する意味もないだろうに。

 

 向こうに行かれると都合が悪いことでも……?

 あぁ、なるほど。

 

「なんだ、僕にも興味あるのかい?」

 

「バレたか」

 

「先輩より僕みたいな貧相なのがお好みなのか? ……ロリコンって奴だな」

 

「冗談。敵としてならともかく、雌としてはこの女の方が上だな」

 

「だろうね。その上で僕も、と?」

 

「悪いか?」

 

「清く諦めることだ。二兎追うものは一兎も得ず、って奴だな」

 

「……仕方ないか」

 

 ま、そうだろうな。

 

 先輩はあんなんでも可愛いし、身体つきも結構良いのだ。

 ただ、こうハッキリ言い切られるとちょっと思うところがない訳でもない。

 いや、ここで僕のこと選ばれても困るんだけど……

 

 ヴィランから見たら僕は年齢以上に子供っぽい体つきに見えるだろう。

 体格は女性特有の柔らかさなんて無いし。

 胸部装甲は当然の様に絶壁、貧乳どころか無乳である。

 

 変身してるから、服の関係で多少膨らみはあるけどね。

 中身はスカスカだ。

 夢も希望も詰まっていない雄っぱい、ほぼ詐欺である。

 

「それにしても、随分と身持ちが硬いじゃないか」

 

「悪いか?」

 

「いいや、その方が攻略のしがいもあるってもんだ」

 

 ……ま、答えのないクイズを解こうと勝手に頭悩ませてれば良いさ。

 

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