お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜   作:哀上

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『先輩、生贄になる』⑤

『先輩、生贄になる』⑤

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「な、何を……?」

 

 寝起きの先輩はまだ現状をいまいち把握出来ていないのだろう。

 僕に引っ付いて、隣の部屋に行こうとする。

 今すぐにでもヴィランから離れたい、そんな意志が見え見えである。

 

 気絶させられた訳だし当然。

 でも、僕も似たようなことをした気がするが、もう忘れたのだろうか?

 まるで鶏である。

 

 当然、先輩のそんな行動は許されるわけもなく。

 あっさりとヴィランに取っ捕まった。

 中学生、体としては大人になりかけなのだがヴィランが大きい事も相まってか完全に子供って感じだ。

 

「お前はこっちだ」

 

「いやっ! ちょ、触らないで」

 

「まぁ、まぁ。そう言わずに」

 

「アキさん、助けて!」

 

 ヴィランに捕まり、先輩の混乱は頂点へ。

 

 先輩が僕に助けを求めてくる。

 さっき会ったばかりの相手なのに、よくもまぁ咄嗟に助けを求める相手として僕の名前を呼べる物だ。

 僕に売られたという事実に気づくこともなく、おめでたい頭である。

 

 でも、今はその単純な頭の作りですら少し羨ましい。

 僕もそうであれば、相手を信用出来ないとかそんなくだらないことで悩まずに済んだのだが。

 

「あ、アキさん?」

 

「頑張って、先輩♪」

 

「……嘘でしょ」

 

 ま、交換したいとはとても思えないけど。

 

「そう嫌がらなくても良いじゃねぇか。気持ちよくしてやるって」

 

「だってよ。良かったじゃん」

 

「気持ちよくって、まさか……」

 

「さて、どうだろうなぁ」

 

「あ、あの! 私、初めてなんです。だから……」

 

「初めてか、良いこと聞いた。なに、心配せずとも優しくしてやるって」

 

「嫌っ、辞めて! 許して、ください……お願いします」

 

 へぇ、先輩って経験なかったのか。

 意外だ。

 ……いや、そんな事もないのか?

 

 中高生って3人に1人はそういう経験あるって話を何処かで聞いたことがある。

 が、逆に言えば過半数はまだ未経験な訳だ。

 実際、僕も経験ないからなんとも言えない所ではある。

 

 ただ、性格的に押されれば流されそうな性格はしてるんだよね。

 このポンコツ先輩。

 たまたま悪い男に引っ掛からなかっただけで、素質はあったと思う。

 

 それがちょっと早まったと思って諦めてくれ。

 気持ちいらしいし。

 大丈夫、先輩ならすぐ慣れるって。

 

 でも、そっか。

 未経験だったのか……

 

「これは、もしかして値上がりかな?」

 

「おいおい、後からそりゃなしだぜ」

 

「分かってるって、そんな事しないよ。冗談冗談」

 

 と言うか、価値の感じ方すらそれぞれだしな。

 果たして先輩の初めてに価値はあるのか。

 いや、一般的に初めての方が価値が高いって言うのは理解している。

 

 ただ、それって付き合う相手とかそういう話でしょ?

 果たして、ただの処理の相手の初めてって価値があるのだろうか?

 慣れてる方が気持ちよさそう。

 

 経験ないのはただの欠陥な気もする。

 まぁ、当のヴィランのテンションが上がってるから良いんだけどね。

 

 ……さっきまでその口で僕のこと口説いてたくせいにと思わなくもないが。

 

「アキさん、嘘ですよね? ね?」

 

「ま、楽しんで」

 

「アキさん!? ま、待ってください!」

 

 先輩が僕に縋り付いてくる。

 

 そんな顔で見られても、助ける義理がない。

 そもそも、先輩はこのために連れてきって部分もあるのだ。

 せいぜいその身体使って僕の役に立ってくれ。

 

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