お兄ちゃんは付いてる娘!?〜双子の妹に魔法少女を押し付けられた〜   作:哀上

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『魔法少女の初仕事』④

『魔法少女の初仕事』④

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 男の子の声援を受け、やる気十分の僕の耳元にマスコットが。

 なんだよ。

 まだ何か伝えてない事でもあるのだろうか?

 

 いい加減に……

 

「パンツなんて見せつけて、少年の教育に悪いのじゃ」

 

「へ?」

 

 ……ぱ、パンツ!?

 

 咄嗟に顔を下に向け、自分の格好を確認する。

 視線の先には、純白にピンクのリボンを施された三角形の布地が……

 慌てて乱れた服装を正し、三角形の布地をスカートの中に収納する。

 

 も、もしかして僕ぱんつ丸出しであの男の子と話してたの?

 嘘でしょ。

 恥ずかしすぎるんですけど。

 

 カッコつけて「安心して、あのヴィランは僕が倒すから」とか言っちゃったよ。

 

 ……

 

 よく考えれば、さっきみたいに激しく動けばそりゃ服装も乱れるか。

 特に、僕はスカートになんて慣れてないし。

 

 なんだろう、意識すると心なしか股下がスースーして来た気がする。

 た、頼りない。

 スカート、なんて心もとない服装なんだ。

 

 マスコットもマスコットだ。

 忠告するタイミング遅すぎるって。

 

 純粋に応援してくれていた男の子に、こんなもの見せつけちゃっていたなんて……

 

 ま、まぁ。

 きっと大丈夫、そんな気にしてなかったはずだ。

 この男の子はまだそんな歳じゃない。

 純粋な子に決まってる。

 

 ……

 

 それに、仮にそう言う年頃だったとしてもだ。

 1人あんな危険な場所で頑張って耐えてたんだから、そのご褒美ってことで。

 これぐらいで教育に悪いなんて、温室育ちが過ぎるってものだ。

 

 ……そう、パンチラぐらい。

 これから女装して魔法少女として活動しようっていうんだから、今更でしょ。

 僕もこれぐらい気にするようなことじゃない。

 

 大したことない。

 うん。

 大したことない、筈だ。

 

「もしかしたら、膨らみとかも当たってたかもなのじゃ」

 

「え?」

 

 ……膨らみ?

 

「思いっきり抱き合って密着してたしのう、あの子の性癖が歪んでなければいいのじゃが」

 

 ……

 

 !?

 

「う、うるさい!」

 

 黙れ。

 この、ポンコツマスコット。

 余計な事は考えるな。

 忘れろ。

 

 そ、そんなこと起こっている訳……

 

 あぁ、そうだ。

 そんな事は起こっていない。

 間違いない。

 

 だから、これ以上考える必要はないな。

 うん。

 

 僕がヴィランを倒す。

 そして、かっこいいお姉ちゃんになる。

 それでいい、完璧だ。

 

 僕はヴィランの前に飛び出す。

 正直、戦法とかまだ何も考えられていない。

 

 暴れていたヴィランが僕に気づいたのか、警戒するような視線を向け構えを取る。

 

 目の前にいるのは本物のヴィラン、何をしでかしてもおかしくない存在だ。

 一瞬たりとも気が抜けない。

 僕の頭を支配していた余計な思考がクリアになり、目の前の存在に対して研ぎ澄まされていくのを感じる。

 

 魔法少女としての機能か、命の危機を前に僕の闘争本能が刺激されているのか。

 それは不明だが、今の僕は奴の一挙手一投足すべて見逃す気がしない。

 

「……魔法少女か、毎度毎度仕事の邪魔をしてきおって」

 

「僕が来たからには、もう好きにはさせない」

 

「ん? そうか、そうか」

 

 僕の言葉にヴィランは嘲笑うような笑みを浮かべる。

 

「何がおかしい!」

 

「お前、新人だな」

 

「……、それがどうした」

 

「ふ、ならば容易い」

 

 なぜ分かった。

 だが、関係ない。

 

「覚悟しろヴィラン、僕がお前を倒す!」

 

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