なんか妹の距離が近い気がする。   作:シマイノ=ユリスキー

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22. 運命の人を探る姉

~姉視点~

 

 結婚式翌日の昼休み。私、美優、ちーちゃん、萌ちゃんの四人は食堂でお昼ご飯を食べていた。最近はこの四人で行動することが多い。

 

 四角い机を囲んでるわけだが、私と美優だけは同じ場所に隣り合わせで座っている。つまり、反時計回りにちーちゃん、私と美優、萌ちゃん、空席という順番に座っているのだ。

 

 ………今更だけどなんで??私達の正面は空席なのに、なんで私と美優は隣り合って座ってるの??もう近いってレベルの話じゃなくない?普通に考えておかしくない?

 

 なんてことを皆に伝えたけど、何を今更って顔でスルーされた。解せぬ。

 

 うん、分かるよ?一週間くらい同じ配置で座ってきたのに何を今更言ってるんだって気持ちはすっごく分かるんだよ?けどさ、そう思うなら初日におかしいって言ってくれても良くない?

 

 四人で食べるようになった初日に「詰めてくださいお姉さま」って言われたときは「おや?」って思ったよ?でも誰も何も言わないんだもの。そして当然のように美優は隣に座ってくるし。なんで私はあの時まあいいかで済ませてしまったんだ…。

 

 ………ん~、ちょっと食べづらいだけだし、まあいいか。別に困るようなことでもない気がする。そんなことより私は結婚式の話がしたい。

 

「―――てなわけで人生初の結婚式だったんだけどさ、すっごく良かったよ。なんていうか…うん、とっても良かった。あと、ウェディングドレスの実物も初めて見たけど、とっても綺麗で……すっごく良かった…。」

 

 びっくりするぐらい感想の語彙力が無くなった。私の語彙力はどこに行っちゃったの…。

 

「アンタの語彙力はどこに行ったのよ。」

 

 ちーちゃんも呆れ顔で指摘してきた。

 

「ご、語彙力が無くなるくらい良かったってことだよ!!親友なら伝われ!!」

 

 何年親友をやってきたんだ!!それでも私の親友か!?

 

「流石に無理があるわよ。」

 

 そりゃそうだ。

 

「悲しい…。でも話したいのはこれじゃなくて、ウェディングドレスって憧れるよねって話がしたかったの。」

 

「ふ〜ん、まぁ気持ちは分からなくもないわね。」

 

「うちも憧れます!!ウェディングドレスいいですよね!!それを着ることが全ての女の子の夢だと思います!」

 

 二人も同じらしい。やっぱウェディングドレスは女の子の憧れなんだね。

 

「やっぱ二人もそう思うよね。いいよねぇウェディングドレス。いつか着れるといいなぁ。」

 

「あ~…アンタは着れると思うわよ?」

 

「……そうですね!!うちもお姉さんなら大丈夫だと思います!」

 

 そういって二人は美優を見つめる。美優は今食べていた物を飲み込んでから口を開く。

 

「そうですよお姉さま。昨日も言いましたけど、お姉さまなら大丈夫ですよ。」

 

 私の将来は大丈夫だと皆が確信しているのはなんでなの?不思議なことに、まだ彼氏候補すらいないんだが???

 

「皆がそう言ってくれるのは嬉しいけどさ~、まだ運命の人と出会えてすらいないんだよ?」

 

 運命の人は恥ずかしがってないで早く出てきてほしい。今なら愛情たっぷりのちゅ〜してあげるよ?お得だよ??

 

「運命の人とは出会えていると思うわよ。」

 

 ………えっ?

 

「……えっ、まじ?」

 

「ええ、大マジよ。」

 

「えっ、う、うそ。ど、どこのだれ!?」

 

 衝撃の事実に驚き、つい身を乗り出してしまう。

 

「ま、まず落ち着きなさい。近いわよ。」

 

 気が付くと目の前にちーちゃんの赤くなった顔があった。これがガチ恋距離ってやつか…。

 

「あっ、ごめんね。そ、それで誰なの、その運命の人って。私が知ってる人?」

 

「アンタは知ってるし、結構仲が良いとは思うわよ。」

 

「むむむ…私が知ってる人で仲がいい人…か。」

 

 誰だ?大変遺憾ではあるが、そもそも私には男性の知り合いが少ない。その上、仲がいいとなれば絞れそうではあるけども…。

 

「その人って皆が知ってる人?」

 

「そうね、この机を囲んでいる全員が知っているわね。」

 

 すっごいヒントくれるじゃん。でも誰なんだ?皆が知ってて私と仲がいい人…。

 

 

 ………ハッ!!もしかして!!

 

「私、分かっちゃったかもしれない。」

 

「…ほ〜う?言ってみなさいよ。」

 

「まさかなんだけど、その人は…。」

 

 私は緊張して唾を飲み込む。なにやら美優から強い視線を感じる。

 

「………部長?」

 

「違うわね。そもそも部長との仲は普通じゃない。」

 

 バッサリと切り捨てられた。ちーちゃんがため息を吐いてる。てか皆がため息を吐いてる。

 

 私も安心して息を吐く。

 

「よかったぁ…。流石に部長が運命の人なのは嫌だもん。」

 

 いい人ではあるんだけど、付き合いたいかって言われるとちょっと無理かなぁ…って思う。だって「デート先はジムだ!一緒に汗を流そう!」とか言いそうだもん。流石に嫌だよ。

 

 いやでも、だったら運命の人って誰なんだろう…。改めて考えるが全く出てこない。

 

「今は出てこなさそうね…。この鈍感。」

 

 私が鈍くて悪かったな!!でもそういうちーちゃんも彼氏いないじゃん!!

 

 てか私がその運命の人と付き合ってもいいのか?彼氏いない同盟を私が先に抜けることになるんだぞ!!まぁそんな同盟作った覚えなんてないが。

 

 美優が何か言いたげな表情で手を重ねてきた。分かるよ。情けないって言いたいんでしょ?でも全然分からないんだもん!!

 

 

 

 私の運命の人って誰なのさ!!!

 

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