吾輩はニートである
…正確には、ニートであった
昨日未明、いつものように漫画を読みつつゲームをしていた俺は、急激な心臓の痛みに襲われた
ゴッとかガッなんて声にならない声を上げつつ
死んだ
なんの不摂生が祟ったのかもしれんな
『なんて醜い』『バケモノ』『なぜ私達の子が、こんな…』
なんて言われ続けた俺の悲しき人生は幕を閉じたのだった…
が、今思考できている通り、俺はまだ死んでいないらしい
というより、生まれ変わったらしい
「かわいいかわいい、私達の子」「うむ、きっと素晴らしい呪術師になるだろう」
…どうやら今度はきちんと愛されるらしい
んん?呪術師?
じゅっ呪術師!?!?!?
どうやら俺は、呪術廻戦の世界に転生したらしい。それも今は平安時代…
えっ宿儺いますやーん!俺もう死ぬやーんw!
バカが、冷静になれ俺
そもそも、呪術師にならず、宿儺に絡まれない程度に空気に徹せれば完璧よ!!
「稽古の時間だぞ!
あかん、ゴリゴリの呪術師家系過ぎて呪術師になるしか道がない!!
まぁ意外にも父親は優しいし、母親も美人だから、苦ではない
その先の人生が結構お先真っ暗だが
「よく見なさい龍王。これが呪霊だ、我々呪術師は、これを祓い人々に安寧をもたらせねばならない」
…父親の言葉を聞けばわかるが、この家族はお人好しの正義感に溢れた善人たちだ
それともこの時代の呪術師がいい奴らなだけかもしれんが
「そしてこれが」
父親が呪霊に手をかざし、そこに炎が顕現する
「私達の力、術式だ」
炎は轟轟と唸りを上げ呪霊にぶつかる、それはまるで某ゲームのブレスのようで
「この力は、とある赤き飛竜の力を借りたものだ」
「お前も調伏を終えれば使えるようになるさ」
父親はこの術式を纏龍法術とよんでいる
そう、龍、竜…
赤い竜だったり、緑の竜だったり、狼みたいな竜を、その身に纏う
纏うためにはウニ黒くんのように調伏の儀が必要だ
「さあやってみなさい、まずは賊竜あたりが良いだろう」
賊竜…
「調伏には、少量の呪力だけでいい。あとは生得領域内でその竜を狩ればいい。」
「さあ、一狩り行って来い!」
…ふむ、まずは術式チュートリアルといったところか
「纏竜調伏、星一域。【賊竜】」
術式が起動する。ふと気がつけばそこは
よく見たことのある闘技場に、手には片手で持てる見慣れた剣が一振り。そして正面には何回見たかわからないモンスターが一匹
…賊竜、ドスジャグラス
俺の術式がモンハンすぎる!!!!!!!
さて、初めての調伏から既に2年ほど経ってしまった
齢7歳となった俺の日々は、呪霊刈りの日々
出ては祓い、出ては祓いの繰り返し
術師の知り合いもできたし、調伏も進められている
俺の体感、調伏できるモンスター数は、おそらく存在するすべてのモンスターだ
ニートの知識量を舐めるなよ、全モンスターの姿形名前、モーションまで覚えてる
まぁ、調伏できたのは数体なんだが…
だが言い訳がある。あの調伏の儀、結構きついのだ
本家モンハンのように、闘技場内で狩りを行い、その中では2回までなら死ねる。
つまり2乙までおkってこと
そんでもって3乙しても、三回分の死の経験と多少呪力が持ってかれるぐらいのペナルティで済む
でもよく考えてくれ
モンスターだぞ?モンスター
あんなデカブツと片手剣だけで戦わされるんだぞ、きついだろ!
まぁ、そんな厳しい状況で、俺が調伏できたモンスターを聞いてくれ!
ドスジャグラス!アオアシラ!アケノシルム!クルルヤック!
の四体でお送りいたします…
こら!そこ!しょぼいな…とか言わない!!
彼らだって強いんだぞ!!
ドスジャグラスは水流を出せるし、アオアシラを纏えば力がだいぶ上がるし、アケノシルムは若干火を纏える!クルルヤックもまぁ、うん
弱くない!普通に呪力で強化するよりも強くなるし、固くもなるんだけど!
や、ぱっとはしないけどさ
それに、これらの力は別に一個ずつしか使えないわけじゃないからな
この術式の強みは手数の多さと多様性だから!
…はあ
実はこんな悠長なことを言っている場合ではなかったりする
ここ最近は呪術師、呪詛師含めててんやわんや、常に緊張をしながら過ごしている
その理由はもちろん両面宿儺のせいだ
本格的に暴れ始めた、気の赴くままに人間を鏖殺し、討伐に来た呪術師を悉く返り討ちにした上で食らう
呪術師になったからには、おそらく俺も討伐に赴かなくてはならない
…俺の両親も数日後、討伐隊とともに出発する
きっと今回も皆殺しになるだろうし、次は俺の番かもしれない
力を、力を蓄えなければ
「…龍王、神纏家を頼んだぞ」
「…は、い」
あーあ、いい両親だったのに
最初は宿儺に殺される可哀想な2人だったのにさ
この7年、可愛げのないやつだったのに愛してくれた
実質実の子の命を奪ったようなやつなのにな
なんだろう、今は無性に
宿儺に殺意が湧くよ