「ふざけないで! アンタがオルフェなわけない! 本物のオルフェを返してよ!」
トレセン学園に、スイープトウショウの剣呑な叫び声が響く。ヒシミラクルが思わずそちらを見ると、スイープトウショウが見知らぬウマ娘を睨みつけていた。その隣では、カレンチャンも真剣な表情で佇んでいる。
2人に向き合うウマ娘、茶色と金色の2色髪をした王者の風格を持つ彼女は、スイープトウショウの訴えに暴君のように平然と返す。
「本物……誰だそれは、我こそがオルフェーヴル。それ以上でも以下でもない」
「本当に、貴女が今までカレンたちといたオルフェなの……?」
「まだわからないのか? 今までスイープの魔女ごっこに付き合っていたのも、カレンのカワイイ買い物に付き合っていたのも、我が生み出した分身に過ぎん」
(ウソ……あれがオルフェちゃん!?)
ウマ娘・オルフェーヴルといえばスイープやカレンとたまにいるのを見かける茶髪のマスクウマ娘だったとヒシミラクルは記憶していた。それがまるで変装を剥ぐようにあの金色暴君に変身してしまったというのだから驚きを隠せない。
オルフェーヴルは今までとは比較にならないほどの威圧感と眼光でスイープトウショウとカレンチャンを睨みつけた。
「楽しかったぞ、貴様らとの舎弟ごっこ……と言いたいところだが。今までこの我をさんざんコケにしてくれたな。その生命を持って償ってもらう」
「や、やばいわよカレン……」
「くうっ……!!」
ビリビリと緊迫した空気。ヒシミラクルには何できず見ていることしかできなかった。
オルフェーヴルは今までの鬱憤を晴らそうとするかのように、ぐっと拳を握り宣言しようとする。
「そうだ、殺してやる……殺してやるぞトレーナーikz「今お兄ちゃんのことなんて言おうとしたの?」
しかし、いつの間にかオルフェーヴルの背後に回り込んだカレンチャンがその口を塞いでしまった。
「姿が変わったのはびっくりしたけど……改めて『おはなし』しよっかオルフェ」
「そうよ! 分身だかイメチェンだか知らないけどそれくらいで私の魔法実験を手伝わないなんて許さないんだから!」
「なっ、離せ……この……おのれおのれおのれっ……!!」
オルフェーヴルを名乗るウマ娘は、今までのようにスイープトウショウとカレンチャンに引きずられていってしまった。
一部始終を見ていた一般通過普通ウマ娘のヒシミラクルは、ほっと安堵して言う。
「なんというか、どんな姿になっても大変だねオルフェちゃん……私はやっぱりイメチェンとかしなくていいや」
新オルフェーヴルの幻覚を見れるのは今だけかもしれないので急いで投稿しました。マスクドオルフェのことも忘れないよ