ヒシミラクルはわからない   作:じゅぺっと

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ウララ並のチビっ子がロン毛で黒服着てるだけでちょっとおもろい

 ゴルシは激怒した。必ず大豊食祭の理事長に訴えねばならぬと決意した。

 なぜ、ラーメンはあって焼きそばがないのか。唐辛子はあってとうもろこしはないのかを。

 

「本当にやるのか、ゴルシ?」

「ああ、大豊食祭に邪魔はさせねぇ。アタシの夢、焼きそば大帝国を作るため……いくぜ、新作ブラックソース!」

 

 まごころ込めて育てたもろこし畑から精製したブラックソースを手に自慢の愛機である焼きそば屋台を走らせるゴルシ。

 

 しかし、そんな暴走に待ったをかける一人のウマ娘がいた。ロケットランチャーをぶっ放して屋台を木っ端微塵にしてしまったのだ。

 

「うるせぇーーーーーーーーーーーーー!!」

「やきそばっー!?」

「ゴルシ、理事長さんにメイワクをかけるんじゃねえ! ナカヤマ、お前も死ぬ気で止めろ!」

 

 

 ……と。ヒシミラクルはドリームジャーニーからそんな事があったと知らされたのだった。

 

「━━という風にアネゴが一人でゴルシさんのところに行きましてね。ゴルシさんとナカヤマさんを両脇に抱えて帰ってきた時は驚きました」

「ええっー!? ゴルシちゃん大丈夫なの!?」

 

 ウマ娘が人間より遥かに強いと言っても限度はある。さすがに重火器を撃たれて無事で済むはずはないのだが……まぁ、なんと言ってもゴルシのことである。

 

「おっ、このゴールドシップ様を呼んだか? ゴルシちゃんなら爪先から髪の毛のキューティクルまでいつも通りだぜ!」

「背中は煤けてアフロヘアーのままで言っても説得力はねぇが……ま、別に大したことにはなってねぇよ」

「ゴルシちゃん! ナカヤマちゃんも!」

 

 件のゴルシとその悪友であるナカヤマフェスタもこの場にやってきた。ゴルシの格好は全身黒ずんでいて、なんなら髪の毛が女の子にあるまじきアフロになっているがまぁゴルシちゃんだしいいかなとミラクルは流すことにした。

 

「おや2人共、アネゴからのお説教はもう終わったのですか?」

「ああ、たっぷり絞られたぜ……例えるなら今のアタシはにんじんとにんにくとじゃがいもととうがらしといちごを絞ったミックスジュースってとこだな」

「なにそれマズそう」

「危ない橋を渡った自覚はあるが、まさかロケットランチャーまで引っ張ってくるとは、相変わらずヒリつかせてくれる」

「アネゴから突然ロケットランチャーを貸してくれと頼まれた時は驚きました」

「「あれオメーのかよ」」

 

 ジャーニーがアネゴと呼ぶウマ娘、ステイゴールド。

 ミラクルに面識はないが、ジャーニー、ゴルシ、ナカヤマにとっては旧知の仲のようなものらしい。恐らくオルフェもそうなのだろう。

 

「でもさ、ゴルシちゃんとナカヤマちゃんがつるむのはわかるけど。ジャーニーさんとはどうやって仲良くなったの?」

 

 ゴルシとナカヤマが馬鹿騒ぎを好むのに対して、ジャーニーは基本的に静かだ。厳粛さがあるとも言っていい。

 なので、ミラクルは3人が仲良くやっているのを不思議に思った。

 

「なら語らなきゃなんねぇな……アタシとジャーニーの仁義なき戦い〜トレセン死闘編〜をよ……」

「端的に言えば、入学したオルにまとわりつくウマ娘がいると聞いて話をつけに言ったのがきっかけでしたね。そう、あれは━━」

 

 目を細めて回想に入ろうとしたドリジャに、なんとゴルシは特製焼きそばをドリジャの口に突っ込んだ。

 

「話がなげぇー! 夏休み明けの理事長かよ!」

「いやまだ始まってもいないよ!?」

「なかなか悪くない味ですが……私の茶漬けを楽しんだ余韻を上書きするとは良い度胸ですね。改めて、私からも『けじめ』をつけましょうか」

 

 突っ込まれた焼きそばを上品にすすって飲み込みながら、鋭い笑みを浮かべるドリジャ。

 

「いいぜ、かかってきな! ジャカジャカジャンケンジャンケンポンでも漫才コント対決でもやってやんぜ!」

「何その対決!? ジャーニーさんがそんなのするわけ……」

「懐かしいですね、クイズ対決も確か引き分けでしたか?」

「したの!? ジャカジャカジャンケン!?」

 

 ゴルシのいつも通りの勢いに平然と付き合うドリジャに思わずツッコミを入れてしまうミラクル。

 

「ウララ並にちっこいやつが凄みのある黒服来て微笑んでるだけでもおもしれーのにこのノリの良さ……やっぱアタシらはマックちゃんとアイツのその血の運命で繋がってるってことだ!!」

「クク……ならオルフェも呼んでどちらが勝つか賭けるとするか……ミラクル、あんたも一口乗るかい?」

「せ、せっかくだけど遠慮します……私はもっと、ゆる~いテンションのほうが気楽だなって……」

 

 まるでギャグ漫画のような勢いで話し続ける3人に、タジタジになるミラクルだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




ギャグ作品を書くのって大変なんだなと改めて思いました。
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