俺はリクのお兄ちゃんだぞ!   作:傘葉

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光線技

「本当にここなんだろうな、ターゲットが現れるって宙域は?」

 

 とある砂漠の惑星の近くに位置する星で、とある傭兵集団がとあるターゲットを待ち構えていた。

 

「間違いありませんぜ兄貴。なんせ、あの星間連盟からの情報提供……奴は確実に現れます」

 

 彼らはこの宇宙の各地を転々としながら、金さえ貰えばどんな仕事、どんな勢力にも属する戦争屋だ。これは特別彼らが珍しいというわけではなく、これまでに数多くの戦乱が起こってきたこの宇宙では、至って普通の悪党達であった。

 

「あいつらには世話になってるからな。さっさと終わらせて帰るぞ」

「そうですね。どうせそこら辺のチンピラ。俺たちにかかれば───」

 

 

 突如、黒いナニカが空より降り注いだ。

 

 

「何だ⁉︎」

「!兄貴、上だ!」

 

 彼らには自分達が強者であるという自信があった。

数々の修羅場を乗り換え、数え切れないほどの命のやり取りをしてきたのだ。そう考えるのも無理はないだろう。

だがしかし、世界は残酷ものだ。

 

 

「あいつか……!いいぜ、ぶっ潰してやるよ!」

 

 

彼らは所詮、至って普通の悪党に過ぎなかったのだから。

 

 

 空を見上げた二人が目にしたのは漆黒の巨人。ちょうど太陽光に重なるように降下してきており、そのシルエットはハッキリとは見えないが、手首を十字に組み、エネルギーを溜めている様子を確認出来た。

 

「乗り込め!」

「あいよ!」

 

 二人は近くに待機させていたロボット怪獣『レギオノイド』へ搭乗する。元々はベリアル軍が使用していた無人兵器だが、大戦時の混乱で一定数が流出、二人の機体もその中の一部を回収、改良を施したものだった。

 

 素早くコンソール画面をタップすると、手慣れた動きで愛機を起動させる。瞑ってでもできるほど体に染み付いた無駄の無い動作で操作を終えると、彼らはすぐさま目標を探す。

 

「システムオールグリーン、メインカメラ起動。さて奴さんどこに────」

『うわぁぁぁぁ⁉︎』

「おいおいおいおい⁉︎いくらなんでも早すぎるだろう!」

 

 気がついた時には、味方のレギオノイドの胸部に敵の光線が命中していた。幸い機体内部にまで貫通はしていないが、衝撃で後方へと倒れ込んだ。

 男はすぐさま敵をロックオン。両腕のキャノン砲より無数の銃弾を打ち込む。

 

「おらぁぁぁぁ!」

 

 若干の動揺はあったが、それでもプロ。すぐに平常心を取り戻し、ロックオンした相手向かって、冷静に引き金を引いていた。しかし、

 

「当たらねぇ……何なんだこの動きは……!」

 

 高速で動き回る漆黒の巨人には、銃弾が命中するどころか掠ることもままならない。

 そして次第に銃弾の軌道を読めるようになってきたのか、途中から手招きをするなどの挑発行為を行い始めた。

 

「舐めやがってぇ!」

 

 激昂する傭兵。だが彼の感情の高鳴りとは裏腹に、弾丸は命中するどころか、ますますあらぬ方向に散らばってゆく。

 そしてしばらく回避に徹していた巨人だが、その様子を見た途端に突如進行方向を変えた。

 

 横方向への移動を止め、レギオノイド目掛けて突っ込んでくる。両手を手刀の形にし、それぞれでエネルギーを形成すると、レギオノイドの腕部に発射した。

 

「くそっ!」

 

 腕をクロスし防御体勢を取ったが、左側のキャノンを破壊された。残った右側で巨人に攻撃を仕掛けようとするが、そのときにはもう、巨人はレギオノイドの目の前に移動してきていた。

 

 巨人は残ったレギオノイド腕を振り払うと、右手に光輪を作り出し、それをキャノンと肩の接続部に押し付けた。嫌な金属音と共に火花を散らす腕。

 それが切断されるまでに、さほど多くの時間は要らなかった。

 

 完全に攻撃手段を失い、ただの木偶の坊になった傭兵のレギオノイドに巨人は馬乗りになる。

 

 

 そしてそのとき、傭兵は初めて巨人の顔を見た。

 

 

「ウルトラマン……ベリアル……

ははっ、勝てるわけねぇ…」

 

 

 口から出てきたのは乾いた笑い。心から出てきたのは恐怖でも怒りでもなく、諦めの感情だった。

 

 とんでもねぇ相手に手を出しちまった。こんなバケモノに喧嘩を売るなんて、命知らずにも程がある。どうせ連盟の連中にもすぐに報復が………

 

「Aaaaaaa!」

 

 そんな事を考えているうちに、ベリアルは手首を十字に組み、エネルギーを溜め始めた。そしてほどなくしてコックピット目掛けて放たれた光線により傭兵の意識は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デスシウム光線!」

 

 

 父ベリアルの使うものと同じ名前の技は、敵の装甲に命中すると黒い衝撃波を発生させ、その胴体に風穴を開けた。

 

 敵の沈黙を確認したセーレは、ゆっくりとその残骸から腰を上げた。

 

「少し張り切り過ぎたかな。スライさんの姿も見えないし………とりあえずは、」

 

 

「────簡単に警戒を解いてはいけません。セーレ様」

 

「え?」

 

 背後からの聞こえた声に反応したセーレが振り向いたとき、彼の目の前には腕を振り上げかけているレギオノイドがいた。

 しかしその機体は動く事なく、その場で静止している。それもそのはず、スライがその手に装着した剣で、その胴体を貫いていたからだ。

 

「ふっ!」

 

 スライが剣を引き抜くと同時、レギオノイドは負荷に耐え切れず爆散。静寂なる星に、一筋の火柱が立ち上った。

 

「初めに撃破した機体ですが、少々詰めが甘かったようですね。光線が内部まで届いていませんでしたよ」

「おかしいな。ちゃんと出力は調整したはずなんだけど………」

「これからの課題ですね」

 

 

 

♦︎

 

 

 

 日も落ちこの星にも夜が訪れた頃、セーレとスライは焚き火を囲んで暖をとっていた。幸いこの星の環境は人間の姿でも耐え切れるものであったため、エネルギー節約の意味も込めて、二人で炎に手を当てていた。

 

「セーレ様、光線技を向上させる為にも、まずは復習をいたしましょう」

「うん。最初は確かスペシウム光線…だったかな?」

「はい。これを教えるのは、闇の世界の者として些か思う所はあるのですが……いえ、今は関係ありませんね。まずはこれをご覧ください」

 

 スライはそう言うと、空中にホログラムを展開する。初めはノイズで画面が定まらなかったが、しばらくするとそこに無数の戦士たちの姿が映し出された。

 

「スライさん……何これ?」

「とあるマルチバースで手に入れたものです。まさかこれを再び使う時が来るとは……」

 

 

 

 

 

 

「コホン、それではいきますよセーレ様」

「お願いします。スライ先生」

「では、全てのウルトラ戦士の基本となる技、それがスペシウム光線です。ウルトラ戦士の使うあらゆる光線技は、これを原型に発展していきました。

 右手にプラスのエネルギー、左手にマイナスのエネルギーを集中させスパークを発生、これにより光子エネルギーを生成しこれを打ち出す技になります。ベリアル様やセーレ様のお使いになるデスシウム光線もこれを原型にしていますね」

 

 画面が切り替わる。次に現れたのはウルトラ6兄弟が一人、ウルトラマンであった。

 

「代表的な例でいえばウルトラマンがいます。彼は基本技であるスペシウム光線を、一撃必殺の技にまで昇華させた恐ろしい戦士です」

「必殺の技……そんな事出来るの?」

「普通は出来ないでしょう。彼がとことん異常なだけです。忘れてください。さて次は、スペシウム光線の利点についてです。何か分かりますか?」

「えっとー、発射までの溜めが少ないのと、命中精度が高いだっけ?」

「はい、お見事です」

 

 また映像が切り替わった。次のものは、ウルトラマン達が光線を打った後に敗北している戦いのものだった。

 

「確かにこの光線は優れた技ですが、エネルギー消費を馬鹿にしてはいけません。例えばベムスターやガンQなどのエネルギーを吸収する敵や、優れた防御力を持つ相手には、相性が悪いのです」

「なるほどなるほど」

「解説はここらあたりで充分でしょう。さてセーレ様、ここからは実践ですよ」

「おっ!待ってました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まずはエネルギーを腕に集める。全身を流れゆくカラータイマーからの供給エネルギーに意識を集中させ、その精度を高めていく。

 

「おそらくあのとき威力が足りなかったのは、慌てて発射してしまったからでしょう。まずはゆっくり、そして充分なエネルギーを溜めて打つ事を心掛けてください」

「…………」

 

 スライの声が聞こえるが、それに返答するほどの余裕は今のセーレには無かった。無論、無視をしているわけではないのだが、いかんせんエネルギーの調節というものは、神経を使う作業なのだ。

 

 セーレの体は光と闇という両極端に位置する力を内包している。そのため互いの力が干渉し合い、通常の戦士たちに比べて力の調節が難しいのだ。

 

 悪戦苦闘していたセーレであったが、しばらくすると力の波を掴んでいた。

 

 

「………来た」

 

 

 腰に力を入れ、手首を十字形に組む。映像で見た教科書通りの動きだ。オリジナル性や独自性など一つもない。だが今はこれでいい。

 そして、放たれる青白い光

 

 

「スペシウム光線!」

 

 

 真っ直ぐに体外へ放出された光は、大量のエネルギーを伴いながら、目標へと命中。先ほどとは比べものにならないほどの破壊力を見せつけた。

 

 爆散する目標物を見つめながら、セーレは喜びの声を上げる。

 

「やった!」

 

「お見事ですセーレ様。しかし───」

「?」

 

 セーレの喜びとは裏腹に、スライの声は冷たかった。そしてスライは、光線が命中した地点を指で真っ直ぐ指し示した。

 

「誰も衛星軌道上の小惑星を打ち抜けとは言ってません」

「ああー!角度ミスった!」

「本当に大丈夫なのでしょうか?」




教育の為とはいえ、ベリアル軍がウルトラ戦士について教えるのはどうなんだ?

・セーレ
ウルトラの力とレイブラッドの力が互いに体内で反発しているため、他の戦士に比べて、安定性がいまひとつない

・魔導のスライ
昔色々(列伝時空のうんぬんかんぬん)あった
単純な戦闘力なら現時点のセーレより上

・最初にやられた傭兵達
星間連盟とかいう治安終わってるところを取り締まる倫理観終わってる組織に雇われた


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