とある悪魔の|侵略記録《ハッキングログ》 作:アキラゼミ2nd
────その日、キヴォトスに、新たな侵入者がやってきた────。
「……何だ、ここ。廃墟ばっかかよ。戦うのには丁度いいかもしんねーが、こんな寂れた場所ァ、嫁とのデート場所としては、不似合いだねェ……。うーん。どうしたものやら……変なとこに来たなぁ〜……」
ミレニアムの「廃墟」に現れたソレは、どうやらデート場所を探しにやってきたらしかった。しかし自分が到着した場所があまりにも荒廃した場所故にこの場は不似合いと判断。
適当に破壊してその場を去ろうとするも────ある物を発見し、歩みを止めた。
「……ん……なんか妙なのが設置してあんな。しかも真新しい。監視カメラか?……おーい。見えてるか?聞こえてるか?……クックックッ……ハハハハッ!!なんか、おもしれェ事が起きそうな気がするなァ」
男はニヤリと口元を釣り上げカメラを破壊した。そして、その場をもう少し散策することにした。
◆
"────エイミ、ヒマリ!また何者かが「廃墟」に来たって、本当?"
「あ、先生。……そうみたい。だけど今回は、前とは原理も何もかもが違うみたいで……」
"……って事は、アレの誤作動とかじゃないんだ?"
「先日の御坂美琴さん達の件以降、『施設』の跡地及び
『廃墟』の各所に、監視の為にとカメラを設置していました。こちらが、発見時の映像です」
特異現象捜査部の部屋に到着するなり、ヒマリ、エイミは簡潔に状況を説明して、録画らしき映像を私に見せてくれた。
それによると、あの「廃墟」内の空き地のような箇所の何も無い空間に、ある瞬間、瞬間移動なんかしたような現れ方で──1人の男が現れた。
背中に蝙蝠らしき翼を備え、身長はそれなりに。映像内だから何とも言えないが、等身から判断するならば、パッと見では私とあまり変わらないように見える。
周囲をキョロキョロと見回して、散策している。
「男……に見えるよね?」
"私も、男に見えるな"
私以外の男が──この高校生風の男が、どうしてキヴォトスに来たのかは、色々と気になるけれど。だけど、男がもう1人、か。
ゲマトリア以外で、男なんか見たくなかったな。私のハーレムの邪魔をしたりとかは……しないとは、思うけれど。
「どうでしょうね?中性的にも見えますけれども。まぁ、それは、実際に会ってみれば分かる事です」
"会うの!?"
「当然です。御坂美琴さん達のようなパターンには見えませんが、これもまた特異現象捜査部としての活動ではありますから。しかし私は、超天才清楚系病弱美少女ですので。未知なる異性に、先生抜きで顔を合わせるのは、どうにも怖くって……♪」
"……分かった、行こうか"
しかし、部室を出ようとしたその瞬間──リアルタイムで映像を流していた方のカメラからその男の声が流れてきた。マイクも備え付けてあるらしい。
『おっ。これが最後のカメラか。おーい。見えてんだろう?聞こえてるんだろう?何なら、俺の方からそっちに行ってやろーか?』
"監視カメラだから返事なんてできないのに……"
「さっきからたまにこうして声を掛けてくるんだ。私達が仕掛けた監視カメラも、全部見付かってる」
全部見付かってる、というエイミの言葉に疑問が浮かんだ。リアルタイムで彼を写しているカメラはこの1つだけのはずだ。だって、他にカメラ映像を移している画面は無く、たった1つの、このカメラだけが彼の行動を写していたから。
けれど、エイミの言い方ではカメラを複数個設置しているように聞こえるが……。
「お察しの通りです、先生。他のカメラは彼の手で破壊されてしまっています」
"えッ!?"
「この男の人、よく分からないんだけど、恐ろしく
『視られる』事に敏感みたいでさ。隠しカメラとか全くダメ。多分、このカメラもすぐに────」
エイミの言葉通り、凶暴な笑みを浮かべた男は、迷いなくカメラに向かい手を伸ばしてくる。しかしその手がカメラを破壊する事は無かった。
『……がッ……!?』
「「"!?"」」
男が血を吐いた。彼の背後には、廃墟に蠢くあの機械がズラリと並んでいた。どうやら彼を攻撃対象として認識し、彼を処理しに来たらしい。
「あらあら……」
「今から『廃墟』に行ったんじゃ間に合わないよ。どうする、部長?」
「……見守るだけです。今は、ね」
"そうは言っても……"
次の瞬間には彼の身体が貫かれて、ビチャリと、カメラに血が飛び散った。もうダメだ、もう絶対に間に合わない、そう思った。しかし……。
『なんだお前ら?機械かな?いや人が乗ってようと関係ねぇ、まとめてスクラップにしてやるだけだ!ライフ────ミッドナイト・サンダー……!!』
彼がそう技名か何かを唱えた。すると彼から黒い闇のようなものが広がり、カメラにも何も映らなくなってしまう。しかし、マイクは音を拾い続けた。帯電するかのようなバチバチバリバリという音と、金属がひしゃげるような轟音に、爆発音────。
それらの音が聞こえなくなって数秒が経過。
まるで部屋の電気を点けたかのように一瞬で闇が晴れ、彼の姿を再びカメラが捉えた。
『あーあ、もー。オキニの服なんだぜ、コレ。この凡骨共がよォ。クソ機械のクセによ、生意気なコトしてくれやがって……ケッ!』
パキンッ、とマイク越しでもハッキリと聞こえる指パッチンをする。すると「廃墟」の機械の残骸に連続で、ドガガガガガッ……と雷が落ちた。
残骸は爆発し、更に燃え始める。
「──エイミ、マイクは!?」
「……ダメみたい。音声、拾えてないや。至近距離であんな音が連続で鳴れば、こうもなるか……」
カメラもヒビが入ってしまい、使い物にならなくなってしまった。モザイクが入ったかのように荒い映像しか写してくれない。
すると彼はカメラの破損に気付いたか、それとも本格的に破壊しようとでも考えたか、カメラの前に立って────。
「え」
「……っ!?」
"カメラが直った……?"
『これで直ったろ。おい、この映像を見てるヤツ。そう、テメーに言ってんだよ。モニターの前にでも居るんだろ?今のあの機械、テメーの差し金かよ?もう、他にカメラねェもんな?リアタイでこっちを見てるとしか思えねンだわ』
「違っ……」
「シッ。黙って聞きましょう」
『ま、どっちでもいい。俺ァ今からカメラ仕掛けたテメーんとこに凸する事にしたよ。その首、洗って待ってな。じゃあな』
彼の手元の空間に円の穴が空く。そこに手を入れ黒い金属光沢を放つ何かを取り出し、パチッと音を立てて展開する。アレは──折り畳みナイフか?
『まさかこんな所で一発死ぬとはなぁ。へッ、まぁクソ機械に殺されるよかマシだわな』
カメラに向かってニッと歯を見せて笑った直後、そのナイフを、自分の胸に突き立てた────!!
「ッッ!?」
「な……ッ」
"うそ……"
しかも、ナイフを突き立てただけに飽き足らず、そのまま腹部の方へ刃を動かし、鮮血を吹き出して地面に倒れ伏した。
「一体何が────」
「へェ。ここがテメーのアジトか。薄暗くてかなり過ごしやすいな。いや、テメーら────と言った方が正しいか」
「「"…………ッッッ!?!!??"」」
入口を塞ぐかのように扉に背中を預けて────カメラに写っていたはずの男が私達の背後に居た。ただし怪我も何もしていない様子で、平然とした、堂々とした態度だった。
「へッ。あんな廃墟にカメラを仕掛けるだなんて、どんな物好きな陰湿ヤローかと思えばよ。車椅子のお嬢ちゃんに露出狂に、デコが広い大人か」
"オデコ、別に広くないが?"
「ハゲはみんなそう言うのさ。自覚持てよ若ハゲ。オールバックにしやがって、その面積の広いデコを誤魔化したつもりになってるのか?ベジ○タとでも呼んでやるか?」
"くっ!"
「ッ!!」
エイミが銃を向ける。それを見て彼は眉をひそめ訝しげに問うてくる。
「おいおい、なんかエラいもん持ってんな。それで俺を撃つワケ?」
「場合によってはね」
"エイミ、待って!"
「わかってるよ。先生からGOサイン待ち」
「……ハハッ!命懸けの場面で他人任せか。面白いなお嬢ちゃん。じゃ、3秒やる。判断しろ。3秒後、俺はこの部屋の全員を殺そう。さっき、あの機械にやって見せたように雷でも落としてやろうか?」
「「"……っ!?"」」
「見たところ、この部屋、機械類が多いようだな。さぞかしド派手な花火と化すだろうなぁ、この部屋そのものがさ」
「「"…………"」」
「……できないと思うかい?」
「……どうかな。あれだけの敵機を単騎で討伐できたあなたなら、とも思わなくもないかな」
「ククッ、バカではないようだ。んじゃ、カウントダウンしよっか。さーん、にーぃ、いーち……」
にこやかに指を3本立て自分のカウントダウンと同時に指を畳んでいく。急展開で、頭が回らない。頭が追い付かない。理解できない事ばかりだ。
今だけは無名の司祭みたいに「理解できぬ」って言ってやりたいくらいだ。でも────。
「ッ……」
エイミが発砲した。
銃弾は男の胸部を貫き、部室の扉に穴を開けた。男の胸部には向こう側が見えそうな程の穴が空き、口元から血を垂らす。だが、それだけだった。
「……。理解した。この世界の武器は、俺を殺すには至らないみたいだ」
「え」
「……!?」
"!?!?"
「ンなもん秒で……いや、
服を捲って見せる。そこには、確かに空いた胸の穴が無く、普通の胸板が露わになったたけだった。ならばと、今度はエイミは頭部を撃ち抜く。しかも連続だ、殺意が凄まじい──と思ったのも束の間。
「痛い痛い。死にはしないが痛いな」
「……ッ……!」
ゾンビ映画でも見ているのか、私は。どうして、頭部を撃ち抜かれ血も吹き出しているのに、そんな平然として、エイミの銃を掴めるんだ。
「まぁ待て、落ち着け。殺すっつったのは冗談さ。この世界の武器の攻撃性能を見たかっただけだし。とりま落ち着けよ。────そこのアンタもだぜ。内ポケに何を入れてんのかは知らねーけどな」
"!!"
大人のカードに手を出そうとするも内ポケットに手を入れているのがバレ、ジロリと彼に睨まれる。ヒマリからの目配せもあって、渋々ながら手を抜き反抗する意思は無いとアピールする。
「あーもー、お嬢ちゃん、案外容赦ねぇんだなぁ。これオキニの服なんだぜ?ボロボロにしやがって、全くもー。汚れちゃったら交換するしかないだろ」
唐突に服を脱ぐと、またも手元の空間にあの穴を開いて、そこに服を投げ入れた。そして穴が閉じた次の瞬間には、彼はまた同じ服を着ていた……。
「え」
「!?」
"服を……着てる?"
「なんだ?この世界には創造魔法とかは無いのか?ただ、服を創造しただけだが」
「魔法?……御伽噺みたいな?」
「あの人達も超能力者でしたし……。世界によっては魔法というのも有り得るのかもしれませんね」
「あー。理解。そういう世界ね。この部屋のやたらメカっぽい、いや、近未来な感じといい、少し理解できた。魔法は無いが、代わりに科学が発展してる世界に来た感じなのかな?」
「「…………」」
腕組みしながらキョロキョロと部屋中を見回し、感心したように頷いている。自分の世界には無い、そう言っているように聞こえる。
"……君は、自分からこの世界に来たの?"
「おっと、口の利き方には気を付けなよ、若ハゲ。高校生くらいに見えるからって油断したろ。俺ァ、まず間違いなくアンタよかそれなりに年上だぜ」
"そ、そっか、ごめんね。でも私、誰に対してもこう気安く接するから"
「物怖じしねぇのな。おもしれ。──まぁいいや、質問に答えてやんよ。──そう、
「下見、ですか?何の下見です?まさか侵略──」
「新婚旅行さ。ついこの前、新しい嫁さんを迎えたモンだから」
「「"!?"」」
"新婚旅行!?"
「6人目だったかね。自慢できるくらいには可愛い嫁なんだ。この前、ジューン・ブライドで挙式したばっかなんだけど、互いに忙しくて中々な。でも、新婚旅行くらい遠出したいじゃん?」
「『遠出』で世界を移動するのですか……?」
「他校の自治区に行くかのような気軽さだね……」
"それも気にはなったけれど、6人目って何なの!?一夫多妻制なの!?"
「俺は例外。ハーレム作ってっからさ」
「あら」
「……先生と同じじゃん」
"……みたいだね……"
「センセイ?アンタ、先生なのか?」
"うん"
「んじゃ
「うん、私の自前。排熱しやすいから」
「あーね、排熱効率ね。理解理解。単なるオシャレよりかは納得も理解もできる理由だわ」
"理解できるんだ……"
「俺の娘なんか常時キャミソールの子も居るしな。どこに行くにしてもだ」
"キャミソール!?"
「しかもしっかりノーパンノーブラな。まぁ、まだ幼いからいいんだけど」
"いやいや……"
とんでもない世界から来たものである。いや彼の口振りから察するに、彼もそれが異常であるという事は理解しているらしい。理解した上でそのままにしているのか。……エイミに対する私もか。同じか。
──などと男同士で話していると、小さく咳払いしたヒマリが割って入ってきた。
「お話中すみませんね。あなたには幾つか、質問に答えて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ん、いいぜ。何でも聞きな?」
「ではまず、あなたのお名前は?」
「さてね。魔法のある世界ではないとはいえ
「それだと長いですね」
「注文が多いな。んじゃ『ヴァルゴ』でいいよ」
「それがお名前では?」
「偽名さ。
「……ふむ、ではヴァルゴさん」
「おう」
「あなたはどうやってこの世界に────学園都市キヴォトスにやってきたのですか?」
「……
「!……何か知っているのですか?」
「……まぁな。俺の居た世界にも同じ単語があるんでつい反応しちまった」
「キヴォトス、ですか?」
「ああ」
「……ふむ」
(キヴォトス──ギリシャ語の直訳で『方舟』か。なーんか、ヤベェ世界に来ちまったんじゃねぇか?新婚旅行には来れなさそうだな、子供達とかは怪我しちまいそうだ)
「……それで、どうなんです?」
「あん?」
「どうやって来たのか、ですよ」
「あぁ、そいつは簡単だよ。単純に、俺の能力さ。俺の《異世界に行く程度の能力》は、俺本人すらも知らない世界へと導いてくれる。このキヴォトスに来たのも、俺の意思によるものじゃあない。俺が、ただ『行ったことない異世界に』と定義したら偶然この世界が選ばれたのさ」
「偶然、ですか」
「おう。偶然さ。行ったことある世界になら他にも手段はあるんだけどな。行ったことないんなら運を天に任せるか『○○の世界に行く』って、移動先を軽く『定義』しておく必要があるんだ」
「先程からあなたが口にしている『定義』とは?」
「設定、と言い換えても構わんぜ。能力を使用する上で、予め内容を設定しておく必要があるんだよ。えぇと……車椅子のお嬢ちゃん、名前は?」
「あなたがお名前を教えて下さらないのです、私も名前を教える義理はありません。強いて言うなら、超天才清楚系病弱美少女ハッカー……とでも」
「アンタの方が長ぇだろーが」
"プッ……"
「……先生?」
"いや、ごめんヒマリ……くふ……あははっ!君ってば本当に相変わらずだなって思ってね"
「「あ」」
"……?"
「ほーん。ヒマリちゃん、っていうのね。覚えた」
おっと。私がヒマリの名前を漏らしちゃダメだろ何言ってるんだ私は。ごめんヒマリ、今のは普通に私がやらかしたね。
「……ええ、ヒマリと申します。それで名前を知ってどうするんです?」
「名前を知りたいと思ったのは、単に俺の趣味さ。アンタ可愛いからな」
「あなた、見る目がありますね。どこかの殿方とは大違い」
チラリと私を見る。私の事を言っているのかな。まぁそうだろうな、他に殿方って言える人が居ない以上は消去法で私だよね。
私だってヒマリのこと、可愛いと思ってるよ!?いちいち口に出さないだけで!!
「だろ?伊達に大家族の大黒柱やってないさ。で、話は戻るけどさ。ヒマリちゃんの背後50センチを、仮に異世界と定義する。そんで能力を使うと──」
ヴァルゴの姿が消えた。私達が見ている、まさに文字通りの目の前でだ。モルモが消える時は超速で跳躍しているか、走って消えている。力技だ。
しかし、ヴァルゴのソレはまるで異なっていて、彼の言う「ヒマリの背後50センチ」に彼は居た。
「とまぁこんな感じだな。知らない場所に移動する為にはこの能力が不可欠なんだ」
「成程。その能力にて世界を渡っただけではなく、ミレニアムの『廃墟』からここまで瞬間移動した。そういう事ですね」
「みれにあむ?『廃墟』?ひょっとして、あそこ、マジに廃墟って呼ばれてんの?」
「ええ、まぁ。そしてここはミレニアムサイエンススクール。科学分野などに特化した高校です」
「へー、カガク!それってシナガクの科学だよな?バケガクの方の化学は?」
「そちらも含まれていますよ」
「ほぇー、そーなんだ?いやね、俺さぁ、実は元々リケダンだったんだわ。バケ学の方な。あと薬学と生物学。だからサイエンススクールなんてところに来れてワクワクしてんぜ、シンプルに。この世界に来たのも、ひょっとしたら運命なのかもなぁ」
「運命、ですか。理系とは程遠い言葉ですが」
「ハハッ、ヒマリちゃんは手厳しいな。でもまぁ、俺もそう思うぜ。俺も、人間やめてからだもんな。今みたいに、非科学的なコトを考える、言うようになったのってさ」
笑いながらサラッと言ってのけるヴァルゴ。でも私もヒマリも、当然エイミも、彼が何を言ったのか一瞬だが脳内の情報処理にラグが発生していた。
「あなたは……元、人間?」
「吸血鬼化の薬っつーの飲んで吸血鬼になったよ。吸血によって吸血鬼化したワケじゃねーんだ、俺。少し特殊な出自なんだよ。お陰で能力も複数持ちになってるというか、複数の力にも耐えられるようになってるというかさ」
「複数の────先程の、黒い何かが広がるアレのことでしょうか?」
「黒いの?……?…………あー、アレはその一部だよ。能力の片鱗ってとこ。能力そのものじゃあないよ」
「なんと……」
「俺の能力は《雷を操る程度の能力》、これが俺のメインだ。サブに《異世界に行く程度の能力》と、あと《重力を操る程度の能力》に《闇を操る程度の能力》──こんな所かな?」
「「"…………"」」
「うぉい!聞いといて黙んじゃねぇよっ!?」
「いやその……随分と無法だなと」
「無法だぁ?こんなに盛りに盛っても最強は程遠いくらいだぞ。俺が目指してるのは
「何故、最強ではなく準最強を目指すのですか?」
「俺ん世界での最強は俺の嫁の1人なんだけどさ。その嫁の下に俺が立つことで嫁の尻に敷かれるのは俺のみ!という構図を完成させるのが目的なんだ。その為には、俺は準最強にならなくちゃならない」
「すみません、よく分かりません」
「AIかよオメー」
「尻に敷かれたいから嫁の下を狙う?……ですよね?そう言っているように聞こえましたが。だとすれば理解不能と言わざるを得ません……」
「嫁の下は俺でありたいの。嫁以外は嫁の下である俺の下でなくちゃならない。実の子も、神でさえも俺より下に位置付けなくちゃならない。この感覚、分からないかなぁ」
「分からないですね」
「私も分からない」
"ごめんヴァルゴ、私も分からない"
「先生もかよ!?好きな子の尻に敷かれてェ〜ってなったこと、ないのか!?それの強さランキング版みたいなもんだぜ!?」
"それはなったことはあるけど、強さ版でそうなったことはないし、これからも無いと思う"
「つまんねー」
頭の後ろで手を組み、物を蹴る仕草をする。自ら女好きと称するだけあって、ちょっと物の考え方が少し歪曲しているというか……なんか少し独特だ。
尻に敷かれたいという、その発想そのものは理解できるんだけどね。カリンに踏まれたいという私の欲望と似たようなものだろうし。
「あ。そーいやさ」
「?」
「先生とやらには無いみたいだが、アンタらのその頭上にある、その図形?みたいなのは何なんだ?」
「これはヘイローと呼ばれるもので、触れませんし物理的な破壊は不可能です。意識の表れ、みたいなモノでしょうか。睡眠時や意識不明の際には消え、破壊されると死ぬと言われています。生徒全員に、これがありますよ」
「ヘイロー?天使の輪か?アンタら、天使なの?」
「さて。どうでしょうね?少なくとも我々は自分を天使などとは思っていませんけれど。しかし私は、確かに天使のような愛らしさで……」
「ほーん。
「ッ!?……何故、物理的に破壊できないと?私が、自己保身の為、そして、あなたを警戒してそう嘘をついているかもしれませんよ?」
「俺、物体として存在してるモノなら強制的に破壊できる能力もあるから……。その能力が通じそうって手応えが無かったから、破壊できなさそうだなって判断したんだ」
「ゾッとする話ですね。何なんですかあなた……」
「神に好かれやすいだけのただの悪魔さ。──生徒なら全員ある、か。学園都市なんだよなココって。てことは生徒の数はかなり多いはずだな」
「ええ、間違いなく」
「────郷に入っては郷に従え、かな。そっちが多数派ってんなら、俺もヘイロー出すわ」
「「"……ッ!?"」」
「眷属『擬似神化』」
そう唱えると、彼の頭上にはパチパチッと激しくスパークを放つ白いヘイローが出現──シンプルな形状ながらもスパークを放っているので見ただけで異端なヘイローだと理解させられる。
形は普通なのに様子が違う──そういう意味ではツルギのヘイローにも近いと言えるだろうか。
「これで俺も多数派だな」
「……帯電している、のですか?それとも、ショートしているのですか?」
「帯電してるみたいなモンよ。俺ん世界の神様達に力借りた上で、能力で形作ってるようなもんだし。コレに触ると死ぬぜ、超高電圧だから。雷みたいなモンだよ。手を近付けただけで人体発火現象くらいだったら起こせるよ」
「──雷とは、空気の絶縁性すら無視されるモノ。偉大な自然の力ですらほんの一瞬しか顕現しない。それをこうして空気中に押し留めるだなんて……」
「俺自身が雷神の権能を持ってるしな。他者からの信仰心があれば、神の力を持てる世界なものでね。神話によっては忌み嫌われる悪魔でも、信仰心さえ集まれば神になれる。そんな所だね」
「失礼ですが、どうやら『神』に対する認識が酷く曖昧な世界なのですね」
「まぁな。何にでも宿るって考え方だ。
「……まだまだ疑問は尽きませんね……」
「そうか?ヒマリちゃんの頼みなら答えるぜ♡」
「……。先程、向こうでナイフを出して自分に刺したように見えたのですが?アレには何の意味が?」
「特に何も?」
「え?」
「え?」
"え?"
「俺の『
「……そ、創造魔法?とやらで服を作れるのに、ただ脱ぐのが嫌だからと、自殺を……?」
「うん。それだけだよ」
"命の価値……"
「ハハッ、そんなもんねェよ!とっくに何千何万と死んでるんだぜ。再生力を鍛えるには自傷とか必要だったし、痛みにも強いんだよ。オートの再生力が既に強すぎて、大きめに傷付けないとダメだから、こう、心臓を切り裂いた上で再生力を意図して停止させないと死ねないんだよな、今の俺」
「「"……"」」
「……っと。スマン、自分語りが過ぎたな」
「いえ、聞いたのはこちらなので。では、次の質問です。異世界に、好きな所に行けるようですが何故あのような廃墟に?最初からこういった、人の居る区域に移動してくれば良かったものを……」
「さっき言ったろ、この世界に来る時には『行ったことない異世界に』としか定義してなかったんだ。だからあの『廃墟』は、空間的に見て脆いんだな。俺があそこに移動したってのはそういう事だから」
「空間的に見て脆い……とは?」
「ランダムで選ばれたその場所はさ、脆いんだよ。転移しやすい場所って感じかな。俺の能力は、転移しやすい所に転移するんだよ。つまりあの場所は、空間的に見て他よりも脆いっつー事なんだよな」
「……成程?」
「空間の脆弱性っつーか転移のしやすさってのは、そう上手く説明できるモンでもないんだよな。俺も自分の能力は『理論』よりは『理屈』で運用してるみたいなもんだ。けど、強いて言うのなら────そう、ティッシュを引っ張るようなモンかな?」
「「……?」」
"ティッシュ……?"
「そーそー。ティッシュって、こうやって両方から引っ張ると──こう、ビリッと破れちまうだろう?これッて、
「………?」
"……?"
「────目には見えなくとも、空間そのものにもある種の弱点──それに近いようなものがあると。そこを突けば、空間転移も比較的容易に行えると。あなたの今のお話はそういう『理屈』ですね?」
「まっ、そーゆーことだよな。ティッシュがそこで破れちまうのは、その点がたまたま弱かったから、そこを起点にして破れる。ティッシュを引っ張る、俺の力に耐えられなかったって事だろ?それと同じ理屈で、どんなものにも、絶対に『弱点』がある。物体なら特に分かりやすいかな。でもヘイローには弱点らしきものが無かったからな、あぁ、物理的な破壊はできないんだ……って分かったワケさ」
「……雷に重力に転移に破壊に弱点看破に、闇……。悪魔というより破壊神じみていますね」
「ハッ、やめてくれよヒマリちゃん。俺はあくまで雷神の力を持った悪魔でしかないんだから……」
照れるように笑う。決して褒められているのではないのだが──彼にとっては褒め言葉なのだろう。ヒマリもこれには流石に苦笑いするしかなかった。
するとヴァルゴはヒマリの前に膝をつき、彼女の手を取る。
「──なぁ。本当に君は、見れば見るほど可愛い、心からそう思ってるよ。だからさ、ヒマリちゃん。良かったら俺とセックスしない?」
「…………はい??」
「???」
"?????????"
ナニヲイッテルンダコイツ。
──え、何?何が起きた?セックス?え?求愛?誰が誰に?……ヴァルゴが、ヒマリに???
「あの……初対面なのですが……?」
「セックスなんて挨拶同然さ、そうだろう?」
「いえいえ……。仮にあなたの世界ではそうなのかもしれませんが、キヴォトスはそんな事はないので。申し訳ありませんが、お断りさせて頂きますね?」
口元をヒクつかせながら断るヒマリ。けれども、ヴァルゴはますます目を輝かせズイッと詰め寄る。
「……本当に?」
「はい?」
「────
「だから、何度も言っ……て…………」
「……部長?」
"ヒマリ……?"
「その布の下の蒸れたヒマリの香りを胸いっぱいに吸ってみたい。ツンと尖った、その可愛らしい耳を舐めて舌で君を感じてみたい。俺の上に座らせて、胸も密着させて対面座位でハメて中出しもしたい。大丈夫、俺の子を孕むかどうかなんてのはヒマリが望むかどうかさ。元の世界じゃ、妊娠を司る神でもあるからね。──だからどうかな、ヒマリ?軽く、一発だけでも、セックスしてみないかい?」
「……」
「ヒマリが可愛すぎるせいで興奮が止まらないよ。大丈夫、体力が無いのなら動かなくてもいい。俺がただヒマリを抱くだけだからね。安心していいよ、絶対に嫌だってプレイはシないからさ?」
「……本当ですか?」
「もちろんっ!約束は守るよ。俺は悪魔だからね。悪魔ってのはね、約束や契約は守るものなんだよ?それが存在意義だからね」
「じゃあ……痛くしないで……くれますか……?」
「優しくするよ。大丈夫。ゆっくり、時間をかけて解そうね?」
「……分かりました……よろしくお願いします♡」
「部長ッ!?」
"ヒマリッ!!"
エイミがヒマリの車椅子を引き、私はヴァルゴの肩を掴んで2人を引き離す。ヒマリの様子がどうもおかしい。目が虚ろで、けれどもどこか色っぽさを孕み、ウットリした目でヴァルゴを見ている。
「あなた……部長に何をしたの!?」
「何をした、とは?何の事かな?」
"惚けるな。何かしたワケでもなければこのヒマリの態度の変わりようは何だ。私の生徒に何をした!?"
「さぁね?口説き落とされたんじゃないのかい?」
「部長は多分あなたには堕ちない。どういう事?」
「…………ケヒッ。言ったろ、俺は吸血鬼だってな。吸血するコトだけが吸血鬼の技能じゃあねーのさ。エコロケーション、超速再生、悪魔召喚に眷属化。そしてこれは、
"そんな事を聞きたいワケじゃあない。ヒマリに魅了なんか掛けてどうするつもりだ"
「ヒマリちゃん可愛いから、っつか好みだからさ、この子とセックスして〜って思った。それだけさ。見惚れた異性と交わりたいと思うのって生物として正しい思考だろ?」
"理性の無い野生の獣みたいだね"
「辛口だなぁ。図星だし、やっぱコイツキラーイ。んじゃ取引しようぜ取引。ヒマリちゃんの貞操と、何かしらを等価交換だ」
"誰がそんな馬鹿げた取引に応じると思う?"
「別に応じてもらわなくて結構だぜ。これでも俺、かなり譲歩してんだよ?その気になりゃあ、自分の世界にヒマリちゃんを誘拐できちゃうんだけどな。それ、分かってて突っぱねようとしてんだな?」
「ッ!!」
"くっ……"
「世界間を移動できるのが俺だけだと思うなよ〜。なんならこの世界を適当に散策して、珍しい武器や可愛い女の子を全て『お持ち帰り』できるんだよ。取引を提示してるんだ、取引に応じるのが賢明だと思うけどね。──ま、悩みなよ。時間経過と共に、ヒマリちゃんはドンドン発情するけどな」
ハッとなってヒマリを見る。すると、いつもなら足の上に手を置いている彼女だが、そこにヒマリの手は無く。いつも足に布を掛けているがそこに手を入れて、モゾモゾと動かしている。顔を赤らめ服を噛み、声を押し殺していた……。
「っ……はぁ…………ふっ、う…………っ……///」
「……部長?何して……」
"やめるんだエイミ!!"
「先生?」
"……いいんだ。そっとしておいて"
「……?分かった」
ヴァルゴを見ると相変わらずのニヤケ顔────いや違う。この顔は──見下し、か。
ニィッと口角を釣り上げ、ポケットに手を入れ、余裕綽々といった様子で私を見下ろしている……。
"……君は、トコトン悪魔なんだね"
私の知る「悪魔」とは、まるで異質だ。ゲヘナの生徒も同じ「悪魔」のはずだというのに。御坂達が友好的だったからと油断し過ぎていたか。これが、これこそが「世界の違い」……なのか。
「そう言ってるだろう?──狙った獲物には『契約せざるを得ない状況』をお膳立てしてやるんだよ。さぁ、先生。契約の時だ。──ヒマリちゃんを俺に差し出すか?それとも、別の条件を飲むか?」
"契約の内容を聞かずに頷くバカは居ないよ。勿論、ヒマリは渡さない。けどその前に別の条件とやらの内容だけは聞かせてもらおうかな"
「強気だな。大抵のヤツは、目の前の安いゴールに釣られて『ヒマリちゃんを差し出さない』っていう答えに行き着きそうなものだが。──そーだなぁ、じゃあ『キヴォトスを案内する』かなぁ。これが、ヒマリちゃんとの交換条件だ。勿論、
「え……そんな事でいいの?」
"待ってエイミ。絶対におかしい。裏がある"
「ねェよ。俺にとって、女の子を手放すのは自分の家族を亡くすくらいに悲しい事だけどさ。でもまあヒマリちゃんの事は手に入れたワケでもないので、手放すのもあまり惜しくはないかなと」
"……その言葉を信用するだけの材料が無いな"
「おう、そうだな。その通りだよ。だから先生は、無条件でこの俺を信じろ。それができないんなら、ヒマリちゃんのことは俺が連れて帰るつもりだが、それでいいんだな?」
"言ってる事がめちゃくちゃ過ぎる……"
生徒をこんな、取引材料みたいに扱われて、腹が立って仕方ない。方法も何もかも下劣、ヴァルゴと私は根本的に波長が合わないどころの話じゃない。まるで対極────。
本当にこれまでに異世界に行った事があるのかと疑いたくなるくらい、その世界での常識に乗ろうとしないな。柔軟性が無いというか、なにがなんでも自分の土俵に持ち込もうとする強欲さというか。
「早く決めてくれよ先生、ヒマリちゃん抱きたくてたまらないんだ。目の前で犯されたくはないだろ、先生だって。俺だってそんな事は望んじゃいねぇ、ヒマリちゃんもな」
ダメだ、我慢できない。ブツンと、堪忍袋の緒が切れたような気がした。
気が付けば私はベレッタを取り出してヴァルゴの顔面を狙って発砲していた。しかしその弾丸は彼に当たることはなく、彼の背後の壁に当たっていた。
「避けた……?この至近距離で?」
「先生よぅ。あんまし逆らわねー方がいいぞ。俺もそろそろ限界かもしんねー。腹空かせた獣の前に、餌をぶら下げてるようなものだって思ってくれよ。エイミちゃんだっけ?エイミちゃんでもいいし先生だって構わねえんだぞ」
「"!?!?"」
「俺ぁ両刀使いだ。男も女もイケるぜ。先生、割と中性的な顔立ちじゃん。可愛い男は許容範囲内だし中性的でもセーフだ。でも──」
"じゃあそれでいい"
「……あ?」
"私が代わりにヴァルゴに犯される。だからヒマリに手を出さないでくれる?"
「先生!?」
「……話は最後まで聞いてくれ。『でも』つったろ。悪いがハゲは許容範囲外だ。将来の自分を見るようで辛い」
"くっ……"
「ヒマリちゃんを俺に差し出すか俺にキヴォトスを案内しろ。でもってもっと色んなカワイコちゃんと俺を出会わせろ。お持ち帰りはできなくてもいい、ワンナイトでもそれ以下でも構わん。ヤレたんならそれでいいし、ヤレなくても別に構わん」
「……案内するしかないんじゃないの、先生?」
"不本意だけど……仕方ないね"
「二言は無いな?」
"男に二言は無いよ"
「なら良い。早速行こーぜー♪」
"その前にヒマリを治して"
「
"ッ!?……ヒマリ?大丈夫?"
「はい……?何がでしょうか……?」
"……いや。ボーッとしてたように見えたからさ?"
「そう……でしたか……?それは失礼しました。ではヴァルゴさんは、これからどうするんでしょう?」
「先生とやらにこの世界を案内してもらうさ。で、そのまま元の世界に帰るよ」
「……そうですか。分かりました。では、お元気で」
「そっちこそな。────行くぜ、先生」
"あ、ちょっ……!"
何処に行くか決めているかのように、ズンズンと歩き出す。しかし、部室を出て扉を閉めるとすぐに歩みをピタリと止めて、その場にへたり込む……。
「……はぁ」
"どうしたの?"
「テンション上がりすぎて変な事言ったなって……。少し落ち着かないとな。俺の悪い癖なんだ。こう、可愛い子の前だと自分を強く見せたがる的な……」
"……"
「脅した所で無意味な場合もあるって、思い知ったばっかなのになぁ……。ハハッ、悪いな、先生。少し観光したらすぐ帰るわ」
"……どこに行きたい?"
「あん?……何があるのかも知らねえ俺に『どこに』なんて聞くとは、アンタも大概だな、クククッ……」
"それもそうだね。聞き方を変えよう。
「────どういう、か。そうさな、天使や悪魔はこの世界に居るのか?」
天使、悪魔────トリニティとゲヘナの2校が頭に浮かぶのは自然な事だろうか。
ヒマリと出会うなり口説き始めるようなこの男を連れ回しても本当に構わないのだろうか……?
"……その質問に答える前に、1つ、教えてほしい"
「あん?質問を質問で返すなよな。……何だよ?」
"契約違反の罰則は?聞いてなかったと思って"
「あ、そっか。罰則か。そいつの『命』か『大事なモノ』を頂くよ。先生はハーレム作ってるっつー話だったから、もし俺との契約を違反すりゃ、先生のハーレムの主を先生からこの俺に塗り替えてやる。アンタの『大事なモノ』は、アンタによる自己申告じゃない。俺自身が、
"────ッッ!?"
「な?嫌だろ?」
"……最悪だね"
これだからキヴォトスに男なんか……!!
「契約、破ンなよ。契約を履行する為なら、俺とてアンタへの協力は惜しまねえからよ。俺もそういうリスクを背負う。それこそ『契約』ッつーモンだ。それから、嘘もつくなよ?契約不履行の要素の1つだからよ」
"キヴォトスを案内する──だったよね。ヴァルゴに協力してもらうような事にはならないと思うけど"
「クックックッ……だといいけどな♪」
"……?"
(場合によっちゃ眷属にして『お持ち帰り』してもバチは当たんねーだろ。契約には含んでねえしな。でもまぁ、俺好みの子とか
頭の後ろで手を組んで、再び歩き出す。
出会い方さえ違っていれば、もう少しくらいなら信頼のおける友になれたような、そんな感じがしてならない。だけど今の私は、この男──ヴァルゴを監視し、観光で安全に彼を満足させて、元の世界に帰るように促さなければ。
────こうして自称「準最強を目指す神の力を持った吸血鬼」によるキヴォトス観光が始まったのであった。
なお、ヴァルゴの本性を知る事になるのは、私が思っていたよりもずっと早かった…………。
かなり性格ナーフされてます。クズ度が割増です。元の作品ではここまでではないです。と、少しだけヴァルゴの擁護をしてみる。
クズにしないと先生が2人みたいになっちゃうから仕方ない処置ではある。
何もかも上手くいってる「先生」への「敵」を用意するつもりで書きました。2話完結。