とある悪魔の|侵略記録《ハッキングログ》 作:アキラゼミ2nd
「──んで?どーなんだよ先生?」
"うん?何が?"
「天使や悪魔はキヴォトスに居るのかって話だよ。まだ答えてもらってねーぞ」
"あぁそうだった。キヴォトスには────"
これはどう答えるべきだろうか。天使──まあ、ミカやナギサなんかは、分かりやすく天使だろう。正義実現委員会の子達の黒い翼は堕天使に見えるがどうなのだろう。
悪魔──これも分かりやすくゲヘナ学園の子達を指すのだろう、少なくとも彼の外見的特徴なんかはモロに吸血鬼のモルモにそっくりだし。
世界は違っても「吸血鬼」の外見的特徴は似通うものなのだろうか……。
"……悪魔なら居るよ"
「
"……そう言ったのさ"
「ほーん。そんな世界もあるのか。本当だとしたら妙な事もあったもんだな」
"え?"
「天使と悪魔は表裏一体だ。悪魔は、存在からして邪悪とされてるしな。まぁ『神』とやらに逆らったバカが悪魔に成り、その子供もまた生まれながらに罪という十字架を背負わされてるバターンもある。天使が闇落ちすりゃ堕天使、悪魔の一種の完成だ」
"君は天使を見た事があるの?"
「天使も堕天使も見た事あるし喋った事もあるし、何なら戦った事もある。属性的な相性もあるけど、天使は──ミカは中々に強かったよ。ありゃ決してタダの雑魚ではなかったな」
"ミカ!?"
「……あん?」
"(し、しまった……ッ!!)"
「オメーその反応……まさか……やっぱ天────」
"名前!名前だよ!私の彼女、というか婚約者にね、同じ名前の子が居るから、つい、ね!さっき君が、キヴォトスという単語に反応したのと同じさ!"
「……あーね?そーゆーコトね……♪」
本格的にマズイかもしれない……。
ミカはキヴォトスで一二を争う美少女だ。多分、間違いなく。少なくとも私はそう思っている。
そんなミカと彼を会わせたら────彼がどんな行動に出るか分からない。一目惚れしたとか何とか言って、また
「──んでさー、俺の知るミカっつー天使は、かの大天使ミカエルで。双子の姉妹らしいルシファーの仇討ちの為にわざわざ
"……そのルシファーは、君が倒したの?"
「あぁ、
"……ッ!"
「殺さなきゃ殺される。先生はこんな時どうする?
『相手を殺せる力を持ってる』って前提があっての話だぜ」
"話し合いは、通じないの?"
「そんな平和的解決、天使ならともかく、悪魔には通じないものさ。悪魔がキヴォトスに居るんなら、アンタだってそういう場面に出くわした事もあるんじゃねぇか?まだ無いのなら幸せだよ、アンタは」
"………………無くはない、かな"
「ハハッ!多分だが、キヴォトスの悪魔は優しいんだろうな。まだ話し合いも通じそうな気がするよ。アンタの口振りからはな」
"通じるよ。個人によるけどね"
「個人差があるのはどの世界も一緒……か」
"……かもね"
(大罪の悪魔7人全員が攻めてきた中で、平和的に和解できたヤツは、色欲の悪魔ことアスモデウス、ただ1人だけだったな。まぁコイツは伝承からして誠実な方の悪魔だったし……当然っちゃ当然か)
どこか遠い目になるヴァルゴ。それからしばらく特に会話も無くミレニアムの施設内を適当に歩く。道行く生徒に挨拶されれば挨拶を返して、そのままミレニアムを出ようとしたその時────。
「先生っ!」
「あら……本当に翼が生えてる人と居ますね」
"ユウカ!ノア!"
最悪だ。ミレニアムの中で、トップクラスに彼に会わせたくない2人が同時にやってきてしまった。ヤバいだろう絶対に。絶対に手出しさせない……!
"や、やぁ、ユウカ、ノア。どうしたの?"
「それはこっちのセリフですけど……」
「先生が見知らぬ『男性』と歩いている、と近くの生徒が話しているのを聞きまして。つい気になって追い掛けてきちゃいました♪」
「というよりかは、『翼の生えた男』という存在が気に掛かったので」
"そっかぁ"
「急に可愛い子が来たなぁッ!?ヒマリちゃんらも可愛かったが、この2人もスゲェ……なっ先生!」
"そ、そうだよね、分かるよ"
「だよな〜!」
マズイマズイマズイマズイ。こんな事になるならさっさとゲヘナの自治区にでも行くんだった。
よりによってこの2人が来るか、よりによって!ゲーム開発部だったなら、ヴァルゴをゲーム作りのネタにでもしてもらうのに……!
「先生、この方は?」
"えぇと、彼は……"
「ども!異世界から遊びに来たヴァルゴでっす!!お姉さん達、今、フリー?良かったらお散歩にでも行かない?なんなら、こっちの世界に遊びに来る?片道0秒だから♡」
「えっ?えぇっ?異世界?えぇ……?」
「お誘いありがとうございます♪──ですが、今の私達は、
「ノア!?」
「あれま。彼氏でも居る感じ?まぁ可愛いもんな、彼氏の1人くらい居るよなぁ」
「ええ、そうです。……ねっ、先生♡」
言うなり、ひしと腕に絡み付いてくる。ユウカは驚きのあまり口をポカンと開けてるし、当のノアはいつもと変わらぬ笑顔だ。
「あー。ノアちゃんって、先生のハーレムの一員なワケね」
「そうです♪」
「……良かったなぁ。俺に寝取りの趣味が無くて」
"……ッ!!"
「ユウカちゃん、だったよね?君はどうする?俺と来るかい?退屈はさせないよ?」
「お断りさせて頂きます。私も先生の彼女なので」
ノアのようにくっ付いてくる事はなかった。でも極めて毅然とした態度でピシャリと断ってくれた、私はそのことがただ嬉しくて堪らない。後で太もも撫でながらお礼言わないと。
「……たはー、笑っちゃうな!アンタもやるなぁ」
"……どうも"
「んじゃさっさと他んとこ行こーぜ。キヴォトスの悪魔に会わせてくれよ」
"わかったよ。……2人共、詳しい事はまた今度ね"
「分かりました」
「お気を付けて」
◆
"ところでヴァルゴ"
「んあ?何だ?」
"君はさっき、堕天使も知ってるって言ってたよね。天使って、やっぱりその、漫画みたいに『堕天』?するものなのかな?"
ミカの言う「魔女」は
絶対に、ミカを堕天なんかさせない。私が守る。けれどその為には、堕天に必要な事を知らなくてはならない。それだけでも知れれば、後はその条件を満たすモノを排除すればいいのだから。
「神の定める『悪』に思想が傾けば、な。多分だが俺の世界だとそれがトリガーで堕天するよ。心さえ堕ちれば、肉体も、それにつられて変化するのさ。それこそ、悪魔っぽくね」
"……恐ろしい話だね"
「そうだな。ま、堕天使なんて作れるんだけどな」
"作れるの!?"
「俺ら吸血鬼は眷属を増やせるしな。だから天使を眷属にしてしまえば一発アウト。堕天使の完成さ。吸血鬼のみ、強制的に堕天させる事ができるんだ。心の支配以外でもな」
"天使から吸血鬼になるんじゃなくて、堕天扱い?"
「吸血天使になるのさ。天使の特徴を持った吸血鬼みたいな──吸血鬼の特徴を持った天使とも言えるかもしれない。それは即ち、堕天使さ。とはいえ、アイツらの場合は俺が眷属にする前に悪魔側に心が堕ちてたけど……細かいことは言いっこなしだな」
彼の話がこちらの世界でも通用するとするなら、エデン条約事件のミカは、本当にギリギリだったのかもしれない。どうにか踏みとどまれたからこそ、今があるのだろう。
もしあの時にミカの心が完全に悪に転がり落ちてしまったとしたら。もしも、ミカの言う「魔女」になってしまったのなら────。
"吸血天使、か。漫画でも見た事ないや"
「写真あるぜ。見る?第2形態まであるんだ」
"え、見たい"
彼はスマホを持っていなかった。代わりに小型のアルバム────チェキを入れるようなアルバムを空間に空けた穴から取り出して、見せてくれた。
そこには、ムツキが天使になったかのような、白のロリータファッションに身を包んだ白い翼を持つサイドポニーテールの女子の写真がファイルされてある。中には、ハメ撮りらしきものもあるが……。
しかし、ページが進むと、その子の翼は、純白のものから漆黒の翼に生え変わっていた。目は天使の頃と変わらぬ金色の眼だ。それが、更に次のページではヴァルゴと同じような紅色の目になり翼も鳥のようなふわふわしてそうな黒い翼から蝙蝠のような翼に変化を遂げていた────。
"この子が……吸血天使……?"
「おう。名はシャムシエル。聖書にも載ってる名前なんだ。下界では『シエル』って名乗ってる」
"そうなんだ。私、聖書とか知らなくて"
「……。そう、か。まぁ、アンタは知らなくていいと思うぜ。女の子との日々を楽しんどけよ」
"何それ"
(キヴォトスの存在自体が聖書由来だろが。そりゃアンタは知らないし、知る機会すら無いだろうさ。これまでも、これからもな。メタ過ぎんぜ)
"他には?"
「ケルビムって天使も同じく堕天使に、吸血天使にしてやった。今は、俺の家族んトコに居候中でな。天界から下界に来てあんまり間も無いし、住む所もあるワケないし。──寧ろ、キヴォトスに天使だの堕天使だのが居ないのが疑問なんだよなぁ」
"……"
「まぁいいや、悪魔んとこ行こーぜ」
"……近くの駅から行けるよ"
「おっ。電車かバスに乗るのか?それはいいけど、キヴォトスの通貨は持ってないから奢ってくれる?そん代わりに何でも創造してやる。惑星みたいな、ドデカイヤツはこの世界では無理なんだけどさ」
"…………そっか、ヴァルゴ、創造魔法?っていうヤツ使えるんだったね"
「おう。切符との物々交換といこうや」
"よし……その取引、ノッた"
「へッ。やっぱアンタ、話わかるじゃん♪」
ゲヘナ行きの特急に乗る事にした。勿論、今回はミスではなく故意でその列車に乗った。彼からは、切符との交換品として、香水のザ・ビヨンド50個を創造してもらった。試しに1つだけ別個に創造してもらって開封してみたが本物と遜色ない物だった。これで暫く楽ができる。
◆
「ふぃ〜ッ、やっぱ女の子はイイねぇ」
"……。もう少しで着くよ"
「マジ?はえーなぁ」
道中、ヴァルゴは切符の確認に来たハイランダー鉄道学園の生徒に
無論、止めようとはした。けれども「ハーレムの一員じゃないなら止めるんじゃねぇよ」と悪魔的なオーラを出され、行動を封じられてしまった。私は先生失格だ。でも、あのヴァルゴの威圧は、怒ったヒナよりずっと怖かった。
あの「廃墟」で機械を一網打尽にしたあの映像や音声が頭にチラつくからだろうか……。
「ゲヘナ────か」
"また「知ってる単語」だったりする?"
「まぁ『地獄』を指す言葉だけどな。悪魔の住まう土地としてピッタリな名前じゃんか。気に入ってるワードの1つさ」
"予め言っておくけれど。ゲヘナにも私の彼女は多数居るからね。列車内はともかく、これからは手出し無用が前提で行動してね"
「チェッ。わかったよ。まぁ1人はハメられたし、ちっとは我慢するさ」
"……ホントに頼むよ……?"
しかし駅から出るとすぐにヘルメット団に囲まれ行動を封じられてしまった。
「シャーレの先生だな?」
"そうだけど……何か用かな?"
「これから風紀委員会と戦争する。だが風紀委員長相手では歯が立たないのでね。悪いが、アンタには人質になってもらう」
"えぇ……"
「おい待ちな、おチビさん。この若ハゲはこの俺、ヴァルゴ様が連れ回してンだ。今邪魔するんなら、まずはテメーから消し炭にするが、どうする?」
「何だお前?銃も無いし……キヴォトスの生徒か?」
「いいや?異世界からの来訪者────って言っておこうか」
「何をワケの分からん事を……。まぁいい、まとめて潰してやる!先生のみ生け捕りだ!いけーっ!!」
その時。シッテムの箱が、編成画面になった。
どの生徒を召喚しようかと思ったが、どうやら、イベント戦らしく──部隊編成できるのはヴァルゴただ1人だけだった。
「────雷武器『雷銃』」
「"え"」
「あっ。これは実銃じゃあないぜ。俺の雷の能力で作ったんだ」
筒が長めのハンドガンを手元に創ったヴァルゴ、しかしそれは創造魔法によるものではなく、単純に雷の能力から構築しただけのものらしい。
そのまま、彼の能力などに目を通していく。
?????・??????(雷銃装備)
STRIKER(FRONT)
レア度:☆3
クラス:アタッカー
射程距離:500
攻撃タイプ:爆発
防御タイプ:軽装備
屋内戦:A
屋外戦:SS
市街地戦:A
EX:雷符『Midnight☆Thunder』
コスト3、闇を広げて敵全体の行動を封じた上で、敵全体に攻撃力1341%分の攻撃を当てる
機械系は一撃アウト
《/b》ただしゲヘナ学園の生徒には効果半減《/b》
NS+:領域『
WAVE初めに敵全体の移動速度を6分の1にさせる
ただし
PS+:紅眼『吸血鬼の本質』+
自分自身のみ全ステータスを常時25%上昇
パーティにトリニティ、またはゲヘナの生徒が居る場合は効果を更に25%上昇
SS:催眠『惑星麻酔』
30秒毎に地面に雷を落とし側撃雷で敵を痺れさせ、およそ5秒間行動不能にする
機械系は一撃アウト、ただしドローンには無効
固有武器:ハンドガン/片手剣
固有武器名:雷武器『雷銃』/
主に黄色と白のハンドガン。飛び出すのは電気的なエネルギーで構成された弾。1発の威力は低いが、被弾部位は確定で痺れてしまい、行動不能になる。胸部に被弾すれば心停止に至る事もあるので、実は威力を更に落としている。
漆黒の剣。厨二病が抜けきらない時期に友人に製作してもらった彼の所有する武器の中で最も思い出のある剣。妖力、魔力、電力、霊力という彼の4つの力が込められている事から、彼自身が名付けた。
愛用品:折り畳みナイフ
上記の友人に改造してもらった、彼が人間の頃から所有している鉄が主成分のナイフ。ネットの通販で購入したが、これが彼の厨二病を加速させた。
ステータスの歪さには、見覚えがあった。そう、まるでモルモのような歪さに思えてならなかった。
彼女も、アタッカー的ステータスなのにスキルはサポーター寄りであった。そしてヴァルゴもまた、ステータスこそアタッカーそのものだというのに、EXスキル以外は、いやEXスキルすら補助要素があるではないか。
「先生、さっさと指揮してくれ」
"えっ"
「でないとコイツら殺すけど、いいのか?」
"いやいやいやいや!それはダメ!"
「んじゃあ、夜露死苦な?上手く使ってくれよ?」
"ったく……"
────結論から言うと、ヴァルゴは素手の方が強い。ミカに匹敵、いや、ミカ以上とも言えるその怪力で、スキルなんか使うより早くバッタバッタとヘルメット団員を薙ぎ倒していったのには爽快感を覚えてしまったくらいだった。
「キヴォトスでは、銃撃戦が当たり前なんだなぁ。手榴弾もアリとはやりおる。おかげで、咄嗟に剣が出ちまった」
"まさかヴァルゴが剣を使うなんて……"
「俺のメインウェポンは剣だよ。世界観に合わせて銃を手にしてるだけだ。剣だって、手榴弾の始末の為にしか使ってねぇだろ?」
"その配慮はアリガト。にしても被弾無しとは……"
「俺の銃弾はエネルギー弾だけど、コイツらの弾は普通に金属じゃん。金属なら電気的なアレコレで、バリアを生成して
"……ずっる〜……"
「けど、この世界に来てから違和感あんだよなぁ。どうも出力が落ちてる気がしてならねぇ」
"!"
「しかも、何故だか疲れやすいときてる。あんまし能力は使えねえのかなぁ……体調不良の時より雑魚になっちまってるぞ、間違いなく……」
"……もしかしたら、世界間の移動の弊害かも?"
「かもな。こんなの初めてなんだけど。この世界、よっぽど『異物』への拒絶反応が強いみたいだな」
"異物……"
「きっとこの世界の創造主が拒絶してるんだろう。俺のような異物を。俺のような不純物を、な」
この世界の創造主──それは一体誰なのだろう。神なのかもしれないし、無名の司祭みたいな、謎に満ち溢れた人物なのかもしれない。はたまた……。
彼の言葉に悶々としながらも、少し歩いてやがてゲヘナ学園に到着する。かなり大規模な学園なので彼も見るからに驚いている様子だった。
「スゲェな、この規模。1000人単位だろコレ」
"少なくとも3、4000人は在籍してるはずだよ"
「エグッ!?一校でその人数はスゲェ……流石に俺も初めて聞いた……」
"まぁ、学園として成り立っているかは、正直、疑問なんだけれど……"
「?」
とりあえず軽く校内を案内しようと、余計な事に巻き込まれないようにと、祈りながら校内に入る。イオリはシャーレ近くの支部に居るはずだ、だから会う心配はないだろう。
問題はヒナだけ。でもまぁ、ヴァルゴはヒマリやユウカ、ノアに興奮していたようだし、この3人とヒナは共通項らしい共通項も無いので、多分大丈夫だろうとは思うが……。
「あっれェ?先生以外にもう1人の男……?」
「"!?"」
よーく聞き覚えのある声にビクリと肩を震わせ、思わず足を止めてしまう。その声はモルモ────推定ヴァルゴと同族の吸血鬼で、胸元を露出させて制服を着ている、えちえちなゲヘナギャル……!!
"…………ッッ!?!??"
ヴァルゴはどんな反応を──と彼の方を見ると、彼は、とんでもない表情をしていた。それはもう、目尻と目頭が切れてしまうのでは?と思うくらいに目をカッッと見開き、ポッカリと口を空けている。
こんなエッチ過ぎる格好で「風紀」の腕章を装着していればそんな顔にもなる──いや大袈裟か。
「んー?お兄さんどしたの〜?そんな、オバケでも見たような顔しちゃって……♡」
「お……お前……モルモー……だよな……?」
「へ?伸ばし棒がつくのは、アダ名だけどね?私は確かにモルモちゃんよ?
「────ッッ……」
「……どしたの?」
「いやッ、その、さ。俺、異世界からキヴォトスに遊びに来たんだけどさ。君があまりにも嫁に瓜二つだったから……つい驚いちまった」
「"!?"」
ヴァルゴに写真を見せてもらった。ヘイローこそ頭上に無いものの、確かに彼女にソックリな女性が写真に写っていた……。
「わ、すっご、何これ?世界には似てる人が3人か5人は居るって言うけど、そのレベルじゃないね?生き写しじゃん……!」
「……な?驚くのも無理は無いだろ?」
「そーね、これは驚くわ……。ね、先生?」
"これは流石にね……"
ヘイローが無い所を見るに、やはりヴァルゴは、別世界のキヴォトスから来たのではないらしい。
それなら彼の言う「俺も先生」や「同じだな」の意味がよく分からないが、それは、彼も彼の世界で先生をやってるという解釈でいいのだろうか……。
「一応聞くが、モルモは……吸血鬼、なのか?」
「そーよ?お兄さんも見たところ、そうっぽいね?こんなお日様の下でも活動が平気なとこを見るに、もしか、デイウォーカーに進化済みだったりィ?」
「あ、いや……それはまだなんだ」
「へっ?じゃあどうして日光が平気なの?それともそっちの吸血鬼は日光が弱点じゃないの?」
「弱点どころか致命的レベル。即死はしないけど、ジリジリと肉体が灰になるくらいには弱点さ。俺の場合は、異世界の友人が作ってくれた『日光避けのペンダント』を身に付けてるからさ……」
そう言ってヴァルゴは服の下に隠していたらしい炎を象ったような形のペンダントを見せてくれた。つまりヴァルゴは、日光が弱点ということらしい。モルモの方が「吸血鬼」としては格上なのだろう。
「ふーん、成程ねぇ。けど、そういうのをこうして身に付けてない私が日光の下で活動してるのを見て特に驚きもしないトコを見るに────お兄さん、デイウォーカーの存在、知ってるわね?」
「嫁のモルモーが、そのデイウォーカーなのでね。あと俺の子供達も、概念を操作できる神様に頼んでそういう弱点を消してもらってるから、ある意味、人工デイウォーカーなのさ」
「えー、概念操作とかヤッバ。まさに神じゃん」
(ホントだよ。
「……あれっ?でもさあ、どーしてお兄さんは弱点を消してもらわないワケ?」
「ま……この弱点にも、利用価値があるもんでね」
「ヘェ?弱点の有効活用か。イイね、そういうの。嫌いじゃないかも……♡」
「だろ?知ってるよ」
近い近い近い近い────!!どうしてそんなに見つめ合いながら距離を詰めているんだ2人は!!寝取りは趣味じゃないんだろ、ヴァルゴ!?
「──っと、やべぇ、襲っちまうところだったわ」
「え〜?別にモルモちゃんはぁ……イイけどぉ……♡ 実質、初めての『同族』だしぃ♡」
「本気にしちゃうよ?冗談が通じない男だからね」
「冗談かどうか──試してみる?♡」
ちろっと舌を出すモルモ。ヴァルゴはそれを見て彼女に顎クイ、そして────。
"ストップストップストップ〜〜〜ッッ!!!"
「わっ……どしたの先生?」
「邪魔すんなよな」
"ヴァルゴ!寝取りは趣味じゃないんでしょ!?"
「あ?……モルモまで先生と付き合ってんの?」
「え?付き合ってないけど?」
"えっ!?"
「やだなー、先生とはセフレじゃん?」
"……セフ、レ…………??"
「先生よかイオリちゃんの方が好きだし〜?でも、先生のおちんちんはディルドよか全然イイしね〜」
「クハッ!先生、ヤラせてくれたからって彼女とか勘違いしちゃダメだぜ?ハーレムにだってそういう繋がり方もあるものだ」
"…………"
「おっ。お兄さん、ハーレムに理解ある人〜?」
「まぁな。元の世界じゃ俺もハーレム主さ。彼女も嫁も子供も、当然ながらセフレも何人か居るしな。子供は──まぁ25人以上とだけ言っておこう」
「大家族ワロタ!嫁だけじゃなくてセフレとか彼女とかにも産ませてそ〜だねぇ♡」
「セフレは孕ませてないけど、彼女にもっつーのは当たってるよ。結婚って、つまるところ束縛であり契約だからさ。そう簡単にはできないから……」
「分かる〜。先生も……えと、お兄さん名前は?」
「ヴァルゴでいいよ」
「────先生もヴァルゴに教わってみたらどう?ハーレムのイロハ♡ 手取り足取り腰取り♡」
「ハッ!そいつはダメだモルモ、俺の常識とここの常識はまるで違うから。キヴォトスの常識をまるで持たない俺が先生に教えても無駄だよ、無駄無駄。良くて参考程度にしかならないさ」
「むぅ。まぁ、それもそっかぁ。それでどーする、ヴァルゴ〜?1発ハメちゃわない?♡」
「いいね。劣情を煽るようなその顔──モルモーにそっくり過ぎて歯止め効かなさそう。孕みたいとか少しでも思っちゃダメだぜ?確定しちゃうからさ」
「……よく分かんないけど、分かったっ♡」
◆
約1時間後──広場でボーッとしていた私の元にスッキリした顔のヴァルゴがやってきた。あちこち吸血されたような牙の跡がある……。
「よぅ、待たせたな」
"……おかえり"
「やつれた顔してんな。ま、失敗は誰にでもある。勘違いすんのもな。切り替えてこうぜ、先生」
"……"
「この吸血痕は帰るまで取っておくことにしたよ。すぐに治すのは勿体ねェ。折角別世界のモルモーに出会えたんだ……治すワケにはいかねェ」
彼もまた、跡を残されるのが好きなのだろうか。私もシロコやノアに傷を残されたいと思っている、これに関してのみヴァルゴにも同情というか、同じような気持ちがあると言える。
「さぁて、他行きますかぁ!」
"え、もう?"
「俺がゲヘナに来たいっつったのは悪魔に会う為。モルモに会えたんだ、俺にとってはこれで十分さ。天使が居ないのなら、鬼とか居ないかなぁ?」
"鬼か。それなら────"
ユウナなんかはどうだろうか、と思ってブラックマーケットに向かおうとしたが──そんな私の前に風紀委員の生徒が、これまたよりによってイオリが立ちはだかる。
思い切りヴァルゴを警戒して、今にも構えて射撃しそうな気配を放ちながらの、仁王立ちだ。
"……イオリ?"
「先生、そいつから離れて」
"え?"
「さっき、モルモのヤツと思い切りバトってたって通報が入った。本気を出してたのかは知らないが、モルモと互角の戦いだったらしい。それで意気投合したのか知らないが、その後はモルモと野外で──だからとりあえず離れろ、そいつは危険だ!」
「おいおいイオリちゃん、そりゃ無いぜ」
「なっ……なんで名前を知って────」
「今、先生が口にしたろ。てか、さっきモルモから聞いたよ。エルフ耳、褐色の肌、紅色の眼、銀髪のツインテの片目隠れちゃん────まあ、これだけ分かっていれば見間違える事は無いだろう」
「ッ……吸血鬼!お前を、風紀委員会に連行するッ!ついてきてもらうぞ!」
"ダメだイオリ!この人、ヴァルゴにはそういうのは通じない!"
「だとしてもだ!私は私の仕事を遂行する!」
"イオリッ!!"
「!?」
"頼むからこの件は私に一任してくれないか……!"
「ッでも!相手はモルモと同等の相手なんだッ!!それはつまり、コイツはッ!ヒナ委員長とも互角にやり合えるって事なんだぞ!そんな危険なヤツを、他でもない先生と2人きりなんかにしてられない!分かってくれ、先生!」
"でも……イオリ……ッ"
「せめてトリニティの正義実現委員会の──ツルギくらいじゃないとダメだ!先生の護衛につけろ!」
"いや、でも……"
(……?
"ヴァルゴ!君からも何か言ってくれッ!これ以上は暴れる事はないと!私からのお墨付きだったなら、少しは話も円滑に進められる!"
私からの言葉を受け、空を睨んでいたヴァルゴは小さく息を漏らす。そして酷く淀んだ、冷たい目を真っ直ぐ私に向けてくる……。
「……あー。悪ィな、先生。多分だが、もうひと暴れする事になりそーだわ」
"なッ……"
「先生、離れろッッ!!!」
イオリが発砲。その弾は的確にヴァルゴの喉元を撃ち抜いていた、しかし。
「弾丸とか通じねぇっつーの。あ、イオリちゃんは知らないよな。スマン」
「なっ……なんで……当たってるのに……ッ」
「俺を殺すには、心臓を斬り裂く必要があるんだ。その上で俺自身が意図的に再生力を止めなくっちゃ死にはしねえよ」
「ッッ……バケモノめ……!!」
「おうよ。これでも元の世界じゃナンバー5にすら入れねぇ『弱者』だけどな」
「お前は精神的にも弱者だよ!自分より弱いヤツが多いこの世界に来てイキッているだけのな!!」
「ハハハッ、凄い言われようだな。観光したいだけなのになぁ。モルモとも、互いに戦闘が趣味だから手合わせしただけなのに。その後、互いにスッキリしたからこそ、今度は性的にスッキリしようと考えセックスした、それだけの話なのに。互いの趣味を遂行した──それの何が悪い?連行される謂れは、無いと思うがね?」
「うるさい!それが仕事だからだ!」
「ふむ、成程な。理解した。だが俺はそれを断る。断らなくちゃならない。これから俺も、仕事をする必要が……
「何を……言っている……!?」
「なぁ、先生?オマエ、俺に嘘ついたよなぁ♡」
"え"
まさか、バレたのか?ミカ──天使という存在がキヴォトスにも存在してることを。それしか、私が彼に対して嘘をついた記憶が無い。
「お前さぁ。知らないの?『トリニティ』の意味。神、神の子、聖霊を一体と考える
"……知らない"
「そ、か。まぁいい。無知は罪とだけ覚えとけよ。三位一体──これはとある宗教由来の思想だがな。その宗教には『天使』が登場する。キヴォトスにもこの言葉があるということは、必然的にその宗教やそれに類似した宗教があると推測可能だ。つまり、それと同時に『天使』も存在すると言えるワケだ」
「?」
"……っ!!"
「もう解説しなくても分かるだろ。
しまった────。
「というワケで。嘘をついた先生には断罪だ。何かお前の大切なモノを1つ、奪わせて頂こうかなー。契約の違反とまではいかないから、軽いものをね」
"……嘘ついたのは謝るよ。だから……"
「ダ〜メッ。ごめんで済んだら警察は要らないの。分かんないかなぁ?」
"ッ……"
「天使の中に先生の彼女や婚約者、居るのか?」
"……"
「沈黙は肯定と受け取るぜ。居る、ね。OK」
"!!"
「んじゃその子とヤラせてもらおうかな♪」
"寝取りは趣味じゃないって……!!"
「ああ、寝取りは確かに趣味じゃない。それ自体は嘘じゃないよ。でも断罪は悪魔としての仕事だからスるだけ。趣味は『セックス』の方さ、寝取りってシチュエーションじゃあないよ」
"そんなの……そんなのっ、屁理屈だ!"
「嘘つきに屁理屈とか言われたくないんだけどな。なぁ、イオリちゃんはどう思う?」
「──確かに、嘘は良くないと思う。けど先生は、みだりに嘘をつくようなヤツじゃないはず。先生は誰かを、多分、彼女とかをお前の手から守る為に、嘘をついたんだろ。大事な人を守る為の嘘なら──私は許せる」
「殊勝な事だ。優しいね、キヴォトスの悪魔は」
"────ッ!!イオリ、逃げ……"
「悪いな、話が進まないから静かにしててくれ」
"ぐぁっ……!?"
彼の足元が、バリバリと放電。それは私の足元に及び、私の下半身の感覚が奪われ力が抜けてしまいその場に倒れ込んでしまう。しかし、地面に倒れたことが悪かった、上半身も全てが痺れていく……。
「先生っ!?お、お前、何をした!?」
「ククッ、なんて事はないよ。全身を痺れさせた、それだけの事。大丈夫、時間経過で治るさ。さて、ここでイオリちゃんに2つの選択肢を示そう──」
「何……?」
「俺は悪魔。契約を遂行する邪魔をされたらそれを断罪しなくてはならない。契約者当人だろうとも。つまり。俺は先生を何らかの方法で罰するんだわ。ここまでは理解してくれるかな?」
「……あぁ」
「話が早い!じゃあ本題だ。先生の大切なモノを、1つ、教えてはくれないか?勿論、金や地位、名声みたいなモノじゃない。大切な人や命とか────およそそういったものさ」
「ッ!?それを知って何をするつもりだ!?」
「女なら犯す、命なら奪う。それだけの事。先生は俺との契約を遂行する気が無いらしいから、もう、殺しても構わないだろ?」
「バッ……やめろ!殺すなッ!!先生は私にとっても大事な人なんだ!!」
「それはいい心掛けだね、じゃあどうするのさ?」
「……どうする……って…………」
「天使に会いに行きたかっただけなのに、それすら邪魔されるんだ。悲しいよな。だからな、より一層グレードアップしたナニカを要求せざるを得ない。そう、例えば『天使を犯す』とか──そういう?」
「な……にィ…………ッ!?」
「別に俺が決めてもいいんだが、イオリちゃんって先生のハーレムの一員っぽいからさ。だからこそ、イオリちゃんに決めてもらうことにしたよ」
考え込むイオリ。つまりは誰かをイオリの判断で生贄として差し出すか、他のハーレムのメンバーを犯させるという究極の2択に迫られてるという事。
しかしイオリは頭の回転が早い。この2択問題で彼に対して第3の選択肢を叩き付けた────!
「────私だ」
「……あん?聞き間違えたワケじゃない、よな?」
「吸血鬼は地獄耳じゃあないのか?モルモが、前にそんな事を言ってたぞ?」
「聞こえてるからこそ聞き返してるんだけどね」
「もう一度だけ言ってやる、よく聞け!──先生の大切な人は、この私だッ!!この銀鏡イオリだ!!どこの誰でもない、トリニティの誰でもないッ!!この私こそが!!先生の『大切な人』だッ!!」
「……
「分かって言ってるさ。先生を殺されるくらいならお前に犯された方が何億倍も何兆倍もマシだッ!!生憎、私は死ぬ気は無いんでね!まだまだ、先生とやりたい事も、やるべき事も残ってるからだッ!!だから、命ではなく身体を差し出す!!」
「大した覚悟だよ。俺なら死ぬけど。じゃ、これで契約を結ぼうか。いいね、イオリちゃん?」
「気安く私の名前を呼ぶな、下衆が……ッ!!」
「──おっと。NTRは脳を破壊するって言うし、先生の事は気絶させておこうか。イオリちゃんも、他の男に犯されるの先生に見られたくないだろ?」
「……あぁ」
「そういうワケだから、先生。イオリちゃんのことちょっと借りるぜ」
やめろ、ふざけるな。私のイオリに手を出すな!
──声が出ない、身体が動かない。座ってて足が痺れるような感覚じゃない。まるで神経を奪われたような、手足が言う事を聞かないなんてレベルを、遥かに超越している。
意識だけが残っていて身体が動かない、金縛りに似たようなこの感覚…………。
更にヴァルゴがこちらに手を向けた瞬間、全身に電気が流れたような強い衝撃が走り、呆気なく気を失ってしまった。
◆
「っ……っ、く……うぅっ……」
"う……ん…………?"
イオリの啜り泣くような声が聞こえた気がした。最初は自然の風音かと思った。けど、違っていた。確かに、イオリが泣いている声だった……。
"イオリッ!!"
「先、生……?」
一気に意識が覚醒した。イオリが、泣いている。私の代わりにその身をヴァルゴに差し出し、それで泣かされてしまった。なんて不甲斐ない。なんて、だらしがない。私は、彼として最低だ。
"……ヴァルゴは?"
「トイレ行ってる……」
"そう……か…………"
「よかったよ……先生のこと、守れて……♪」
"ッッ……"
「大丈夫だよ、先生。セックスはしてないからさ」
"え"
「ただ、その……。足、舐められて、パンツ取られて終わっただけだからさ。あとは、目の前でオナニーされただけというか……」
"え?"
「……できればセックスはイヤだって、言ったんだ。そしたらアイツ……『分かってる』って、笑ってた」
"え??"
「『でも最低限のケジメはつけさせろ』って、私とセックスする代わりに、パンツくれって。フェラ、あとクンニも……シテない……よ」
"本当に……?"
「あぁ。だから、大丈夫。シャワー浴びてくるよ、足は舐められたワケだから……」
"う、うん……"
「先生以外に舐められるの、キツかったな……」
"……"
「またね、先生。……今度、ゆっくりシよ?」
"うん。すぐにでもシよう"
「ったく……このヘンタイ……♪」
◆
イオリが風紀委員会の本部の方に戻っていって、数分後。ツヤッツヤにスッキリした顔のヴァルゴが瞬間移動で戻ってきた。
「お待たせ〜、ほな次に行こーかァ」
"……本当にトイレだけしてきたの?"
「いや?ギャル2人とヤッてきたよ」
"ッ……!?"
「安心しろ、レイプじゃねーし魅了も使ってない。更には先生のハーレムメンバーじゃねェ事も本人に確認済み。キララちゃん、エリカちゃんだったか。キララちゃんが特にヤバかったな。ゲヘナギャル、揃いも揃ってエロ過ぎる……はぁ……最高だったよ」
"……どうしてイオリを見逃した?"
「天使級に可愛かったしな、是非ともセックスして生中シたかったけど。でもまぁ寝取りだよなぁってふと冷静になっちまった。俺らしくもねぇやな?」
"……。ありがとう。見逃してくれて"
「バカ言うな。────
"ヴァルゴ……イオリの覚悟を踏み躙るのか──!?"
「勘違いすんなよ。天使に会って一目惚れしても、犯さねえ。それがイオリちゃんとの契約だからな」
"ッ……"
「だがこれは、さっき先生が嘘をつき、俺の妨害をしたからこそ発生した契約なんだぞ。もう1回でも嘘をついてみろ。先生こそがイオリちゃんの覚悟を踏み躙ったことになるんだからな?」
"────ッ!!"
「1回の嘘につき1回の罰を。等価交換、当然さ。だからな、先生?嘘はつくなよ?『大人』だろ?」
"……………………分かった。私がイオリをお前の手から守りきれなかったんだ、これは私が愚かだったね"
「そうさ。アンタが悪い。初めから『天使も悪魔も居るよ』と答えておけばただの観光で済んだんだ。それなのに、下手に誤魔化しやがって……」
"……"
「正直は美徳さ。魂に刻んどけよな」
◆
その後、ヴァルゴの能力でトリニティへと移動。その速度たるや、確かに、ユウカに言っていた通り片道0秒で、瞬きした瞬間にはトリニティへと到着していたのだから驚くしかない。
そして、ミカやナギサ、セイアと引き合わせて、ヴァルゴはツルギとも手合わせし、遂に夕方に。
戦闘の意味でも、美少女観察の意味でも満足したらしいヴァルゴは、遂に元の世界に帰る事を決断。
「後悔先に立たず──後悔の味を噛み締めておけ。そして忘れるな。人生、後悔したくないだろう?」
"ああ。君の言動はとことん勉強になった気がする。ありがとう"
「皮肉たっぷりだな。んじゃ、俺は帰るぜ」
"二度と来なくていいからね"
「誰が来るか、バーカ。銃弾飛び交う世界なんざ、危なくて俺以外の誰も平穏無事には過ごせねえよ」
平穏無事とは何だろう。どこも平穏無事な感じはしなかったけれど。
しかし本当に満足したらしいヴァルゴは、最後にべッと舌を出し、中指を立て、来た時と同じように瞬間移動にて帰って行った────。
別な小説として分けたらってのは気付きもしませんでした。第2部からしてそうやって書き始めたのにどうして忘れていたのか。
要反省。
あと、元々はノアとイオリとミカとセイアがNTRされる予定でした。