シオリがこれ以上聞けることは無いだろうと判断して、レイナとシオリは感謝と共に軽く頭を下げ、カナエは楽しそうに手を振りながら去って行った。
アキラは漸く面倒事が済んだとばかりに大きく溜め息を吐いてからオルトに視線を向けた。
「途中からこっちに加われる程度の余裕は有ったんだろ? 助けてくれても良かったんじゃないか?」
アキラの不満げな表情にオルトはカフェオレを飲みながら笑って答える。
「
アキラもその意見には同意だった。自分も変な邂逅さえなければ無視出来る程度の間柄で済んだかもしれないと自身の運の悪さを恨んだ。
「それにあの様子だと俺が変に口を滑らせると根掘り葉掘り聞いてきて、そっちの2000万オーラムのやり取りとやらが台無しになる可能性もあったんだ。出来る限りの無関係性を出しておいた方が良いだろ」
アキラはそれで口を噤む。その情報料を貶めるような行動は忌避すべきだと感じており、キャロルが料理を奢った意味、オルトがそれを汲んでいたということを、教えられてようやく気付いたからだ。そのまま黙って自分の料理を消費していく作業に戻る。
その様子をキャロルは楽し気に見ていた。
「貴方は興味ないの?」
「興味はあるけど2000万オーラムって言われると流石に
「オルトも工場区画にいたの? 市街区画を走っていたのよね?」
「そっちと違ってこっちは正攻法で脱出したんだぞ? おかげでこっちは弾薬もエネルギーパックも尽き掛けだったんだ。分かるだろ? こっちだって一杯一杯だったんだ」
「……だからあんなに用心していたのね。はぁ、警戒して損した気分よ」
オルトが遮蔽物から姿を晒さなかった明確な理由を聞いて、キャロルは大きな溜め息を吐いた。
オルトの言った言葉は事実で本当だ。嘘はない。嘘は無いだけだがそれで隠したいことである収集した遺物への関心は逸らせただろうと判断した。少しでも晒した以上アキラ達の情報収集機器に取得データとして記録されている。そちらに関しては関与出来なくも無いが、オルトはアキラを排除してまでその安心感を取ろうとは流石に思えなかったからだった。
「安心したのなら飯でも頼めばいいんじゃないか?」
「私はモニカ……、オルトは知らないか。私が組んでた相手なんだけどね。彼女の救援の手配を済ませてからにするわ。もう保険会社に要請は出したんだけど、どうも救援部隊の手配が滞っているらしいのよ」
東部にはハンター向けの保険も多い。救援保険もその一つで、契約者が遺跡内で消息を絶った場合などに救援部隊を派遣するものだ。
条件は様々だが、主に規定の時間連絡途絶が続いたり、本人や代行者が救援を要請したりすれば部隊を派遣する。
遺跡から生還しないハンターなど珍しくないので保険料は割高になる。だが契約者に高額の保険料を支払う価値があると認めさせる為にもしっかり助けようとするので、救援時の生還率は非常に高い。
キャロル達はチームで保険に入っており、既にキャロルが要請を出している。本来ならばすぐに部隊が派遣されるはずなのだが、今は諸事情により滞っていた。
「あー、なんか、セランタルビルに多くの部隊が派遣された挙句ハンターを雇ってまで情報収集に動いてるみたいだな」
オルト達が食堂の出入り口から見えるハンターが何らかの交渉を持ち掛けられている様子も確認出来る。キャロルの方も、多くのハンター達と交渉しているが、救援依頼を受ける者が少なく難航していると保険会社の担当者から説明されていた。既に日も落ちているため仕方ない部分もある。
それを聞いていたアキラが不思議がる。
「でも、手持ちの部隊は全部送ったんだろ? それなら戦力は十分あるはずだ。楽に助け出せそうな気がするんだけど……」
「私もそう思って少し調べてみたの。そうしたら、どうもセランタルビルを開けっ放しにしたハンターがいたみたいなのよね」
「………………」
オルトは呆れたように顔を
セランタルビルで遺物収集をする為には、その周囲にある防衛機械を突破する必要がある。普通はチームで挑み、撃破する。
そしてその後は、防衛機械の撃破に乗じた他のハンターに遺物収集を邪魔されないように、ビルの出入り口を封鎖する。出入り口を占拠するチームと遺物収集を行なうチームに分かれて活動し、防衛機械の再配備で退路を塞がれる前に連絡を取り合い撤退する。
これにより普通はビルの防衛機械が倒されても、大勢のハンターがビルに殺到することはない。
「今日は一度セランタルビルの防衛機械と戦った人が居て注目を集めてたところ、更に誰かさん達が交戦した挙句出入り口を占拠しなかったみたいなのよ。その話が広まって、絶好の機会だってセランタルビルに向かった人が多いんだって。まあ、悪食ビルなんて呼ばれてる場所だし、救援保険を付けてたチームも多かったんでしょう」
「へえ、厄介な奴もいたもんだな。そんなことすればこんな結果を引き起こすとは思わなかったんだろうか……」
「うーん、凄い装備に新調したからその性能を実感しようと何も考えずに戦って満足したから帰った、とか?」
キャロルはそう言ってオルトを見る。
(彼がどれ程戦えるのかは不明だけど、バイクに取り付けた銃での遠隔操作による狙撃精度、あれを生身でも普通に行なえるのなら出来そうね。……ま、当の本人は工場区画に居たらしいし、違うでしょうね)
キャロルは自分達も苦労したが、オルトとは違い地図屋としての、自身の技術を以って手に入れていた裏口からの脱出は不可能だったのなら、その装備をして多くの弾薬やエネルギーパックを消耗して脱出してきたのであれば、警戒度合いや大型の機械系モンスターとの戦闘具合にも説得力が出る。
「まあ、そんな人達のおかげでセランタルビルは開けっ放し、入って行ったハンター達が帰ってこない。連絡も無い。遺物収集に夢中になってるのか、それとも何かあったのかはわからないけど、連絡途絶に違いは無いから契約は契約ってことで救援部隊を出してるみたいね」
オルトはそちらには特に関心は寄せず、キャロルはどこか呆れたような顔を浮かべる。
「どこの誰の仕業か知らないけど、そんな真似をすればそんな事態になることぐらい簡単に想像出来るでしょう。名を売る為に敢えてやったんだととしても、迷惑な話だわ」
「そ、そうか」
「ん? アキラ?」
「アキラ。どうかしたの?」
「いや、何でもない」
アキラは食事の手を思わず止めてしまったが、すぐに再開した。
キャロルがアキラの態度をわずかに訝しむ。だが関連性は低いと考えた。セランタルビルをあれだけ危険だと言っていたアキラがそこに近付くとは考え難いからだ。
そもそもアキラは工場区画にいたのだ。仮にアキラがセランタルビルの防衛機械を倒したのだとしても、遺物を失ってあれだけ嘆いていたアキラが、ビル内で遺物収集を全くせずに工場区画に向かうとは思えない。
恐らく過去に似たようなことでもしてしまったのだろう。キャロルはそう考えて辻褄を合わせた。
逆にオルトは、確定でアキラがセランタルビルの防衛機械を倒したのだろうと判断した。アキラは確実に旧領域接続者であり、接続強度もリオンズテイル社の端末から送信される、東部全域に渡るほどに店舗展開されているリオンズテイル社の支店の位置情報を入手して、脳死しないほどの解析能力がある。推測で立てた仮定を補強可能な材料は既に幾つか転がっているからだ。
その旧領域接続者としての機能を駆使して、セランタル、もしくはセランタルビル
(前のファナを介さない念話は多分壊れた旧世界製の情報端末が受信したアキラの声。旧領域接続者はある程度距離を無視可能ってファナは言ってたけど、途切れる時は途切れるし、クズスハラ街遺跡に限り性能が上がるなら距離による強度の上下は間違いなく発生する。……セランタルビル内に入った後に漸く通信経路が安定して、結果として撤退する判断に至ったか?)
オルトは自身も旧領域接続者であり、時折りファナの授業中にそれに関連した質問をする為に手に入れた知識も踏まえて考察をする。結果が確定するわけでは無い。だがそれを持っているだけで事態介入への対応速度は変わると思っているオルトはある程度の形までは形成しておき、頭の片隅に留めている。
横目でキャロルの話を聞いているアキラを見ながら自分なりの考えを纏め終えたオルトは、好い加減帰路に着いた方が良いと判断して会話の区切りで席を立った。
「俺はもう帰る。疲れたし、ぐっすり寝たいからな」
「そうか。またな」
「もう少し待ってくれたら一緒に寝てあげてもいいわよ? 安くしておくわ」
「要らない」
「つれないわね」
キャロルは溜め息を吐くが、オルトは普通にそのまま流すと思い出したかのように一つの情報端末を取り出してアキラに渡す。
「これは?」
「前のやつだ。取り敢えず調べられる範囲は調べた。後は好きに使ってくれ」
そう言ってオルトは食堂から出ていく。
すれ違うように入ってきた女性が声を荒げながら情報端末越しに保険会社の担当者へ激しい抗議を続けていた。
「救援は無理だってどういうことですか!?」
おそらく組んでいたチームのハンターと遺跡内で
オルトから渡された情報端末を食事の手を止めて確認していたアキラは、その内容に呆れたような顔をしていた。
『アルファ。これどう思う?』
『どうって言われても、見たままじゃないかしら?』
『まあ、そうなんだけどさ。倉庫の中身が全部
確かに明確な利益に繋がるような話でも無かった。オルトが保証していたのは遺跡の有無までであり、ハンター稼業の助けに繋がるような内容では一切無い。
未発見の遺跡を発見して一発当てる。そういった可能性で他のハンターよりも大きなアドバンテージを得られるぐらいの物でしかなかった。その可能性程度にはなるが、最下層に位置する駅のホームの情報はその上層のどの階層よりも有用性が高いと言える。
尤も安全であるかどうかは不明だ。既にその先から現れるモンスターに対して、アキラはある程度では済まないような痛手を負わされた。その駅のトンネルが一体どこの遺跡に繋がっているのかも分からない現状では、アキラはそこへ遺跡探索に行く事さえ消極的な態度をとるだろうと、アキラ自身が分かっていた。
『流石に遺跡内の移動に車は使えないしな。
『そうかしら。今回みたいにオルトのバイクを借りれば良いと思うわよ? 彼ならこの遺跡のことにも、過合成スネークについても知っていて、その情報が他者に知られることの危険性も十分理解があるわ』
『え!? 良いのか?』
アルファからはむしろ構わないという感じでの返答が返って来たことにアキラが驚く。オルトから渡された地図情報を見ている限り、収集可能な遺物は無い。オルトが仮称としてユウセツ駅遺跡と名付けたその遺跡は地下遺跡全体が倉庫の様になっており、それだけ聞けば遺跡の大掛かりな保管庫のようにも聞こえるが、実態は中身が完全に空になっている状態の倉庫が並んでいるだけだ。勿論、オルトの捜索範囲が少なく、その範囲外へ行けば遺物が保管されている倉庫も残っている可能性もあるがオルトの情報収集機器の索敵範囲と精度はアキラの情報収集機器を上回る。アルファに索敵を任せればそれ以上の成果を挙げられるかもしれないが、それも遺跡がある地下でアキラとアルファ間の通信が不安定にならなければの話でしかない。
ヨノズカ駅遺跡での出来事をちゃんと理解しているのだと内心頷いているアキラにアルファは以前の会話の本質は違うのだと言った。
『アキラ。オルトは過合成スネークの逃げ込んだ遺跡があるとは言っていたけど、この位置では流石にその周囲にあった遺跡内と言える範囲では無いわ』
『どういうことだ?』
『つまりはこのトンネルの先へ行けば遺物が残っているかもしれないってことよ。その案内役兼戦力として彼を雇う。偏っている戦力やモンスターの撃破を現場でのアキラの動きでカバーするか、報酬として収集した遺物は彼の方の分配比率を上げれば良いと思うわ』
『そういうことか』
『凄いハンターは自分で収集した遺物の買取額を誤魔化されない為だったり、変な依頼に署名させられない為にも最低限の交渉技能は必須項目よ。頑張ってね?』
『はい。分かったよ』
自分はまだまだ未熟なハンターの枠組みから出ていない。それを突き付けられたような気もするが、足りないものがあるのは常々だ。これからも精進しようとアキラは心に決めて料理へと顔を向けると、キャロルがアキラの顔を覗き込んでいた。
「なんだよ」
「何か難しそうな顔をしてたからそれについての相談にでも乗ってあげようと思ってたのよ。さっきの彼が置いて行ったものだもの、少し興味があるわ」
「以前の約束を果たしてくれただけでそれ以上でも以下でもない」
「そう警戒しないで。ちゃんとその情報に見合うだけの情報料ぐらいは出すわよ? オルトも後はアキラの自由にして良いって言ってたでしょ? だからどの程度の価値を持っているのか、他人へ売る時どのぐらいの価格設定になるのかどうかも相談に乗れるかも、そういうことよ。安心してちょうだい。これでも地図情報以外にも色々売ったり買ったりしてきたの。情報の扱いに関しては自信を持っているし、後で決まった価格をアキラに支払うわよ?」
「いや、そこは
「え?」
「あいつはマメだからな。追記にそこら辺の所感も載ってるし、擦り合わせの為の相談をするなら先ずはオルトとするよ」
「そ、そう」
キャロルはアキラから知った情報をこっそりと知り合いの情報屋に売り付けて、その情報の相対的な価値を下げてから、それでも自分はこれぐらいは出す、と恩を着せるような策も考えていたが、アキラのオルトへの信用の方が勝ったのか、情報端末に入っている情報がそれだけ重要だったのか、それを持ち込んだ人物とのやり取りを最優先にした。情報の機密性を優先した。
キャロルはその事実にアキラへの興味を強くし、それに引きずられるように手元の情報に、それを持ち込んだオルトへの興味も強まっていく。
そこに大声をあげながら情報端末に抗議を繰り返す女性が入って来る。
「救援は無理だってどういうことですか!?」
声を荒げていることで注目を集めており、アキラ達も当然例外なくその女性へ目を向ける。その女性はキャロルとチームを組んでいたモニカだった。そしてモニカも食堂内に見知った面影を見付け、アキラ達にも気付いた。
「もう少し待つ、で、正解だったようね」
「そうみたいだな」
唖然とした表情のモニカへ、キャロルは笑いながら軽く手を振った。
真夜中に近い頃、クガマヤマ都市まで帰って来たオルトはその足でそのままトライフワーデンまで車を走らせる。周囲にある店舗は深夜営業も行なっている場所以外は基本的に既に明かりが落ちている。それはトライフワーデンも例外ではない。
だがオルトが到着する直前、シャッターが上がり店舗の駐車場が解放されてオルトが駐車場に停車すると同時にシャッターが落ちる。
「まったく、今何時だと思ってんだ?」
大きく溜め息を吐き悪態を吐きながらも、労働時間外でありながらちゃんと店主としての格好に再度着替えてからカオルはそこに出て来た。
「悪いとは思ってる。でもそれぐらいの配慮はした方が良いと思ったんだ」
オルトは申し訳ないと顔で示しながらそのまま車の後部扉を開いてカオルを中に招く。オルトもそこへ移動してバイクに固定している遺物を見せて真面目な表情を浮かべる。
「これだ。拡張現実情報送信機能も働いてるからカオルの情報収集機器なら問題無く中身の把握が出来ると思う。これを見たら流石に俺がこの時間に来た理由にも納得してくれると判断してる」
「お前がそういうってことはそれだけの遺物ってことか。その様子から以前から持ち込んでる物とは数段やばそうなものが出てきそうなんだが、本当に俺で良いのか? 今なら自分でどこかに売り込むことだって可能だ。中身は知らねえ。情報漏洩の心配が一つ消えるわけだ」
「そうやって心配してくれるからこっちも信用と信頼も含めて持ってこれるんだ。頼むよ」
困ったように苦笑するオルトの様子に折れたカオルが箱に触れて拡張情報の確認を開始する。既に拡張現実情報送信機能は回復させてある為、問題無く確認出来ただろう。それを証明するかのようにカオルの顔が険しいものへと変わる。
「…………オルト」
「どうしたんだ?」
「中に運ぶぞ」
「分かった」
監視カメラやらが設置されている場所で開封するのも相談するのも
一応オルトが直刀の入った箱を持ち、もう片方をカオルが持って店内へと運び入れる。店内は勿論の如く照明が最低限しか照らされておらず、仄暗い通路を進んでいく。
カオルに先導されて着いたのは、以前からオルトがこの店で密談を行なう際に使用される部屋だ。カオルがボソッと、ここを使う奴が最近固定化されてきた、と呟いたのをオルトは苦笑を浮かべながら聞き流した。
机の上にオルトが運んできた
「オルト。今更俺が遺物をどこで拾って来たのか、とか、危険なことをしてないだろうなと釘を刺す気は
「いや、弾薬補充がメインだからな? エルやカオルと談笑しに来てる訳じゃないからな?」
「まあ聞け。お前は基本的に話の内容がモンスターの生態だったり、遺跡内で見かけたハンターの装備やそいつらの動きについての感想なんかを主に話題として取り上げるだろ? そうするとこっちも
「な、るほど?」
「ハンター向けの店舗経営している身としてはこんな所か。1人の親としては娘と友達になってくれた。運もあったんだろうがこの店の常連予定の客だった子がこっちに戻って来てくれて、そいつも前よりずっと仲良くしてくれてる。恩もある。感謝もある。勿論ビジネス面での関係でもある」
カオルが険しい顔で、それでいて穏やかな口調で続ける。
「だがな? それだけでこの遺物を俺に任せるのはどうなんだってのが俺の率直な意見だ」
「それだけって……」
「それだけ、になるんだよ。コロン払いの武器なんか目の当たりにすれば、言い方は悪いが金と力が存在の全てとさえいえるハンターならな」
東部に生きる上で必要なのが振るえる力だ。かざすだけでもひれ伏すような権力や多勢に無勢をひっくり返せるだけの暴力、情報を収集し外に流す内容を制限して自分に不利益な存在を他人に排除させるだけの知力等々。伝手を作れば手に入る物もある。時間を掛ければ手に入る力がある。それでも時間は有限だ。他者を排除してでも削減しようとする人物は必ずと言っていいほど出てくる。
それこそ、他人の成果を横取りすれば遺跡になど潜らずとも遺物の入手は可能だ。その方法は千差万別で、オルトもその内の一つにあったことがある。
それを踏まえてオルトは信用を取る。
「ああ。分かってる。だからカオルに頼むんだ」
「お前な……」
「これはFARBEに持ち込んでくれ。そうすればカオルが店を
「…………はあ、分かった。分かったよ。その信頼に応えるぐらいはしてやる。それで、コイツは本当に買い取りじゃなくて良いんだな?」
「ああ。こんなのハンターオフィスの買取所に通したら俺の周囲に変なのが付いて回るようになるし、コロンオーラムの
現在のオルトのハンターランクは32だ。クガマヤマ都市で若手のハンターがこの数値であれば一端のハンターの1人だろうと、見る者の目は変わる。しかし東部全域で言えば低ランクハンターと言われるのが普通の基準であり、そんなハンターであっても入手可能な、言ってしまえばその程度の場所にそれだけ高価な遺物が眠っているのであればと、欲に目が眩んだ人間に
(こっちの箱の中身は簡易防壁か。旧世界製の商品の一つってことはかなりの耐久力が期待出来る品だ。展開状態にすれば結構な大きさにもなる。場合によっては購入もありだな)
カオルはFARBEとの交渉内容を一から考えつつそのおまけとして持ち込まれた簡易防壁にも目を向けていた。場合によってはFARBEとオルトに了承を取った後、個人的にハンターから買い取ったという形式を取る。
コロン払いの遺物が持ち込まれるような店舗などと万が一知られれば、下位区画の防壁寄りに位置している場所であっても馬鹿な輩が出てこないとも限らない。旧世界製の遺物の頑丈さを過信して周囲一帯を吹き飛ばしてくる奴が出てきた際の保険程度にはなるだろうとカオルは頭の中で組み立てる。
オルトは用件が無事に済んで胸を
「それじゃあ俺は帰るよ。今日は結構疲れたし、明日消耗品の補充に来るとする」
「今日じゃなくても良いのか? 一応対応は出来るぞ?」
「いや、やめとくよ。口座の動きも無い方がそれっぽいしな」
「徹底してるようでなによりだ。それじゃあ準備だけはしておこう。購入品の目録はいつも通り送っておけ」
「ああ。じゃあまたな」
オルトはそう言ってトライフワーデンから出ていった。
一話にどの程度の文字数が読み易い?
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~5000
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5001~10000
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10001~15000
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15001~20000
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20001~30000
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それ以上
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文字数に興味無い