戦姫絶唱シンフォギア 333回、転生した男   作:黒色晩餐

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遅くなりましたっ

はてさて、翔真君は今後はどうなることやら…
途中でグロい表現が入ります


第6話〜道化が語る言葉は偽りか又は本物か〜

ニ課へと向かう道中の車内にて…

 

「響、そこまで密着しなくてもいいんじゃないか?」

 

「だって翔兄、逃げるもん……だから離さない」

 

さっきまで手を握っていたはずなんだが…車に乗った途端に響が抱き着いてきた……さっきの折る勢いでの抱擁じゃないから腕に伝わる胸の感触がリアルに…

 

「逃げないから、離して?ね?良い子の響なら言う事を聞いてくれるだろ?」

 

「私、良い子じゃなくて悪い子だもん。だから、絶対に離さないからね」

 

「…スゥーーー…はぁーー………そう言う事、他の男の人に言ったら勘違いしちゃうから駄目だよ?」

 

「?私、こういう事は翔兄以外に言ったりなんてしないよ?」

 

あ、駄目だこれ……しばらく引きずる系だけじゃなくてワガママで甘えん坊モードになってやがる…思った以上に今回の事が引き金になってるか……まぁ、可愛いからいいや。

 でもこれは…響に言ったりやったりした内容が未来にバレたらどうなる事かは想像したくない……あの事件以降から未来の響に対する過保護っぷりと依存度が上がってるし。あ、想像しただけで怖い……

 

抱き着くのをやめさせる事を諦めた翔真は車が目的地に到着するまで響に抱き着かれた状態のまま、じっとしているのであった。

 ようやく目的地である私立リディアン音楽院に到着し、車のドアが開けば響も離れてくれたので車から降り案内されるがまま中央棟の長い廊下を歩き、エレベーターに乗り込み弦十郎が端末を操作すれば床から手すりが出てくる。

 

「翔真君、そこの手すりに掴まってくれ」

 

「これにね…」

 

出てきた手すりに掴まるよう弦十郎から言われれば先に手すりを掴んでいた響と同じ手すりを掴むと、弦十郎がエレベーターを操作し動かせば一気に下へと急降下する。

 

「っ……こいつは中々、内臓にクるな…」

 

しばらくして急降下するエレベーターから見える景色が変わり、壁面に描かれている文字や絵を見て翔真は小さく呟く。

 

「■の■■……」

 

「翔兄、なにか言った?」

 

「ん?あぁ…あまりにも外の景色が凄くてヤベェなぁって言っただけ」

 

「そっかー…翔兄、暴れないでね?」

 

小さく呟いた声に反応した響が翔真の方を見れば微笑みかけながら頭を撫でて誤魔化していると、響から暴れないよう言われると苦笑いを浮かべた。

 

「それは……相手の出方によるかな」

 

「もうっ…皆、良い人なんだから暴れたりして怪我とかさせたらしばらく翔兄と口聞かないし、未来には翔兄に傷物にされたって言うからねっ」

「ちょっ!?それは無いだろ響……普通の説教で終わらなくなるじゃんか…」

 

職員達の出方によると言う翔真に対してニ課の人達は良い人達だからと言い、更には未来に対して傷物にされたとも言う響に翔真も流石にマズいと思えば慌て始める。

 

「だったら、暴れないでね?」

 

「わかった……約束する。暴れない暴れない」

 

観念すれば響の頭を撫でながら暴れないと約束すると響も満足そうな笑みを浮かべる。

 

「うんっ、約束だよ!」

 

「あれ程の力を持つ君でも響君には勝てないようだな」

 

「兄が妹に勝てないと、惚れたら負けってのはどんな時代になろうと変わらないものなのさ……っと、着いたみたいだな」

 

響と翔真のやり取りを見て独り言のように呟いた弦十郎の言葉に反応し言葉を返すと丁度、エレベーターが目的地へと到着し扉が開かれる。

 

「おっと……どうやら、歓迎ムードでは無いようだね」

 

エレベーターの扉が開かれるとそこには武装した職員が翔真に銃口を向けていた。

 翔真も戦う意志は無い事を示す為、手すりから手を離し両手を上げた状態でエレベーターから出る。

 

「一先ず、銃口を下げてもらえると有り難いんだがね…跳弾したり狙いが外れて響に当たりでもしたら………お前ら全員、血祭りだぞ?」

 

ニコニコと笑みを浮かべながら言いつつ響からは顔が見えない位置まで移動すると、ニィィィっと真っ黒な笑みを浮かべながら低くドスの聞いた声で言っているとドンッ!と、背中に鈍い痛みと共に強い衝撃が走る。

 

「ぐぇっ!?……響?暴れてはいないんだから離れてなさい」

 

「やだっ!離れたらまた翔兄ってば変なこと言うつもりだよね?

皆さん、翔兄はいい人なんです!ただ、私や未来の事になると暴走しちゃうんです!だから撃たないでください!」

 

「い゛っ!?痛っ!いだだだだっ!響、また締まってる!締まってる!内臓が出でくるっ!」

 

「えっ?……あっ!翔兄ごめんなさい!」

 

翔真を庇うのに必死な響はまた、 腕に力を込めてギュゥゥゥゥっと翔真を締め上げていれば他人から見ても明らかに腰回りが締められて細くなり、顔を真っ青にさせる翔真から離れる響を見て職員は銃口を下げながらもあまりにも気の抜けたやり取りに苦笑いを浮かべていた。

 

「あ゛ぁ゛ー……マジで死ぬかと思った………響、シンフォギアを纏ってから力加減が出来なくなっているみたいだから気をつけろよ?」

 

「う、うん……」

 

「それで…俺の処遇はどうなるのかな、風鳴弦十郎さん?」

 

落ち込む響の頭を撫でて慰めながらもここに来た以上は取り調べを受けると思っているのか翔真は弦十郎へと問いかける。

 

「先ずは取調室で話しを聞かせてもらうことになるな」

 

「まぁいいさ…ただし、奏の体内に残っている毒の解毒方法は教えないからな」

 

「わかった。ならそれ以外を色々と聞かせてもらうぞ」

 

「はいはい……じゃあ響、また後でな」

 

「うん…また後で…っ!?へっ?ふぇぇぇっ!?」

 

まだ落ち込んでいる響をギュッと抱き締めて慰めながらも離れ際に額にキスをして離れれば弦十郎に取調室へと連行されるのであった。

そして、取調室に入れば椅子に座ると…

 

「これを聞くのも失礼だと思うが響君とどういった関係になりたいんだい?」

 

「ん?どうもしないさ…俺は今のまま、響の兄として側に居てやるだけだ。響がこの先の人生で好きな人に出会って、付き合って、結婚する時には盛大に祝うのさ」

 

「そう言っている割には響君に対しての態度が兄としての接し方では無いようだが?」

 

「あの子は昔からかなり純粋でね…変な男に騙されないようああ言う事で簡単には惚れないように耐性を付けさせているだけ。まぁ、未来ちゃんも居るから心配はしなくても良いが兄としては少し…いや、かなり心配なのさ」

 

弦十郎からの言葉に本当は一人の異性として関係でいたいがその想いは隠し、昔から使っていた兄としての仮面を被り、その想いを徹底的に隠していた。

 

「随分と過保護なんだな君は」

 

「昔から響の世話をしているんでね。これを響が聞いたら顔を真っ赤にして涙目で本気のパンチが飛んでくるから響の前では言わないけど。

初めての育児で疲れてたあの子の母親の代わりに日中、赤ちゃんだった響の世話とか手伝ってたんだぜ?そりゃあ過保護にもなるさ」

 

「そう言えば、君と響君はお隣さんとの事だったね」

 

「そうだよ。昔から響は元気が有り余っているから物心が付き始めた頃とか、小学生の頃なんかそりゃあ元気に走り回って転んで、怪我とかしまくっていたさ」

 

「君にとっての響君は手のかかる妹の様な存在らしいな」

 

「でも、そんな所も纏めて可愛いのが響なんだよねぇ…」

 

過保護でシスコンな兄の演技をしながら『異空間収納』からブラックの缶コーヒーを取り出せばそれを飲み始めているといきなり警報が鳴り響く。

 

「どうやら、ノイズが出現したらしいね……」

 

「君はここで待っていてくれ。俺は行かねばならんのでな」

 

「はいはい…まぁ、しばらく待ってますよ……」

 

取調室から弦十郎が出て行ってからしばらくして缶コーヒーを飲み干せば空の缶を収納内に戻し、いきなり自身の親指と人差し指と中指を左目の中に突っ込む。

 

「ぐっ…ア゛ぁ゛ぁ゛っ!」

 

そのまま左目を掴み、ズリュッと引きずり出せばテーブルの上に置き、指についた血で陣を描き始めながら言葉を紡ぎ始める。

 

「幾重の境界線を越える名は■■■■、(そら)を見るは魂を貪る竜。理を崩し、破滅を喚ぶは森人なり。屍の上で詠う道化の名は伊吹翔真…隠れて見聞きする目と耳を塞ぎ、■の■■と我への繋ぐ道を構築せよ…対価は左と右の眼球を捧げる」

 

陣を描き終わり引きずり出した左目を中心に置けば陣が目が一時的に失明するくらい光り輝き、その後はゆっくりと光りが収まれば陣とその中心に置いた左目と引きずり出していない右目は消えてなくなっていた。

 指についた血と目から流れ出る血を取り出したタオルで慣れたように拭き取りつつ、引きずり出した左目と消滅した右目の再生が開始していると…

 

「おいっアンタ!いったい何してやがんだ!」

 

どうやら隣の部屋で会話や行動を監視されていたのか奏が怒りの感情を露わにして取調室へと入ってくる。

 

「お、その声は奏じゃないか。何って……ちょっとした実験さ」

 

「実験だって?目を引きずり出すのがなんの実験なんなっ!?

アンタ、目が…引きずり出した筈の目がなんで元に…」

 

「俺の使う錬金術が発動するかどうかの実験さ……あぁ、監視されるのは嫌いなんでこの部屋のカメラとマイクの接続は切らせてもらったよ?

目が元に戻ったのは俺が持っている力の一つさ……あ、目玉を引きずり出したの、響には内緒な?バレたら怒られるどころじゃ済まないだろうし」

 

「だからって!自分の目を引きずり出すだなんて正気じゃないだろ!」

 

まるで日常生活の一つかのように言う翔真に奏は近付き、胸ぐらを掴むと自身の方に引き寄せ怒鳴りつける。

 

「普通の人間なら正気を疑うだろうな。

だが、俺は普通の人間じゃない…それは奏も見てわかっているだろう?」

 

「だとしてもだっ!アンタが傷付いているのを知れば響が悲しむだろ!」

 

「それを言われちゃうと……何も言えないんだよね。だからさ、響が悲しまないためにも黙っていてくれないかい?」

 

「だったら、そんな事すんなよ……見ていたのがあたしじゃなくて響だったらどうすんだ…」

 

怒りの感情を露わにしていた奏の表情が段々と悲しみの感情へと変わっていけば胸ぐらを掴んでいた手の力が弱まり、最後には手を離すと俯き握り拳を作っていた。

 

「響が近くに居ないのはわかっていたよ…だから、実験をしたのさ。」

 

「は?どうやって響が居ないってわかったんだよ」

 

「さっき離れる前に響の体に錬金術でマーカーを付けといたのさ…あと1時間もすれば消える代物だけどね。

それにね、俺だって可愛い女の涙や悲しむ顔はあまり見たくないんだぜ?」

 

「なっ!?アンタ、いきなり何を言ってんだい!あ、あたしが可愛いだなんて……

あたしにそんなこと言ってもやった事に関しては許したりなんかしないんだからなっ!」

 

「はいはい……許して貰う必要は無いし、奏が可愛いのは本当の事だろ?

そんじゃ、そろそろ俺は響の所に行かせてもらいましょうかね……」

 

可愛いと言われて顔を真っ赤にしうろたえる奏とは違い、翔真は平然としながら黄色い液体の入った試験管を取り出す。

 

「だからっ!そんなこと言われてもあたしは絆されないぞ!

響の所に行くだって?ここからなんて出られないんだぞ?」

 

「そりゃあ、こうするのさっ」

 

一歩後ろへと下がる翔真が試験管を床に叩きつけると床に試験管が割れて液体が飛び散り、床に陣が一気に展開されて強く光り輝く。

 

「っ!待ちやがれ翔真っ!……クソッ!あの野郎、逃げやがったな!」

 

いきなりの事で咄嗟に視界を庇う奏だったが翔真を捕まえようと手を伸ばすが空を切り、光が収まるとそこには翔真も陣も割れた試験管さえも消えてなくなっていた。

 

「早くダンナに翔真の野郎が逃げた事を伝えないとっ!」

 

翔真が消えた取調室から出た奏は急いで指令室へと走って向かうのであった。




こちらは今年最後の更新となります

皆様、早いですがよいお年を!

読者にとってのメインヒロインは誰?

  • 立花響
  • 小日向未来
  • 風鳴翼
  • 天羽奏
  • 雪音クリス
  • フィーネ
  • マリア・カデンツァヴナ・イヴ
  • 月読調
  • 暁切歌
  • セレナ・カデンツァヴナ・イヴ
  • エルフナイン
  • キャロル・マールス・ディーンハイム
  • レイア・ダラーヒム
  • ファラ・スユーフ
  • ガリィ・トゥーマーン
  • ミカ・ジャウカーン
  • サンジェルマン
  • カリオストロ
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