戦姫絶唱シンフォギア 333回、転生した男   作:黒色晩餐

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読者が待ちに待った説教回となります!

尚、前回に続き流血シーンやらグロ系もあります


第8話〜奇跡は創り出す。遺物と石とヤンデレを…〜

血溜まりに落ちたタバコの火が大きな火柱と熱風と共に翔真を燃やす光景を見た全員が固まってしまう中、その火柱の中から見えていた翔真の人影がまるで全て燃えてしまったかのように消え、それを見てしまった響は膝から崩れ落ちる。

 

「嘘…嘘……きっとこれは悪い夢…翔兄が死ぬ筈ないもん……私と未来を置いて死ぬなんて!」

 

膝から崩れ落ちた響は目の前で起きた光景が信じられず、泣きながら夢だと現実から目を背け、まるで自分も一緒の火柱で燃え尽きようとするかのように立つこともせず、四つん這いで火柱へと近づき始める。

 

「っ!?響君、早まるんじゃない!」

 

「離してっ!くださいっ!私が、翔兄をあの中から助けなきゃならないんです!」

 

火柱に近付く響に気付いた弦十郎が駆け寄り、これ以上は火柱へと近付かないよう羽交い締めにして抱き上げ、それでも向かおうとする響は暴れて抵抗していた。

 そんな中、火柱を上げて燃える炎が一瞬だがユラリと揺らめくと徐々に火柱が人の形を成し始めると炎の中から声が聞こえ始める。

 

「さぁ、我が元に顕現せよ甕速日神(みかはやひのかみ)!贄は血と肉。火と骨を器とし、その姿を剣として形を成せ!」

 

まるで先程のショーの続きをするかの様に炎の中から聞こえる声が言葉を紡ぎ終えると、人の形を成し始めた炎が渦を巻きながら更に燃え盛る。

 そして、その渦が徐々に細くなり人一人が隠れられるくらい細くなると、最初から幻を見せられていたかのようにフッと炎の渦が消滅する。

 

「そして、ここからが錬金術の真骨頂!剣となりし神はその神話を辿り、別の姿へと創り変えられる!

ここにあるは天之尾羽張(あめのおはばり)!我が血と肉を贄にして創り出した神産みの完全聖遺物!

そして、これこそは幾重もの錬金術師が恋い焦がれる赤き石、賢者の石!これにて奇跡の一幕の終演である!」

 

消滅した炎の渦から出て来たのはコンクリートに突き刺された一本の剣と、まるで血を取り込んだかのように真っ赤に煌めく透明な石だけが山盛りに積まれ、声だけが聞こえているのだがそこに翔真の姿は無かった。

 響以外はまるで化かされたかのような反応を見せる中、暴れる続ける響が弦十郎の腕から抜け出した瞬間、響は走って先程まで火柱が上がり翔真を焼いていた所へ向かおうとするが…

 

「これぞ、道化が見せる奇跡ってね?楽しんでもらえたかい?」

 

弦十郎から少し離れた後方に最初から居たかのようにリクライニングチェアに座り、呑気にも失ったはずの左手で缶コーヒーを持ち、気楽そうにして飲みながら声をかければ全員がその方向を振り向いた。

 

「翔、兄?本当に翔兄なの?幽霊じゃない?」

 

「おいおい、幽霊だったら椅子に座って缶コーヒーなんて飲んでないし、足だって無いだろ?ちゃんと生きてる人間だってぇの」

 

「でも…でもっ!腕も斬られちゃって…火達磨になって……うぅっ…うぁぁぁ!翔兄ぃぃぃ!」

 

「えっ?ちょ!?ストップ!ストップ!響、ステイ!ステ゛ッ!?」

 

コーヒーを飲み干せば空間内に収納した後、立ち上がりリクライニングチェアも収納してから生きていると言えば大粒の涙を大量に流し、泣きだす響がギアを装着した状態のまま走り出せば翔真の方へと突っ込んでいく。

 それを見た翔真は響に止まるよう言うも止まるわけなく、頭を包み込むように勢い良く抱き付く響は力いっぱい翔真を抱き締める。

 

「イ゛ッ!?ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!潰れる!折れるっ!」

 

「もう逃がさないから………ニガサナイ………ニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ゼッタイニガサナイヨ?     」

 

ギュウゥゥゥゥっと馬鹿力で抱き締める響とは違い、翔真の叫び声と一緒に頭蓋骨からは骨が軋む音が聞こえ始める。

 響の馬鹿力+目のハイライトが消えた状態で何度も呟く言葉に色々ヤバいと感じた翔真が響を引き剥がそうと抵抗するも、手加減無しの本気の抱き締めに成す術はなかった。

 

「響っ!それ以上は翔真が本当に死んじまうぞっ!」

 

「そうだぞ響君!離れるんだ!」

 

流石に奏や弦十郎の二人もこれ以上は駄目だと感じたのか、翔真の顔にしがみついている響を引き離させようと引っ張るも離れる気配が一切無い響は抵抗し、抱き締める力を強めていく。

 

「ハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイハナサナイ………翔兄、どれだけ私を悲しませるの?私が泣く所をそんなに見たい?私がどれだけ心配してるか分かる?私にトラウマを植え付けたり、心を壊したりするのが楽しいの?ワタシノコト、ホントウニキライナノ?

そんな事するなら、私も優しくしないよ?手加減しないよ?もう我慢しないよ?翔兄、私だけの翔兄になって?だって翔兄、私と結婚するって約束したもんね?」

 

「ク…ソッ……未来を!小日向未来を連れてきてくれ!響と同室の子だ!このままだと俺が襲われる!」

 

翔真と引き離されると思った響が更に暴走すればこれ以上、抱き締める力は強くならないが襲う方へと切り替わり、貞操の危機を察した翔真が声を荒げながら未来を連れてくるように言う。

 翔真からのあまりにも必死そうな叫びに奏と弦十郎は響を引き剥がそうとするのを中断し、彼が連れてくるようにと言っている小日向未来と言う人物を連れてくる方へと切り替える。

 

「わかった!すぐに連れてくるからそれまで持ち堪えてくれ!奏君、何か少しでも進展があれば即座に連絡してくれ!」

 

「わかったよ !ダンナこそ早く翼を頼む!」

 

そう言った弦十郎は未だにうずくまったままの翼を抱きかかえ、奏に連絡役を頼むとその場から離れて未来を迎えに行くのであった。

 

「早く!早くしてくれ!長くは持ち堪えられない!」

 

「子供は最低でも男の子と女の子を一人ずつがイイヨネ?多くても二人ずつダヨネ?」

 

これ以上締まれば『高速再生』せざる負えない状況下になり、響は更なる妄想と欲望を膨らませていた。

 

「響、話しを聞きなさい!このままだと頭蓋骨が粉砕されて本当に死んでしまうから!だから離れなさい!」

 

「イヤ、イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ!……離れたらどこか行っちゃうもん…また翔兄が傷つく所を見せられるのイヤ…だから……ワタシガマモラナイト」

 

「話しを聞く耳は持たず、か…仕方ない…………影と光、万物織り成す全ては反転し消え、現れ、その存在を薄め、我を守れ。贄は右腕、(きた)る事象には左眼を捧げる」

 

翔真からの言葉にも耳を貸さず、拒否し、更に締め上げようとしてくれば『肉体・感覚強化』を限界ギリギリまで強化し、締めてくる腕だけでも無理矢理に少し引き剥がし隙間を作れば陣を作らずに詠唱を開始する。

 詠唱を終えれば肩から先の右腕の全てと左眼が消滅する。それを間近で見た響の顔が絶望と恐怖に染まると、翔真の姿がユラリと揺れた瞬間、まるでそこに存在していなかったかのようにパッと、消えれば顔にしがみついていた響は地面へと落ちる。

 

「へっ?ぶへっ!…翔兄!どこ!どこにいるの!翔兄!!」

 

「あー…危ねえ危ねえ……響、話しを聞けと言っているだろう」

 

地面に顔から落ちた響が起き上がり、翔真を探し周囲を見回すも翔真の姿は見えないと声を荒げながら翔真の名前を呼んでいると先程、創り出した天之尾羽張と賢者の石の山の前に片腕と片目が欠損したままの翔真が現れる。

 

「あ…ぁ……ちゃんと翔兄のお話し聞くからお願い…もう、自分を傷付けるのは止めて…お願いだよ翔兄…」

 

「心配すんな、このくらい掠り傷程度だしな?」

 

翔真の姿を見つけた響はゆっくりとした足取りで近づいて涙を流しながら自分を傷付けないでと懇願するも、翔真は掠り傷程度だと言う。

 だが、実際は響に締め上げられた以上の激痛が全身へと走っており、更には『高速再生』時の激痛もあるので並の人なら痛みで絶命する程であった。

 失った片腕は先ずは骨が再生し、それに続くように筋肉、血管、神経が再生、最後に皮膚の順で再生し、眼に関しては奥の方から眼球がゴリュッと生み出されるかのように一瞬で再生していた。

 

「俺の能力の一つでな、即死じゃない限りは深手の傷でもこうやって再生すんだよ。

だから、簡単には死なねぇ…それだけは約束してやる」

 

「でも、傷付きはするんだよね?私は翔兄が傷付くのを見るのが嫌なんだよ?怪我する所を見たくないし、苦しむ所も見たくないの…だから……マタ、ツカマエナイトネ?」

 

再生した腕と眼球の感覚や不具合を確認し、天之尾羽張と賢者の石を『異空間収納』へと回収しつつ喋る翔真にジリジリと近付く中、また目のハイライトが消えた響が翔真を捕まえるために飛びつこうとするも…

 

「響っ!待って!落ち着いて!」

 

「やっと来たか…未来ちゃん」

 

「えっ?未……来…?どうして…」

 

弦十郎によって連れて来られた未来が響へと声をかけると、ピタッと止まった響がこの場に居ない筈の相手が居た事に驚いた表情を隠せず未来の方に振り向く。

 

「翔真さんが連れてくるようにって。それと、連れてこられている間に響の事とかも色々と聞いたよ。

それと翔真さん、正座してください……他にも聞きたいことがあるので響と一緒にOHANASI、しましょうね?」

 

「ア、ハイ……お手柔らかにお願いします…」

 

流石は未来ちゃんだ。暴走していた響をああも簡単に止めるとは………あ、ヤバ…これはOHANASIと言う名のSEKKYOUだ……これ以上は刺激しないよう素直に従っておこう。

 

「それで翔真さん?昨日と今日だけで響を沢山泣かせたり傷付けたんですよね?」

 

「ハイ…仰る通りです…」

 

「それに響とだけイチャイチャしたり、響の前で腕を斬られて、大量出血して、自分を燃やしたりしたって聞きましたよ?」

 

「いや、イチャイチャはしてな…「イチャイチャ、しましたよね?」ハイ、しました」

 

「しかも悪役を演じて私や響が嫌いとかウザいとか言ったりして、仮面ライダー?って言うのに変身して響と戦った後で出血した事も聞きましたよ?無茶してもし、大怪我したり死んじゃったりして私や響が悲しむ事もわかってましたよね?」

 

「そんな事まで……いや、先に嫌われておけば、二人とも悲しまないかなぁーと思ってまして…」

 

「その程度で私達が翔真さんを嫌うとでも?それ以前にそんな嘘を私達に言ってもすぐにバレちゃうのわかってましたよね?」

 

「それはー……わからなかったかなぁ…」

 

「私や響がその程度で嫌ったりなんかしないですよ?小さい頃から翔真さんを見てきてますし、私と響の初恋は翔真さんなんですから。だからこれからは、ワタシモエンリョシマセンヨ?それに響にだけ2回、何でも言う事を聞くって約束したんですよね?その約束を私ともしてください」

 

「えっ??それマジ???いや、それは無「私にも約束、してくれますよね?」ウッス、わかりました……」

 

成人済みの男が正座し高校生の少女に叱られると言う、奇妙な状況の中で落ち着きを取り戻した響は未来の後ろに行き、ピタッとくっ付きながら未来のお説教を聞いていると…

 

「響?響とはさっき翔真さんを襲おうとした事を聞きたいのと、それに関しての約束事もしたいから後で、二人きりでOHANASIだよ?」

 

「ハイ、ワカリマシタ…」

 

目のハイライトが消えた未来が響を見て後でお話しだと言えば案の定、響もしょんぼりして素直に言う事を聞くのであった。

 それからしばらくは未来から翔真への説教が続き、ようやく終わればコッテリ絞られた翔真の顔がしわしわピカチ○ウのようになり、声も蚊の鳴くような声なくらい小さくなっていた。




これにて393からの説教回は終わりとなります。

実はこの話、前回の投稿がされる前には9割近く完成しており、393からの説教をどんな内容にするかで悩みでした。

この後も説教は続くのでお楽しみに〜

翔真の悪役ムーブ、感想は?

  • よし、もっとやれ
  • やり過ぎてビッキーと393に怒られろ
  • それよりイチャラブを見せろ
  • ヒロインを守って曇らせてしまえ
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