まぁ、SAKIMORIはイジるんですけど…
ニ課本部のトレーニングルーム内に突如として陣が出現し光輝き、その光が収まり陣が消滅すればそこには翔真に抱きつく響と未来、そして奏と弦十郎が居たのであった。
「あー…これも要改良だな。使う度に光ってたら敵に居場所がバレちまうから隠密行動すんのに向いてないな……そうなると、この文をこう書き換えて、アレとこの式の順番を入れ替えて……」
「ねぇねぇ翔兄、さっき本部全体に術式組み込んで好きな場所にテレポート出来るようにしたって言ってたけど…どうやったの?」
「んー……企業秘密じゃだめ?」
「私と未来が納得すると思う?」
また改良点を見つけるとそれに対する考察や変更点を考えていれば、抱き着いていた響が翔真の服を引っ張りどうやって術式を組み込んだのか聞くが、翔真は企業秘密だと言って誤魔化そうとするが誤魔化しきれず二人から睨まれてしまう。
「納得するとは思わないねぇ………でも、それよりも先に翼に会いに行こ?じゃあ弦十郎さん、案内をお願いしてもいいですか?」
「う、うむ……着いてきてくれ」
二人から睨まれてしまうと苦笑いを浮かべながらも無理矢理に話題を変えると、あからさまに不機嫌になった響と未来を見て弦十郎も遠慮気味にしながら翔真を翼の居る部屋へと案内するのであった。
案内されて移動している最中、職員とすれ違えば先程の錬金術ショーを見た人もいたらしく、恐怖に染まった顔や化け物を見るような目で見られたりしていた。
「ここに翼が居る。くれぐれもこれ以上、翼の心を壊さないでくれ」
「わかりましたよ…未来とも約束しましたし…まぁ、ちょっとお話ししてきますか…」
ニ課内のとある個室に案内されるとその部屋に翼が居ると教えられ、響と未来を自身から離れさせればその部屋の中へと入っていく。
「やっほーSAKIMORI、元気か?」
飄々としながら部屋に入った翔真は斬られた筈の左手で手を振りながら、部屋の隅で体育座りをしてうずくまっていた翼へと話しかける。
「っ!………貴方、なんで体が元に……あの時、私が斬ってしまったはずでしょ!?」
「んー…それを話すと長話になっちゃうからねぇ……先ずは、邪魔が入らないようにしないとね?」
そんな翔真の声に反応し、顔を上げた翼は自分が斬った筈の腕や手が元に戻っているのを見て、あり得ないといった表情をする中で翔真は収納していた賢者の石の中から、小石サイズのを1つと小さなナイフ取り出し、賢者の石を床にポイッと捨てるのであった。
「一体何をするつもりなの……また私を揶揄うつもり?」
「それは、お前の感じ方次第かな……
…………神が創り給うた箱庭は如何なる者の干渉も受けず、壊れず、扉も何も無く、そこにあるは広大な箱庭。故に不変不動なり。そして外界と箱庭を切り離せ」
また何かするつもりなのだろうと理解はしているも、初めて人を斬った時の恐怖から無力感で一杯一杯な翼は何もせずただ見ているだけだった。
そして翔真が自身の手の平を斬ると同時に、邪魔が入らないよう早口で詠唱すれば床に垂れた血と捨てた賢者の石が引き合い、石は溶け融合すると一気に広がれば室内を侵食し、室内全てが一瞬で真っ黒な空間へと早変わりした。
「なっ、何よこれ!貴方、本当に何をしたいわけ!?」
「まぁまぁ、落ち着け。すぐにわかるって…ここは『神々の箱庭』って言われてるヤツでね。聞かれたくなかったり、見られたくないことをする時とかに使う用に作った空間さ。
風鳴翼、お前にまだ戦う覚悟があるなら立って剣を持ち、構えな。人斬り、そして悪人の大先輩からのありがたい説法を聞かせてやるよ」
すぐに真っ黒な空間から遥か先まで見えないだだっ広く、草花が生えた土のある地面。
そして雲一つなく優しく穏やかな風が頬を撫でてくる空間へと変わると、突然の変化について行けなかったのか翼は沈んでいた表情からびっくりした表情へと変わっていた。
そんな翼に軽くこの空間の説明をしつつ翔真の纏っている空気が変わった瞬間、
「戦う覚悟なんてもうない…貴様が言った通りだ。私は、防人としても、剣としても…失格で、風鳴の血と防人の使命と言うハリボテを纏ったなまくらだ……
貴方を斬ったあの時、私は怖かった……あの、肉と骨を斬った生々しい感触が今もこの手に、しっかりと残っているのだ……」
「はぁ……人に言われた程度で失っちまう覚悟なんかゴミ箱に捨てて、新しく自分なりの覚悟を決めろ風鳴翼。そんなんだからまな板体型なんだよ」
「っ……って!私の体型は関係ないでしょ!体型は!」
翼は未だに残った生々しい感触に手を震わせ、涙を流すもそれを見た翔真は大きなため息を吐き、その程度の覚悟なら捨ててしまえと言いつつもついでにと体型もイジるのだった。
「恐怖に呑まれた程度で戦いを放棄するなら、これからはまな板かちんちくりん呼びするからな
ああ……あと、人を斬った感触を、恐怖を、一生忘れず、そして…怖じ気ついて戦う事をやめたりなんてするなよ。
それに、人を斬る感触とその事に対する恐怖を忘れたり、馴れちまったらそん時は…ただ人を斬る事を喜ぶ外道に成り下がるからな?」
「あの感触と恐怖を忘れたくても忘れられるわけ無いじゃない……もう、無理よ私は戦うのが怖い…怖いのよ……」
「じゃあ、お前が戦う事をやめた分、助かる命が助からなくなりその命達は無様に散って、戦いをやめたお前のせいで今まで助けた人々の数と同じか、それ以上の人が死んじまうなぁ?
良かったな。防人から、自分可愛さに他人を見捨てるただの人殺しになれてよ?お前がそれを望み、戦いから身を引くなら……俺はそれを盛大に祝福してやる」
「そう言うなら、どうすればいいのよ!私は…もう戦えない!……この身を剣と鍛え、防人の役目を果たさなければいけないのに怖い!私の振るった刃で誰かを傷付けるのが怖いのよ!」
今までノイズを斬り人を斬った事が無かった翼は翔真からの言葉に対し、怒りがこみ上がれば立ち上がると大粒の涙を流しながら反論し、自身が振るう刃によって誰かを傷付けるのが怖いのだと吐露する。
「だから、それが自分可愛さに他人を見捨てるって言ってんだろ?
さっさとシンフォギアを纏え。お前に、人を斬る恐怖を忘れ、淡々と刃を振るう、本当の人斬りが振るう刃ってのを見せてやる」
スッと、天之尾羽張の切っ先を向けられた翼はビクッと怯え、恐る恐る翔真の顔を見れば氷のように冷ややかで、感情を失った目を見るだけで翼は感じ取ってしまう。
今、目の前で天之尾羽張を向けてくる人物は無感情に、業務的に、ただ人を切り続け、その斬られた人達の返り血に塗れ、屍の山を作り上げる人斬りだと……
「貴方、本当に何者なのよ……まさか、私を斬るつもり?本気!?」
「本気だといったら?ほら、さっさとシンフォギアを纏わなければ頭と胴体が離れ離れになっちまうぞ?」
正面で自身に刃を向ける男からは本気で斬るつもりだと言わんばかりの殺気が放たれ、それに当てられた翼は一歩後ろへと後退し逃げようと考えるもこの空間から脱出する為の扉も無く逃げ場など無かった。
このままでは抵抗する前に斬られる、そう感じた翼は恐怖に震える手でペンダントを掴み、聖詠を唱えるのだった。
「Imyuteus amenohabakiri tron」
強い光が翼を包み込むように輝き、ギアを全身へと纏い、手には刀を持つがその手は刀から重くのしかかって来る恐怖とプレッシャーに震えていた。
「ハッハッハ!まるで生まれたての子鹿みたいに震えてるな?
まぁ……俺もちょっとだけ、本気出してやるよ…この空間だからこそ、可能な力でな?」
「一体何を言っているの……何をするつもり…」
「Fooloss abaddon amenoohabari tron」
『堕ちた道化は嗤い、地獄への道を歩み、戦い続ける』
また小石程度の小さな賢者の石を取り出し、それを口に入れ、ガリッと噛み砕き天之尾羽張を地面に刺すと聖詠を唱え始める。本来無理であろう理を魔術と錬金術を組み合わせ捻じ曲げ、使っているせいか目は真っ赤に充血し、血の涙を流し、耳や鼻からも血を大量に流していた。
適合者でもない翔真が聖詠を唱えるあり得ない光景を見た翼はあまりの驚きに言葉を失っていた。
「フッフッフ…アーハッハッハ!さぁ、本気を出せよ?風鳴翼…この俺を愉しませてくれ!」
地面に突き刺さった天之尾羽張から黒く紫色の小さな雷がバチバチと発生している煙が発生し、地面に広がればその中から大量の骸骨が湧き出し、翔真を煙の中へと引き込むように全身に纏わり付き、全身を覆えば意思を持っているかのように黒い煙も翔真の全身を包み込んでいく。
そして、その煙が晴れるとそこには全身真っ黒…まるで『ハザードトリガー』を使ったビルトの様な色をした『ブラッドスターク』が立っていた。
さて、メンタルブレイク中のSAKIMORIを励ますと言う名のイジりに来た翔兄!
何故、ギアを纏えるんだよ!と、言うか色違いの『ブラッドスターク』じゃねぇか!とツッコミ所が満載ですがその説明は後日談的なので解説を
また無理無茶して……後でどうなるか分かっててやってるんですかね?ドMなんですかねぇ!え?違う?ドMじゃなくて、何事も何かを成す為に犠牲は必要だからそうしているだけだ……との事らしいです。
やっぱり転生しまくってるせいで死生観とか色々とバグってますねぇ!
翔真の悪役ムーブ、感想は?
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よし、もっとやれ
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やり過ぎてビッキーと393に怒られろ
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それよりイチャラブを見せろ
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ヒロインを守って曇らせてしまえ