戦姫絶唱シンフォギア 333回、転生した男   作:黒色晩餐

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※注、これは逃走直前に録音したものを再生しています

さぁ、いよいよ始まった翔兄の貞操争奪戦!
方や、悪役ムーブやら色々とやり過ぎて心身共にボロボロな翔真!
方や、ヤる気スイッチ全開でヤる気満々、エネルギー満タン!真っ直ぐに一直線に、響!
方や、翔真の無茶に対してガチギレ&監禁して響と一緒にお世話をしたいとのこと、未来!
方や、ギアは無くとも恋する乙女は最強か!?その拳は未だ健在!真っ直ぐ突き進め、奏!

さあガチ逃げし、貞操を守ればロリコンと百合の間に挟まるクソ野郎の汚名は返上となるぞ翔真!それとも手を出し、男の甲斐性を見せるのか!?
あっ、ヤベッ…見つかった!つか初っ端からアークワンかよぉぉぉぉぉ!


第12話〜恋する乙女は愛に溺れ、巫女は道化の闇を見ゆ〜

ギアを纒った響に馬乗りで、しかも両腕は足に挟まれ拘束中……逃げるにしても唯一外に出るために緊急で作った出入り口には奏と未来が逃げ道を塞ぐようにして立っていた。

 

「あのー、響さん?この状態だと動けないし、抱き締められないんだけど?せめて馬乗りになるのだけは絵面がヤバいからやめてくれない?」

 

「翔兄、そんなことを言える立場なのかな?私の心はそこまで広くないんだよ?もう…限界だよ……翔兄が何考えてるかわかんない……」

 

「………ごめん、響…言いたくても今は言えない………だか「そんな翔兄を今から襲って、私達とこれからずっとイッショニイヨウネ?」……アカン!響、女の子がそんな顔をしちゃいけません!その顔は乙女じゃなくて肉食獣の顔!R-18の顔になってるから!」

 

「大丈夫だよ翔兄……動かなければすぐに終わるし、痛くしないから」

 

ゾワッと背筋が凍りそうな危機感に翔真の脳内アラートは激しく鳴り響く。

 コレはヤバい…正気を失っているとかのレベルじゃないと理解すれば冷や汗を流し始める。

 

「…なぁ響、ファーストキスが血の味って嫌じゃない?俺は嫌だなぁ……響との初めてのキスが自分の血の味だなんて…」

 

「私は問題無いよ?だって翔兄の血だもん……頭の先から足の指の先まで…髪の毛一本から血の一滴まで、翔兄の全てが私にとっては愛おしいし、誰にも渡したくないんだよ……でも、翔兄は優しくて、カッコよくて、強くて、多才で…だから私、未来と相談したの……そんな表面的な部分以外で翔兄に惚れた人が居たら、その人も仲間に入れてあげようって話したんだ…」

 

ファーストキスが血の味であったとしても何も問題ないばかりか、ハイライトが消え去った目で見つめてくる響の口から出るわ出るわ、狂愛に満ちた言葉の数々が……

 しかも未来も一緒になって複数の女性達で翔真を囲う計画を相談している事も自白した。

 

「響と未来は俺が他の人と付き合っても良いと………はぁ、何処から間違えたんだか………残念ながら響、この空間内はまだ俺の支配領域なんだぜ?逃げる事なんて簡単なのわかってないだろ?」

 

「何言ってるの?この状況で翔兄は逃げられると思ってるの?そんなの許さないよ…逃さない…逃さない………逃さない!」

 

「たっく……随分と歪んじまったな………まぁ、俺が原因だから叱りはしないけど…」

 

「捕まってるのに余裕そうだね翔兄?私を受け入れてくれる気になった?」

 

「いいや、残念ながら今の響に愛は囁やけないな。何故かって?今、馬乗りになっているのは俺ジャ…ナイ……カ…ラ…ナ……」

 

響からの狂愛に満ちた言葉の数々に目頭を押さえたいが両腕を動かせないので溜め息を吐くと、ピクッと反応した響が挟める力を更に強くしてきた。

 そんな状況下にも関わらずパニックにもならず余裕そうな翔真を見て響が怪訝そうな表情を見せる中、ニヤリと笑みを浮かべた翔真の顔が、全身が、着ていた衣服さえも、まるで火に炙られた蝋人形のようにドロッと溶け始めればその姿は骸骨へと成り果てる。

 

「っ!?また逃げた……なんで!なんで毎回逃げるの!私から沢山大好きって言ってるのに!なんでなの!」

 

骸骨へと成り果てた翔真を見た響は拳を握り締め、その骸骨を粉砕するように何度も何度も地面を殴り、大きなクレーターが出来るまで殴り続けた。

 

「そりゃあね、俺は成人で響は未成年だからだよ。大人が子供に手を出すのは駄目だって何回も言っているじゃないか」

 

元々そこにあったかの様に無数の姿見が同時にパッと出現すればその鏡に翔真の姿が映し出され、更にはこのだだっ広い空間中に反響するように声が聞こえ始める。

 

「翔兄はなんでそうやって何時もはぐらかすの!法律があるからだとか!まだ子供だからとか!私と未来の事が嫌いなら嫌いって言ってよ!」

 

「二人の事は嫌いじゃないさ…と言うか大好きだよ。ずっと側に居たいくらいにはね?」

 

「ならっ!側に居て!ギュッて抱き締めて!翔兄が居るって感じさせてよ!翔兄が消えちゃいそうで怖いの…翔兄が離れていっちゃうって考えると、頭がおかしくなっちゃいそうなの!」

 

どうやら響がこうなってしまったのは今まで翔真が響や未来からの好意をのらりくらりと躱したり、誤魔化していたことによって積もり積もった愛情が傷付く翔真を見た事により狂ったのが原因らしい。

 なんとなく原因が自分にあるのを察した翔真は響を宥めようとするも逆効果となり、急に涙を流し始めながら狂ったように周囲に現れた鏡を壊し始める。

 

「側に居てあげたいけどねぇ…襲われるのが分かっていると、安易に近付くのは避けたくなるのが人としての性よねぇ……じゃ、一先ず落ち着いて話せる場所に移動しましょうかね…

響、未来は襲ってくるの禁止だよ?ご近所さんに迷惑をかけてしまうからね」

 

「ちょっと待ちな!何処に移動させるつもりか先に教えるのが通りってものだろ!」

 

鏡に映っている翔真の手にテレポートジェムが握られてるのを見ればまた、何も伝えられる前に転移させられると思った奏が行き先を教えろと言う。

 

「あ、言ってなかったね。転移先は俺が借りている部屋兼工房のリビングだよ」

 

「えっ?翔兄のお家!?本当!?あんなに行きたいって言っても連れて行ってくれなかったのに!!」

 

「もうね、何回も戦闘したり錬金術とか色々と使い過ぎて触媒に使う素材が尽きるから補給と、血だらけの体を洗い流したいのと、新しい着替えも取りに、ね?」

 

「翔兄のお家…翔兄の寝室で……翔兄と朝を…ふふっ…うへへへ…」

 

「よし、行くか。この空間もそろそろ崩壊するし……また作るのに素材集めから開始かなっと!」

 

翔真の自宅と言うワードに狂ったように暴れていた響が一瞬で正気に戻ると、そのまま妄想の世界へと入っていくのを見た翔真は未来と奏からの了承を得る前にテレポートジェムを叩き割ると翔真以外の足元に陣が出現し、自宅へのリビングへとテレポートさせる。

 

「さてさて、後片付けはちゃんとね……このまま崩壊したらプチブラックホールでこの部屋以外も消滅しちゃうし」

 

無数の姿見の一つの中からタバコを咥えた状態で出てくると、吹き飛ばされたドアがあった場所から一度部屋から出てタバコに火を点けるとゆっくり吸い、煙を吐き出せば廊下全体は濃霧により視界不良となり周辺のカメラさえ機能しなくなる。

 

箱庭よ元の位相へ還り、戻れ

よしよし、後片付け完…………来たか。櫻井了…いや、今はフィーネと言えば良いかな?」

 

数回、タバコを吸っては煙を吐くを繰り返しながら半分まで吸い、その吸い殻を『神々の箱庭』の中へ捨て指を鳴らすと同時に理外言葉を呟くと箱庭内部全体に罅が入り、砕け、消滅すればそこには先程まで翼が引き篭もっていた一室だけが無傷で残っていた。

 そして、自宅へと帰ろうとするも濃霧内の気配に気付けばニッコリ笑みを浮かべ、濃霧内の人物へと喋りかける。

 

「あら、どうやって私の正体に気付いたのかしら?」

 

「この煙って、視界を悪くするのと電子機器を一時的に使用不可にするだけじゃなくて、人払いとその人払いの影響を受けない存在を感知するセンサーの役割も兼ねてるんだよねー」

 

「そう言う意味じゃなくて「なんでフィーネと言ったかだろ?」っ!?……誤魔化すつもりは無いようだな」

 

「何故、俺が君の正体を知っているのかを知りたければ君の計画を滞り無く、確実に進める事だ……俺はその計画の最終段階が起動する迄はちょっかいをかけるくらいはするが『邪魔』は、しないさ」

 

濃霧の中ではお互いの声しか聞こえない状況で何時もの様に道化らしく喋り、計画の邪魔はしない事をフィーネへと伝える。

 

「だとしても、それは私が計画を実行させる以上、お前を消さぬ限りお前の存在が不確定要素となるなら……」

 

「俺を始末しようとするならば『邪魔』をし、カ・ディンギルを破壊する…そして小娘、貴様の魂を消滅させる…いいな?これは冗談でも無く、嘘でも無いぞ」

 

そんな言葉を信用出来ないフィーネは自身の正体をバラされる前に、ほんの一瞬だけだが始末しようと思考した途端、一瞬にして全身がバラバラの細切れにされるイメージが脳内を、全身を襲う。

 そして少しだけ濃霧が晴れ、フィーネから翔真の顔が見えたがその顔からは表情が見えなかった。

いや、顔そのものが無かったのだ……何故なら、顔があった場所は真っ黒な穴となり、その奥底は光さえも飲み込み、どんな生物でも死を感じ、見るだけで身の毛がよだち発狂しそうな程の闇が蠢いていた。

 

「っ……はっ!…はぁ…はぁ…お前はいったい……いったい何者…だ!」

 

「忠告はしたぞ、先史文明の巫女よ……我は、我が身を脅かす者には容赦はしない…それが神であろうが肉親であろうが、だ。我が身を脅かさない限りは好きにせよ………我も他の者に貴様の正体はバラさずにおいてやろう。

………じゃ、そういう事なんで俺を愉しませてくれよ?特等席から見させてもらうから。あと、響達も待っているし帰るね〜」

 

正面からその闇をモロに見てしまったフィーネは脂汗を額に浮かび上がらせ、翔真の正体を聞き出そうとするがそれに答える気配も無く、自身の言葉だけを伝えてから顔をゆっくり下げ、ゆっくり上げるとそこには元の翔真の顔があった。

 そしてニヤリと笑みを浮かべ、リビングでは無く自分の部屋に転移するテレポートジェムを割ると陣が現れ、その姿は消えた。

その際に翔真の背後にあった濃霧には多数の人、人以外の人の形をした種族、そして翼を畳んだ巨大なドラゴンの影が見えるも濃霧が晴れるとそこには壁しか無かった。

 

「なぁ響に未来、なんでリビングに居るはずなのに俺の部屋で全裸なの?それに奏は?」

 

「いつまで経っても翔兄が来ないから、戻って来た翔兄を何時でも襲えるように?

奏さんはリビングで待ってるって言ってたよ」

 

「私も響と同じ理由ですよ。翔真さんがあまりにも焦らしてくるからですからね?」

 

自室に転移すればベッドの上に何故か全裸で正座していた響と未来に頭を悩ませる翔真はその状態で待っていた二人に問いかけると素直に答える二人。

 なんで転移先がわかったのかは聞かないでおこう……聞いたら後悔しそうだ。

 

「そういう理由だってのはわかった……風邪引くとあれだから布団の中に入ってなさい…シャワー浴びて着替えてくるから…」

 

はぁ…と溜め息を吐きながらも二人に布団に入っているよう言えばこの後の事に期待しているのか、素直に従い布団に入ったのを見れば自室から出てリビングへと向かった。

 

「奏は二人と一緒に待たないの?」

 

「バッ!バカ言ってんじゃないよ!あたしはアンタに説教する為についてきたんだ!さっさとその血塗れの体をキレイにしてこい!」

 

「はいはい……あ、シャワー中に入って来ても良いからな?」

 

「さっさと入って来い!このアホンダラ!」

 

リビングのソファに一人で座り、緊張した面持ちの奏へ揶揄うように言えば顔を赤くし、照れ隠しなのかソファに置いてあったクッションを翔真へ向かって投げれば簡単に避けつつ、続けて揶揄うと髪を逆立てそうなくらいの勢いで残りのクッションを全て翔真へ当てるつもりで投げる奏だが、翔真はそれを避けながら洗面所へと消えていった。

 

「クソッ……何なんだよアイツ…あの二人だけじゃなくて、あたしとまでするつもりなのかよ…

なんで…なんで、アイツみたいな男なんかを好きになっちまったんだよ………あたしは…」

 

翔真が浴室へと消えた後、ソファに体育座りの状態で丸まれば横に倒れ耳まで真っ赤にさせながら小さな声で呟いていた…

 

「うわ、無茶しすぎた……響達に見せられねぇな……」

 

シャワーを浴び全身の血を洗い流しながら浴室の壁に設置された鏡を見ると、無理な『高速再生』で再生した箇所は罅割れた様に亀裂が走り、そこから今にも崩壊しそうな状態となっていた。

 

「前側は塗れるが背中はな……どうしようかねぇ………」

 

塗ってから24時間限り、傷口を誤魔化す用の塗り薬で手が届く範囲を塗れば、塗った範囲の亀裂がスゥと消え、見えなくなると例え触れても亀裂が有ったなどわからなくなっているも、手が届かない範囲はどう塗ろうか悩んでいると……

 

「オイッ、翔真。アンタが誘ってきたんだから揶揄うなよなっ」

 

「ああ、奏か……揶揄わないよ。バスタオルはそこの棚に入ってあるから」

 

脱衣所から奏の声がすればどうやら誘いを受け入れ、一緒にシャワーを浴びるつもりらしく言われた場所に置いてあったタオルを体に巻いて浴室へと入ってきた。

 

「翔真、なんであたしだけを誘っ!?なんだよその背中の傷……大丈夫なのか?」

 

「大丈夫大丈夫。飯食って寝れば治るから……あ、背中の傷にこれ、塗ってくんない?」

 

「あ、ああ…これだな?……って、はぁ!?」

 

浴室に入った奏が一番初めに目にしたのは背中の大きな亀裂だった。そんな大きな亀裂を見て心配する奏だが、翔真は気にせず塗り薬の入った容器を渡してはそれを言われた通りに奏は背中の亀裂に塗り始める。

 薬を塗られた後の亀裂が瞬く間に消えると奏は驚きの表情を晒し、亀裂のあった場所をペタペタと触り始める。

 

「くすぐったいよ奏……これも錬金術の賜物だけど、俺用だから別の人が傷口に塗ると爛れて肉が腐るからな?」

「いや、だって…さっきまで此処に酷い傷が……って!なんでそんな物をあたしに塗らせたんだよ!」

 

「でっ!?…いつつ……刃物でバッサリ切った傷口とか銃創じゃなければ爛れて肉は腐らないから大丈夫だって。そんなに怒っていると、綺麗な顔が台無しだぜ?」

 

「んなっ!?いきなり何言ってんだよっ……」

 

薬の注意点を話せばその内容に奏はバシッと翔真の背中を思い切り叩く。

 叩かれた付近を擦りながらも大怪我じゃなければ問題無いと言いつつ、後ろを振り向き奏と向かい合えば頬を撫でるように触りながら微笑みかける。

 シャワーを浴びた事で濡れた髪と温まった事で赤らむ頬と微笑みにより、どことなく艶っぽい雰囲気を醸し出していた。それを目の前で見てしまった奏は顔を赤くし、恥ずかしいのか視線を逸していた。

 

「奏は綺麗だよ……凄くね…それに、いい匂いもする……」

 

「バカッ……褒めたって何も出な…ひゃっ!」

 

「ん…柑橘系だね…それに、少し甘い匂いも……もう少し柑橘系の匂いが強めの方が俺の好きな匂いかな……」

 

「んっ…や…めっ……翔…真っ……」

 

視線を逸らす奏を真っ直ぐ見つめながら褒めるも、微かに香る匂いに気付けば首筋へと顔を埋め、ギュッと抱き締めれば匂いを嗅ぎ始める。

 いきなりの翔真の行動にびっくりし、抵抗を試みるも服の上からではわからなかったが、がっしりと鍛えられた肉体相手にはびくともせずされるがままとなり、シャワーの音でかき消されてはいるが奏の艶めかしい声が微かに聞こえたとか。




皆さん、作者の代わりに今回の後書き担当に選ばれました小日向未来です。

私と響が先に好きになったのに先に奏さんを可愛がっちゃったり、体の方が大変な状態なのに内緒にしちゃうなんて、翔真お兄ちゃんってば……ワルイヒト…
これは響と一緒に翔真お兄ちゃんをOSIOKIしなきゃ駄目なのかな?
もし、あんな場所で奏さんとしちゃってたら……フフフフ…ウフフフフフ……

翔真の悪役ムーブ、感想は?

  • よし、もっとやれ
  • やり過ぎてビッキーと393に怒られろ
  • それよりイチャラブを見せろ
  • ヒロインを守って曇らせてしまえ
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